天才物理学者と筋肉バカのヒーローアカデミア   作:いぷしろん

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戦兎「さ、今日は久々にあらすじをしちゃいますよ。仮面ライダービルドで天ッ才物理学者の桐生戦兎と仮面ライダークローズで元格闘家の万丈龍我は、マスターにチケットを譲り受けたり旧友のメリッサの招待があったりしてI・アイランドに来ていた!一通り楽しんだ後、パーティに参加することになるもヴィランがアイランド全体を占拠。そんなヴィランを止めるため最上階の200階まで階段で駆け上がることになる羽目に…」

万丈「地獄だったぜあれは…。しかも途中でヴィランやらロボットやら…。色んなやつが俺たちを上に登らせるために残ってくれてなんとか最上階に登れたけど、そこでこの事件の真犯人が判明しちまった!…そういやアイツは今頃どうなっちまってるんだろうな…」

戦兎「聞いた話だとやっぱ警察に連行されたみたいだぞ。メリッサは今1人になったらしいし、向こうだと卒業近いかもだからいずれはこっち来るかもな。」

万丈「だったら今度は日本を紹介してやらねえとな。んであらすじに戻るとウォルフラムと戦ったわけなんだけど、そこで俺は戦兎から盗んだスクラッシュドライバーで仮面ライダークローズチャージに変身!」

戦兎「せっかくデヴィット博士に見せようと持ってきたのに勝手に持っていきやがって…。まあおかげで助かったけどな。そして俺と万丈、緑谷、オールマイトの必殺技で無事にウォルフラムを撃破したのでありました!というわけでどうなる第43話!」























林間合宿編
(2⁷+1)/3=43話


林間合宿。それは期末試験やI・アイランドでの事件を乗り越えた雄英生徒たちにとって甘美なご褒美である。夏休み前に緑谷が死柄木と接触したという事件があったため、行き先は未だに不明ではあるがきっと楽しいに違いない。誰もがそう意気込んでいた。

 

相澤「一時間後に一回止まる。その後はしばらく…」

 

「YouTube流そうぜ!」

 

「しりとりしよー!」

 

「ポッキーくれよポッキー!」

 

「まさかビルドドライバーにも新しいドライバーがあったなんて…。にしても万丈くんのクローズチャージ、カッコよかったなぁ…!」

 

相澤が口を開くがはしゃぎすぎて誰も話を聞いていない。

戦兎も緑谷にクローズチャージのことを問い詰められているようだ。いつものヒーローオタクが発動しているようで周りも『いつものやつか…』と呆れた様子を見せている。

そんな光景を見た相澤は『こうやってはしゃいでいられるのも今だけだ』と口を閉じ、アイマスクをして寝始めた。

 

上鳴「やっと休憩か…」

 

峰田「おしっこ…おしっこ…」

 

切島「つかここ…パーキングエリアじゃなくね?」

 

1時間後。バスが止まり、みんなは降車することになった。そこはパーキングエリアかと思われたが周囲一帯は山と森に囲まれた場所だった。何が何だか分からないみんなは混乱しているようだ。

 

「よーうイレイザー!」

 

相澤「ご無沙汰してます」

 

突然やってきた謎の女性2人に相澤は頭を下げた。と思いきや…

 

「煌めく瞳でロックオン!」

 

「キュートにキャットにスティンガー!」

 

「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!!」」

 

突然スーパー戦隊やプリキュアなどの別枠番組のような名乗りをしてきた。彼女らはどうやらプッシーキャッツという4人一組のプロヒーローのようだ。緑谷曰く、マンダレイ、ピクシーボブ、ラグドール、虎の4人で結成され、キャリアはもう12年にもなるそう。つまり実年齢は…

 

ピクシーボブ「心は18!心は!?」

 

緑谷「じゅ、18…」

 

緑谷は年齢のことに触れたせいか、ピクシーボブに顔面を掴まれて何度も『心は18』と言わされる羽目になった。

そんな中マイペースな戦兎は…

 

戦兎「おっ、スマホボトル!最ッ高だ!」

 

後頭部のアホ毛をぴょこんと逆立たせてそう言った。マンダレイは若干引いていたが、『すいませんうちの戦兎が…』と切島が謝っていた。

 

マンダレイ「気を取り直して…あんたらの宿泊施設はあの山の麓!今は午前9時30分…。早ければ12時前後かしら…?」

 

マンダレイは遠くの山を指差し、舌舐めずりをしながらそう言った。嫌な予感がした一部の生徒がバスに戻ろうと駆け出す。

 

マンダレイ「12時半までに辿り着けなかったキティはお昼抜きね」

 

切島「バスに戻れ!早く!!!」

 

みんな急いでバスに戻ろうと走るも、突如として地面が波を打ち始めた。液体のように生徒たちに襲いかかり、飲み込まれた。

 

相澤「悪いな諸君。合宿はもう始まってる。」

 

マンダレイ「私有地につき"個性"の使用は自由だよ!今から3時間!自分の足で施設までおいでませ!この“魔獣の森"を抜けて!!!」

 

土の波に飲まれて地面に衝突しそうになる中、戦兎はすぐにベルトを装着し、手に持っていたスマホボトルと適当に取り出した有機物系統のボトルをベルトにセット。素早くレバーを回した。

 

Bat!Smapho! Are you ready!?】

 

戦兎「変身!」

 

そうして戦兎は仮面ライダービルド、バットスマホフォームへと変身。蝙蝠が如き羽を広げてひとまず上昇した。が、他のみんなはすでに崖の下。一応みんな無事ではあるが、上までは上がって来れない様子だ。

 

ピクシーボブ「おおっ!空飛んでる子いるねー!そう言う子には空飛ぶ魔獣をプレゼント!」

 

ピクシーボブは地面に手をつけた。すると土はどんどんと盛り上がってゆき、巨大な龍を生成した。

 

戦兎「なるほど、コイツを倒して合宿上までこいってことか。」

 

下を見ると緑谷たちも魔獣に遭遇している様子。しかし所詮は土の塊。壊してしまえば問題はない。

そんなことを考えていると土の龍が鋭い爪でこちらに攻撃してくる。慌てて左腕のスマホ型液晶シールド(ビルドパッドシールド)で相手の攻撃をいなし、シールドの角を思いっきり叩きつけた。

 

Engine!Best Match!!!Are you ready!?】

 

戦兎「ビルドアップ」

 

暗黒の機動王!!!バットエンジン!!!イェーイ!!!】

 

さらに戦兎はエンジンフルボトルを使ってバットエンジンフォームへと変身。赤くて巨大な左腕でエンジンの推進力を用いて殴るとバラバラになって地面に雨が如く注ぎ込まれた。

 

戦兎「魔獣の森ってそういうことか。だったら俺も緑谷たちに加勢したほうが良いかな。」

 

そう呟いて彼はみんなの方へと飛んでいった。すると彼らもまた、ティラノサウルスのような魔獣に襲われていた。しかし皆優秀で、どんどんと突破していっている。

 

飯田「戦兎くん!無事だったんだな!」

 

戦兎「なんとかな。とはいえこの森の中を進んでいくのは…いや、あのフルボトルを使えば…」

 

何か思いついたのか、ブツブツと呟きながら懐から二本のフルボトルを取り出し、シャカシャカと振り始めた。

 

Wolf!Smapho!Best Match!!!Are you ready!?】

 

戦兎「ビルドアップ!」

 

繋がる一匹狼!!!スマホウルフ!!!イェーイ!!!】

 

そして戦兎は仮面ライダービルド、スマホウルフフォームへと変身。右腕のウルフェイタルクローを立て、さらに狼型のエネルギー体を数多く召喚した。

 

緑谷「すごい!これなら早くここを抜けられるかも!」

 

爆豪「どこが一匹狼なんだよクソがッ…」

 

緑谷は好奇の目で、爆豪は少し怒りながら戦兎を見た。

戦兎の参戦により進軍スピードは急激に上昇。土の魔獣も次々と倒れていったが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マンダレイ「おつかれ〜。予想よりは早かったけど…残念ながらお昼ご飯抜きだね!」

 

現在時刻は15:30。比較的早く着いた方だろう。しかしみんなはボロボロ。特に戦兎に対抗心を燃やしていた爆豪と轟はいっそう全身土まみれだ。

 

瀬呂「なにが『3時間』ですか!!」

 

マンダレイ「悪いね、アレ私たちならって意味。」

 

ピクシーボブ「でも私の土魔獣が思ったより簡単に突破されちゃった。中でもそこの5人!特にその変なベルトつけた子!その躊躇のなさは経験値によるものかしらん?3年後が楽しみ〜!唾つけとこっ!」

 

彼女は緑谷、飯田、轟、爆豪、そして戦兎の5人を指差してそう評した。

その後、相澤の指示通りバスから荷物を下ろして運び、各自部屋に持ち込んだ。その途中、緑谷がマンダレイと一緒にいた少年、洸汰に話しかけていたが金的を食らっていた。

 

そして夕食には少し早く、疲れただろうからと先に入浴をした。案の定峰田が覗きを遂行しようとしていたが洸汰に止められ未遂に終わった。

 

18:00から夕食となった。流石に疲労困憊、昼食もろくに取らなかった彼らはプッシーキャッツの用意した夕食をあっという間に平らげた。肉、魚、ご飯、パン、麺類、好きなものを誰でも取り放題でどれもが一級品の美味しさだ。

その後は女子男子交えて大部屋で話し込んだり、ゲームをしたりしていた日を終えた。

 

そして翌朝。朝の5:00に起床した彼らA組は寝ぼけながらも体操服に着替えて集合した。

 

相澤「おはよう諸君。本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は全員の強化及びそれによる仮免の取得。具体的になりつつある敵意に立ち向かう為の準備だ。心して臨むように。というわけで戦兎…じゃなくて爆豪、こいつを投げてみろ」

 

爆豪に投げ渡されたのは体力テスト時のソフトボール。何故か戦兎ではなく爆豪と言い直していたのは何か理由があるのだろう。

 

相澤「前回の入学直後の記録は705.2m、どんだけ伸びてるかな」

 

切島「この3ヶ月間色々濃かったからなぁ!めちゃくちゃ伸びてんじゃねえの!?」

 

爆豪の記録に期待を寄せる生徒たち。1000mを超えるかもしれないという予想をしている者もいた。

 

爆豪「んじゃまぁ…」

 

爆豪は指をポキポキと鳴らし、球に爆風を交えながら『くたばれ!!!』と叫んでボールを投げた。そのボールは綺麗な円弧を描いて飛んでゆき、しばらくして遠くの地面に落っこちた。相澤のスマホに記録が映った。

 

相澤「709.6m」

 

相澤がそう宣言し、みんなは驚愕した。ほとんど伸びてないのである。4mなんて誤差の範疇。これでは記録が伸びたとは言えない。

それと同時にどうして戦兎ではなく爆豪が選ばれたかを理解した。どう考えても記録が伸びるに違いないからだ。ラビットタンクスパークリングも他のフルボトルも揃っている。デモンストレーションには明らかに不向きだ。

 

相澤「約三ヶ月間様々な経験を経て確かに君らは成長している。だが、それはあくまで精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで"個性"そのものは今見た通りでそこまで成長していない。だから、今日から君らの"個性"を伸ばす。死ぬ程キツいがせいぜい死なないようにな。」

 

相澤はニヤリと不気味な笑みを浮かべてた。その瞬間、背筋がゾクゾクとした。地獄の始まりだと誰もが予感していた。

 

相澤「それじゃあ…よろしくお願いします。」

 

相澤が後ろの森に向かってそう言うと凄い勢いで4人のヒーローが生徒の前に降り立った。

 

マンダレイ「煌めく眼でロックオン!」

 

ラグドール「猫の手、手助けやって来る!」

 

虎「何処からともなくやってくる……!」

 

ピクシーボブ「キュートにキャットにスティンガー!」

 

「「「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!!」」」」

 

またもや某スーパー戦隊さながらの名乗りで出現したのはプッシーキャッツたち。しかも見たことないヒーローが2人いる。特に虎は性別までもが違う。何があったのかは…聞かないでおこう。

 

相澤「今からは"個性"の種類ごとに分かれて訓練を行う。ここからは彼女らの指示に従って"個性"を鍛えるように。以上!」

 

プッシーキャッツらの指示に従ってそれぞれ訓練を開始した。ラグドールの"サーチ"でそれぞれの適した訓練法を探し出し、ピクシーボブが訓練場及び訓練相手を作り出す。虎は基礎的な身体能力の底上げを担当し、マンダレイがそれらを総括する。

当然戦兎にも指示が出される…かと思いきや、ラグドールにサーチされたはいいもののなぜか戦兎はほったらかし。既に他のみんなは訓練を開始してしまっている。

 

ラグドール「そうだそこの君。戦兎くん…だっけ?ちょっとこっち来てー」

 

戦兎「え?あ、はい…」

 

ラグドールに言われるがまま、戦兎は森の奥へと入っていった。

 

ラグドール「ごめんね。ちょっと聞きにくいことだから場所を変えたんだけど、君の"個性"について…。君の"個性"の欄にあるはずの"個性"らしき内容がないんだよね。」

 

いつものひょうきんさとは打って変わって、神妙な顔つきで語ってきた。

戦兎も彼女の"個性"を聞いて薄々気がついていた。いつかは自分のことがバレてしまう。隠し通すことはできない。仕方がない、戦兎は話すしかないと口を開いた。

 

戦兎「実は俺には…」

 

ラグドール「いや、その代わりなんか変な項目があってね。」

 

戦兎「…え?」

 

全てを話そうとしたところでラグドールは戦兎を遮って話を続けた。

 

ラグドール「"ハザードレベル"って知ってる?今のところ君くらいにしかないから何か訳ありなのかと思って。」

 

戦兎「え…あっ…まあ実はそんなとこです。俺もよく分かんないんですけどそのハザードレベルが上がればこのドライバーとかボトルの力をより引き出すことができるんですよ。そしてこれは戦えば戦うほど上昇します。俺の他にもB組の万丈とかが…」

 

なんとか適当なことを言ってその場を凌ごうとした。と言ってもこれは嘘ではない。事実、ハザードレベルが上がれば戦力は上昇する。

 

ラグドール「ふーん。なんかよく分かんにゃいけどまいっか!ごめんねなんか意味深な話して!実は"無個性"なんじゃにゃいかと思ってさー!ま君がもし仮に"無個性"だったとしてもあちきは構わにゃいんだけど!」

 

唐突に明るく振る舞い始めたラグドール。そして"無個性"であることを隠し通せたことに戦兎は少しだけホッとしたが、どうにもなんだか掴みどころのないラグドールに少し混乱し始めた。

 

ラグドール「さ、それじゃあ訓練に戻ろ戻ろ!」

 

ラグドールはそう言って戦兎の背中を押して無理やりみんなのいる場所に連れていった。地獄の訓練の幕開けである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

林間合宿一日目 夜2時。

 

「疼く…疼くぞ…。早く行こうぜ…!」

 

「まだ尚早。派手なことはしなくていいって言わなかったか?」

 

「急にボス面しやがったな。反撃の狼煙をあげるのはまだだ。」

 

下には薄暗い森が見える崖の上で人が蠢いている。

 

「ていうかこれ可愛くないです。」

 

「どうでもいいから早くやらせろ…ワクワクが止まんねえよ…!」

 

「黙ってろイカレ野郎共。まだだ。決行は1()1()()全員揃ってからだ。」

 

ヴィラン連合"開闢行動隊"。彼らは自らをそう呼称した。世の中を混沌渦巻く状態にする第一歩の灯火だ。

 

「いやぁ悪い悪い。遅れちまったよ。イマイチこの身体にはなれなくてね。」

 

カツカツと歩いてきたのは緑髪で四白眼を持つ女の子だ。とはいえ言葉遣いも歩き方も不恰好で女子らしくない。

 

トガ「…もしかしてあの気色悪い人?」

 

「気色悪いとは心外だなぁ。シンイリだよ。」

 

荼毘「お前女だったのか」

 

シンイリ「違う。この身体は借り物だ。トガと荼毘以外は初めましてだからな。警戒してこの身体を使ってんだ。ってこんな話はどうでもいい。あと来てないの誰だ?」

 

荼毘「Mr.、トゥワイス、後は俺専用の脳無だ。コイツらが揃い次第作戦決行だ。」

 

そして雄英生徒は思い知らされることになる。彼らの平穏はヴィランの掌の上だということを。ヒーロー飽和時代はまさに終焉を告げようとしていることを。

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