万丈「事前に説明しとけばよかったのになんでそうしなかったんだよ。」
戦兎「もしお前が拒否とかして暴れられたらちゃんと撃ち込むことが出来ないだろ?」
万丈「拒否とかするわけねえだろ!むしろあんな撃ち方された方がビックリするわ!」
戦兎「無事にネビュラガスを注入することが出来たから良いじゃねえか。そして注入後にトランスチームガンとスチームブレードを万丈に渡すが、万丈はおもむろにコブラロストフルボトルを取り出す。」
万丈「なんであんなとこにロストフルボトルあったんだろうな。」
戦兎「ロストフルボトルは人工物だから自然に存在するなんてことはあり得ないはずなんだけど…。」
万丈「そんな中俺たちは俺のハザードレベルを上げて俺を仮面ライダークローズに変身させるべく、入学までの間ずっと戦闘訓練を行っていた!」
戦兎「そしてついに来た入学日。俺たちの学校生活はどうなってしまうのか!というわけでどうなる第5話!」
戦兎「ここが一年A組の扉か…。めちゃくちゃデカいな。」
桐生戦兎は朝早くに雄英高校ヒーロー科、一年A組の扉の前に来ていた。バリアフリーのための巨大なドアをスライドさせ『一番乗りだー!』と陽気に入っていく。しかし戦兎は1番ではなかった。そこにはキョトンとした八百万百がすでに席に座っていた。
戦兎「え、あ、どうも。」
八百万「どうも…」
己のしたことに恥ずかしくなったのか、戦兎は少し萎縮して席に座った。と思いきや何かを思い付いたのか再び席を立ち、八百万の近くによる。
八百万「な、なんですの?」
唐突に近づいてくる戦兎に少し顔を引きつらせながら会話を試みようとする八百万。
戦兎「まあ…ちょっとね」
そう言いながら戦兎はエンプティボトルを取り出し、八百万に近づける。すると灰色の粒子が出現しボトルに収納され、そしてそのボトルは灰色の光を放ち、ロボットフルボトルへと変化した。
戦兎「やった!成分採取できた!最ッ高だ!それにしてもロボットフルボトルか。火炎系の"個性"の人がいればもしかしたらフェニックスフルボトルが採取できるかもしれない。そうなれば…」
戦兎はいつものように後頭部の髪の一束をぴょんと跳ねさせ、ブツブツとずっと一人で喋る。
八百万「それは何ですの…?」
戦兎「ん?ああ、俺の"個性"みたいなやつだよ。まあ深くは気にすんな。」
八百万「分かりましたわ。」
八百万は不思議そうに戦兎の顔を見てそう言った。
戦兎「あ、そうだ!俺は桐生戦兎。よろしくな」
八百万「私は八百万百。これから3年間よろしくお願いしますわ。」
八百万は丁寧にお辞儀をした。そして八百万が顔を上げた時、一人の生徒が入ってきた。飯田天哉である。
飯田「おはようみんな!!!ボ…俺は私立聡明中学出身の飯田天哉だ!よろしく!」
元気よく挨拶し、ドカッと着席する。そんな飯田に二人は少し引いたような感じで挨拶し返し、自己紹介を軽くした。
八百万(また変な人が…)
戦兎「そうだ。飯田にも少し…」
そして再びポケットからエンプティボトルを取り出して飯田に近づける。今度は赤色の粒子が出てきてボトルに収納され、赤く発光したのちにエンジンフルボトルへと変化した。
戦兎「エンジンフルボトル!この前のバットフルボトルと合わせてベストマッチだ!ひゃっほう!!!」
戦兎はもはや教室に2人がいることを忘れてはしゃぎ出す。
八百万(雄英高校ヒーロー科にはこんな変な人たちしかいませんの…?)
八百万は完全にドン引きし、飯田は『静かにしないか!』と注意するが戦兎は全く持って聞く耳を持たない。それどころか『あー早く試したい…!』という妄想すらしだした。そして再び生徒が入ってくる。その度にこれを繰り返し、いつしか戦兎はクラスで浮いている存在になった。当の本人は全く気にしておらず、むしろ大量のボトルを手に入れたことが嬉しいようだが…。そしてしばらく時間が経った後、爆豪が教室に入ってきた。
戦兎「また新しい人来た!今度はどんなフルボトルが…」
爆豪「新しい人来たじゃねえよ。てかてめえこの間のボトル野郎じゃねえか!」
戦兎「あ、お前は………誰だっけ?」
爆豪「ふざけんな!!!てめえあん時俺をコケにしただろうが!」
爆豪は戦兎のことを覚えていた…というより戦兎が変人すぎて忘れられなかったのもあるが、一方で戦兎は爆豪のことなど思いっきり忘れていた。
そんな中、戦兎は爆豪にボトルを近づけた。しかし爆豪には全く反応せず成分の収集はできなかった。
戦兎「うーんダメか…。」
爆豪「んだとてめえ!!!何がダメなんだよ!ああ!?」
ガッカリした戦兎の様子を見てさらにブチギレする爆豪。そんな彼らを仲裁するため、『やめないか君たち!』と言って飯田が割って入ってきた。
爆豪「てめー誰だよ!つかどこ中だよ!」
飯田「俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ」
爆豪「聡明〜!?くそエリートじゃねえか!ブッ殺し甲斐がありそうだな!」
爆豪と飯田がやり取りをしている時、緑谷と麗日が恐る恐る入ってきた。その2人を戦兎は見逃さず、すぐさまエンプティフルボトルをかざす。緑谷は『急に何!?』と驚いていたが飯田がフォローし、緑谷を落ち着かせた。そして緑谷と麗日はなんとなく自己紹介を済ませる。
戦兎「ヘリコプターフルボトルと反応なし…か。緑谷…だっけ?もしかして"個性"浮遊とかだったりする?」
緑谷「えっと…僕の“個性"は超パワーっていうかなんていうか…」
戦兎「そっか…。ただ単純に"個性"によって成分が抽出されてるわけじゃないのか…。」
ワン・フォー・オールを持つ緑谷からはなんとヘリコプターフルボトルの成分が採取できてしまった。"個性"と成分が異なってしまっていたため、戦兎はもう一度フルボトル採取の考察をやり直す。
麗日「なんか…変な人だね。でもこれからの学校生活楽しみだよね〜」
緑谷に朗らかに笑顔でそう話す麗日。緑谷は照れて少し顔を隠す。その時、寝袋に包まれた相澤が現れ一言
相澤「お友達ごっこしたいならよそ行け。」
と言い放った。その低い声で教室は静まり返った。…ただ1人を除いて。
戦兎は相澤にも怯まずエンプティボトルを近づけた。白い粒子が収納され消しゴムフルボトルが出来上がる。いつもなら盛り上がっているところだが、流石に制服を着ていないくたびれたおっさん相手に『最ッ高だ!』などということはできなかった。
戦兎「あんたは雄英の生徒…じゃ、なさそうだな。」
相澤「その通り、担任の相澤消太だ。よろしくね。」
そういうと相澤は寝袋からゴソゴソと体操服を取り出した。
相澤「早速だが、体操服着てグラウンドに出ろ。」
戦兎を含めたみんなは突然の展開に驚く。入学式やガイダンスだけだと思っていたが、まさか初日でそれ以外のイベントがあるとは誰も予想していなかった。
「「「個性把握テストォ!?」」」
相澤からそう伝えられたA組のみんなは驚き、『入学式は!?』『ガイダンスは!?』などと口々に文句を言う。
相澤「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ。雄英は自由な校風が売り文句。そして、それは先生側もまた然り。ソフトボール投げ、立ち幅とび、50m走、持久走、握力、反復横とび、上体起こし、長座体前屈、中学の頃からやってるだろ?"個性"禁止の体力テスト。」
戦兎「そんなことやって何の意味があるんだよ。」
相澤「自分の"最大限"を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段だ。試しに入試トップの桐生戦兎。このボール持ってその円の中に入れ。」
(((あの人が入試トップなんだ…。)))
相澤から指示され、戦兎はボールを持って円の中に入ると同時に、みんなはボトルから成分を採集して回っていた変人が入試トップであることを知り驚く。
相澤「お前中学の時ソフトボール投げ何mだった?」
戦兎「49mっすけど」
相澤「じゃあ"個性"使ってやってみろ。円の外に出なければ何をしても良い。思いっきりやれ。」
戦兎「わかりました。」
相澤の発言を聞いた戦兎はどこからともなくビルドドライバーを取り出し、腰に巻きつける。そしてラビットとタンクのフルボトルをシャカシャカと振り出した。突如として現れた難解な数式に『なんだこれ!?』と驚く人が続出する。
戦兎「さあ、実験を始めようか!」
そしてベルトにボトルを差し込む。
【Rabbit!Tank!Best Match!!!】
ベルトから待機音が流れ、戦兎はベルトの横にあるボルテックレバーを回した。
【Are you ready!?】
戦兎「変身!!!」
【鋼のムーンサルト!!!ラビットタンク!!!イェーイ!!!】
戦兎が変身する様子を見ていたみんなは『変身した!?』と驚いたり『あの時の…!』と見覚えのあるものがいた。
そして戦兎は再びボルテックレバーを回転させた。
【Ready Go!!!Vortex Finish!!!イェーイ!!!】
戦兎は円ごと地面を踏み抜き、前回同様に地面を一気に高くする。その高さはビルドの背丈の約2倍の3.92mにもなった。そこに達したと同時に戦兎は地面を踏み込み高く跳ぶ。そして地面から58.92mのところで、ボールを宙にそっと置いた直後、隆起した地面から45°の角度でボールを右足で思いっきり蹴り上げた。そんな戦兎を見たみんなは
(((投げねえのかよ!!!)))
と心の中でツッコミを入れた。もはやソフトボール蹴りである。しかし先生は何をしても良い、自由が校風と謳っていただけあり黙認していた。当然これも戦兎計算通りであり、初速度174m/sで運動するボールは遥か先の方まで飛んでいった。約25.5秒後、誰にも見えないところでボールが落ちた。
『記録:3,145m!』
「3000m!?嘘だろおい!?」
「"個性"やばすぎんだろ!さすが入試一位になるだけあるな〜!」
戦兎の圧倒的記録を見て驚愕したり賞賛したり生徒たち。中には『なんだこれ!すげー面白そう!』と興奮している生徒さえいた。その声を聞いた相澤はぴくっと反応する。
相澤「…面白そう…か。ヒーローになるための3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのか?」
みんなは相澤のその声に反応し、ビクッと軽く身震いした。
相澤「よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としよう。」
「「「はああああ!???」」」
相澤の宣言により一気に緊張感と不満が周囲を駆け巡った。
麗日「最下位除籍って…!いくらなんでも理不尽すぎじゃ…」
相澤「自然災害、大事故、身勝手な敵…。日本は理不尽だらけだ。そういうピンチを覆すのがヒーローだ。放課後マックで談笑したかったなら生憎、これから3年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。」
相澤は右手で前髪をグイッと持ち上げ、左指の人差し指をクイっとする。
相澤「
相澤は眼光を鋭くさせ、ニヤリとほくそ笑みながらそう言った。
最高峰を見せつけられたと思う者、やる気に満ち溢れている者、不安と焦りで押しつぶされそうになる者、個性把握テストをフルボトルの実験場にしようとしている者、様々な思いが交差する中、ついに第1種目が始まろうとしていた…。