天才物理学者と筋肉バカのヒーローアカデミア   作:いぷしろん

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戦兎「仮面ライダービルドで天才物理学者の桐生戦兎は、メリッサの招待でI・エキスポに来ていた。俺と緑谷は万丈に誘われてヴィランアタックというアトラクションに参加することとなり、俺は仮面ライダービルド、クマテレビフォームへと変身!電気の力でロボットを一網打尽にしたのでありました!」

万丈「ありました!じゃねえよ!よくこんな時にあらすじ出来るな!俺たち今海外I・アイランドに閉じ込められてんだぞ!これじゃ日本に戻れねえよ…」

戦兎「うっさいなぁ。そうやって慌てても仕方ねえから情報整理も兼ねてあらすじしてんだよ。」

万丈「なるほど!んじゃあ俺もあらすじすっか!俺が生まれたのは神奈川県横浜市の…」

戦兎「そういうあらすじはいらないの!ってかなんですぐ出自を語ろうとするんだよ」

万丈「やっぱ俺がどこで生まれたのかは大事だろ?」

戦兎「んなわけないだろ!今の状況だけでいいんだよ。」

万丈「だったらそう言えよ!えっと…なんか急にドバーってシャッターが降りてきて、そんで閉じ込められて…」

戦兎「というわけでどうなる第38話!」

万丈「まだ話してる途中なのに無視すんなよ…」






















af(1)=1,af(n)=n!-af(n-1)⇒2af(4)=38話

戦兎「着いた。パーティ会場だ。」

 

パーティー会場付近まで来た戦兎と耳郎。しかし何か様子がおかしい。パーティ会場から全く楽しそうな声が聞こえないのだ。すぐ近くに階段があり、そこを登ると会場全体を見下ろせる場所へ来た。

そこから会場を見ると、なんとプロヒーローを含めた客全員が拘束されていた。

 

耳郎「やっぱりヴィランが来てたんだ…!」

 

戦兎「オールマイトまで拘束されてるとはな…。とにかく何かしら信号を送ってこっちに気づいてもらおう。」

 

透明化を解除し、ビルドフォンのライト機能でオールマイトにピカピカと光を当てた。するとオールマイトは目をすぼめながらこちらの方に気がついた。

 

戦兎「オールマイトが気がついた。大丈夫か?」

 

耳郎「いいよ。」

 

一応戦兎はドッグレイサーフォームであるため、オールマイトが小さな声で話しても犬の如き聴覚で聴くことが出来るが、聞き逃しがないように耳郎にも協力してもらうことにした。ちなみにこのことはここに来る途中で打ち合わせ済みだ。

戦兎はオールマイトに向かって『喋ってください』とジェスチャーをした。

 

オールマイト「聞こえるか。ヴィランがタワーを占拠、整備システムを掌握、この島の人々全員が人里に取られた。見ての通り、ヒーローたちも囚われている。ここにいては危険だ。すぐにここから逃げなさい。」

 

1mほどの距離に居ても聞こえないような声で彼は呟いた。2人はその音声を一字も逃すことなく全て聞いた。

戦兎はこくりと大きく頷くと再び透明化を発動させて耳郎と共に静かに階段を降り始めた。

 

耳郎「聞いた?事態は結構深刻そうだけど…」

 

戦兎「ああ。それにもしここにまだヴィランが潜んでいるのなら、切島と爆豪が危ない。」

 

耳郎「そっか!まだアイツらと合流してないんだっけか…!」

 

戦兎「最悪、アイツらに捕まってる可能性がある。確証はないが、切島たちのことだ。先に会場にいてもおかしくない。」

 

ただでさえプロヒーローや一般の方も捕まっていて、自由に動けるのが自分達しかいないという状況下にあるのだ。逃げる事はしない。彼らにも危険が迫っているというのなら、なおさら逃げるという選択肢を選ぶはずがない。

 

戦兎「とにかく今は誰にも遭遇することなく飯田たちの元へ…」

 

「そこにいるのは誰だ。」

 

警戒しなければいけないと言った瞬間のことだった。何者かが戦兎と耳郎の後ろで何かを突きつけている。形状的に銃であろう物体だ。

しかし戦兎は油断していたわけではない。というのもここまで2人はずっと透明化して来ていたのだ。喋りさえしたものの消音機能で外部にはほぼ聞こえないはず。

階段の踊り場に緊張感が漂い始めた。

 

「姿を見せろ。熱源感知でそこにいるのは分かっている。」

 

戦兎は言われた通り透明化を解いた。その瞬間に真後ろへターンしつつその声の主に思いっきり蹴りをかました。が、左手でガシッと掴まれた。

蹴ってから少しだけ間が空き、戦兎はギョッとして足を下ろした。

 

戦兎「げ、幻さん…!」

 

幻徳「桐生戦兎…!」

 

そこにいたのはナイトローグだった。ヴィランに怪しまれないよう声を変えていたため、全く気づきもしなかった。

 

戦兎「なんだ幻さんか。驚かせんなよ…。」

 

幻徳「なんだその言い草は。ってかどうしてお前らがここに…。ここがヴィランに占拠されているのは知っているんだろう?」

 

幻徳は変身を解きながらそう言い、戦兎も同様に変身を解除した。

流石に今回の幻徳もいつもの革ジャンだったり変な格好の服ではなくキチンとした紫色のスーツで着飾っていた。

 

戦兎「もちろん。今オールマイトから伝言をもらって飯田たちに伝えに行くところだ。とにかく今は時間がない。歩きながら話そう。」

 

非常階段を降りながら残っているみんなの元へ向かう。

 

耳郎「そういえばローグさんはどうやってこのI・エキスポに?」

 

幻徳「親父に招待状が届いてたからな。その代理だ」

 

戦兎「親父…氷室泰山か。」

 

幻徳は現在の日本の首相を務める氷室泰山の一人息子である。前世界では泰山の首相秘書として仕事を行なっていたが、どうしてだろうか、なぜか今はヒーローとして動いている。

 

戦兎「それでパーティー会場にいたと。ちょっと待て。だとしたらなんで拘束されてないんだ?オールマイトでさえ拘束されていたんだ。ナイトローグでも流石に拘束を解けないはずだが…」

 

戦兎がそう言うと幻徳は突如としてスーツをバサッと開いた。するとそこにはいつもの紫Tシャツがあった。そこに書かれていたのは…まさかの『うんこ』。カッコいい一筆書きでそう書かれていて、その下にはデフォルメされた絵が描かれている。

 

戦兎「なんでパーティー会場にそんなもん着てきてんだよ!ってか汚いな!」

 

幻徳「どう考えても勝負Tシャツだろうがこれは!にしても腹痛が治らん。やっぱ今朝床に落ちたオムライス食ったから…」

 

戦兎「完全にそれが原因でしょうが!」

 

耳郎を置き去りに完全にどうでもいい話をしていると、飯田たちのいるフロアに着いた。

 

飯田「おかえり戦兎くん!耳郎くん!それと…」

 

万丈「幻徳!つかなんでこんなとこにいんだよ。」

 

幻徳「それはだな…」

 

幻徳と戦兎、耳郎はオールマイトからの伝言や幻徳がどうしてここにいるのかなどを全て伝えた。

 

飯田「なるほど。オールマイトのメッセージは受け取った。俺は雄英高校教師であるオールマイトの言葉に従い、ここから脱出することを提案する。」

 

八百万「私も同感ですわ。」

 

峰田「俺も!危険なとこ行くなんて自殺しに行ってるのとおんなじだぜ!」

 

メリッサ「いや、脱出は困難だと思う。ヴィラン犯罪者収容施設のタルタロスとほぼ同等の防災設計で建設されてるから…」

 

オールマイトに従う方が良いという意見の者もちらほら現れる。特に保須事件で苦い思いをした飯田は特に強かった。

 

戦兎「だったら切島や爆豪、他のみんなはどうなってもいいってのか?」

 

耳郎「…ウチは助けに行きたい。ここに来るまでの戦兎を見てそう思ったよ。」

 

万丈「俺も助けに行きてえ。ここで行かなきゃ俺は…仮面ライダーじゃねえ。」

 

とはいえ助けに行きたい派が多数を占める。リスクを取るか、己の命を取るか。どちらの判断も正しいと言えよう。

 

轟「俺たちはヒーローを目指してる。」

 

八百万「ですからまだ私たちはヒーロー活動を…」

 

轟「だからってここで何もしなくていいのか?」

 

八百万「それは…」

 

八百万の言葉を最後に、誰も言葉を発さなくなった。ただただ場を支配しているのは静寂だった。しかし1人、その男は口を開いた。

 

緑谷「救けたい。…助けに行きたい!」

 

峰田「ヴィランと戦う気か!?USJで懲りてないのかよ緑谷!」

 

緑谷「違うよ!僕は考えてるんだ!ヴィランと戦わずにみんなを救ける方法を探してみんなを救けに行きたい!!!」

 

緑谷の強い思いに中立を保っていた麗日の心は揺れ始めた。

 

メリッサ「I・アイランドの警備システムはこのタワーの最上階にあるわ。ヴィランがシステムを掌握しているなら認証プロテクトやパスワードは解除されているはず。私たちにもシステムの再変更ができる。ヴィランの監視を逃れ最上階まで行くことができれば、みんなを救けられるかもしれない。」

 

轟「戦わずしてシステムを元に戻す…か。」

 

上鳴「それなら行けんじゃね!?」

 

救けるのに反対派であった上鳴も希望を感じ始めたのか、賛成派になってきた。

 

八百万「しかし最上階には絶対にヴィランが待ち構えていますわ。戦兎さんの"個性"であれば空から攻めることも可能ではありますが…さすがに1人ではいくら戦兎さんでも戦いに勝つのは厳しいのでは?」

 

戦兎「いや、戦う必要はない。システムさえ元に戻せばオールマイトや他のプロヒーローも駆けつけてくれる。それにここには一応プロヒーローのローグもいるんだ。」

 

確かに八百万の言う通り、空から屋上へ到達すればすぐにシステム管理室へ辿り着くだろう。しかし相手はオールマイトをも拘束するほどのヴィランだ。空を飛べるナイトローグや戦兎だけで行くと接敵した場合危険である。その点みんなで行くとなれば見つかる可能性は高いが接敵しても柔軟に対応可能だ。

 

麗日「みんな!行こう!私たちにできることがあるのに何もしないでいるのは嫌だ!」

 

轟「俺も行こう」

 

耳郎「ウチも!」

 

万丈「もちろん俺も行くぜ。」

 

幻徳「正直、気はあんまり進まないが…お前たちが行くというのなら俺も行こう。プロヒーローとしてお前たちの命も守らなければならないからな。」

 

賛成派がほとんどを占め、反対派は飯田、八百万、そして峰田のみとなった。しかし…

 

飯田「これ以上無理だと判断したら引き返す。その条件が飲めるのなら俺も行こう。」

 

八百万「そういうことであれば私も!」

 

と、条件付きではあるが救けに行くのに賛成してくれた。あとは峰田だけだが…

 

峰田「あーもう分かったよ!行けばいいんだろ行けば!!!」

 

半ばヤケクソに、目に大粒の涙を浮かべてそう叫んだ。何はともあれ、これで全員が賛成だ。と思った瞬間、声を上げた者がいた。

 

メリッサ「待って!私も行くわ!」

 

緑谷「でもメリッサさんには"個性"が…!」

 

メリッサ「ええ。確かに私には"個性"がない。でもこの中にこの場所の見取り図が分かる人なんているの?」

 

戦兎「…いないな。」

 

メリッサ「そうでしょ?それに戦兎くんにもし何かあった場合、警備システムの設定変更が出来る人がいなくなる。…足手まといになるのは分かってるわ。でも私もみんなを守りたいの!」

 

確かに警備システムの設定変更は戦兎でも出来るが、逆に戦兎以外は誰も機械に詳しくなく、メリッサの言い分ももっともだ。それに何より、みんなを守りたいと言うヒーローに準ずる思いが戦兎たちの心を揺さぶった。

 

戦兎「分かった。行こう。みんなで!」

 

「「「おーーーッ!!!」」」

 

パーティー会場にいるみんなを救い出す。その覚悟を胸に彼らはたった今、階段を駆け上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

万丈「これで30階…。なあ、いつになったら最上階まで辿り着くんだよ…」

 

メリッサ「あと170階登る必要があるわ!」

 

上鳴「マジかよ…!」

 

一階から走って階段を登る事数分。ある程度疲労が見え始めた時に残酷なことが告げられた。残り階数はここまでの分のおよそ5.6倍。それでもヴィランに遭遇するよりはと歩を進めてゆく。

40階、50階、60階と、どんどん登ってゆくたびにみんなの疲労は濃くなり、太腿もパンパンになってきた。"個性"を持ち、普段からトレーニングを積んでいるものたちですら額に汗をかいている。"無個性"でトレーニングなどしていないメリッサは他のものよりも強い疲労を見せていた。

そして80階。ここで彼らに絶望が訪れる。

 

飯田「シャッターが閉まってる…!」

 

彼らは安堵した。階段をこれ以上登る事がない、階段地獄が終わったんだと。しかし何人かふと腰を下ろした時、安堵を凌ぐ絶望を感じるのだ。"これではみんなを救えない"という絶望を。

 

万丈「こんなもんぶっ壊して進めば…」

 

戦兎「いや、センサーが反応して俺たちの存在がバレるだろうな。」

 

峰田「ならこっちから行けばいいんじゃねえの?」

 

階段を80階も登り疲労困憊した状態なのだろうか、峰田は千鳥足になりながら近くのドアの開閉レバーをガチャっと下ろした。緑谷や戦兎、メリッサが『ダメ!』と警告するも時すでに遅し。自分達の存在がヴィランに知られてしまった。

 

飯田「仕方ない。こうなったらこっちの道を行こう。」

 

委員長の指示に従い、ドアの開いた方の道へ行くことにした。

 

緑谷「メリッサさん、あの非常階段の他に上に行く方法は?」

 

メリッサ「反対側に同じ構造の非常階段があるわ!」

 

飯田「急ぐぞ!」

 

そう言った矢先のことだった。奥の通路から段々と等間隔にシャッターが降り始めた。さらに後方からもシャッターが閉じてきている。退路を断ち、閉じ込めるつもりだろう。

 

万丈「どうせバレてんだったらぶっ壊した方が良いだろ!」

 

迫り来るシャッターを前に万丈はフルボトルをシャカシャカとシェイク。フルボトルをクローズドラゴンのフルボトルスロットにセットした。

 

Wake up!Cross-Z Dragon!!! Are you ready!?

 

 

万丈「変身!」

 

Wake up burning!!!Get Cross-Z Dragon!!!Yeah!!!

 

万丈は仮面ライダークローズに変身。即座にもう一度ハンドルをグルグルと回した。そして重心を落とし、右腕を後ろにグッと引きつつ腰の辺りまで持ってきた右手の中に蒼白いエネルギーをチャージし始めた。

 

Ready Go!!!Dragonic Finish!!!

 

そして思いっきり右腕右手を前へと突き出すと蒼白いエネルギーはたちまち龍へと変化。ドラゴンが幾枚ものシャッターを食い破りながら前へと突き進んでいった。

 

万丈「どーよ!俺の必•殺•技!」

 

耳郎「流石万丈!これで先に進める!」

 

万丈の活躍により通路を進めるようになった。とはいえ非常階段へ行くには80階の植物プラントを通過しなくてはならない。

 

メリッサ「ここは植物プラント。"個性"の影響を受けた植物を研究…」

 

耳郎「待って!あれ!」

 

耳郎は植物プラント中央にあるエレベーターを指差した。目を凝らして見るとエレベーターの階数表示がどんどんと80階へと近づいていく。ヴィランがエレベーターで追いかけてきているのだろう。

 

緑谷「戦兎くん、透明化使えない?」

 

戦兎「流石に人数が多すぎる。せめて4人程度だったらな…」

 

飯田「隠れてやり過ごすしかないか。」

 

ここは幸い植物が生え揃っている植物プラント。隠れ場所は大いにあるが…。

そうこうしているとエレベーターが80階に到着。ドアが開くとそこにはパーティー会場で見たヴィランが2人歩いてきた。

みんなは見つからないように息を潜めているが…果たしてやり過ごすことが出来るのだろうか…。

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