八百万「砂藤さん…耐久戦で不利だと思っていたのですが、鉄哲さんに正面から挑んで勝つなんてすごいですわ!それに比べて私は…」
戦兎「搦手の多い相手にあえて正面から挑んだのは作戦なんだろ?サポートアイテムのガーディアンを悟らせないためのな」
八百万「流石は戦兎さんですわ!全滅したと思わせて取蔭さんを誘い出したところをガーディアンで捕まえる…という戦法でしたが、思ったより小森さんと柳さんの連携が想像以上に強く…」
戦兎「とは言え勝ったことには変わりないからな。反省会とサポートアイテムの見直しならこの天ッッッ才物理学者の桐生戦兎が付き合ってあげますよ。ってことでついに始まる第五試合、どうなる第95話!!!」
ブラド『第五試合、START!!!』
毎度お馴染み、ブラドの掛け声から第五試合は始まった。もうすでにA組が3勝しているためB組が勝利することはないが、ここで勝たなければ引き分けに持って行くことはできない。かなりのプレッシャーをB組は背負っている。
対戦カードはA組が耳朗、常闇、葉隠、峰田。B組が泡瀬、円場、吹出、庄田である。
耳郎「一人見つけた…!かなり近いところにいる…!」
常闇「流石だな耳郎。作戦通り残りの3人も頼む」
試合開始3分。耳郎の索敵効果範囲内にB組の誰かが見つかった。B組には索敵する手段はない。ただ…
吹出「そろそろかな…」
耳郎「…?」
吹出「『ゴーンッ!!!』」
声が聞こえたと思ったら突如として鐘をつくような巨大な音が会場を包んだ。それをモロに食らった耳郎は鼓膜が傷つき血が滴り、ひどい頭痛に襲われた。
峰田「今の…!耳郎大丈夫か!?」
耳郎「ダメかも…今ので耳をやられた…!」
吹出はオノマトペを具現化させる"個性"がある。耳郎が索敵することを逆手に取り、敢えて音を大きくすることで耳郎の耳を破壊。その間に円場、泡瀬、庄田が耳郎と残り二人を確保する手筈だ。
葉隠「私やり返してくるよ!"個性"的に多分吹出くんだけど、今の私なら勝てるかも!」
常闇「俺はここに残ろう。耳郎を攻撃してきた今、相手の矛先は耳郎に向いている可能性がある。」
峰田「じゃあオイラも…」
耳郎「戦力的に考えてアンタは葉隠の方について行って。それに耳がやられただけで私もまだ動けるから二手に分かれてそれぞれで探すのがいいと思う。」
常闇「賛成だ」
耳がやられてイヤホンジャックが使えなくなったわけではない。音の攻撃もできれば普通に行動もできるためまだ戦力になる。ということでここからは二手に分かれて行動。一方でB組は…
吹出「ボク一人って酷くない?まぁ囮役なんだから仕方ないけどさ」
吹出を一人にして残りの3人は別行動をしていた。位置がバレた今、耳郎から人を離してこちらに連れてくるのが彼の役割である。
そして何より彼はB組唯一の常闇キラーである。なぜなら…
吹出「全身『ピカピカ』人間!流石冴えてるぞボク!心もピカピカしちゃうぜ!」
そう、オノマトペ『ピカピカ』を小さく身に纏うことで常時光を発することができる。光が弱点なことは体育祭や林間合宿時にバレているので対策も容易だ。その代わりに常に光っているので隠れようがない。もっとも、囮なので隠れる必要はないが…
葉隠「いた!吹出くん1人!どうしよう…」
案の定すぐに居場所がバレた。しかも都合が良いことに彼の四方のうち二方向は壁に囲まれていて逃げられない。峰田も葉隠も戦闘向きではないが吹出1人でこの状況ならなんとか捕獲出来るかもしれない。
峰田「オイラの新武器試してやるよ…!」
そういうと彼は背中に背負っていた武器を取り出した。
峰田のサポートアイテム、『MNRガトリングシューター』は特殊なゴム弾、もしくは自身の頭髪を弾薬として使用できる小型のガトリング銃である。一度引き金を引けば最大100発の弾が相手を襲うことになる。
とはいえ一度にそこまでの量の髪を千切ることはできないため、とりあえず10発分ほどもぎもぎを取って装填。吹出に照準を合わせる。
峰田「ファイア!」
峰田の掛け声と共にトリガーを引くと、轟音を響かせながらもぎもぎ弾が吹出を狙う。
吹出「ウソでしょ!?」
そのまま10発中6発が命中。意図しない攻撃によって虚を突かれた吹出はそのまま地面に倒れ、もぎもぎと地面がくっついてしまった。
吹出「や、やられたー!」
葉隠「やる時はやるじゃん峰田!」
峰田「だろ?これでオイラもモテに近づいたぜ」
不意打ちとはいえ吹出を単独撃破。しかし吹出にとっては想定内。いやむしろもぎもぎで自身を収監できない以上、得点上でのカウントが進むことはない。となればやることは…
吹出「『ドガァァン!!!』『ドゴォォォン!!!』」
葉隠「えっなになに!?」
オノマトペによる妨害である。実体化した巨大な『ドガァァン!!!』と『ドゴォォォン!!!』により自身ごと葉隠、峰田を閉じ込める。
吹出「ボクが敢えてこの二方向が壁の追い詰められやすい場所を選んだのはね、ボクごと君たち2人を閉じ込めて戦況を有利にしちゃおうっていう作戦だったんだよね!イカすでしょ!」
峰田「マジかよ!でもこんなのオイラなら簡単に…」
吹出「もぎもぎで壁登って逃げるの?そしたらボクが『バンッ!』って撃ち落としちゃうかもね!」
そう言いながら吹出はオノマトペで壁に穴を開けて見せた。その様子を見た峰田は即座に震え始めた。
峰田「葉隠どーしたらいいんだよこれ!出られねえじゃん!」
葉隠「こういう時は頼らないんだから…。しょうがない!今の私はくノ一だから!私に任せなさい!」
エヘン!と張り切ってそういうが峰田も吹出も頭にハテナを浮かべる。そもそも全身透明なので何もわからないし、透明であるということは道具を持っていないことは確かなのでどうしようもないはずだが…
緑谷「葉隠さんの『私はくノ一だから』ってもしかして…」
戦兎「俺がサポートアイテムを作ったに決まってるでしょ?今の葉隠は服も着てるし道具も持ってる。開発した『TRUニンジャスーツ』は特殊な光学迷彩を施した布製で出来たニンジャスーツで、衣擦れや足音などのあらゆる音を消音する機能を持つ他、光学迷彩仕様の忍者道具も使うことができる。いわば暗殺者的な奴だな」
飯田「葉隠くんのコスチュームは服を着ていないから倫理的にどうかと思っていたが…そこも解決したのだな。やはりヒーローたる者身嗜みはきちんとしなければな!」
万丈「てかめっちゃ寒いのに服着てなかったらめっちゃさみぃだろ!」
戦兎「何バカ丸出しなこと言ってんだよ」
万丈「んだよ」
麗日「まあまあ落ち着いて…」
2人の軽い口喧嘩を収めている間に葉隠はというと光学迷彩が施された
葉隠「登頂成功!それじゃあ私はみんなのところ戻るから峰田は吹出くんの見張りよろしくね!」
峰田「ちょっ、オイラだけ追いてくなってえええ!!!」
吹出「あーあ逃げられちゃった。でもボクくっついて収監されないしラッキー!」
自身の"個性"とサポートアイテムを駆使してなんとか吹出を行動不能にし、葉隠は2人の元へと向かう。
一方で時は戻り、葉隠たちが吹出を発見した頃、B組の3人は耳郎たちを探していた。
泡瀬「吹出と引き換えに耳郎の索敵を済ませた今、大きな脅威となるのは常闇踏影だ。おそらく奴一人でも俺たち3人を確保し切るだけの力量がある。出来るだけ早く拘束したいところだが…」
円場「噂をすればなんとやら…。いるぞ耳郎と常闇が…!」
なにやら仲間内で会話をしている彼らを発見。まだこちらの接近に気がついていないと思われる。念のため小さな声で会話しているが、そもそもかなり離れているため見つからないだろう。
泡瀬「よし、作戦通りだ。それじゃあまずは円場が耳郎を…」
常闇「耳郎を…なんだ?」
泡瀬「ッ!?」
しかし突如として常闇がこちらの方へぐるんと振り向き、ダークシャドウを解き放った。ダークシャドウは泡瀬を壁まで突き飛ばし、再び常闇の元へ戻る。
円場「どういうことだ!耳郎の耳は使い物にならないはずだろ!」
そう叫ぶ円場の元に耳郎が走ってやってきた。
耳郎「確かに私の耳は今は使い物にならない。でも戦兎が作ってくれたサポートアイテム、『KUKマイクアンプ』なら、"イヤホンジャック"を接続することでもう片方の"イヤホンジャック"が受け取ったわずかな声や振動音を拡大することができるんだよね。それで私たちは情報共有できてたってわけ」
円場「だったら伝わらないように閉じ込めればいいだけだ!エアプリズン!」
円場は息を大きく吸ってフーッと吹き付けると、耳郎を囲うように立方体の空気の壁が生成される。
耳郎「こんなのどうってことないっ!今の私は…プレゼント・マイクにも負けないから!ハートビートマイク!!!」
耳郎はKUKマイクアンプにイヤホンジャックを接続したまま、自身の心音を強音圧にして流し込む。マイクフルボトルの性能により流し込まれた音がさらに圧力を増して放出される。その振動は空気をも揺るがし、固めたはずの空気の壁をも共振によって破壊されてしまった。
円場「グアッ耳が…!」
さらにその音は壁を貫通して会場全体に響き渡る。観覧席にまで音が響く始末だ。そんな爆音を至近距離で食らったの円場は耐えられずに白目を剥いて気絶してしまった。
耳郎「あんたの"個性"、空気を固めるんでしょ。空気を震わせる私とは相性良いなってずっと思ってたんだ。残念だったね。」
こうして耳郎は円場を拘束。一方常闇は…
常闇「なぜ捕まえられない!」
庄田、泡瀬を相手に終始圧倒する。ダークシャドウを使って中距離を保ち、泡瀬、庄田に触れられないように立ち回っているためだ。しかしあと一歩のところでダークシャドウが怯んでしまって2人を捕まえられない。
ダークシャドウ「スマネェ…デモアイツラニ触ロウトスルト"ピカピカ"シテ力ガ…」
常闇「ピカピカ…吹出の"個性"か…!」
庄田「そういうこと!」
庄田は隠し持っていた『ピカピカ』の"ピ"を投げて常闇の腹部に当てる。そこまで痛くはないが、光のせいでダークシャドウが弱り切ってしまっている。
常闇「一旦引いて建て直すぞ…!」
常闇が逃げようと敵に背を向けて走り始める。
庄田「させないよ。
常闇「グフッ…!」
しかし突然誰にも触れられていないのに腹部を殴打されたかのような強い痛みを感じた。先ほど"ピ"をぶつけられたところだ。しかも先ほどの何倍も強い衝撃につい膝を突いてしまう。
常闇「"ツインインパクト"かッ…!」
泡瀬「ようやくダークシャドウ頼りの守りがなくなったな!竣工!」
そして泡瀬は常闇に左手を、右手で地面に触れ、分子レベルで2人を結着させてしまった。
庄田「よし、なんとか常闇くんを抑えた!これで…」
泡瀬「あぁ、俺たちの勝ちだ!」
2人は歓喜。油断しきっている。逆転を狙うなら…今だ。
常闇「地に堕ちた鴉は再び舞い上がる。知っているか…?鴉はしぶといものだと…」
その瞬間、常闇は
ダークシャドウ「キタキタキタキタ…!闇ダ…闇ノ歴史ガココカラ始マル…!」
闇を得て強くなったダークシャドウ。それを常闇が纏い、結合された部分をガチンと引き裂いた。
泡瀬「マジかッ!?」
慌てて再び常闇を地面とくっつけようと駆けつけるも目にも止まらぬ速さで飛翔。空へと舞い上がる。
常闇「彼の者より賜りし漆黒の翼…『FKGホークウィング』。我に、師にも劣らぬ飛行性能を与え、闇を頂戴する。闇と一つになりし時得た今宵の新たなる姿。とくと見よ!我が新技、『
黒き翼、ダークシャドウを纏う鋭き爪。その姿、まさに深淵。比類なき鷹の力を得た彼は今、勝利という欲望に塗れていた。
標的は2人。遥かなる空から獲物を狙い急降下する。最高時速は350km。ダークシャドウが空気抵抗を受け流し、そして切り裂くように2人を薙ぎ払った。
緑谷「すごい…すごいよ常闇くん!一撃で2人を気絶させるなんて…!」
2人は常闇の攻撃になす術なく敗北。そして…
ブラド『そこまで!3人確保につきA組の勝利だ!!!』
試合開始から15分。試合が終わりA組の勝利が確定した。
相澤「えー、それではまず第四試合の反省だが…」
八百万「私の作戦の詰めが甘かったですわ。」
第五試合の反省を始める前にまず第四試合の反省から始まった。八百万含め皆が起きたからである。
八百万「ガーディアンを使うにしても、A組全員がやられてから起動させなくても不意打ちは狙えましたわ。ただ効果があるのが全員やられてからの方がと…」
相澤「その作戦自体は良いとは思うが、真正面から挑む必要性はなかったな。いくら戦闘能力に秀でた2人がいるからとはいえ、尾白をあまり上手く使えていなかった。尾白ももう少し考えればお前はもう少し活躍できたはずだぞ」
尾白「すみません…」
幻徳「第四試合はそれくらいで良いだろ相澤。それで第五試合だが…A組の動きは基本的には良かったとは思うが…B組はまだやれたな。『耳郎の索敵を無効化できた』『常闇を拘束した』といって油断しすぎたのが敗因だ。勝てる要素は十分にあったはずだぞ。」
泡瀬「すんません…」
それぞれの反省会を終えたところでようやく最後の第六試合。もうすでにA組の勝利が確定しているが…A組はかなり緊張していた。
緑谷「ついにだね…戦兎くん」
爆豪「次こそはテメェに本気使わせた上で勝つ」
戦兎「俺も負ける気はないからな」
轟「体育祭のリベンジだ。」
万丈「おう!あん時の俺とは一味も二味も違えからな!」
麗日「…大変なことになっちゃったね…」
心操「…悔いが残らないように全力を尽くす。それだけだ」
第六試合。A組からは緑谷、爆豪、轟、麗日が、B組からは戦兎、万丈、心操が出場する。A組最強トリオvs仮面ライダーチームの戦いが今、開幕しようとしていた…。
戦兎「さっ、ここからは桐生戦兎のサポートアイテムのコーナー!の前に一つお知らせ!本日すでに『【スピンオフ】天才物理学者と筋肉バカのヒーローアカデミア』が更新中!気になるお話は…」
幻徳「俺だ。」
万丈「なんだ幻さんかよ。俺の話はしねえのかよ!」
幻徳「仕方ないだろ。今あの話はちょうどいい時期だからな。」
戦兎「ちょうどいい時期とかないでしょうが!まぁそんなわけでスピンオフの方もよろしくな。さて話を戻して、今回紹介するサポートアイテムは…」
芦戸「はいはい!私!出席番号2番!芦戸三奈のサポートアイテムだよ!」
万丈「UFOみたいなの出してたけど…確か"個性"って"酸"だろ?UFOとどう関係あんだよ」
芦戸「エイリアンクイーンみたいでカッコいいでしょ!ピッタリじゃん!」
戦兎「そしてエイリアンといえば宇宙人。宇宙人といえばUFOだな」
万丈「お?おーん…なんか納得できるようなできねえような…」
戦兎「細かいことは気にするんじゃないよ。というわけで気になるスペックをどうぞ!」
"MINアンデンティファイトフライングオブジェクト"
人一人が上に取ることができる程度の小型UFO。芦戸が上に立ち、芦戸の酸を用いて発電し動力を得る。また酸を取り外し式アシッドタンクに溜めることで蓄電して遠隔操作なども可能。溜めた酸は特殊な照射機を用いて指向性を持たせた照射などもできる。特殊な吸引力で牛一頭程度の物体のアブダクションをしたりピンク色に光ったりする。
フルボトル:UFOフルボトル
万丈「なぁ、これ名前長すぎない?覚えらんねえよ」
戦兎「UFOの正式名称だから仕方ないだろ?文句言うなら英語に言えよ」
芦戸「私は結構気に入ってるけどなー!それに万丈の『仮面ライダークローズチャージ』もヒーロー名にしては長くない?」
戦兎「確かに…今からでも遅くないし、やっぱりプロヒーロー、筋肉バカに変えよう」
万丈「変えるわけねえしそれ気に入りすぎだろ!」
戦兎「口馴染みがいいからな仕方ない。…ってもうそろそろ第六試合始まったまう!急ぐぞ万丈!」
万丈「マジか!次回、第96話!お楽しみに!」
戦兎「って、どさくさに紛れて俺のセリフ取るんじゃないよ!」