天才物理学者と筋肉バカのヒーローアカデミア   作:いぷしろん

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戦兎「仮面ライダービルドで天ッ才物理学者の桐生戦兎は、万丈、心操とともにA組B組対抗戦の第六試合に出場することになった。対戦相手は緑谷、轟、爆豪、麗日というかなり戦闘向きの面々が揃っていたが…」

万丈「ようやく俺たちの出番か!もっと出番増やしてくれよ!」

戦兎「んなこと言われたって、俺たちが試合見ながらダラダラ話してるだけの話とか書いてもしょうがないでしょうが!」

万丈「じゃあ俺の昔の話とか」

幻徳「いや俺のファッション論について…」

戦兎「誰がそんなの見たいんだよ。それだったらまだシュワルツシルト半径の導出について熱弁した方がマシだろ?」

万丈「それこそ面白くねえだろ!」

戦兎「とにかく、俺たちのかっこいい戦闘シーンは第97話をどうぞ!」












the 10th Pierpont prime=97話

戦兎「いってぇ〜まさか爆豪に撃墜される日が来るとな…」

 

爆豪「舐めてっからそうなるんだろうが!クソが!本気出せや本気!」

 

爆豪に空中で撃墜され、地に足をついた。

ここ最近、爆豪や轟、緑谷なんかは総じてベストマッチフォームじゃ歯が立たなくなり始めている。そもそも爆豪なんかは体育祭時点でベストマッチフォームとほぼ同等の威力を誇っていた。

しかし戦兎は、これまでの戦闘において対ヴィランや対ライダー、対プロヒーローでない限りベストマッチしか使わないという縛りを己に課していた。それはビルドの強みは多彩さにあると考えているからであり、戦兎にとっては訓練自体がある種の実験だったからであると同時に、ただ圧倒的な力でねじ伏せることはみんなの成長に繋がらないと考えていたからである。

 

戦兎「別に舐めてるわけじゃないんだけどな…。ただその誘いには乗るとするか!」

 

しかし今この瞬間、その縛りを破ることを決意した。

ボトル二本を引き抜き、ラビットタンクスパークリングを取り出す。プルタブを引き、スロットにセット。レバーを回す。

 

RabbitTankSparkling!!!Are you ready!?】

 

戦兎「ビルドアップ!」

 

シュワッとハジける!!!

RabbitTankSparkling!!!イェイイェーイ!!!

 

スナップライドビルダーが合体すると、そこには仮面ライダービルド、ラビットタンクスパークリングフォームが姿を現した。

 

爆豪「チッ、そっちかよ。さっさと赤のビルド出せやコラ!」

 

怒りのままに爆豪は戦兎に突撃。そして爆破で後ろに回り右の大振りで殴ろうとした。しかし戦兎は赤のラビットバブルを弾けさせてさらにその背後に回る。

 

爆豪「なッ!?」

 

それに気づいた爆豪は必死になって腕をクロスさせながら体を捻って戦兎の拳をガードした。しかしその威力は凄まじく、爆豪は数メートル吹き飛ばされる。

 

戦兎「言うだけはあるな。今の攻撃…見てから防いだ。」

 

以前までの爆豪ではおそらく反応するのが精一杯といったところだろう。爆豪も成長している。

 

爆豪「強えな…。ただ勝てねえわけじゃねえ。反応できた。だったら勝てる!」

 

戦兎「望むところだ!」

 

戦兎はそう言うとカイゾクハッシャーを召喚。爆豪に向かってビルドアロー号を引く。

 

【各駅電車〜!急行電車〜!快速電車〜!出発!!!】

 

黄緑色のエネルギー弾が数発、爆豪を襲うも爆破を駆使してそれらを全て避けつつ戦兎に接近。戦兎の顔面を掴もうとするが戦兎はそれを避け、爆豪に蹴りを入れた。軽くえずくも引き下がらない。すかさず両手を戦兎の顔の近くに持っていく。

 

爆豪「閃光弾(スタングレネード)!!!」

 

戦兎「クソッ、前が…!」

 

強い光で戦兎の視界が一時的に潰された。その隙はかなりでかい。視界を潰した直後、背後へと回り込み、戦兎の背中に右手を伸ばして、左手を右腕の籠手にやる。

 

爆豪「ゼロ距離で最大火力をお見舞いしてやらぁ!!!」

 

籠手のピンを引き抜くと超高火力の爆破が戦兎の背中に直撃。雄英入学当初ですらビルを半壊させる程度の能力を有していたその爆発は、"個性"伸ばし訓練を経て、更に火力を増していた。戦兎を強く吹き飛ばし、壁を貫通。変身解除寸前まで追い込まれた。

 

爆豪「変身解除とまでは行かなかったが…これでもまだ本気出さねえつもりかァ…!?俺はまだテメェのサポートアイテムすら使ってねぇぞ!!!」

 

戦兎「…悪かったな…思ったより強くなってたみたいだ。それならこの力を使ってもいいかもしれないな。」

 

そう言うと戦兎はハザードトリガーを取り出す。今までなら煽られても使うことのなかった道具だったが、ラビットラビットがある今、暴走の心配はない。

戦兎がハザードトリガーのボタンを押そうとカバーを外したその瞬間、ドカンッ!と大きな音が響き渡る。2人が空を見上げるとそこには黒い鞭に引っ張られる緑谷がいた。

 

爆豪「あれ…デクか…?」

 

戦兎「様子が変だ…」

 

万丈や心操に渡したフルボトルにあのような効果を及ぼすものはない。強いて言えばスパイダーフルボトルくらいだがそれは今戦兎が持っている。となればあれは緑谷自身の"個性"の応用…。とはいえ緑谷の"個性"は"超パワー"だったはず。何がどうなっているのかは分からないが…

 

爆豪「おい。一時休戦だ。デクの"個性"が暴走し始めた。」

 

戦兎「みたいだな…。止めに行く。」

 

"個性"の詳細を唯一知っている爆豪にとってもこの現象は不可解なものだった。力をストックし受け継ぐ"個性"にあんなものが発現するとは思えなかった。もしできたとして、今無作為に黒鞭で周囲を破壊し回る行動をデクは取らない。

 

戦兎「決着は後でつけよう」

 

【MAX Hazard on!Rabbit!!! Rabbit and Rabbit!!!

 

そう言うと戦兎はハザードトリガーのボタンを押し、ドライバーにセット。ぴょんぴょんと言う可愛らしい音と同時にフルフルラビットタンクボトルを振り、セレクティングキャップをラビットの柄に合わせる。そのままパキッと割って二つ折りにしてスロットに装填した。ガタガタゴットンズッタンズタンという待機音に合わせてレバーを回すことでハザードライドビルダーが展開される。

 

【Are you ready!?】

 

戦兎「ビルドアップ!」

 

ハザードライドビルダーが合体。素体のラビットタンクハザードに変身後、ウサギ型の追加アーマーが出現。各パーツが自動分解され、磁力により宙に浮かぶ。

 

【Over Flow!!!紅のSpeedy Jumper!!! Rabbit Rabbit!!!ヤベーイ!!!ハエーイ!!!

 

戦兎がジャンプすると磁力により各パーツに向かって体が吸い寄せられつつパーツが合体。最後のスピーディーチェストアーマーが合体し、BLD-ラビットラビットヘッドが装着された。こうして戦兎は二度目の仮面ライダービルド、ラビットラビットフォームに変身した。

変身するとすぐに、次元伸縮バネ(ディメンションスプリンガー)による超速ジャンプで緑谷の元へと向かう。

 

爆豪「クソ速ェ…」

 

緊急事態につき変身せざるを得なかった戦兎の力を見て開いた口が塞がらない爆豪。しかしすぐに我に帰り戦兎の跡を追っていく。

その頃、戦兎たちと同様に心操、麗日もまた緑谷を追いかけていた。緊急事態につき麗日の捕縛を解き、協力していたところ戦兎と爆豪の姿をみつけた。

 

麗日「デクくん!!!」

 

麗日は慌てて緑谷に飛びつき、ゼログラビティを発動。それと同時に自身のサポートアイテムでデクを抑えつける。

麗日のサポートアイテム、"OCKゴーストハンド"はヘッドギアから脳波を測ることで浮遊する機械の両手を操るというものだ。一度ゼログラビティで浮かせて仕舞えばあとは自由に操ることができる。

 

戦兎「そのまま抑えてろよ麗日!」

 

そういうと戦兎はフルボトルバスターを召喚。刀身を曲げてバスターモードに変形させると、ボトルを取り出してスロットに差し込んだ。

 

Rose!Spider!Just Match デース!!!Just Match Break!!!】

 

トリガーを引くと、ピンクと紫の入り混じる光弾が銃口から発射。その弾は蜘蛛の巣のように放射状に広がると、緑谷を包み込み、つるで拘束した。黒鞭自体は暴走しているものの、緑谷が黒鞭に引き摺られて身体を打ち付けることは無くなった。

 

麗日「心操くん!洗脳を!デクくん止めてあげて!!!」

 

指示を受けた心操は必死になって考える。どうすれば緑谷が答えてくれるか。その時、緑谷と戦っていた時に投げかけた言葉を思い出した。

 

心操「…俺さっき、『君みたいな派手な力があれば』って言ったよな。正直それは変わらない。俺の"個性"は戦闘向きじゃない。でも俺はこの"個性"のこと…嫌いじゃないし、この"個性"でヒーローになりたいんだ。」

 

心操はそういうとトランスチームガンのスロットからバットロストフルボトルを抜き、変身を解除する。

 

心操「だから緑谷!俺と戦おうぜ!!!」

 

緑谷「…応ッ!!!」

 

心操の問いに全身全霊で答える。その瞬間、洗脳が発動して黒鞭が緑谷の身体に収束した。

 

爆豪「デクの野郎…大丈夫なんか」

 

戦兎「ああ。みたいだな。」

 

遅れてやってきた爆豪が緑谷の様子を見てそう言った。緑谷を捉えていた蜘蛛の巣ネットもエネルギーとなって霧散。その間、麗日が緑谷に駆け寄る。

 

爆豪「じゃあ…試合再開だなァ!!!」

 

戦兎「え」

 

その瞬間、ドカンと戦兎の顔に爆破が炸裂。不意打ちを喰らって後ろに後ずさる。

 

爆豪「油断してんじゃねえぞ!まだ試合は終わってねェ!待ってたぜその姿…!癪に触るが、俺もテメェのサポートアイテム使って本気でぶちのめしてやらァ!!!」

 

爆豪がそう宣言した瞬間、爆豪の身体は赤く光り始めた。

 

戦兎「"KTKエンジンアップグレード"か…。」

 

爆豪のサポートアイテム、"KTKエンジンアップグレード"。爆豪の両手の籠手に内蔵された特殊強化パーツである。爆破と連動しており、爆豪が爆破を使うたびに内部のエンジンが作動。それにより生み出された特殊エネルギーがスーツを通って身体全身に行き渡り、爆豪のスピードとパワーを著しく増加させる。

 

爆豪「爆破を使えば使うほど強くなる。エンジンによる内部からの発熱も発汗量を増やしてさらに爆発力をあげる。その代わり熱による体力の消耗が激しい。いわばコイツを使った俺は短期決戦型っつーわけだ。」

 

戦兎「だったら俺がまともに勝負せずに逃げれば…」

 

爆豪「そんなことテメェはしねえだろ。」

 

戦兎「だな。せっかく俺を使ってサポートアイテムの性能を試すんだ。興奮してきた!」

 

爆豪「チッ、そういう俺のこと気にしてねぇ態度がムカつくなァ!!!」

 

爆豪は爆破を利用して戦兎の周りをヒュンヒュンと飛び回る。その度に速く、爆破は強くなっていく。

 

爆豪「下手な小細工はしねェ。俺の今持てる最大火力をテメェにぶつけてやる!」

 

超高熱。スーツが溶解しないギリギリの灼熱まで身体を仕上げていく。

 

戦兎「そういうことなら…こっちもそれなりの技を用意しないとな。」

 

Fullfull Match デース!!!

 

戦兎はそういうとフルフルラビットタンクボトルを引き抜き、フルボトルバスターにセット。銃口に真紅のエネルギーが満ちてゆく。

 

Fullfull Match Break!!!

 

爆豪「榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)!!!」

 

爆豪は最大火力の爆破に回転の遠心力を乗せて超高速で戦兎に向かって突っ込む。それに対して戦兎はフルボトルバスターのトリガーを引く。すると超高出力のエネルギー砲が爆豪に向かって放たれた。

 

爆豪「クッ…ソ…がァァァァァ!!!!!」

 

互いにぶつかり合う高出力のエネルギーは空気を圧縮、熱して巨大な爆発を起こした。周囲一帯が爆発で破壊される中、最後まで立っていたのは…

 

戦兎「…はぁ…危なかったな…スパークリングじゃ確実にやられてた…」

 

立っていたのは仮面ライダービルドであった。超高出力エネルギー砲によって爆豪の勢いは相殺、押し返されてコスチュームは大破。爆豪自体もかなりの重症を負った。

 

戦兎「…強くなったな爆豪。」

 

爆豪「黙れや…やっぱ戦兎にゃ…勝てねェ…クソォ…」

 

認めたくない敗北。挫折を味わいながらも勝ちに手を伸ばし続けた少年は、涙を浮かべながら意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




万丈「爆豪…気持ちわかるぜ…。勝利を求め続けるのは漢としてカッケェよ…!なのにこんなやつに負けちまって…」

戦兎「こんな奴って失礼でしょうが!ってかそっちも早く勝負の決着つけなさいよ」

万丈「分かってねぇな。こっちにもアツいドラマがあんだよ。それは次回にして、いつものサポートアイテムのコーナーやんだろ?」

戦兎「そうだった!今回紹介するのは…」

飯田「1年A組、出席番号4番!飯田天哉だ!よろしく!」

万丈「あのクソ速ぇ奴か!」

飯田「戦兎くんのおかげでヒーローの中でもほとんど最速と言っていいほどのスピードを得た。助かるよ。」

戦兎「それを実現したサポートアイテム、その詳細はこれだ!」


『TNYロケットブーツ』
両足に装着する拡張型ブーツ。足裏にはロケットパンダの『コスモビルダー』同様の液体水素由来のロケット機構が備わっており、自身のエネルギーを活用することで空を超高速で移動することが出来る。
さらに、レシプロ・ターボを上乗せすることで二重の加速を生み、結果、音速を超えるほどの速度での移動が可能になる。これを蹴りに応用することでソニックブームによる衝撃波を放つこともできる。ただし身体が耐えられないため、使用可能時間はわずか30秒。しかしその性質上、使えば必中。またレシプロ・ターボを併用しているため、使用可能時間を過ぎても以後9分30秒はレシプロ・ターボによる加速状態となる。



飯田「おかげで兄よりも速い速度で移動できるようになった。」

万丈「なぁ、兄ちゃんもヒーロー名インゲニウムなんだろ?呼び分けどうすんだよ」

飯田「確かに…敬称の意を込めて兄の方をビッグインゲニウム…略してビッグイングと呼ぶのはどうだろうか!」

万丈「カッケェ!」

戦兎「良い名前だな…。いつかお兄さんも復活すると良いな」

飯田「復活するさ。サポートアイテムが必要になったらまた戦兎くんにお願いするよ」

戦兎「そん時はいつでも言ってくれ。さて、それじゃあも次回98話、お楽しみに!」
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