天才物理学者と筋肉バカのヒーローアカデミア   作:いぷしろん

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戦兎「仮面ライダービルドで天ッ才物理学者の桐生戦兎は、メリッサの招待でI・エキスポに来ていた。しかし招待されたパーティー会場がヴィランに乗っ取られてしまう。耳郎とともにパーティー会場へ行きオールマイトの指示を受けることになるが、その時なんと幻徳に遭遇してしまう!」

幻徳「してしまうとはなんだしてしまうとは。お前も俺に会えて嬉しいだろ?」

戦兎「まあいないよりかはマシだけども…」

万丈「お前ら何話してんだよ!今ヴィランがめっちゃ近くにいるんだぞ!」

戦兎「そりゃああらすじしないと前回の内容覚えてない方もいるかもしれないでしょうが!」

万丈「だからってんなこと今やんなよ…。」

戦兎「なんやかんやあって俺たちA組+αは80階まで到達するもヴィランがやってきて、なんとか見つからないように隠れてやり過ごそうとしていたのだった!というわけでどうなる第39話!」

万丈「ちょっ、声デケェって!」






















NaCl(s)+aq=NaClaq−QkJ⇒10Q=39話

80階、植物プラント。"個性"の影響を受けた植物がどのように成長するかを研究している場所だ。様々な植物が茂っているため隠れるにはもってこいの場所となっている。

 

手下1「ガキはこの中にいるらしい。面倒なところに入りやがって。」

 

エレベーターに乗ってやってきたのは二人組のヴィラン。1人は高身長で特徴的な顎髭と左右に伸びた口髭のあるヴィランで、もう1人は峰田ほどの身長で丸坊主のころころとしたヴィランだ。

みんな口を塞いで、必死に声を出さないように…と体を震わせながら忍んでいた。しかし…

 

手下2「見つけたぞ!クソガキども!」

 

丸坊主のヴィランがそう叫んだ。ついに見つかってしまったのだ。と思いきや見つかったのは意外な人物だった。

 

爆豪「ああ?いま何つったテメェ!!!」

 

怒声がプラント内に響きわたる。この怒声は爆豪のものだ。その隣には切島もいる。どうやら集合場所が分からずにここまできたみたいだ。

 

手下2「お前らここで何をしている?」

 

切島「あの、俺ら道に迷ってしまって…。どうやったらレセプション会場まで行けますかね?」

 

嘘にしては声色や表情がもっともらしい。ヴィランに捕らえられていたわけではなく本当に道に迷っていただけなのだと戦兎は少し安堵した。しかしその瞬間、

 

手下1「見えすいた嘘をついてんじゃねえぞ!!!」

 

と髭を生やしたヴィランが手をグワンと大きな円のように拡張させ、腕を大きく振るった。するとたちまち空気の塊が動き始め、爆豪と切島を襲った。

 

幻徳「危ない!」

 

その瞬間に幻徳は飛び出し、右手でワニのエネルギーを生成してヴィランの攻撃を防がせ、左手でトランスチームガンを取り出して煙幕を張った。それと同時に轟が体育祭で見せたような巨大な氷壁を張り巡らせ、ヴィランの攻撃を防いだ。

 

幻徳「俺が時間を稼ぐ!お前たちは先に行け!」

 

轟「俺も加勢します!」

 

そう言うと轟も木の影から飛び出し、爆豪と切島の前に出た。

 

戦兎「幻さん!轟!任せたぞ!」

 

緑谷「戦兎くん!?」

 

迷いもせずに彼らに全てを任せた戦兎に緑谷を始めとしたメンバーたちは驚きの表情を見せたが、すぐにみんなも彼らを信頼し、先の方へと進んでいった。

 

切島「な、なあ。一体どうなってんだよ?」

 

轟「放送聞いてなかったのか?タワー全体がヴィランに占拠された。」

 

爆豪「んだと…。」

 

幻徳「その話ならヴィランを倒した後で語り明かしてやる。」

 

そう言うと彼は一本のロストフルボトルを取り出し、シャカシャカと振り始めた。

 

Bat…!

 

不吉な変身音がプラント内に響き渡る。それと同時に緊張感も漂い始めた。

 

幻徳「蒸血…!」

 

Mist Match…!!!Bat…!Ba・Bat…!!! Fire…!!!

 

銃口を上に向けてトリガーを引いた幻徳。銃口から黒煙が飛び出して殻を包み込んだ。そして煙に身を包んだ幻徳はナイトローグへと変身。

頭部からバチバチと火花が飛び散った。

 

切島「すげえ!ローグさんカッケェっす!!!」

 

期末試験を見ていなかった切島は幻徳の変身に食いついていた。

しかし切島が感動していたのも束の間、氷塊の奥からガンガンと音が聞こえる。髭の生えたヴィランが氷を抉り取っている音だ。

 

轟「油断するな。来るぞ!」

 

爆豪「うっせえ分かっとるわ!」

 

手下2「ガキどもが…。つけあがってるんじゃねえぞ!!!」

 

坊主のヴィランの体がだんだんと大きくなっていく。体表の色は段々と紫色を帯び始め、3mを越えんばかりの体躯となった。その大きさに来ていた上半身の衣服は破け、なぜか髪も生えてきた。

 

幻徳「俺はあの紫芋をやる。お前たちはもう1人の方を頼んだぞ」

 

轟「紫芋…」

 

幻徳の独特な表現に気を取られたその一瞬、紫芋は襲いかかってきた。

 

幻徳「お前の相手は俺だ!」

 

轟に殴りかかろうとしていた彼の右腕を、両腕クロスで受け止める。しかしあまりの怪力ゆえか、数mほど吹き飛ばされてしまった。

 

轟「ローグさん!」

 

手下1「お前はこっちだ!」

 

轟はすぐさま氷を出現させてヴィランの攻撃を防ぐ。だがしかしヴィランはその氷を抉り取った。

 

爆豪「テメェこそ油断してんじゃねえか半分野郎!!!」

 

爆豪はそう叫びながらヴィランに突進。爆豪の頭が彼の背中に激突した。

 

爆豪「おい髭!テメェはさっさとそのクソゴリラブッ飛ばせ!」

 

幻徳「分かってる!ちょっと遊んでいただけだ!」

 

幻徳はむくりと体を起こした。その瞬間に頭上から先ほどの大きなヴィランが落ちてきた。轟の出した氷を使って高所から飛び降りたようだ。

しかし幻徳はそれを横へ転がって回避。そしてスチームブレードを取り出してヴィランの胸部を斬りつけた。

 

手下2「グアアアア!!熱い!」

 

幻徳「当たり前だ。コイツの熱は金属をも溶かすからな。」

 

超高熱の刃(オーバーヒートブレード)で斬りつけられたヴィランは後ろに仰反る。その瞬間、幻徳はワニのエネルギーを生成し、そのワニは髪に噛み付いた。グッと後ろに引っ張られ、重心が偏ったヴィランはバランスを崩してしまった。

 

幻徳「これもプレゼントだ!」

 

幻徳は背中にコウモリの翼をズバッと生やした。すると上空へ飛翔し、翼に身を包んで真っ黒なドリルのようになってヴィランへ激突した。ヴィランは慌てて腕をクロスにして防ぐも、幻徳は回転数をどんどんと上げて攻撃力を増していく。ついに耐えきれずにヴィランは後退り。

 

幻徳「終わりだ。」

 

Steam Break!!!Bat…!

 

幻徳は再度バットロストフルボトルをトランスチームガンのスロットにセット。照準をヴィランへと合わせて引き金を引いた。銃口からは数多幾多のコウモリ弾が出現。それらが全て一つに合体して巨大な蝙蝠となり、ヴィランと衝突した。

 

手下2「グハッ…!」

 

ヴィランは紫色の巨大な体躯から元の人間らしい肌の色の小さな体躯へと戻り、それと同時に宙を舞いながら気絶。ドサッと地面と衝突して倒れ伏した。

ちょうど同じ頃、爆豪らの方から一つ、超ド派手な爆発音が聞こえた。よくみると『クソーッ!』と叫びながら吹き飛ばされているもう1人のヴィランがいた。3人が上手くやっつけたらしい。

 

幻徳「お前らもヴィランを倒したか。」

 

爆豪「当たり前だ!俺はオールマイトをも超えるヒーローだぞ!」

 

切島「んなことより今何が起こってんだよ。説明してくれよ」

 

轟「それは…」

 

轟が口を開きかけたその時だった。サイレンの音がヒュンヒュンと鳴り響き始めたのだ。周囲からは警備マシンがドンドンと湧き始めた。どうやらヴィランたちも本気を出してきたようだ。

 

幻徳「語り明かすのはコイツらを倒してからになりそうだな…。」

 

こうして彼らは戦闘体制に入ったのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時は遡り、幻徳らと離れて別行動を行っていた戦兎たちは別の危機に瀕していた。

 

飯田「クソっ、こっちもダメか!」

 

飯田たちはヴィランを幻徳たちに任せて先に進んでいた。しかしどこもシャッターが閉じ切っており、派手に破壊して進めばまた居場所がバレてしまう。

 

緑谷「メリッサさんあそこ!なんか扉みたいなものが見えませんか?」

 

緑谷が指差した先には小さな正方形型のハッチのようなものがあった。メリッサ曰くメンテナンスルームに繋がっているらしい。

 

戦兎「あの構造なら中にハシゴがあるかもな。」

 

メリッサ「確かに手動式のがあるけど中からしか開けられないわ。」

 

八百万「だったら…」

 

彼女は胸の辺りに手を当てると接着式の簡易爆弾を取り出し、天井の通風口へと投げつけた。すると小さく爆発が起きて通風口の蓋が取れ、ぎりぎり人一人分入れるかどうかくらいの穴ができた。

 

麗日「なるほど!上の階にも別の通風口があればそこを通って中に入れる!」

 

緑谷「あの狭い通風口を上に伝っていけるのは…」

 

ふとみんなの頭にとある人物が思い浮かんだ。みんなはその人物の方を見る。

 

峰田「も、もしかしてオイラが!?」

 

耳郎「お願い峰田!アンタの力が必要なんだ!」

 

耳郎は手を合わせて頼み込んだ。

彼の身長は108㎝と超小柄だ。適任は彼しかいないだろう。

 

峰田「バカバカ!ここ何階だと思ってるんだよ!80階だぞ!?落ちたら死ぬんだぞ!」

 

戦兎「それに関しては大丈夫だ。俺がサポートする。」

 

戦兎は新たに二つのボトルを取り出し、シャカシャカと振った。

 

Rose!Cake! Are you ready!?】

 

戦兎「変身!」

 

ベルトからトライアルフォームの音声が流れ、戦兎は仮面ライダービルド、ローズケーキフォームへと変身。すると戦兎は峰田に向かって突然黒いムチを巻きつけた。

 

戦兎「これが命綱代わりになる。いざとなったらケーキ型のクッションで受け止めてやるから安心しろ。あとは…万丈、クローズドラゴン貸せ」

 

万丈「はぁ!?俺変身するもん何もなくなっちまうだろうが!」

 

戦兎「トランスチームガン使えば良いでしょうが。良いから出せって。」

 

万丈はしょうがないといったような顔で懐からクローズドラゴンを取り出した。ちなみに万丈の持つトランスチームガンは幻徳が持っているのとは別物で、戦兎に新しく作ってもらった新品である。

 

戦兎「このクローズドラゴンは成長型AI(トラストブリンガー)が入ってて、視覚情報を俺に中継してくれる。コイツが峰田を見張ってれば何かあった時にすぐに対処できるだろう。」

 

命の危険を伴う作業だ。迅速に最上階へ進まなければならないとはいえ、流石に安全対策を疎かには出来ない。

 

上鳴「みんなを助けた功労者になったらインタビューとかで女子にモテること間違い無しだぞ〜!」

 

麗日「お願い峰田くん!」

 

上鳴のツルの一声と麗日のお願いも相まってだろうか、

 

峰田「分かったよ!行けば良いんだろ行けば!」

 

と若干やけくそ気味に涙を浮かべながらそう言った。

そして数分後、計画通りに峰田は通風口を通り、無事にメンテナンスルームに到着。無事にメンテナンスルームから植物プラントまでのはしごがかけられた。

 

峰田「さあさあさあ!みんなオイラを褒め称えよ!女子だけで良いぞ。女子だけで!」

 

メリッサ「すごいわ峰田くん!さすがヒーロー候補生ね!」

 

峰田の努力がメリッサという美人に認められたからだろうか、峰田は目を潤ませて

 

峰田「お前ら気合入れていくぞー!!!」

 

と大きく叫んだ。他のみんなもまた峰田に同調して『おー!!!』と叫び返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上鳴「なんかラッキーじゃね?100階超えてからシャッターが開きっぱなしだしよ!」

 

メンテナンスルームから走ること十数分。ついにみんなは100階を超えた。しかし何故か100階から先は全くシャッターが閉鎖していない。

 

戦兎「どう考えても罠だろうな。」

 

緑谷「それでも今は相手の誘いに乗ろう。一刻も早く上に行くしかない。」

 

あれこれと話しながら走っているうちに138階、サーバールームへと到着した。

 

飯田「クソッ、また警備ロボか!」

 

実はここに来る途中、警備ロボが度々多数現れたが、上鳴の放電や八百万の煙幕による妨害、緑谷や戦兎、万丈、飯田がロボを破壊、駆逐することでなんとか凌ぎ切ってきた。

 

緑谷「無理にでも突破しよう!」

 

メリッサ「待って!ここのサーバーに被害が出たら警備システムにも影響が出るかも…!」

 

そう話しているうちにもどんどんと警備ロボの数は増えていく。しかしここで足止めを食らっているわけにはいかない。

 

万丈「戦兎、緑谷、麗日、メリッサ。お前らは先に行け!ここは俺たちでなんとかする!」

 

万丈はそう言うとドラゴンフルボトルをシャカシャカと振り始めた。八百万、飯田、耳郎、上鳴、峰田も戦闘に入る。だがしかし…

 

戦兎「バーカ。何カッコつけてんだよ。どうせお前じゃ派手に戦ってここぶっ壊すのがオチだ。俺がここに残るからお前が先に行け。」

 

万丈「はぁ!?お前がいなかったら警備システムは…」

 

戦兎「メリッサがいる。大丈夫だ。」

 

万丈「…分かった。お前がそう言うんならそれが正しいってことだ。行くぞ!」

 

万丈は戦兎の命令を受け入れ、緑谷たちと一緒に先に行った。

 

八百万「本当に大丈夫なのですか?私は万丈さんと同意見なのですが…」

 

飯田「俺もだ。ここは最上階のヴィランに備えるべく君が行くべきだと…」

 

戦兎「いや、これで良い。アイツは俺よりも強い奴だ。それにさっきも言った通り万丈はここのサーバーを傷つけかねない。それになによりあの野郎、俺に何か隠してるみたいだしな。」

 

戦兎はマスクの下でニヤリと微笑んだ。

 

耳郎「隠してるって何を…」

 

戦兎「んなことより警備マシンがくるぞ。疲れてるやつは俺に任せて休んどけ。中には限界が近いやつもいるだろうからな。」

 

彼らはここに来るまでに相当な数の警備ロボを相手してきた。峰田はもぎもぎボールをもぎりすぎて頭皮から血が出ており、上鳴は200万Vの放電をしたせいでろくに戦えない。飯田の足エンジンの動力の限界か、エンストを起こしそうである。耳郎のイヤホンジャックも酷使しすぎて筋疲労が激しくなっている。

戦兎は懐からラビットタンクスパークリングフルボトルを取り出しながらみんなより一歩前に出た。

 

RabbitTankSparkling!!!Are you ready!?】

 

戦兎「ビルドアップ!」

 

シュワッとハジける!!!

RabbitTankSparkling!!!イェイイェーイ!!!

 

プルタブを引っ張り、ビルドドライバーに差し込むとぐるぐるとレバーを回しファイティングポーズを取った。

そして戦兎は仮面ライダービルド、ラビットタンクスパークリングフォームへと変身した。しかしその時、変身した戦兎の隣に並ぼうとする者がいた。

 

八百万「戦兎さん。確かにあなたの言う通り、私たちは限界が近いです。」

 

飯田「それでも俺たちは君1人に任せられない。」

 

耳郎「いや、任せたくないね。だってウチら…」

 

峰田「これでもヒーロー候補生だからな!」

 

血を流しても、エンストを起こしても、創造できなくても、放電できなくても、プラグが痛くても、戦う覚悟は出来ている。最高のヒーローになるために。

 

戦兎「みんな…負けんなよ!」

 

「「「おー!!!」」」

 

数百の警備ロボを目の前に今一度、士気が最大まで高まった彼らだった。

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