気を付けて定期的に更新していかないといけないと思いましたね……
まあ亀更新に変わりはなさそうなんですけども。
そんなわけでよろしくお願いいたします。
明朝早くに俺とガンマを乗せた竜車は人知れず首都を発った。
行商人を装った黒外套の男の部下が竜車を操り、いくつかの関所を超えていく。
『鬼龍會』は北部地方にあるスラム街を拠点にしている、という言葉の通り竜車は北上していき、それに伴って吹き込む風が冷たくなっていく。
建物も薄汚いものが多くなり、半ば崩れそうなものも目に留まり始める。
ガンマはそんな光景を気にする様子もなく、竜車の壁に背中を預けて目を閉じる。
どうしていいかわからなくなった俺は、それを真似て同じように目を閉じた。
竜車の振動に誘われて、俺の意識は微睡の中に落ちていった。
冷えた空気の中で目を瞑った僕は薄く目を開けて今回のターゲットの一人である
僕と同じように壁にもたれて目を閉じた彼は昨日は随分動揺していたが、今朝からはいやに落ち着いていた。
若くしてこの国の特殊部隊の一分隊を任された僕は色々な人間を見てきたからこそ、その様子は余りに不気味であった。
こういった手合いは二つに一つ。
何も考えていない愚物か、覚悟を決めて理性の箍が外れた狂人か。
前者であれば容易に「処理」することができる。しかし後者であった場合は面倒だ。
あるいは昨日の「声掛け」が上手くいき過ぎたか。
そんな可能性を考えて僕は内心で嘆息する。
当然のように僕は眠ることなく、ポケットの中の拳銃を弄びながら到着を待っていた。
肩を叩かれて覚醒した意識に「到着したよ」と声がかけられる。
「わかった。」
俺は神妙な顔をして立ち上がった。
竜車を出るとそこは放棄されてから相当な時間が経っていそうな屋敷だった。
窓は割れたうえで板が目張りされており、中の様子は確認できない。
また、どこか仄暗い雰囲気が漂っていて、まるで俺たちを含めた部外者が入るのを拒んでいるかのようであった。
「いやな感じだ。」
俺の言葉にガンマは相槌を打つ。
「うん、でも新しい足跡がある。この辺の地方では珍しい革靴だね。ここで間違いはないみたいだよ。ああ、知ってそうな人がいるから話を聞いてみよう。」
そういって指さした先----浮浪者の男がうろついている方----へとガンマは歩き出す。
そして自然な流れで男に話しかけて、そのまま双剣を抜いて喉笛を切り裂いた。
「おい!何してんだ!」
思わず声を上げて駆け寄った俺にガンマは平然とした様子で男の胸を一突きして完全に絶命させてから「こいつの懐を探ってみろ」と言った。
言われた通り探ろうとした俺は男の右手に握られた拳銃を見て愕然とした。
「これは……」
「拳銃なんてもの、そもそも市場すら"ない"のだからどこだろうと流通しようがないんだ。それをカタギの、しかもこんな身なりの奴が持っているわけがない。変装したやつらの見張りだよ。」
そう吐き捨てて、急速に熱を失っていく血だまりに目もくれずにガンマは双剣の血を拭って鞘に納めて入口へと歩き出す。
俺は余りに濃い鉄臭い匂いにむせ返りながらもその背中を追って走った。
暗い通路の灰色の壁に赤黒い血飛沫が跳ねる。
何度目かも忘れた、焼き回しのような光景に慣れつつある自分に怖気がする。
血だまりを踏まないように死体を跨いで通路を進む。人間がいたら戦闘になる前にガンマが全員殺して進む。
その繰り返しを数えるのをあきらめたころだった。
これまでのものと違う重厚な扉に行き当たる。
開けてみると、地下へと続く階段が現れた。
思わず顔を見合わせてから、どちらからともなく下り始める。
階段を降り切った先にある先ほど同様の重厚な扉をガンマが押した。
地下室らしく一層暗いその部屋に一歩踏み入ると、何やら柔らかいものを叩くような声とうめき声が聞こえてきた。
「ったく強情だなぁ、さっさと吐けば楽に殺してやるのに」
聞こえてきたそんな言葉に俺は表情をこわばらせた。
そして闇に目が慣れてきて、人の群れの中心で縛り付けられている男の、やつれた顔を見た瞬間に俺の世界はスローモーションになっていた。
「ベータ!!!」
そう叫んで走りだした俺をガンマが追いかける。
「あのバカ……」
その姿を確認した男たちは一斉に銃を抜いて、ほぼ同時に引き金を引いた。
それに対応して俺も太刀を鞘から抜きはらう。
数え切れないほどの鉛玉が殺到し、それら全てが吹き飛ばされた。
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