刃に忍ばせる心の色   作:初代小人

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そこまで長くは続けません。
太刀を練習してて思いついたものを形にしていきます。よろしくお願いします


第壱部
プロローグ


今でもなお夢に見る。

 

パチパチと燃える音に混じる剣戟の音。

振るわれる赤と青の刃。

 

 

吹き出した血潮。

覚悟のまま死んでいく男の顔。

 

その全てが俺にとって忘れようがなくて、脳裏から離れない。

嗚呼、吐き気がする。

 

 

────────────

 

 

 

パチリ、と目が覚めた。

外から聞こえる小鳥の(さえず)りに、慌ててテントから飛び出してまず目に入ってきたのは俺の身長よりも長いだろうかというほどの太刀を背負った男だった。

眉間に不機嫌そうに深く皺を刻んだ顔は男の俺から見ても整っていて、濃紺の髪がカチューシャで後ろに流して留められている。

 

「遅いぞ、オーガ。俺たちが盗賊と戦っている間ずっとぐっすりとは、いいご身分だな」

「ごめんよアル!寝過ごした!というかまた盗賊が来たの!?」

「ああ。別に手こずるほどでもなかったがだからと言って寝てていい訳では無いだろう。だいたいお前には危機感というものが」

「とか言いつつちゃぁんとオーガの方に賊が行かないように目を光らせてたよねぇ〜?いつもよくやるよねぇ〜?」

「余計なことを言うなベタ。こいつもあと1年で成人するんだ、もう少ししっかりしてくれないとその内リオレウスの巣にでも置いて行くことになる。」

「そう言うならそろそろオーガに“気刃斬り”くらい教えてやればいいのにな!俺ァもう十分実力は足りてると思うぜ?」

 

今アルの説教を取りなしてくれたのがベタとガマ。

ベタは髪を短く刈り上げていて、いつも薄い茶色のレンズのサングラスを掛けている。

一応俺たちの中では最年長なのだが、掴みどころがなくて頼りにならないところがあるので、リーダーはアルがやっている。

黄色の擦り切れたヨレヨレのスーツにこれまた同じ色でヨレヨレの羽根帽子を身につけていて戦いづらそうだが本人は身軽で、ライトボウガンを自身が座る丸太の傍らに置いている。

ガマは一度行ったことのあるカムラの里のハンターのような姿で、額当てこそしていないが鎖帷子を身にまとった軽装で、背中に刃が四つに分かれた変わった形の双剣を背負っている。

 

 

「ン」

「ああ、今回の戦利品か。いつも助かる。ありがとうデル」

「ン」

 

 

そんな中アルに皮袋を差し出してきた大柄なスキンヘッド男が俺たちの猟団最後のメンバー、金庫守のデル。

無口で基本的に「ン」しか言わないが何故か会話が成立する。

ヨツミワドウの装備を一式身につけており、有事にはその体躯に見合った特注サイズのヘヴィボウガンで対処する。

 

 

そんな俺たちは「デコボコの猟団」として活動しているのだが、どうやらそう思っているのは俺たちだけのようで、周りからは“鬼の猟団”と呼ばれているらしい。

 

 

「で!今日こそ気刃斬り、教えてくれるよな!?アル!」

「寝坊助に教えることなんてない。素振りでもしてろ」

「この鬼ー!!!!鬼の猟団の鬼教官!!!!」

「普段の倍素振りするって聞こえたな。相当真面目とみえる」

「アルなんて嫌いだぁ!!!!!」

 

俺の絶叫と、皆の笑い声が血に濡れた平原に響いた。

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