戦兎『なんだ、お前もヴィランと戦ってたのか。』
万丈「まあな。でもボスのウルススって奴はやばかったな。"個性"使ってると無茶苦茶デカくなるし。ま、ウルススはリューキュウが倒してくれたんだけどよ、そいつがハンマーロストフルボトルを腕に挿してハードスマッシュになっちまってな!しかも意識もあるし!」
戦兎『意識があるってことはハザードレベル2.0を超えてるってことか。たまたまロストフルボトルを拾ったんだろ。それに"個性"の影響でハザードレベル2.0を超える人間も前世界より増加してることが分かってる。まあ色んなことが重なってのハードスマッシュだ。今回のはレアケースだな。』
万丈「んで、結局ウルススを倒せたわけだけど…流石にハードスマッシュはスクラッシュドライバーねえとキツイって!」
戦兎『文句言うなら早くハザードレベル上げなさいよ!ってなわけで今回から俺が主役の第29話、始まるよー!』
切島「アッハハハハハ!!!爆豪!何だその髪型!!!」
戦兎が教室のドアを開くと、切島と瀬呂の笑い声が響いてきた。なんと爆豪の髪型が8:2分けになっていたのだ。職場体験明け早々から戦兎は耐えきれずに吹き出すと、
爆豪「笑うな…!癖ついちまって洗っても取れねえんだよ…!おいお前ら笑うなぶっ殺すぞ!!!」
とキレながら叫ぶ。ついでにその怒りで髪の毛も爆発。いつもの髪に戻った。そのことがさらに笑いを誘う。
他にもみな多種多様な経験をしたそうで、それぞれの話についてみんな盛り上がっているようだ。ヴィランを捕まえた者、武道を学び悟りを開いた者、女性の真実を知った者など、貴重な体験をしてきたようだ。
上鳴「ま、一番変化というか大変だったのはお前ら4人だな!」
瀬呂「そうそうヒーロー殺し!命あって何よりだぜ。マジでさ。」
切島「エンデヴァーが救けてくれたんだってな!さすがNo.2だぜ!」
爆豪に制服を掴まれながらそう言う瀬呂と切島。
みんなに伝わっている情報は真実じゃない。本当は彼ら4人が倒した。特に最後の方は戦兎がほぼ圧倒し、逮捕にまで追い込んだ。轟はそのことをつい言いたくなったが、グッと飲み込んで
轟「そうだな。救けられた」
と俯いて言った。
尾白「俺ニュースとか見たけどさ、ヒーロー殺しヴィラン連合ともつながってたんだろ?もしあんな恐ろしい奴がUSJ来てたらと思うとゾっとするよ…」
上鳴「でもまあ確かに怖えけどさ、尾白動画見た?アレ見ると一本気っつーか執念っつーか。かっこよくね?とか思っちゃわね?」
緑谷「上鳴くん!」
上鳴がそう言ったその瞬間、辺りが静まり返る。緑谷が注意し、上鳴が咄嗟に謝るが気まずい雰囲気になってしまった。
ヒーロー殺しステイン。彼が気絶する直前、最後に言い放った言葉が誰かに録画され、それらしい編集を付け加えた動画がネット上に広がっていた。削除と再アップロードのイタチごっことなっていたが、世間の間で話題になっている。
戦兎「そうだ、みんなフルボトルの成分は収集してきてくれたか?せっかくだし回収しとかなきゃな!」
気まずい沈黙を破ろうとしたのだろうか、戦兎はボトル収集を始めた。しかしそんな戦兎の肩を飯田は軽く叩く。
飯田「気遣いありがとう。でも大丈夫だ。…確かに信念の男ではあった。クールだと思う人がいるのもわかる。ただ、奴は信念の果てに粛清という手段を選んだ。どんな考えを持とうともそこだけは間違いなんだ。俺のような者をもうこれ以上出さぬ為にも、改めてヒーローへの道を俺は進む!さァそろそろ始業だ。席につきたまえ!!!」
自分がこうありたいと言う想いを盛大に語った。緑谷、轟、戦兎には特に彼の想いが伝わる。しかしそれはそれ、これはこれというように
戦兎「いや、普通にボトル集めたいんだけど…」
とボソッと呟いた。気まずい雰囲気をなんとかしたかったわけじゃなくただ単にボトルが欲しかったのだろう。やはりいつもの戦兎と言った感じだろうか。
しかし結局フルボトルを全て回収し終えたのは昼休みだった。
オールマイト「ハイ、私が来た。ってな感じでやっていくわけだけどもね、ハイ。ヒーロー基礎学ね。久し振りだ。少年少女、元気か!?」
今年ももう6月。二ヶ月も授業をしていたらネタも尽きていくのが当然だ。
オールマイト「職場体験直後ってことで今回は遊びの要素を含めた救助訓練レースだ!」
飯田「救助訓練ならUSJでやるべきではないのですか!?」
ステイン戦でボロボロになってしまったため、コスチュームを着用していない飯田。腕も麻痺して上手く動けないようだが、授業には参加するようだ。
オールマイト「あそこは災害時の訓練になるからな。私は何て言ったかな?そう、レース!ここは運動場γ!複雑に入り組んだ迷路のような細道が続く密集工業地帯。5人4組に分かれて1組ずつ訓練を行う。私がどこかで救難信号を出したら街外から一斉スタート!誰が一番に私を助けに来てくれるかの競争だ。もちろん建物の被害は最小限にな。」
そういいながらスーッと爆豪に指を指す。はじめてのヒーロー基礎学時にビルを大規模破壊したことを未だに根に持っているようだ。
オールマイト「じゃあ初めの組は位置について!」
緑谷、尾白、飯田、芦戸、瀬呂の5人が所定の位置につく。
上鳴「飯田まだ完治してないんだろ?見学すりゃいいのに」
切島「クラスでも機動力良い奴が固まったな」
八百万「うーん、強いて言うなら緑谷さんが若干不利かしら」
耳郎「確かにぶっちゃけあいつの評価ってまだ定まんないだよね」
八百万「何か成す度大怪我してますから…」
A組のみんなはそれぞれ誰が1番かを予想する。殆どが飯田、芦戸、尾白、瀬呂のいずれかに投票する中、戦兎と轟は目を見合わせた。
彼ら2人は保須事件時、緑谷の素早さを目にしており、みんなが彼の成長度合いに驚くのが楽しみだ。
オールマイト「それでは救助訓練スタート!!!」
開始と同時にみんな一斉に走り出す。その中でやはり注目を集めたのは緑谷だった。
緑谷「うってつけすぎる!修行に!!!」
だった5%しか出力できないものの、骨折を克服して素早く動けるようになった緑谷は優勝できる可能性も残されている。しかし…
オールマイト「瀬呂少年Win!おめでとう!」
最終的に瀬呂だった。緑谷は悪い足場の中で滑って転倒。そのまま瀬呂に抜かされてしまった。
オールマイト「一番は瀬呂少年だったが、皆入学時より個性の使い方に幅が出てきたぞ!この調子で期末テストへ向け準備を始めてくれ。それじゃあ第二試合と行こうか!」
と、言うわけで第二試合。選出された組は爆豪、八百万、轟、蛙吹、そして戦兎だ。
上鳴「これまたクラスでも上位のやつが揃ったっちゃ揃ったけど…」
切島「ぶっちゃけ一位は戦兎だよな…。体育祭ん時もB組の万丈を圧倒してたし。」
やはり戦兎が一位という雰囲気が漂う。体育祭以降、爆豪、轟、戦兎の3人を合わせてA組スリートップなんて一括りにされることもある彼らだが、実情は戦兎がぶっちぎりでトップに立っている。
爆豪(今度こそあのボトル野郎には絶対負けねぇ…)
爆豪らもそのことを気にしているようで、勝利に燃えているようだ。
オールマイト「それでは救助訓練スタート!!!」
その瞬間、爆豪、轟、蛙吹がそれぞれ爆破、氷結、跳躍を繰り出してトップ争いを繰り広げる。八百万は創造に時間がかかっているようだ。そして戦兎はと言うと…
戦兎「さぁ、久々に実験を始めようか。」
新たに手に入れたフルボトル2本を手に握り、シャカシャカとボトルを振って成分を活性化させる。
【Taka!Gatling!Best Match!!!Are you ready!?】
戦兎「変身!」
【天空の暴れん坊!!!ホークガトリング!!!イェーイ!!!】
そして戦兎は仮面ライダービルド、ホークガトリングフォームへと変身。すぐさま翼のソレスタルウィングを大きく展開して飛び立つ。
緑谷「戦兎くんのアレ、新しいフォーム!右側はタカっぽく見えるけど… 猛禽類の系統かな?そして左側は…機関銃、ガトリングだ!なるほど、猛禽類の高速飛行とガトリングの連射で相手を翻弄して倒す感じになるし、空も飛べてるのが強いな…。何せ僕らA組の中で空を飛べるのは爆破で滞空するかっちゃんくらいなもんだし…」
芦戸「相変わらず緑谷は変わらんね〜」
緑谷「あっ、ご、ごめんつい!」
モニターに映されている戦兎の映像を見ながらぶつぶつと解析を始める緑谷。もう癖になっているのだろう。
そんな注目の的となっている戦兎は、どんどんと加速して他の4人に迫っていく。ついにはそんな4人を追い越し、トップに躍り出た。
爆豪「(クソッ、また俺がチンタラしてる間にボトル野郎と差ァ開いちまったッ…!)俺を追い越すんじゃねえ!!!」
爆豪は焦燥を感じながら戦兎に怒鳴りつけ、さらに爆破の勢いを激しくさせる。妨害したい…というのが爆豪の本音だったが、それをすれば減点だ。これはあくまで救助訓練。勝つにはより速くなるしかない。
瀬呂「おっ、見えてきた…って、爆豪と戦兎が並走してる!?」
残り100m。戦兎は最大限の加速をし、爆豪もそれに食らいついている。
残り50m。右足のガンバトルシューズについている足裏の特殊火薬をドカンと爆破。更に推進力を得て加速する。
爆豪「爆破も使えんのかよテメェ…ッ!」
その加速で戦兎の方が身体一つ分先にゴールに到着。少しして爆豪がゴールに突入した。そして轟、蛙吹、八百万と続いた。
オールマイト「救助してくれてありがとう!ってなわけで今回は桐生少年が一位だったが、みんな"個性"の使い方良くなってきたんじゃないか?」
爆豪「チッ…」
戦兎に負けたことが悔しいのか悪態をつきながらその場に座り込んだ。そんな爆豪に戦兎は歩み寄って
戦兎「良い勝負だった。本気でやらなかったら負けてたかもな。」
と、手を差し伸べた。さらに瀬呂や芦戸も彼らに近づいてくる。
芦戸「流石爆豪だよー!最後どっちが勝つか分かんなくてワクワクだった!」
瀬呂「ぶっちゃけA組で戦兎とあんだけ互角に戦えるのお前くらいだと思うぜ?体育祭ん時もお前すげえ奮闘してたしな!」
不貞腐れている爆豪にそう声をかける。『うるせえ…』と言い返し、彼らから少し離れたが、なんとなく満更でもないようだ。
緑谷「やっぱり2人ともは凄いなぁ。戦兎くんもかっちゃんも。」
戦兎「ああ。爆豪はすげえよ。もちろん緑谷もな。」
実際に"個性"を制御できているところは以前にも見たが、これほどにまで上手く扱えるようになっているのに驚いた。しかもまだ100%ではないと言う。100%で制御できるようになったら、ビルドの基本フォームなんかすぐ越えられてしまうかもしれない。
緑谷「あっ、そういえばその新しいフォームについて色々と聞かせてくれないかな!?これからの参考にしたくて!」
戦兎「まあ良いけど…」
緑谷「ありがとう!早速だけど…」
緑谷はどこからかヒーローノートとシャーペンを取り出し、ツラツラと機能についての質問をする。そしてそれに丁寧に答える戦兎。
この一問一答形式の質問タイムは救助訓練が終わるまでずっと続いたのだった。
戦兎「さ、職場体験も終わったってことで恒例のフルボトル紹介やっていきますよっと。いつも通りボトル名、人物名、"個性"、備考って感じだからよろしく。」
万丈「今回はバイクフルボトルからだっけ?久々すぎてよく分かんねえな。」
戦兎「えっと前に紹介したのが第13話だから16話ぶりか。あの時からずいぶんボトルも増えてるし、全てのボトルが集まるのが楽しみだな。」
万丈「つかボトル集めて何すんだよ。別にパンドラボックスがあるわけじゃねえんだし。」
戦兎「そりゃあビルドが強くなるから集めてるに決まってるでしょうが!それに60個全部集めたら天才的なことが起こるの!」
万丈「じゃあその天才的なことって一体なんなんだよ」
戦兎「それは…まあ…。そ、そんなことより早く俺たちが手に入れたボトル紹介するぞ!知らせなきゃいけないこともあるんだし!」
万丈「素直に知らないって言えば良いだろ…。誤魔化してんじゃねえよ…」
・バイクフルボトル 石動美空 "無個性"
・フェニックスフルボトル エンデヴァー "ヘルフレイム"
・パンドラボックスの残留物質 万丈龍我 "無個性" 万丈に眠るエボルトの遺伝子から抽出された物と思われる。詳細は不明。
・冷蔵庫フルボトル 轟冷 "氷を操る"
・スケボーフルボトル 野良ヴィラン "滑走"
・ドラゴンフルボトル(2本目) リューキュウ+ロードラゴンフルボトル "ドラゴン"
・ドッグフルボトル 面構犬嗣 "個性"不明 不明と書きましたがどう考えても犬です。ただ公式発表はないので不明です。
・クマフルボトル ウルスス "大熊"
・ジェットフルボトル グラントリノ "ジェット"
・ガトリングフルボトル ガンヘッド "ガトリング"
・タカフルボトル ホークス "剛翼"
・潜水艦フルボトル セルキー "ゴマフアザラシ"
・海賊フルボトル インスマス "蛸" アニメ32話に出てきたアニメオリジナルのヴィランです。どう考えてもタコですがやってることは海賊なので海賊フルボトルになりました。
戦兎「というわけで今回手に入れた本数は、2本目のドラゴンフルボトルと残留物質を除けば11本、合わせて41本だな。」
万丈「新しいベストマッチはサメバイク、フェニックスロボ、スパイダークーラー、ドッグマイク、ホークガトリングの五つか。」
戦兎「ホークガトリンガーが使えるようになったのは嬉しいな。しばらく飛び道具なかったし。」
万丈「良いなぁ…。俺も早くクローズチャージになってフルボトル使えるようになりたいぜ…。」
戦兎「ということでフルボトル紹介は終わり!ここからは次回に関してちょっとお知らせだ。次回はアニメオリジナルの回を含めた特別編。その名も『Training of the Dead編』!当然見てない人や知らない人もいるかもだからそこは自己責任だな。ま、案の定万丈は出ないんだけど。」
万丈「またかよ!なんか俺の扱い酷くない?」
戦兎「A組の話なんだからしょうがないでしょうが!そんなわけで次回も楽しみに!」