天才物理学者と筋肉バカのヒーローアカデミア   作:いぷしろん

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戦兎「仮面ライダービルドで天ッ才物理学者の桐生戦兎は、A組B組対抗訓練にて、第三試合の観戦をしていた。A組からは飯田、芦戸、上鳴、口田。B組からは塩崎、拳藤、小大、黒色が出場することになる。試合開始直後、爆速で敵陣の元に辿り着いたA組たちは試合開始1分で接敵する。」

飯田「戦兎くんの作ってくれたロケットエンジン!あのおかげで拳藤くんをより早く倒せた!感謝する!」

上鳴「俺の雷、超かっこよかったっしょ!塩崎ちゃんのリベンジも上手く行ったし、俺の作戦まさに天ッ才でしょ!」

戦兎「それは俺のセリフ!勝手にとるんじゃないよ!…なんだかんだで飯田、上鳴が開始3分で拳藤と塩崎を撃破。そして残る黒色、小大を芦戸、口田がなんとか発見。その後戦闘になるが、すぐさま駆けつけた飯田が黒色を即刻撃破。開始10分も経たずに第三試合はA組の勝利で終わるのだった!というわけでどうなる第94話!」












XCIV=94話

ブラド『第四試合、START!!!』

 

ブラドの声と共に第四試合が始まる。A組チームは尾白、八百万、砂藤、瀬呂。パワーに偏っている印象を受け、搦手に弱い。一方B組チームは鉄哲、取蔭、柳、小森。搦手こそ得意である一方、力押しを防げるのが鉄哲しかいないのが難点。先の第三試合と異なり、互いが互いの弱点となり得る今試合では、両チームとも相手の初動を警戒をしていた。

B組は取蔭が身体を分割しつつ高所から俯瞰して索敵を開始していた。一方で…

 

砂藤「敵が見つからないと俺たちも動くに動けねえな…」

 

八百万「仕方がありませんわ。ですから私が戦兎さんに作っていただいたこのサポートアイテムの出番というわけですの…!」

 

八百万はメカメカしいバックパックを見せながら特殊サングラスを弄る。

 

轟「戦兎、八百万がサポートアイテムで何かしてるみたいだけど何作ってやったんだ?」

 

戦兎「ん?ああ、あれは"MOMロボットガーディアン"。バックパック型の特殊兵器で、あの状態でも付属の"MOMロボットグラス"で周囲の空気や熱の流れを流体力学で解析、さらに電波傍受によって索敵が可能だ。さらにAIでアイテムの創造に必要な物質や道具の作り方サポートなんかもできるし、自分でアイテムを創造すれば更なる機能の拡張ができる。」

 

緑谷「かなり応用の効くサポートアイテムになってる!すごいや!」

 

戦兎「とはいえ創造は本人の脂質保有量に依存するから作りすぎには注意だけどな。今は…ちょうど索敵機能を使ってるってところか。」

 

物間「索敵…ねぇ。それでいうならうちの取蔭も負けてない。」

 

物間の言う通り、現在進行形で取蔭が体をバラバラにして情報を集めている。対して八百万はサポートアイテムを駆使して様々な情報を解析する。その結果…

 

取蔭「見つけた…!」

 

八百万「見つけましたわ…!」

 

両者ほぼ同時に位置の特定を終える。が、先に動き始めたのはA組だった。

 

八百万「搦手など不要!突き進むのみですわ!」

 

砂藤「突き進むのみって…切島みてえなこというんだな。八百万のことだしきっと何か作戦があるのかと…」

 

八百万にしては珍しく二手に分かれたり奇襲などの先手を打たず、相手の場所までみんなと走り突き進む選択をした。

 

八百万「ええ、もちろん。とっておきのオペレーションがございます。ですがそれはあくまでも最終手段。それに…皆様の"個性"を活かすには正面戦闘が一番ですので」

 

瀬呂「だったらいいんだけど…っと、そう言ってる間にお出ましだぜ。」

 

4人の前に立ちはだかるのは…

 

鉄哲「おうおう!俺たちに真正面から挑もうだなんていい度胸じゃねえか!」

 

両拳をガチンガチンと鳴らしながら威嚇する鉄哲であった。

 

砂藤「ここは俺に任せてみんなは先に行ってくれ!」

 

八百万「わかりました!ご武運を!」

 

砂藤はポケットから角砂糖を取り出してむしゃむしゃと食べながらそう言い、先に進む3人を見送る。

 

尾白「鉄哲の次は…キノコか!」

 

しばらく走るとそこには別世界かのように、キノコが壁や床にぎっしりと広がっていた。いたずらに生えているせいでうまく歩くことすら出来ない。

 

小森「ここはキノコ天国!びっしり生えたキノコに足を取られちゃったら…動けないキノ…!」

 

瀬呂「しまった…やられたっ!」

 

小森は影から大量のキノコを3人の足元に生やしては足をきのこで絡めとり動けないようにする。引きちぎろうにも、引きちぎった瞬間からキノコが再生して再び絡め取られる。

 

柳「うらめしや…なんちゃって」

 

尾白「うわっなんだ!?針!?」

 

さらに動けないところにピシュンと何か鋭いものが飛んできた。それも複数本である。八百万は咄嗟にステンレスの大きな盾を創造し皆を守るも、創造に時間がかかってしまい全てを防ぎ切ることはできなかった。

 

拳藤「柳さ、幽霊モチーフだから五寸釘持ち歩いてんだって。」

 

万丈「…いや怖えよ!」

 

観戦組はそんな雑談を交わすが、訓練している八百万たちにとってはとてつもない驚異。さらに厄介なことに傷口がピリピリして仕方がない。

 

八百万「体全体にアレルギー反応…毒キノコですわ…!」

 

柳「死にはしないけど…幻覚とか見ちゃうかもね」

 

釘には毒キノコの成分を塗布しており、死に至るほどではないにしろ、人体に幻覚や麻痺などの影響を及ぼすのは確かだ。

 

八百万「まんまと…やられましたわ…」

 

幻覚。麻痺。視界のぼやけ。次第に頭も回らなくなり、意識が朦朧としてくる。朦朧とする意識の中で自らの血液を解析。解毒作用を持つ物質を特定するも、分子式がかなり複雑で解毒剤は作れても1人分のみ。選択を間違えればここで一気に三人脱落である…。

 

そして一方、砂藤vs鉄哲の方も砂藤が防戦一方となっていた。殴る速度は次第に落ちる一方で鉄哲からの容赦ない殴りを喰らう。

 

鉄哲「1人でいいのかよ!お前の"個性"は三分間の時限付き。俺にも時限はあるけど持続力なら俺のが圧倒的に上だ!」

 

鉄哲は砂藤に渾身のアッパーを喰らわせてそう言った。

砂藤の"個性"は糖分10gにつき三分間パワーが5倍になる。一方で鉄哲の"個性"は鉄分を消費して自身を鉄化させる。互いに消耗戦になるだろうが、3分ならばそこまで無理しなくとも"スティール"は保てる。明らかに砂藤の方が不利だ。そして現に砂藤は身体にだるさを感じ始めている。

 

砂藤「…なんて思ってたら大間違いだけどな」

 

砂藤は切れた唇の血を拭い、頭の特殊なヘッドギアのスイッチを入れる。

桐生戦兎のサポートアイテム、その名を"RKDケーキヘッドギア"。頭部への衝撃から身を守るものであるが、スイッチを入れることでその真価を引き出すことができる。

 

砂藤「第二ラウンドいくぞ!シュガーラッシュ!!!」

 

鉄哲「クソッ!コイツ力も速さも元に…!」

 

そもそも、砂藤が"個性"の使用で脳機能の低下や眠気を引き起こすのは糖分が脳に行かないことが原因である。そこで戦兎は、脳に直接糖分を遅ればせそのデメリットを解決でき、さらに強化時間の制限もなくなると考えた。これを実現するのがこの"RKDケーキヘッドギア"であり、これにより砂藤は常に100%の力を引き出すことが可能となった。

 

砂藤は連続で拳を振り抜き、鉄哲に攻めて攻めて攻めまくる。もちろんこの機能の反動は凄まじく、スイッチを切った瞬間に倒れるほどの眠気に襲われるが、一方で自身の体力が持つ限り身体能力は常に5倍でエネルギーが尽きることはない。

対照的に叩かれるたびに金属疲労で身体に微細なヒビが入り始めている。

 

鉄哲「持久力勝負で…俺が負けんのかよッ…!」

 

プロボクサーの約5倍、およそ2トンのラッシュ。それをもう10分は耐えているが…もう限界である。

 

砂藤「シュガーナックル!!!」

 

トドメのストレートパンチが鉄哲の腹部にクリーンヒット。これにより鉄哲は"スティール"を保つことができなくなり、反吐を吐き白目を剥いた。

 

砂藤「勝ったぜ…ありがとよ戦兎…!」

 

勝者は砂藤。倒れた鉄哲を横目にガッツポーズを決める。

だが、そんな悠長にもしていられない。砂藤は知らないのだ。八百万らがB組に拘束されていることに。

そして時を同じくして、ちょうど八百万たち三人が意識を失った。

 

取蔭「ようやく意識を失ったみたいね。特に八百万は最後の最後まで"創造"で何かを使って抵抗しようとしていたけど…まぁ解毒剤なんて作れるわけないわよね」

 

バラバラになっていた取蔭がようやくひとつの体となって現れる。そして隠れていた小森、柳も八百万たちを運ぶために姿を現す。

 

取蔭「鉄哲が倒れて投獄に向かってるけど…別にこの三人を捕まえたらもう私たちの勝ちね。さっさとプリズンに向かいまっ…!?」

 

取蔭たちが八百万たちを持ち上げようとした瞬間だった。後ろから物音が聞こえてきた。鉄哲が気絶したのは確認済みでその鉄哲を運んでいる砂藤も確認している。しかも目の前には意識喪失状態のA組三人。一体誰が…。

不審がって後ろを警戒する。自然と三人から意識が逸れる。その瞬間だった。

 

瀬呂「ようやく司令塔が姿を現したな…!」

 

意識が逸れた瞬間、瀬呂は黒いワイヤーを取蔭に向かって射出。それと同時にテープを巻きつけてまるで全身ミイラになったかのように相手を拘束した。

八百万が意識を失う前に残したたったひとつの解毒剤は瀬呂の手に渡った。

 

取蔭「クッ!取れない!テープの強度は強くなかったはずなのにッ!!!」

 

瀬呂「こういう時のために戦兎にサポートアイテムお願いしといたんだよなぁ…!」

 

瀬呂のサポートアイテム、"HNTスパイダーグローブ"および"HNTスパイダーシューズ"。グローブの手の甲部分にはカーボンナノチューブでできた屈強なワイヤー射出機とワイヤー巻き取り機が存在し、ワイヤーを射出、引っ掛けて巻き取ることで、テープのみの時よりも空間移動をさらに強化する。だがそれとは別に相手に刺す遠距離武器としての使い方や拘束具としての使用も可能である。

 

瀬呂「まずは逃げる!砂藤が捕まってないならまだ立て直せ…」

 

柳「そうはさせないよ」

 

テープ射出で逃げようとする瀬呂のコスチュームを操り、瀬呂の行方を阻む。人間を操ることはできなくてもコスチュームを操ることで間接的に瀬呂を引き止めることはできるのだ。

 

瀬呂「しまったっ…!クソッ捕まる…」

 

『あきらめないで下さいませ!』

 

その時、どこからか声が響いた。それと同時に二発の発砲音。銃弾は柳、小森に命中し、苦悶の表情を浮かべている。

合成音声のような言葉の紡ぎ方だがお嬢様のような上品な声。明らかにこの声の主は…

 

『安心してくださいませ。ただのゴム弾ですわ』

 

瀬呂「八百万!!!」

 

期待の眼差しで八百万の方を見るも八百万は未だに意識を失っている。そこで声のした方へと視線をやると、そこには一体のロボットが銃を構えて立っていた。観戦サイドも含めて戦兎以外のみんなが混乱していた。

 

万丈「おい!ありゃ東都のガーディアンじゃねえか!もしかして東都が復活したんじゃ…」

 

戦兎「んなわけないでしょうが!あれは八百万のサポートアイテム、"MOMロボットガーディアン"のもうひとつの機能。自立思考ガーディアン。八百万同等の知能と性格を兼ね備えたガーディアンだ。見た目が東都のガーディアンと一緒なのはそっちの方が戦闘向きだっただけな。」

 

万丈「んだよ驚かせやがって」

 

戦兎「お前はアレを素手で倒してただろ?今更驚くんじゃないよ」

 

なんて会話をしてはいたが、現場ではかなりの大混乱。しかしこの混乱に乗じて取蔭を連れて瀬呂は逃走した。

 

柳「逃げられた!跡を追う!」

 

『させませんわ!』

 

しかしゴム弾の銃を乱射して柳を意地でも流さないようにする。それと同時にジリジリと八百万、尾白の方へと歩み寄り、逃走の機会を謀る。

 

小森「機械でもきのこになっちゃえば一緒!…ってなんで生えないの!?」

 

小森はシュッシューター(きのこを生やす銃)でガーディアンにきのこを生やそうとするも全くもって生えない。

ガーディアンは戦闘および人命救助用。戦闘道具と簡単な治療道具があり、その中にエタノールも含まれている。それを全身に塗りたくっているため滅菌作用でキノコは生えてこない。

 

『このまま逃げさせてもらいますわ!』

 

そう言うとガーディアンは尾白の尻尾に触れた。いや、正確に言うと尾白の尻尾についている戦兎のサポートアイテムに触れた。

尾白のサポートアイテム、"MSRゴリラパンチテール"は尾白の尻尾を鋼鉄の鎧で覆い、なおかつその尻尾の先にはゴリラモンドの"サドンデストロイヤー"から即死機能を除いた"デストロイパンチャー"が装備されている。

そしてこのガーディアンは戦兎の作った他のサポートアイテムに触れることで操作をハッキングすることができる。

 

『大猩猩・正拳!!!』

 

ガーディアンはおよそ25トンにもなる尻尾のパンチをパイプに向けて放つ。するとパイプは一気に崩れ去り、連鎖的に建物の崩壊が起こった。それを避けるために小森と柳はキノコのクッションやポルターガイストで被害を抑えつつ避難。そして混乱に乗じてガーディアンは八百万、尾白とともに逃亡に成功した。

後に瀬呂、砂藤とも合流することになったが、その後に両者共に敵を見つけられなかったり見つけるメリットが無かったりして最終的に試合開始から20分が経過した。

 

ブラド『そこまで!第四セット、2-0でA組の勝利!』

 

いつものブラドのアナウンスで第四試合が終了。しかし瀬呂は毒キノコの後遺症、砂藤はサポートアイテムによる副作用で倒れ、残り2人も意識を失っている。反省は後回しということで第5セットの準備が始まった。

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