天才物理学者と筋肉バカのヒーローアカデミア   作:いぷしろん

59 / 101
戦兎「仮面ライダービルドで天ッ才物理学者の桐生戦兎は、仮免許取得試験に参加していた!二次試験の救助演習中、ヴィラン役としてギャングオルカが襲来!そんな中、分身体の戦兎はギャングオルカからクジラフルボトルを採取し、仮面ライダービルド、クジラジェットフォームへと変身したのでありました!」

幻徳「クジラジェットか…ふっ、俺の方が強いな」

戦兎「何の根拠を持ってそう言ってんだよ。もしかしたら俺の方が…」

幻徳「いーや俺の方が強い!」

戦兎「んなこと言うんだったらスパークリングフォームにハザードトリガーつけて勝負してやるよ!」

相澤「仮にそれやるとして誰が止めるんだおい…!」

戦兎「や、やだなぁ。一種の冗談ですよ!ね、氷室先生?」

幻徳「準備は出来てるぞ」

戦兎「なんで早速ローグにまで変身してんだよ…。第五十九話、さっさと始まってくれないかなぁ…」















min{N|N∈Irregular prime ∩ Safe prime ∩ Super prime}=59話

AFO「数日ぶりだな。オールマイト」

 

桐生戦兎ら雄英生徒一年A組が一次試験を開始した頃、オールマイトは監獄要塞タルタロスへと足を運んでいた。

 

AFO「ここは窮屈だ。瞬き一つでもしようもんならそこかしこの銃口がこちらを向く。身動きさえできない。もっとも、僕に目はないから瞬きできないんだけどね。」

 

オールマイト「つまらないジョークだな。」

 

AFO「たまにはこういうのもいいだろう?暇で暇で仕方ないんだ。」

 

捕まっていると言うのに呑気に揚々と話すAFO。そんな彼と対峙していると気味が悪く感じてくる。

 

オールマイト「…死柄木弔は今どこにいる?」

 

AFO「知らない。君の(緑谷出久)と違ってもう僕の手を離れてる。」

 

オールマイト「ならば貴様はなにがしたかったんだ。搾取…支配…。人を弄び何を成そうとした?」

 

AFO「君らと同じだよ。ヒーローに憧れた人がいるなら、悪の帝王に憧れた人がいてもおかしくない。僕は後者で、それを実現できる力を持ってただけだ。後継者も僕の理想を叶えるため…。そんなこと君も分かってたろう?何とも生産性のない話だ」

 

嘲笑しながらそう話す彼をオールマイトはじっと睨んだ。

 

AFO「まあいい。せっかく君が来てくれたんだ。生産性のある話でもしよう。僕をここにぶち込んでくれた張本人、桐生戦兎についてだ。」

 

その言葉を聞いた瞬間、オールマイトは目を見開いた。奴からその名が出てくるとは思わなかった。恨みつらみでも話すつもりかと心して、またキッとした目で奴を見た。

 

AFO「僕の"個性"は知ってるだろう?"個性"を奪い、与える。桐生戦兎くんの"個性"は実に強くて使い勝手が良さそうだった。そんな"個性"を見たら奪いたくなるのが性でねぇ。実際そうしようとしたんだ。彼に思いっきり触れたし、内側にも入り込んで"個性"因子を探し込んだ。でもね…()()()()()()()()()()()()。」

 

突然オールマイトは机を勢いよく強く叩いて立ち上がった。

 

オールマイト「…ッ!?ま、まさかッ!?」

 

AFO「そうさ!桐生戦兎!彼は紛うことなき"無個性"!技術力だけでこの僕に勝ったのさ!」

 

オールマイト「嘘だろ…戦兎少年が…」

 

"無個性"。戦兎の知らぬところでついにその秘密を知ってしまう者が現れた。

 

オールマイト「これを知っているのは…?」

 

AFO「僕と君くらいだろうね。もう一人の方は邪魔されてよく分からなかったが、桐生戦兎は確実に"無個性"だ。しかしまあ、代々僕を倒すために受け継がれてきた"個性"を持つ君じゃなくて、なんの"個性"も持たない彼にこの僕が敗北したなんて…なんて皮肉なんだろうな。」

 

そう言いつつも彼はずっと口角を釣り上げてニヤニヤと笑っている。

 

オールマイト(もしこれが本当ならば…私はどうすべきだろうか…。公開してしまってもいいのか…?このことは…。いや、一度戦兎少年に確認してみねば…。)

 

『オールマイト、時間です。退出を』

 

思案に耽りすぎていたのか、話し込みすぎていたのか、気づけばもうすでに対面時間の終わりを告げる電子音が響いた。

 

オールマイト「お前が何のためにこの話をしたのかは分からないが…貴様の企みは全て私とプロヒーローが必ず潰す。指を咥えてそこで余生を過ごすんだな。」

 

オールマイトはそのまま自動で開いたドアから退出。自動ドアが閉まっていく中、AFOは不気味な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

万丈「ついたぞ競技場!!!」

 

オールマイトがAFOとの面談を始める少し前。万丈をはじめとするB組が競技場へと到着していた。

 

ブラド「いいかお前たち!何故か最近A組の爆豪や桐生が注目されているが、そんなことは知ったこっちゃあない!トラブルが少ない分着実に"個性"伸ばしに専念できているのは我々!そして目指すのは全員合格だ!」

 

鉄哲「うおおおおお!!!カッケェッス!!!ブラド先生!!!」

 

万丈「いっちょやってやんよ!!!」

 

拳藤「相変わらずはしゃいでんねぇ。筋肉バカども…」

 

物真「まあそっちの方が二人に合ってるんじゃない?」

 

新しい場所に来たからか、それとも試験だからなのだろうか、公共の場であるにも関わらず大きな声で叫びまくっている。しかしそれだけでB組の指揮が上がるというもの。実質、彼ら2人のおかげでB組が賑やかであるのは間違いない。

 

ブラド「よし、思いっきり意気込んだところで中に入って待機だ。お前たちなら突破できる。頑張れよ!」

 

彼はそういうと観客席の方へと向かっていった。そして万丈らは中へ入る。

 

鱗「へえ、結構人いるんだな」

 

骨抜「いろんな人が集まってるからね。1500人くらい。」

 

取陰「しかも私たち"個性"割れてるから真っ先に狙われそうだし」

 

B組は雄英体育祭時、塩崎と万丈以外は決勝まで進まなかったがそれでも2種目までのデータを参考に攻撃を仕掛けてくる。非常に厄介だ。

そうして話すこと数分。しばらくすると偉い人が前に出てきた。

 

「えー、ヒーロー公安委員会の武田です。今日の試験内容は…」

 

語るのはやはり演習内容。と言っても内容は戦兎たちと全く同じで、ボール当てゲームであった。

 

角取「なるほど、dodge ball的なsomethingですネ!」

 

円場「それなら得意だぜ!空気で壁作りゃあ防げるってもんよ!」

 

庄田「逆に僕は苦手だな…。」

 

逃げたり当てたり防いだりするのが得意な人、苦手な人、どっちでもない人…。"個性"よってバラつきがどうしても出てしまうため、全員合格は難しそうだが…

 

武田「つーわけで展開後ターゲットとボール配るんで、全員に行き渡ってから1分後に開始します。」

 

そう言うと競技場の屋根が真っ二つに割れ始めた。やはり会場は規模が段違い。一体どこから金が出ているのだろうか…?

 

拳藤「ちょっと何チームかに別れた方がいいかもね。"個性"の関係上、攻撃特化と防御特化、逃げ特化とか色々いるし、きちんと振り分けていろんな方に散らばった方がいいね」

 

拳藤や円場は防御特化、柳や塩崎は攻撃特化など、ある程度B組を分類し、それぞれがきちんと役割を果たせるように数名程度のチームに分かれた。

 

万丈「俺のチームは…鉄哲と拳藤と角取と宍田か」

 

鉄哲「頑張ろうぜ!!!」

 

角取「ガンバろうゼ?」

 

万丈「おう!!」

 

強く意気込む鉄哲とそれに便乗する角取。すこし日本語がカタコトなのがまた可愛い。

こうして万丈はこの5人とチームを組むことになった。拳藤が守り、宍田がヘイトを買い、鉄哲と万丈、角取で攻撃するようだ。

 

『開始5秒前…4…3…』

 

万丈はスクラッシュドライバーを取り出して腰に装着。そしてドラゴンスクラッシュゼリーを取り出し、スロットにセットした。

 

Dragon Jelly!

 

万丈「変身!!!」

 

潰れる!流れる!!溢れ出る!!!

Dragon In Cross-Z Charge!!!BRRRRRAAAAA!!!

 

万丈は仮面ライダークローズチャージへと変身。そして…

 

『2…1…START!!!』

 

「まず潰すのは雄英からって決まってんだよォ!!!」

 

拳藤「やっぱそうなるよね…!万丈!」

 

万丈「アイヨッ!!!」

 

Charge Bottle!潰れな〜い!Charge Crush!!!

 

雄英潰しの上級生らが万丈たちを一斉に襲い始めた。と同時に拳藤が掌を巨大化させて飛んでくるボールや攻撃を防御。そして万丈がスパイダーフルボトルで周囲の人を蜘蛛の糸に絡めて動きを止めた。

ブラドは雄英潰しのことは話していないが、拳藤はこのことを予想していたようで、事前に攻撃を防ぐように指示していたらしい。

 

拳藤「第一波は完封…!今のうちに攻撃してさっさと勝ち越し…出来たらいいんだけどね」

 

万丈がスパイダーフルボトルで動きを止めたと言ってもそれはあくまで最前線のみ。遠距離射撃が可能であったり、近づいてなかったものはまだまだ存在する。

 

宍田「みなさん!第二波がやって来ますぞ!!!」

 

さらに今度は銃弾も含めて飛んできた。凍らせるような冷気を纏ったものや痺れるような帯電した球など、動きを止めるためのようなものもだ。

宍田は"個性"のビーストで身体を獣人化したり人化したりして球を華麗に躱し、角取は万丈の影に隠れつつ4本の角砲で敵を着実に倒している。

とはいえ流石に人が集まりすぎている。5人程度のグループを作ったのがかえって仇になってしまったのか、攻撃の激しさに互いのフォローがしきれてない。

 

万丈「やべッ、一つ光った!」

 

拳藤「私も…!このままじゃ全員合格どころか全滅もあり得る!」

 

角取「とにかくハナれたところにrunningしまショウ!」

 

拳藤「分かった!行くよ万丈!」

 

万丈「いや、逃げねえ!!!」

 

飛んできたボールを蹴って弾き返しながら万丈はそう叫んだ。

 

Charge Bottle!潰れな〜い!Charge Crush!!!

 

さらに万丈はクマフルボトルで巨大なエネルギーでクマの右腕を生成し、周囲の人ごと球を薙ぎ払っていった。

 

拳藤「ちょっ、アンタバカァ!?逃げないといくらアンタでもさすがにやられちゃうでしょ!?」

 

万丈「やられねえ!!!こんぐらいでやられてたら戦兎の暴走なんて受け止めきれねえ!」

 

神野での戦兎の暴走。多少なりとも彼なりに気にしているところがあるのだろう。少なくとも、自身の誘拐で彼女の香澄を手にかけさせたことに後悔の念があるようだ。

 

鉄哲「相棒のことを思って…万丈…!泣けるで!!!」

 

角取「コレがヤマト魂!まさにサムライですね!!!」

 

宍田「私も負けぬよう精進しますぞ!」

 

拳藤「あーもう!結局こうなるのね!分かった!好きにすれば!!」

 

逃げる気だった四人は万丈に引きずられるように前を向き、敵を見据えた。

 

拳藤「必殺技だってちゃんと仕込んできてるんだから!!!"双大拳"!」

 

拳藤は両手の掌を巨大化して空中へ飛び上がり、周囲にいる人を一気に巻き込んで手を閉じて挟んだ。さらにその風圧で幾人かが空中へと飛び上がる。

 

宍田「万丈氏には負けていられません!!!"ガオンレイジ"!」

 

拳藤によって空中に浮かんだ人間に飛びかかり、思いっきり地面に叩きつける宍田。さらに暴走して乱撃が来ているにも関わらず器用にボールを避けながらドンドンと相手を制圧していく。

 

角取「They can all endure on the ground!Then I'll attack from where the enemy can't reach!!!《みんななら地上でも耐えられる!だったら私は攻撃の届かないところから攻めるのデース!!!》」

 

彼女は自身の角一本を足場にして空中に浮かんだ。そしてそこから残りの三本の角でボールを弾いたり、相手を押し出したりして確実に数を減らしている。

 

鉄哲「万丈!火ィくれ火!心が燃えたぎるんだよ!!!熱々のチンチン*1になりてえんだ!!!」

 

万丈「よし、やってやるぜ!!!」

 

Charge Bottle!潰れな〜い!Charge Crush!!!

 

今度はフェニックスフルボトルをセットし、万丈、鉄哲とも、約1500℃ほどの鉄が融解するギリギリまで加熱され、帯熱し始めた。

 

鉄哲「これこそまさに理想!"個性"伸ばしで耐熱して帯熱できるようになった俺の熱血チンチンパンチを喰らえ!!!」

 

鉄哲はたいそう下品な技名を連呼しては殴り回った。

ヒーローらしからぬ行動ではあるが…まあ、コレは方言の一種なので問題ない…はず。

 

万丈「みんなすげえな!ドンドン倒してってる!負けてらんねえな!」

 

そういう万丈もクマの右腕を再び発現させて暴れまくっている。彼の逃げない発言でみんなが奮起し、そんなみんなを見てまた万丈が奮起する。まさに正のサイクルが完成していた。

そうして数分後…

 

拳藤「ふぅ…!やっと片付いた!」

 

なにはともあれ彼らの活躍のおかげか、有象無象は片づき、他の参加者らも散らばっていったようで一通り片付いた。疲労困憊の上、万丈の無茶振りで温存するはずの体力や"個性"を最初から使ったため、万丈以外の疲労が凄い。しかしそのおかげか、あとは気絶していたり倒れていたりしている子にボールを当てるだけとなった。

 

武田『残り50人!半分切ったぞオイオイ!』

 

鉄哲「なんとか間に合ったみてえだな!んじゃあ早速…」

 

万丈「いや待て!まだなんかいる…!」

 

アナウンスによると残り50人。なんとか間に合ったと思ったのも束の間、万丈が何かに気がついた。

野性の勘というやつか、気配を読み取ったのか、周囲を見渡すと岩陰から何やら音がした。

 

「バレてしまいましたか。疲労したところを私たちが横取りするつもりだったのに。」

 

「兄貴、弱ったコイツらなんて楽勝に勝てるぞ」

 

出てきたのは赤い長袖の服に黒いズボンを纏い、それぞれ白のスカーフ、緑のスカーフを巻いた男性二人組であった…。

*1
愛知の地域の方言で非常に熱い状態を指す

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。