天才物理学者と筋肉バカのヒーローアカデミア   作:いぷしろん

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戦兎「仮面ライダービルドで天ッ才物理学者の桐生戦兎は、職場体験を終了し久々に顔を合わせたA組生徒たちから多くのフルボトルを回収した。そしてその日の午後は救助訓練と称し、遊びのようなレースが行われることになる。」

万丈「やっぱり戦兎たちもそれやったのか。ありゃ楽しかったしまたやりてえなぁ…。」

戦兎「そういやお前は何位だったんだよ。」

万丈「二位だった。1人クソ速いやついたからしゃーねえな。ってかそういうお前はどうだったんだよ。」

戦兎「当然俺が一位だったに決まってんだろ?仮面ライダービルド、ホークガトリングフォームに変身して、あっという間に一位になっちまったからな。…まぁ、爆豪には負けるかと思ったけどな。」

万丈「負けそうになったのかよ!たくさんベストマッチあんだから余裕で勝てよ!」

戦兎「そんなこと言っても無理なもんは無理なの!だいたいお前は一位にすらなってないでしょうが!そういうのは一位になってから…」

万丈「つーわけでどうなる第30話!」

戦兎「ちょっと無視するんじゃないよ!!!」















Training of the Dead編
−1/B(4)=5/Σ[k=0→3]C(5,k)B(k.)=30話


相澤「いきなりだが本日のヒーロー実習に勇学園のヒーロー科4名が特別に参加することになった。」

 

「「「突飛な新キャラキタァー!!!」」」

 

職場体験が終了し、いつもの日常を送っているはずの6月下旬。雄英高校1年A組のクラスに他校の生徒が飛び入り参戦してきた。相澤の隣に陳列している彼らがそうである。

 

戦兎「これはボトルゲットチャンス…!ちょっと失礼。」

 

そんな彼らに向かって一目散と駆け出したのが我らがヒーロー、桐生戦兎だ。席を立ち、エンプティフルボトルをかざして成分の抽出を目論む。しかし誰1人として成分が出現しなかった。

 

戦兎「ダメか…。せっかく成分採取できると思ったのに…」

 

相澤「お前はいきなり何してるんだ。」

 

相澤は失礼極まりない態度をとった戦兎に注意しながら、学級日誌で軽く頭を叩いた。しかしそのような行動を取ったのは彼だけではない。女子に興奮したり女子に連絡先を聞こうとしている輩もいた。峰田と上鳴だ。彼らもまた相澤に叱られた。

 

相澤「では自己紹介を。」

 

赤外「はい。私は実習に参加させていただく勇学園ヒーロー科、赤外 可視子です。」

 

多弾「同じく、多弾 打弾です。よろしくお願いします。」

 

藤見「藤見…。」

 

そう言ったところで藤見は爆豪と目があった。彼からは爆豪と同じ匂いがする。

 

相澤「ん?もう1人いるはずだが…」

 

実習生は4人。残りの1人は恥ずかしがって赤外の背中に隠れていた。チラッと彼女が顔を見せると、蛙吹がそれに反応。すぐさま駆け出し、互いに抱擁した。

 

藤見「万偶数!雄英の奴なんかと仲良くしてんじゃねえ!」

 

爆豪「おい今何つった!?二流のクソ学生が!!!」

 

予感的中。同類の彼らは互いに睨み合い、威嚇し合っている。相澤は「恥を晒すんじゃない」と咎めた。

 

相澤「時間だ。全員コスチュームに着替えてグラウンドオメガに集合。飯田、勇学園の生徒たちを案内してやれ。」

 

飯田「承知しました!」

 

相澤がそう話している時も常に睨み合っている彼ら。一体どうして初対面でここまで険悪になれるのか。この先が思いやられる…とこの場の誰もがそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相澤「よし、全員集まったな。今日のヒーロー実習を担当するのは俺ともう1人。」

 

オールマイト「私がスペシャルゲストのような感じで来たァー!!!」

 

頭上からジャンプして派手に登場の仕方をするオールマイト。雄英生はもう見慣れてしまったが、会う機会が全く無い勇学園の生徒たちは、まるで子どものように大はしゃぎしてオールマイトを見つめている。

 

オールマイト「さて、今回の実習だが…全員参加でサバイバル訓練に参加してもらう!状況を説明しよう!」

 

彼がそう言うと、手に持っているリモコンでホログラムを起動。宙に詳細が表示された。

 

オールマイト「生徒たちは4人一組。人数の都合上1チームだけ5人になるがそこらへんも含めてペアはこちらで決める。そして各チームこちらが指定した任意ポイントから訓練を始めてもらう!訓練の目的はただ一つ。生き残ること。他チームとの連携、戦闘、なんでもありだ!とにかく最後まで生き残った者の勝利となる!戦闘に突入した時にはこの確保テープ!コイツを相手の体の一部に巻き付ければ戦闘不能状態にすることができる。雄英生にはお馴染みのアイテムだな!それではチーム分けを発表するぞ!」

 

長々とした説明が終わり、チーム分けが発表された。戦兎はAチーム。緑谷、麗日、蛙吹、芦戸がメンバーのチームだ。

 

相澤「全チーム指定したポイントで待機。5分後に合図なしで訓練を始める。じゃあ行け!」

 

相澤が散るように指示すると続々とみんながいなくなっていった。戦兎達も指定されたポイントに向かい、これからの作戦を考えていく。

 

麗日「これからどうしようか…」

 

芦戸「やっぱ倒すしか無いんじゃない?戦兎も緑谷もいるんだし楽勝っしょ!」

 

チームにトップ層が2人。芦戸は爆豪でさえもこのチームなら怖くないと豪語する。

 

緑谷「正直、戦うって手は悪手だ。あくまでサバイバル訓練。生き残りさえすればいいと思うんだ。」

 

蛙吹「だったら戦兎ちゃんの透明化を使えば上手く隠れられるんじゃ無いかしら。」

 

戦兎「それでも俺は構わねえけど、耳郎あたりに変身音で居場所バレそうだし、そもそも勝ったとしても他のみんなの評価ゼロになると思うんだが…」

 

緑谷「確かに…。メタいとこ突いてくるね戦兎くん…。」

 

評価がつかないのであれば返ってマイナスになってしまう。無敵だと思われていたが流石にメタ的なデメリットが大きすぎてみんなは遠慮している。

 

戦兎「とにかくここでしばらく潜伏してよう。変身も発見された時で十分間に合う。」

 

芦戸「賛成!お菓子食べよお菓子!」

 

麗日「食べる〜!」

 

と、芦戸は懐からポテトチップスを取り出した。それに麗日も賛成し、みんなで談笑しながらポテチを食べ始めた。戦兎は匂いからバレるかも…なんて考えもしたが、それくらいなら別にいいかと黙っていることにした。

そして試合開始から5分。まだ誰も戦闘を開始していないと思われたが…

 

緑谷「爆発!?もしかして…」

 

戦兎「十中八九爆豪だろうな…。」

 

遠くで爆発が発生。続けざまに多数発生している。おそらく敵を蹴散らしているのだろう。また、爆発音が遠ざかっていることからおおよその進行経路も割り当てられる。しかしまぁ爆発音が無駄に大きい。むしろ居場所を当てろと言わんばかりの大きさだ。

 

蛙吹「爆豪ちゃんの目的は多分勇学園の生徒たちね。あからさま過ぎるもの。」

 

緑谷「やっぱりかっちゃんはブレないね…。」

 

彼の爆発に注目している最中、数十本の白いミサイルが一定方向に向っているのが確認された。着弾するとすぐに甲高い音と白煙を出して爆発。あまりのうるささにみんな耳を塞いだ。

 

芦戸「何これ!?」

 

戦兎「絶対勇学園の生徒たちの仕業だ!ついにお出ましって感じか!」

 

しばらくすると白煙の煙幕も晴れ、再び爆豪の仕業らしき爆発が炸裂。と思ったのも束の間、すぐに謎のピンクのガス霧散。周囲を漂うようになった。

 

緑谷「このガス、何だろう…?勇学園の生徒たちの"個性"だと思うけど…」

 

戦兎「分かんないけど危ないことは確かだろうな。」

 

そう言いながらベルトを取り出し、腰に巻き付ける。そしてフルボトルをシャカシャカと振ってボトルを挿した。

 

Taka!Soujiki!Are you ready!?】

 

戦兎「変身!」

 

トライアルフォームの音声が流れると同時に戦兎は仮面ライダービルド、タカ掃除機フォームへと変身。掃除機で周囲のガスを吸引しながら、左目のライトアイクリーナーで原因を調べた。

 

戦兎「やっぱり勇学園だ。しかもこのガスだいぶ厄介だぞ…。」

 

麗日「効果分かったん!?」

 

戦兎「大体な。コレは未知のウイルスで、一定の濃度で空気感染、あるいは噛まれることで感染するウイルスだ。感染すると筋力が増強する代わりに痛覚が麻痺し、思考が停止。肌の色素が変色し色白くなり、ヒトをも襲ってくる怪物に成り果てる。つまりこれはゾンビウイルスだ。」

 

「「「ゾ、ゾンビ!?」」」

 

戦兎以外のみんなが声を出して驚いた。感染したら最後、永遠に地を徘徊するあのゾンビだ。恐れずにはいられない。

 

芦戸「ゾ、ゾンビって映画とかのゾンビだよね!?どうすんの!?」

 

戦兎「まずは冷静になろう。このガスは幸いにも空気より重い。上空に逃げれば感染する恐れはないだろう。」

 

緑谷「そうか!戦兎は空を飛べるから梅雨ちゃんに僕たちを抱えてもらってその梅雨ちゃんごと戦兎が抱えちゃえばみんな空に逃げられる!」

 

蛙吹「流石は戦兎ちゃんね!」

 

麗日「私も手伝う!"個性"で総重量軽く出来るし!」

 

メンバー一同で協力し、なんとかこの窮地を抜けようとしている彼ら。計画通り、蛙吹が他のメンバーを舌で抱え、その蛙吹を戦兎が抱えて背中のソレスタルウィングを展開し飛翔。麗日のおかげで総重量は麗日のみだ。

しばらく上空を回遊。ちょっとした高台で息をつこうとするとその高台に向かっていると、

 

麗日「ちょっと待って!あれ轟くんのチームじゃない?」

 

同じく高台へと避難する途中の轟たちを偶然発見。轟たちもこちらに気づいたのか、手を大きく振っている。戦兎はゆっくりと降下して着陸した。

 

轟「戦兎!今は争っている場合じゃねえ!あのガスがなんだか分かるか?」

 

戦兎「ああ。アレは…」

 

先ほど緑谷たちに行った説明をもう一度行う戦兎。案の定驚かれたが、みんな冷静に事態を理解してくれた。

 

戦兎「とにかくゾンビ状態になったら一巻の終わりだ。少なくとも解除法や特効薬がない限りはあのままだろう。」

 

轟「だったらこの"個性"の奴探さねえとってアレ…!」

 

そう言いながら下を確認すると、もう既にゾンビウイルスの餌食になってしまった人たちが爆豪や八百万など複数名いた。もはや彼らに知性などない。うめき声を上げながらただただ徘徊を繰り返す。そんな生物と化してしまった。

 

藤見「ふはははははは!!!どうだ俺の"個性"は!雄英なんぞ大したことn」

 

まさに森から出てきた藤見が"個性"の自慢をしに出てきたところだった。爆豪ゾンビが後ろから接近して首元をガブリと食らい付いた。噛みつかれた藤見はヘナヘナと地面に倒れ伏し、爆豪は何故か勝ち誇っている。

 

緑谷「かっ、かっちゃん…。ゾンビになってもしつこい…!」

 

と彼らが油断したのも束の間、藤見は真っ白な顔でこちらに手を伸ばしてきていた。

 

戦兎「近づくな!噛まれても感染するって言ったばっかだろ!」

 

緑谷「ごっ、ごめん!」

 

強引に緑谷の腕を引っ張って彼を守る戦兎。緑谷は守れたものの、他のゾンビに葉隠と尾白と口田が噛まれてしまい感染。…といっても葉隠は顔の変化がないからか、ゾンビになっているのか全く分からない。また、口田が無口だったり、峰田がセクハラを繰り返しているところを見ても、ゾンビになったところで大まかな性格は変わらないらしい。

 

轟「とにかく逃げるしかない!こっちだ!」

 

急斜面を滑りながらゾンビ達との距離をとっていくみんな。しかしそんな時、蛙吹が大勢を崩し転落してしまった。

 

緑谷「梅雨ちゃん!」

 

戦兎「クソッ、ゾンビが!」

 

そんな彼女に近づいたのは旧友、万偶数だった。万偶数もまた藤見のせいでゾンビに成り果てていたが、蛙吹のことを覚えているのか襲おうとしない。

その隙に戦兎は掃除機フルボトルを引き抜き、別のボトルを振って挿した。

 

Gatling!Best Match!!!Are you ready!?】

 

戦兎「ビルドアップ!!!」

 

天空の暴れん坊!!!ホークガトリング!!!イェーイ!!!】

 

そして戦兎は仮面ライダービルド、ホークガトリングフォームへと変身。すぐさまホークガトリンガーを取り出し、ゾンビ万偶数に弾を撃ち込んだ。

 

蛙吹「戦兎ちゃん!?何を!?」

 

突然の発砲に万偶数が怯んだ隙に戦兎は蛙吹を連れ出して上空に飛ぶ。

 

戦兎「あの子にはダメージが効いてない。悪いが許してくれ!」

 

本来なら戦兎が他人に向かって発砲など、万丈でなければしないのだが事態が事態。相手もダメージゼロだと判断した為しょうがなく発砲したのだ。

 

蛙吹「分かってるわ。でも…」

 

弾幕による煙が晴れてきだした中、蛙吹はチラッと万偶数の方を見た。すると…

 

蛙吹「戦兎ちゃん!アレ!」

 

蛙吹はそう言って指を指す。その先にはなんとゾンビ状態から回復した万偶数が座っていた。緑谷たちもそれに気づいたようで、轟たちが彼女をすぐにゾンビから隔離。戦兎達も降下してみんなと合流した。

 

万偶数「私一体…って梅雨ちゃん!」

 

梅雨「羽生子ちゃん!」

 

彼女らは涙を流しながら互いにハグ。再び友情を確認しあった。

 

轟「ゾンビ状態から戻ってる…。何かしたのか?」

 

戦兎「何もしてないけど…考えられるのは一つ。外側からの衝撃だ。ホークガトリンガーにゾンビを治すなんて機能もないしそれしか考えられない。となるとそれにあったボトルは…」

 

冷静に分析し、脳内で広範囲にそれなりの衝撃を与えられるフルボトルを検索。ちょうどピッタリなフルボトルを見つけた。

 

戦兎「さあ、実験を始めようか!」

 

懐から2本のフルボトルを取り出し、シャカシャカと振る。

 

Dog!Mic!Best Match!!!Are you ready!?】

 

戦兎「ビルドアップ!」

 

癒しの大爆音!!!ドッグマイク!!!イェーイ!!!】

 

そして戦兎は仮面ライダービルド、ドッグマイクフォームへと変身。さらにそのままハンドルを回す。

 

【Ready Go!!!Vortex Finish!!!イェーイ!!!】

 

戦兎「みんな耳塞げ!」

 

そう忠告した後、左腕の巨大マイクを口元に当て、犬の遠吠えのように叫んで立ち向かってくるゾンビ達に広範囲で指向性のある爆音波を発動。あまりの圧力と衝撃にゾンビたちは吹き飛びながら意識を取り戻していく。みんなの症状を治せたようだ。

 

緑谷「流石戦兎くん!プレゼント・マイクみたいなベストマッチもあったなんてすごいや!」

 

戦兎「だろ?なんてったってこの天ッ才物理学者が作ったビルドだからな。」

 

爆豪「じゃねえよ何してくれてんだボトル野郎ッ…!!!」

 

緑谷にほめられ、調子に乗る戦兎。爆豪はそんな彼の肩を掴み、鬼の形相で睨みつけ、手のひらから爆発を放ちながらそう言った。

 

緑谷「かっ、かっちゃん!これは事情が事情だったわけで…!」

 

爆豪「クソデクは黙ってろ!今からテメェをボコボコにしてやる!覚悟しろや舐めプ野郎!!!」

 

戦兎を庇う緑谷を押し退け、狙いを戦兎に定める。しかし戦兎も

 

戦兎「はぁ…。しょうがねえなぁ。ちょっとだけだぞ。」

 

緑谷「戦兎くん!?」

 

と嫌々ながらも応戦する様子。爆豪の執念に同じチームの切島や八百万も呆れている。しかしこれはサバイバル訓練。戦わなければ生き残れない。それを体現するかのように戦う爆豪と戦兎だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某日 某所

 

「ほ、本部に連絡!ヴィランの襲撃を確認!ヒーローの要請をーーー」

 

ヴィランの出現をヒーロー本部に連絡する警官。しかし全てを報告することは叶わず、背中から刀でグサリと刺された。心臓を一突きされ、大量に出血している。

 

「ようやく目的物を回収できた。残り四つ…か。ま、気長にゆっくりやろう。」

 

一人で呟きながらグレネードをポンと後ろに投げる。すぐに爆発し、ヴィラン輸送車は崩落。全ては闇に葬られた。

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