拳藤「アンタ私らを波乱に追いやったくせに覚えてないの…?アンタの無茶振りで雄英潰しをしにくる面々とまともにやり合うことになったんでしょ?」
万丈「あっ、そうだったそうだった。ぶっちゃけあの後の方が俺的には印象強えからよ…。すっかり忘れてたぜ」
拳藤「はぁ…。結局アンタと鉄哲と物真の面倒は私がみなくちゃいけないから疲れる…」
万丈「その分戦場を経験できるんだから良いだろ?それに拳藤は拳藤で強えし頼りになるじゃん」
拳藤「そんなこと言われるとちょっと照れる…」
万丈「ホントのことだろ?二次試験でも頼りにしてるぜ。ってことでどうなる第六十話!」
雄英潰しで万丈たちを弱るのを狙っていたのだろうか、他の生徒を一掃した瞬間に現れたのは赤い長袖の服に黒いズボンを纏い、それぞれ白のスカーフ、緑のスカーフを巻いた男性二人組であった。
「万丈龍我ですか…。"初"運用にはまあ妥当でしょう。」
万丈「鷲尾兄弟…。こんなとこでまた出会えるとはな。」
どれほどぶりだろう。エボルトによって殺害された鷲尾風、鷲尾雷兄弟の顔を見るのは。戦争中だったとはいえ、彼らも被害者であり加害者だった。
しかしそんなものなどないこの世界では…彼らはどう生きているのだろう。
拳藤「…知り合い?」
万丈「…んまぁそんなとこだ。それより早いとこみんなは逃げた方が…」
雷「逃すと思うか?」
万丈「…だよなぁ…」
やはりそう簡単には逃してくれない。後少しで試験クリアというところなのに…
万丈「よし、俺はあの緑の奴をやる。四人は白の方を頼む」
万丈はそう言うと再びファイティングポーズをとった。他の四人とは違い、万丈はヴァリアブルゼリーの装甲を纏って戦ってきた。外傷も全く無ければ多少の疲れ程度。配分は間違ってない。
風「あなたが強いのは知ってます。が、無駄です。秘策を持つ我々には敵わない」
そう宣言した瞬間、二人はそれぞれ何か銃のようなものを取り出した。それが何か視認するのに時間はかからなかった。
拳藤「あれ!万丈やローグ先生が使ってたやつ!」
万丈「…ッ!やっぱ持ってやがったのか!」
そう、取り出したのはネビュラスチームガン。かつて最上魁星によって作られた武器だ。しかしそれは前世界での話。存在するはずのない武器をどうして彼らが持っているのかは分からない。
雷「今の俺たちの力…見せてやる!」
【Gear Engine!!!Funky!!! 】
【Gear Remocon!!!Funky!!! 】
風は緑色の歯車がついたギアリモコンを、雷は白色の歯車がついたギアエンジンを取り出し、ネビュラスチームガンのスロットにセットした。
そして険悪な待機音声が流れ始める。
雷・風「「潤動!!」」
トリガーを引くとプシューッと黒煙が広がり、暗雲が立ち込めた。そして雷、風は黒い素体を纏い、雷は白色の歯車を右半身に、風は青緑色の歯車を左半身に装着した。
【Engine Running Gear… 】
【Remote Control Gear…】
こうして雷、風はそれぞれエンジンブロス、リモコンブロスへと変身した。かつての姿と遜色ない。
武田『残り30名〜!着実に迫ってきてますよー』
アナウンスが流れてくる。残りは30名。のんびり戦っている暇はない。
万丈「かかってこい!お前は速攻で倒す!」
風「倒されるの間違いですよッ!!!」
風は早速
万丈「お前の攻撃ならもう読み切ってる!無駄だ!」
万丈はツインブレイカーで腹を思いっきり突いた。風は軽く前に倒れかかると、その瞬間万丈が風の顔面を思いっきり右側から殴りつけた。負けじと風は肩部の歯車を回転させながら闘牛が如く、ものすごい勢いで突進してくるが…
【Discharge Bottle!潰れな〜い!Discharge Crush!!!】
万丈はロボットフルボトルを使い、左腕からヴァリアブルゼリーでできた
風「なんのこれしき…!」
風は万丈のパンチを受け止めると万丈に思い切り頭突きを喰らわせ、少し万丈が怯んだ間に蹴りを放った。軽くのけぞるも万丈は体制を立て直して再び反撃に出る。
万丈「急いでるんだ!さっさと終わらすぞ!!!」
【Single!】
万丈はベルトからドラゴンゼリーを引き抜き、スロットにセット。突き出たパイルにドラゴンのエネルギーが溜まっていく。
【Single Break!】
万丈「オラァッ!!!」
風「ガハッ…!」
風のコグチェストアーマーをも貫くほどの強い衝撃。それを食らったせいで風は壁に強く激突。そしてグッタリと座り込んでしまった。
万丈「お前…弱くなったか?筋肉つけねえからそうなんだよ」
風「なんのこと…ですか…!」
風は戸惑っていた。先ほどからこちらを知っているような口ぶりで、秘策と言えるリモコンブロスでさえ全く通じない。以前普通のヒーローに試した時には圧倒できたはずだった。
しかし仕方がない。現在の万丈のハザードレベルは4.8。東都と西都の代表戦時、ヘルブロスとの戦闘時ほどのハザードレベルまで覚醒している。圧倒するのもおかしくはない。さらに風の持つ武器はトランスチームガンのみ。どう言うわけか、スチームブレードも持ち合わせていなかった。
万丈「悪いことは言わねえ。俺たちの邪魔するのはやめてくれ。」
風「…はぁ、いいでしょう。今のままではあなたに勝てない。…
万丈がホッとして気を抜いた瞬間であった。
【Funky Drive!!!Gear Remocon!!!】
風はトリガーを強く引いて必殺技を発動。ほぼゼロ距離で青い歯車型エネルギーが万丈の装甲をガリガリと削り取った。そうしながらも歯車は推進力で万丈を押し出し、不意を突かれた万丈は先ほどの風のように瓦礫へと激突してしまった。
風「雷!あなたのボトルを貸しなさい!」
雷「分かった」
雷は四人相手に攻防戦を繰り広げていたようだが、風のあり様を受けて急遽変身を解除。ギアエンジンを風に投げ渡した。
角取「Why…?どうしてヘンシンを止めるんデスか?」
拳藤「わかんない…。ただヤバいことが起こりそうなのは確かかな。」
風が吹き荒ぶ。もう残り時間も少ないというのに何をやろうというのか、拳藤たちには予想がつかない。
武田『残り20人!早く通過してくれー!』
アナウンスが流れ込んだ。あと五枠残っていなければブラド先生との約束も守りきれない。
風「それでは見せて差し上げましょう。我々の最終兵器を…」
再び風はネビュラスチームガンを取り出し、ギアエンジン、ギアリモコンを手に取った。そしてスロットにセットする。
【Gear Engine!!!Gear Remocon!!!Funky Match!!! 】
風「潤動!」
【FEVER!!!………Perfect!!!】
そして風はリモコンブロス改め、ヘルブロスへと変身した。
鉄哲「が、合体しちゃったよ…!」
鉄哲は万丈が初めてヘルブロスを見た時とまるで同じような反応をした。しかし強さはただ単純に足しただけではない。
万丈「ヘルブロスか…。でも今の俺は負ける気がしねえぞ!」
万丈は強く意気込むと、ヘルブロスの方へ走り出して飛び膝蹴りを繰り出した。それを風は足をはたいていなし、エルボーを喰らわせた。さらに軽くのけぞった万丈の胸を思いっきり蹴りとばした。さらに追い打ちをかけるが如く、両サイドのアーマーから白と青緑の歯車型エネルギー弾を発射し、万丈を吹き飛ばした。
万丈「グハッ…やっぱ強え…!」
風「当たり前です。最終兵器なんですから。」
リモコンブロスの時は勝てていたが、ヘルブロスになると流石に少しキツイ。それでも勝機はまだ煌々と輝いている。
万丈「でも俺はここでお前に勝たなきゃなんねえ!」
万丈はそう叫びながら思い切り右腕を振りかぶり、ヘルブロスの顔面を殴りつけた。さらにそれにつづけてストレートパンチのラッシュ続く。それを食い止めるようにヘルブロスがガシッと万丈の体を掴むも横に回り込んで腕を振り解く。
万丈「じゃなきゃヒーローになれねえからな!!!」
万丈は風の腕を振り解いた後、三発ほど殴りを入れて蹴り飛ばし、距離を取った。そして…
【Ready Go!Let's Break!!!】
クローズドラゴンをセットし、ドラゴンの増幅したエネルギーを溜め込みはじめた。そして左手を自身の手前に、右手で相手を捕捉するようにして狙いを定める。
万丈「オラァッ!!!」
立ち向かってくるヘルブロスに対し、パイルをそのまま勢いと加速度に身を任せてがっしりと突き刺した。パイルの先端からはドラゴン型エネルギーのクローズドラゴン・ブレイズが地を這うように飛び出し、まるでヘルブロスを食わんとするばかりにヘルブロスを遠くへと押し出した。
風「はぁ…はぁ…まさかこれほどまでとは…。だが…負けるわけにはいかない…!」
【Funky Finish!!!】
意固地にも風はトリガーを再び引いて必殺技を発動。すると銃口から何発もの白と青緑の歯車エネルギー弾が発射され、万丈を襲う。
万丈「だったらお互いおんなじだな!」
【Scrap Break!!!】
万丈はレンチをグッと下ろすと、クローズドラゴン・ブレイズの持つエネルギーを全て右拳に集中させた状態で、拳を前に突き出した。するとそこからとてつもないほどのドラゴンエネルギーが溢れ出し、歯車と衝突。激しくぶつかり合う。
万丈「いっけえええええ!!!」
風「グ…グアアアアア!!!」
ぶつかり合って拮抗していた二人の力だったが、ヘルブロスは一歩及ばず、万丈からのエネルギーが歯車のエネルギー弾を呑み込んでそのままヘルブロスへと直撃した。
雷「や、やられた…兄貴が…!?」
万丈「どうよ!これが俺の実力ってもんだ!強えのは戦兎だけじゃねえぞ!」
雷は驚愕した。確かに万丈は強い。そんなことデータから見ても分かっていた。しかし兄貴の風なら倒せると信じていたのだ。その兄が倒された今、兄より弱い自分が敵うはずなかった…。
武田『残り5人!頑張れー』
万丈「ってやべえ!早く通過しなきゃ!じゃあな!またどっかで会おうぜ!」
拳藤「ほら、急いで急いで!!!」
万丈らは風や先ほど倒した上級生の的にボールを当てた。
アナウンス時点で枠は残り五つ。その枠をちょうど埋めるように万丈たちが一次予選を通過した。