万丈「つーわけでプロテインの貴公子こと万丈龍我は雄英高校ヒーロー科の試験を受けて、ロボット達をボッコボコのギッタンギッタンにしていくぜ!」
戦兎「ちょっと待てよ。あらすじは俺の役割だろ?」
万丈「お前なんもしてねえんだから今回ぐらいは俺にさせろよ!」
戦兎「いや耳郎に佐藤太郎と間違えられた話とかあるだろ!」
万丈「その話して誰が面白いと思うんだよ」
戦兎「マジレスすんなよ…」
万丈「んで、ロボットぶっ倒したところでクソでけえロボットが出てきてよ、緑のモサモサ野郎がそいつぶっ飛ばして試験が終わったんだよな。」
戦兎「それから1週間後に俺たちは集まって色々話してたっけ」
万丈「そうだ!お前あん時俺のこと突然撃ちやがって!撃つ前に説明しろっての!」
戦兎「落ち着けって。その話は本編でしてやるから。って事でどうなる第4話!」
「実技総合成績出ましたー!」
雄英教師陣はモニターに映った成績を見てそれぞれ語り合う。注目されているのは…
「やっぱり桐生戦兎だね。特筆すべきなのは。」
「敵P38、救助Pが50で圧倒的一位。筆記試験も満点合格。ここ最近稀に見る、まさにダイアモンドの原石のような存在だね。」
「それにあのロボ・インフェルノもぶっ飛ばしちまったもんな!あれ見てて俺『yeahー!!!』って叫んじまった!」
「でもあのベルトがなければそれが出来てなかったというのはちょっと考えるべき点ではある。」
「あれがもし"個性"じゃなくて、誰でも扱える代物だったら強大な力を持つ敵が現れてしまうことになるわね。」
「ボトルとベルトを使って変身してたが…ボトルといえば万丈龍我という子もボトルを持って戦ってたな。」
「敵P30、救助P30で8位の子か。確かに彼もボトルを持っていた。そのボトルに秘密があるのなら…」
「そのことは入学後に本人から直接聞くことにしよう。相澤くん。管くん。そこのところはよろしくね。」
奇妙なボトルを用いて変身したり、戦ったりする戦兎と万丈を疑う教師達。ビルドは資格者にしか扱えないが、ボトルの恩恵を受けるのは誰でも出来る。とはいえ万丈があそこまで強いのは、相性が良かったり、フルボトルの扱いに慣れていたり、元格闘家でそもそもが強かったりと、様々な理由があるからに過ぎないが。
「ロボ・インフェルノをぶっ飛ばしたといえば、万丈と同順位の緑谷出久も物凄いポテンシャルを秘めていると言える。」
「まさかロボ・インフェルノぶっ飛ばす奴が2人もいるなんてな!叫び過ぎて喉枯れちゃうぜ!」
「しかし"個性"発現時の甚大な負傷…。まるで幼児が"個性"を初めて発言させたような…。」
「それに敵Pは0。あれを壊すまでは典型的な不合格者だった。」
「対照的に敵P77、救助P0で二位の爆豪勝己も大きなポテンシャルを秘めている。桐生戦兎が敵Pをうまく稼ぐことが出来なかったのも彼の影響だと言っても良い。それくらい戦闘能力に長けている。まさにタフネスの賜物だ。」
「今年のヒーロー科は非常に豊作だぜ!これからが楽しみだな!」
次々と合格者について評価していく教師陣。彼らは生徒達のこれからの成長にそれぞれ想いを馳せていた。
万丈「…はっ!!!」
戦兎「おう、目が覚めたか。万丈」
カッと目を見開いて起床した万丈はすぐさま戦兎に掴みかかった。
万丈「てめえ突然何すんだよ…!」
戦兎「落ち着けって!事情話してやるから!」
戦兎は万丈の腕を振り払って椅子に腰掛け、万丈はベッドに座った。そして戦兎は落ち着いて話し出す。
戦兎「いいか万丈、確かお前にはビルドドライバーはまだ扱えないという話をしたな。」
万丈「ああ、ハザードレベルが足んねえっつーはなしだろ?」
戦兎「そう。でもお前にはまだもう一つ足りない物がある。ネビュラガスだ。」
万丈「は?どういうことだよ。俺たちは人体実験されたじゃねえか。」
戦兎「前の世界ではな。俺やお前は新世界で身体が再構築されてる。赤ちゃんの状態からな。当然、その赤ちゃんが人体実験なんかされてるわけもないだろ?」
万丈「お?おう…そ、そうだな?」
万丈は首を傾げる。雄英に受かったとはいえ、知能はそこまで高くないらしい…。
戦兎「お前全ッ然分かってねえだろ。ま、要するに新世界に来た影響でネビュラガスが全部抜け切ってるってことだ。ということは当然、変身するにはネビュラガスを注入する必要があるってわけだ。そこで使うのがこいつ!」
そう言って戦兎は万丈に弾を撃ちこんだ物を取り出した。
万丈「だからそれスタークとかローグとかが使ってた奴じゃねえか!」
戦兎「そう。トランスチームガンとスチームブレードだ。」
万丈「なんでお前がそれ持ってんだよ!」
戦兎「作ったに決まってるでしょうが!少しは考えなさいよ。」
いつものようにツッコミを入れる戦兎。戦兎は万丈が雄英高校に合格したことから少しは頭が良くなっていると思っていたが、全く変化しておらず少しだけガッカリした。
万丈「んで、それがなんで必要なんだ?別にスタークに変身するわけじゃねえだろうしよ。」
戦兎「この二つをライフルモードにした時の弾の種類の中に"デビルスチーム"って弾がある。お前も見ただろ?これで人をスマッシュにしたところ。」
万丈「ああ、確か葛城のお袋に会いに行った時にガキがスマッシュにされてたな。あと研究員とかも。」
戦兎「スマッシュにすることができるってことはネビュラガスを注入できるってわけだ。」
万丈「なるほど!でもよ、そんなもん作るくらいだったら最初っからあのクソデカ装置作っときゃ良いじゃねえか。」
戦兎「作ったとしてどうやって一人で起動させんだよ。俺だけでいつもの装置使うには1人じゃ絶対に無理に決まってんだろ?」
万丈「言われてみればそうだな…。ところでお前この11年くらいで何作ったんだよ。」
戦兎「まあ色々作ったよ。それに作るためにライセンスも取得したし。俺が作ったのはビルドドライバーとベストマッチ専用の武器とトランスチームガン、スチームブレード、エンプティボトル60本くらいとビルドフォン、あとは…」
ガサゴソと自分の引き出しを漁って様々な物を引っ張り出す戦兎。その中に一つ、危険な物があった。
万丈「ハザードトリガー…。作ったのかそれ。」
戦兎「一応な。でもフルフルラビットタンクボトルが出来るまでは使わない。」
神妙な顔をしてハザードトリガーを眺める戦兎。一度青羽を殺害してしまったからか、ハザードトリガーの扱いには慎重になっているようだ。
万丈「じゃあ作っちまえば良いじゃねえか。」
戦兎「いや、それが無理なんだ。この世界のフルボトルは何故か前世界のものよりちょっと弱体化してる。おそらくボトルの成分がネビュラガス由来のものじゃなくてこの世界特有の"個性"由来だからだと思う。とは言っても誰かをスマッシュにして成分を回収するなんてことはやっちゃいけない。まあ、何故かお前のドラゴンフルボトルだけは前世界と全く変わらなかったけどな。とにかく、そんな状態だからフルフルラビットタンクボトル作るにはラビットとタンクが二つずつ必要なんだ。」
万丈「ほーん。よく分かんねえけど今は作れねえってことだな。それにしてもこれがあるなら先に言ってくれよ!」
万丈は立ち上がって戦兎が持ってたトランスチームガンを取る。
万丈「これがあれば俺もスタークに変身出来たかもしれねえのによ。」
戦兎「変身できてもハザードレベル上がんねえから意味ねえだろ……っておい!スタークに変身出来たかもってどういうことだ?俺はコブラロストフルボトルなんて持ってねえぞ?」
意味深なことを言う万丈の肩を戦兎ガッと掴み、問い詰める。
万丈「ん?ああ、言ってなかったっけ?俺持ってるんだよ。コブラロストフルボトル。」
そういうと万丈はポケットからコブラロストフルボトルを取り出した。戦兎はそれを奪い取り、じっと眺める。
戦兎「本物だ…。なんでお前がこれを持ってる?」
万丈「いや分かんねえけどよ、俺が4歳になってから一年くらいした時に道に落ちてたんだよ。とりあえず持って帰ってきてそっからずっと持ってるぞ。」
戦兎「なんでそう言うこと先に言っとかないんだよこのバカ…」
万丈「だって聞かれてねえし。ってかバカってなんだよバカって!筋肉つけろ筋肉!」
戦兎「まあ良いや。せっかくだしコブラロストフルボトルとトランスチームガン、スチームブレードはお前に託しとくよ。でもスタークには変身すんなよ?ハザードレベル上がんねえから。緊急時は別だけど。」
そう言って戦兎はコブラロストフルボトルとトランスチームガン、スチームブレードを万丈に手渡す。
万丈「分かってるって。とりあえずしばらくは武器としてしか使わねえから。それにヒーローコスチュームも俺たちには必要ねえしな。」
戦兎や万丈はそれぞれ仮面ライダービルド、仮面ライダークローズとして変身して戦っていくことになるため、被服控除等は必要ないのだ。
戦兎「あ、そうだ万丈。お前個性届更新しとけよ。流石に"無個性"じゃおかしいし。俺は一応“ビルド”っていう名前で登録してる。とりあえずお前は筋肉バカとかでいいだろ」
万丈「良くねえよ!つかなんで“個性“が筋肉バカなんだよ。普通に“クローズ“で良いだろ“クローズ“で。」
戦兎「とにかく"個性"ありってことだけ書いとけばあとはなんでもいい。」
万丈「これでひとまず俺にも"個性"ありってことになんのか。」
戦兎「でもお前がハザードレベルをしっかり上げていかないと意味ないからな。つーわけでこれから入学までみっちり戦ってやるから覚悟しろよ?」
そう言って戦兎は腰にビルドドライバーを巻く。
万丈「お前こそ俺の強さに泣きべそかくんじゃねえぞ?」
万丈は戦兎に対抗してドラゴンフルボトルをシャカシャカと振った。
そして戦兎と万丈は入学までの約1ヶ月、万丈のハザードレベルを上げるために数々の戦闘をこなした。
そして入学日。戦兎はA組、万丈はB組に配属された。これから数多くの災難が彼らの身に降りかかることをヒーロー科のみんなは知る余地もなかった。