一海『しかたねえなぁ。可哀想なお前のために電話で参加してやるよ』
万丈「一海!なんで俺が今前回のあらすじやってるって分かったんだよ」
一海『そりゃエビフライの匂いがしたからな…。』
万丈「俺はエビフライじゃねえ!」
一海『じゃあ海老天だな』
万丈「ちょっとうまそうだしありだな…じゃねえよ!まあとにかく色々あって、結局俺はクローズマグマナックルを使って無事にヴィランを倒すことに成功したのだった!」
一海『なんかエビの話してたら海老天食べたくなってきたな…。環、これ終わったら海老天丼食いに行こうぜ』
万丈「ちょっ、俺も行くから待っとけよ!つーわけでどうなる第72話!」
死柄木「殺風景な事務所だな」
治崎「ごちゃついたレイアウトは好みじゃないんだ」
死穢八斎會所有地地下、オーバーホールこと、治崎廻が死柄木弔率いるヴィラン連合を事務所に呼び出した時の出来事である。
入中「でだ!先日の電話の件、本当なんだろうねろ条件次第でうちに与するというのは」
死柄木「都合のいい解釈をするな。そっちは俺たちの名前が欲しい。俺たちは勢力拡大がしたい。ニーズは合ってるだろ?」
死柄木はドンとガラスのテーブルの上に足をかけた。「汚い、下せ」と治崎は言うが、死柄木はその命令に従うつもりなど無さそうに話を続けた。
死柄木「俺たちは俺たちの好きなようにやる。お互い対等なら協力してやる。それともう一つ、お前たちの"計画"とやらについて聞かせること。その二つが条件だ。尤も…」
クロノ「調子に乗るなよ!」
死柄木が条件について話したところでクロノが銃を死柄木の後頭部に押しつけた。
「おっと…そちらこそ調子に乗ってるんじゃあないかぁ?」
その瞬間、どこからともなく現れたシンイリがクロノの背後からブレード首に突きつけた。
死柄木「やめろシンイリ。俺たちは喧嘩しにきたんじゃないんだ。てか俺はお前についてくるよう頼んだ覚えはない。どっから湧いた」
シンイリ「面白そうな話の匂いがしたんでついてきたまでだ」
死柄木「お前はハエかよ」
冷静にツッコミをする死柄木。それにやれやれとため息をつきながらブレードを下ろした。そして治崎も銃を下ろすよう手を下に下げて合図を送った。クロノは銃を懐にしまい、再び死柄木の様子を伺い始めた。
死柄木「話の続きだ。Mr.コンプレスに撃たれたこの弾、こいつが計画に関係してるんだろ?」
シンイリ「隠そうとしても無駄だぜ。俺の"個性"ならそんなことお見通しだ」
シンイリは人差し指と親指で輪っかを作り、治崎をその輪っか越しに見た。
治崎「それは"個性"を壊す薬だ。それを使って俺は世の中を支配する。」
壊理ちゃんの"個性"は巻き戻し。種としての巻き戻しを使うことで"個性"を持つ前の人間に巻き戻す。それを銃弾にしたというのだ。それも"個性"因子の部分だけを巻き戻すことで、人体には影響が出ず、ただただ永久に"個性"を使えなくするとのこと。それをばら撒き、その元締めとして世界を独占するというのが治崎廻の計画だった。
死柄木「なるほど、面白くないな。ただ名前を貸すのには十分だ。協力してやる。」
治崎「それなら…黒霧、渡我、分倍河原、そこの赤いの…のうち3人を
治崎はシンイリを指さしてそう言った。
死柄木「はぁ…どいつもこいつも便利なやつばっかり…そう簡単に渡せるか。特に黒霧は渡せない」
治崎「仕方ないだろ。これも信頼を得るためさ。」
死柄木「チッ…じゃあ渡我、分倍河原、シンイリの3人をそっちにやる」
シンイリ「おいおいちょっと待てよ。俺に選択肢はないのかぁ?」
死柄木の肩に手を置きながらシンイリが話に首を突っ込み始めた。
死柄木「仕方ないだろ。黒霧はどう考えても渡すわけにはいかない。」
シンイリ「言っただろ…俺は雄英の前には出ないってなぁ。そもそも俺は今別件で忙しいんだ。八斎會には入らない。」
入中「貴様ァァァ!どうして協力しない!!!」
シンイリの発言に腹を立てた入中がシンイリに銃を突きつける。それに同調してクロノも銃を突きつけた。
シンイリ「はぁ…いいか?俺に銃は効かない。崩壊もオーバーホールも俺には触れられないから効かない。お前たちは俺のいうことを聞くしかないんだ。学習しないなぁコイツらも…」
やれやれと言うように首を横に振り、ため息をつく。赤い粒子のようになれば触れられないため、シンイリという謎の存在はトップ2人の天敵である。
シンイリ「それに協力しないとは言っていない。いい案がある。今の俺なら…」
シンイリは自身の案を2人に話した。いつものように薄ら笑いを含めながら…。
幻徳「クソ…ここはどこだ…どこまで落ちた…」
地面から落とされた氷室玄徳は身体を起こした。変身も解けてしまってはいるが、変身アイテム自体は何も失っていなかった。近くには瓦礫に埋もれている相澤とナイトアイがいた。
幻徳「…何やってんだ」
相澤「仕方ないだろ。埋もれたくて埋まったわけじゃない。…情けないが…助けてくれないか」
幻徳「もちろんだ。」
そういうと幻徳はワニのようなエネルギー体、クロコダイルを生成。強力なアゴを使って岩を噛み砕いたり移動させたりしてなんとか2人を助け出した。
忘れているかもしれないが、氷室玄徳には"クロコダイル"という、ワニ型のエネルギー体を召喚するという"個性"を持っている。
ナイトアイ「…すまない。私が未来を見ていればこんなことには…。」
相澤「いえ、一日一度しか使えないとあれば仕方ありません。治崎に使いたいと思うのは極めて真っ当な判断だと思っています。」
幻徳「とはいえ分断されたのはかなり痛手だ。特に心配なのは一年のインターン組だな…。ひとまずは合流しなければ…」
一年は未だ戦闘経験が未熟であるものが多い。特に緑谷と戦兎に関しては何をしでかすか分からない。他のヒーローや生徒たちと一緒ならばいいのだが、担任、副担任としては心配である…が、それは杞憂だったのかもしれない。
万丈「おーいっ!誰かいねえのかーっ!」
幻徳「その声は…万丈か!」
どこからか万丈の声が聞こえてきた。とりあえず声の聞こえる方向に向かう。すると案の定万丈がバカデカい声で助けを求めていた。
相澤「万丈!」
万丈「おっ!ようやくプロヒーロー見つけたぜ…!良かったぁーっ!」
万丈はそう言いながらこちらに駆け寄ってきた。
幻徳「そんなに急いで何かあったか?」
万丈「ローグ!そうなんだよあっちでヒーローがヴィランと戦ってんだ!こっちにきてくれ!」
万丈は自身のきた道の方を指差した。
相澤「それなら早速…」
幻徳「待て」
幻徳は行こうとする相澤の手を左手で掴んで止めた。そして右手でトランスチームガンを万丈に構えた。
幻徳「お前…本当に万丈か?」
幻徳はそう尋ねた。万丈のことを訝しんでいる様子に、ナイトアイも相澤も、当の万丈も不審に思っている。
万丈「そりゃどっからどう見ても万丈龍我だろ!」
幻徳「…そうか。ところで万丈、お前は俺の私服についてどう思っているんだ。」
万丈「はぁ?」
幻徳は意味不明な質問をしながら万丈の目を見て離さなかった。万丈は呆れたように首を傾げた。
万丈「どうって、いつも革ジャンきてんだろ?普通じゃねえのか?」
その回答を聞いた瞬間、幻徳は相澤の手を強く握って合図をした。その瞬間、相澤はカッと目を見開いて"個性"を使った。
幻徳「いいか偽物。教えてやる。万丈は俺の私服をダサいと笑うファッションセンスの遅れた奴だ。お前のような回答はしない。」
万丈?「バレちゃった…。てかおじさんのファッションセンスなんか知ってるわけないじゃないですか…」
相澤が"個性"を使うと目の前の万丈がドロドロと溶けていく。そして現れたのは女子中学生、トガヒミコであった。
相澤「トガヒミコ!」
相澤はすぐさま捕縛布をトガに向けて展開。しかしその瞬間にトガと相澤の間の天井が崩れて捕縛はうまくいかなかった。
トゥワイス「やっほートガちゃん!助けに来たぜ!俺のことも助けて!」
トガ「仁くん!」
空いた天井の穴からトゥワイスがひょっこり顔を出す。そしてトガはその穴にいそいそと逃げ帰ってしまった。
ナイトアイ「逃すか!」
ナイトアイは約5キロの押印をトガに向かって投げるも、その天井から突如として現れたゴツくて大きな手に阻まれた。
トゥワイス「んじゃ、あとはよろしく頼むぜ!こっちは任せろ!」
トゥワイス達はそういうとすぐに天井から逃げていってしまった。その代わりに現れたのはペストマスクを被った、体長3メートルほどの筋骨隆々の大男だった。
ナイトアイ「アレは…死穢八斎會の活瓶力也!やつに触れられるな!"活力吸収"で力を吸い取られる!」
相澤「そうなった場合は俺の"個性"で消します!それよりナイトアイはヴィラン連合の2人を!ここは俺たちが倒します!」
ナイトアイ「頼んだぞ!」
ナイトアイは天井の穴に入り込み、ヴィラン連合を追い始めた。
活瓶「おっさん2人かよ…テンション上がんねえなぁ…」
活瓶はそう言いながらも深く深呼吸しながらぐるぐる腕を回した。
幻徳「イレイザー。お前は肉弾戦苦手だろ。なぜ残った」
相澤「俺がいた方が合理的。そう思っただけだ。それに久々にお前とタッグを組むのも…悪くはない。」
幻徳「そうか。だったらせめてこいつを使え。少しはマシになるだろ。」
幻徳は相澤に二つのアイテムを渡した。
相澤「これは期末試験の時の…。はぁ…桐生戦兎に借りを作ることになるとはな。」
相澤はため息を吐きつつ幻徳からアイテムをもらう。それと同時に幻徳はスクラッシュドライバーを腰に巻きつけた。
【Danger!Crocodile!】
【Bat…!】
幻徳はクロコダイルクラックフルボトルをスロットに、相澤は幻徳から受け取ったバットロストフルボトルをトランスチームガンにセットした。
すると幻徳の足元からビーカーが出現。紫色のヴァリアブルゼリーで内部が満たされた。
幻徳「変身」
相澤「…蒸血」
2人とも気だるげにそれぞれレバーとトリガーを押す。
ビーカーを支えていたワニの顎がビーカーを噛み砕くと同時にトランスチームガンからは黒色の煙が吹き出した。
【割れる!食われる!!砕け散る!!!
Crocodile In Rogue!!!
OOOOORRRAAAAAAAA!!!】
【Mist Match…!!!Bat…!Ba・Bat…!!! Fire…!!!】
そして幻徳は仮面ライダーローグに、相澤はナイトローグに変身した。
活瓶「そうか!お前カミノの時の!なら先に黒い方を倒す!」
おそらく"個性"で巨大化しているであろう活瓶が相澤に殴りかかってきた。反応しきれず、拳は胸のボディに直撃。冒頭で警官ごと扉を吹き飛ばしていた威力だ。一撃で壁に殴り飛ばされた。
相澤「ガハッ…。何故こんな威力がッ…!」
しかも相澤が
幻徳「イレイザー!」
幻徳は反応しつつも活瓶から目を離さない。相澤が飛ばされた直後に幻徳は活瓶の顔を殴り飛ばした。直撃したためか、『ゴフッ』と口から血を吐き出しながら、それでも殴った腕を掴み、己の腕力だけでローグを振り回し地面に叩きつけた。
しかしそこで銃声が5発、トランスチームガンの音が響く。銃弾は活瓶の腕に当たり貫通。緩んだ隙に幻徳は両脚で活瓶の首を絞めた。
幻徳「おい!どうなっている!コイツの"個性"は抹消されているんじゃないのか!」
相澤「今も
幻徳「肝心な時に…!」
活瓶「敵と戦ってる時はおしゃべりするなって言われなかったか!?」
活瓶は一瞬体を小さくして幻徳の締め技を抜け、すぐさま大男化する。そして幻徳を相澤の方へと蹴り飛ばした。
幻徳「クソッ…しかもコイツの強さ…異常だぞ…」
幻徳はゆっくりと立ち上がりながらそう言った。
そもそも仮面ライダーローグは、暴走していないハザードフォームのビルドと戦えるほどの力を持っている。幻徳の今のハザードレベルが4.2程度であるとはいえ、"個性"も使わずにローグと互角に戦えていること自体がおかしな話だ。
幻徳「というかこいつはリューキュウが対応しているんじゃないのか!」
幻徳は活瓶に殴りながらそう言った。
活瓶「リューキュウ!?俺はそんなもん知らん!!!」
そして活瓶もまた拳を繰り出す。拳と拳がぶつかり合い、拮抗状態になった。
相澤「今はそんなことを考えていても無駄だ!2人で協力してこいつを拘束するぞ!」
【Ice Steam!!!】
トランスチームガンをライフルモードに変更。そして活瓶の足元にアイススチームを当てることで活瓶の脚のみ凍らせて動きを封じた。
【Crack up Finish!!!】
【Steam Break!!!Bat…!】
幻徳は地面を蹴り飛び上がった。その視線を活瓶が追った瞬間、相澤がスチームブレイクで活瓶を狙撃。その衝撃と共に幻徳は活瓶へ挟み蹴りを繰り出した。脚に強靭なワニのようなエネルギーをまとい、噛み砕くように回転しながら相手を貫いた。
幻徳「…やったか…?」
爆発した背後を振り向きながら幻徳はそう言った。しばらく姿は煙で見えなかったが、次第に煙は天井の穴を通って外へと上がり、煙は薄くなっていったが…
活瓶「今のは良かったと褒めてやりたいところだ!今のはかなり痛かった!」
相澤「なんだと…」
意外にも活瓶はピンピンしていた。ダメージが通っているのかどうかわからない。が、これはかなりマズイ。
幻徳「クソッ…どうやって倒せばいいんだ…コイツは…」
幻徳も息が切れ、相澤も勝てないと判断しそうになっている。それでも戦わなければならない。
そんな時だった。空からピシピシと音が聞こえる。
活瓶「なんd___」
活瓶がセリフを言い終わる前に天井、いや、この家自体が崩落した。そして上から降ってきたのは…
幻徳「活瓶…!?」
なんと2人目の活瓶だった。地上ではドラゴン化したリューキュウが地面に叩きつけ、活瓶を拘束したつもりが地盤ごと貫いてここまできたらしい。しかも2人目の方はリューキュウよりも大きい。そのせいで今さっきまで戦っていた活瓶は2人目の方に潰されて下敷きになっている。
リューキュウ「活瓶が…2人!?」
訳のわからぬままではあったがとりあえずそのまま抑え込む。しばらくヒーロー側が混乱していたまさにその時だった。
治崎「壊理を返せ…ヒーローォ…!!!」
治崎が部屋を破壊してやってきた。しかしもうボロボロの状態。すぐさまは相澤は治崎の"個性"を封じようとするも、瓦礫に押しつぶされて視線を向けることができなかった。
リューキュウ「マズイ!」
ここにはインターン生である麗日と蛙吹がいる。リューキュウは彼女らの元へ向かい守ろうとするが、治崎の目的はそれではない。
治崎「力を借りるぞ…シンイリ…!」
治崎はオーバーホールを発動。2人の活瓶を吸収することで超巨大なバケモノへと姿を変貌させた。
戦兎「エリちゃんは渡さない!お前は今、ここで倒す!」
そして治崎を追って現れたのは、エリちゃんを背負った桐生戦兎だった。