刃に忍ばせる心の色   作:初代小人

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モチベは続くうちに書くもの。
プロットのメモとかないので結末忘れちゃうからな!


弐ノ段 上

砂漠で“気刃斬り”について教わってから数ヶ月が経ったが、俺はまだ太刀に錬気を宿せずにいた。

 

「999、1000!」

「終わったか。悪くないな」

「随分様になってきたんじゃないかねぇ〜?最初なんて縦振りの素振りだけで日が暮れてたのにねぇ〜?」

 

素振りを終わらせた俺に横で見ていたアルとベタがそれぞれ言う。

ベタの言うように素振り自体はだいぶん早く出来るようになった。

つい数ヶ月前まで悲鳴をあげていた素振り2倍を今やったとしても特に問題は無いだろうと直感的に思う。

 

 

しかし、足りない。

そんな表情を読み取ったのかガマが手合わせの支度をしながら声をかけてくる。

「“気刃斬り”が出来なくてもオーガは十分強くなってるぜ!ほら、手合わせしようぜ?真剣勝負だけどな!つって」

ガマの冗談にも笑う気になれなかった。

 

今日こそは、今日こそはと太刀を振っては何も得られずに毎日がすぎていく。

 

「もういい。今日の鍛錬は終わりだ。その状態ではガマを付き合わせるだけ無駄だろう。」

アルの言葉に目の前が暗くなる。

見捨てられるのだろうか、漠然としていた不安が形を持ってのしかかる。

 

 

「どうしても何かをしていたいのなら……いいや、なんでもない。お前ら、狩りに行くぞ。この辺だと少し歩けばポポの群れが居るだろう。」

「「了解)」」

 

キャンプ地には俺と、荷物守のデルだけが残された。

 

 

 

──────────

 

 

(1、2、3、4)

無我夢中で太刀を振るいながら顔も知らない親父に思いを馳せる。

 

 

俺は2歳の時ににアル達に引き取られたらしい。(物心が着いて覚えていないが。)

盗賊に襲われて壊滅した村の唯一の生き残りで、馬小屋の藁の中で泣きもせず放置されていたらしい。

その傍らには俺が今使っている親父の形見の刀と俺の身を案じる旨の手紙が置いてあったらしい。

 

アル達は村に救援に来て壊滅した村で俺を見つけて親代わりとして引き取り、育ててくれた。

アルはその話を聞いて復讐に駆られる俺に「親の仇が取りたければ強くなれ。」と発破をかけた。

それが今まで続いている修行の始まりだった。

 

アルは厳しかったが、確かに俺を強くしてくれた。

でも、これでは満足出来ない。

今でこそなりを潜めてはいるが、俺の故郷を滅ぼした復讐をしたいという気持ちは消えた訳では無い。

 

俺は、強くならなくてはならないのに……

 

その時、俺の頬にピタ、と触れるものがあった。

「ン」

「これは元気ドリンコ?」

「ン。少しは休め」

 

デルが珍しく言葉を発したことに俺は少し驚きながら礼を言った。

デルはそれを確かに聞いて、しかし明確な返答はせずに、独り言のように誰に対して言っているのかも分からない口調で珍しく呟いた。

「お前かどう感じてるか、どう思ってるか俺は知らない。でもアルはそのくらいでお前を捨てたりはしない。それで捨てるなら最初から引き受けない。」

 

一呼吸でそう言ったデルは、自分の持ち場である鍛冶場に向かっていった。

俺はそのなんとも言えない空気感に不思議と安堵を覚えたのだった。

 

 

────────

 

「嵐が近づいている。出立の準備をしろ。

ベタは弾薬が湿気らないように包装しろ。ガマは再度天候確認を。デル、荷物をまとめて荷車に積み込め。

なんだオーガ、俺の顔になんか着いてるか?」

「いや、何も?俺は何をすればいい?」

「お前にしては珍しく気が利くじゃないか。いいだろう、デルの手伝いをしてやれ」

 

 

大きな波乱が音を立てて近づいてきていた……




今回短いけど許して欲しい……
誤字報告あれば何卒よろしくお願いします
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