子どもの頃に大好きなおやつ、それはプリンだった。
子どもの頃によく食べるおやつはプリンだった。
あのスプーンで触れるとぷるりと揺れるプッチンプリンはいつ見ても面白い。まるで羽を広げて自分の縄張りを主張する
大人になっても自分へのご褒美として食材を買うついでにスーパーでカスタードプリンを買う。一つで百円以上もする贅沢な一品、私はこれを食べる時が人生で一番好きな時間になっていた。
今日は残業で定時より一時間遅く退社した。スーパーへ寄ると半額のシールが貼られた弁当やタイムセールで売り残った惣菜がちらほらと見える。
明日の夕食も兼ねて多めに惣菜を買い、お腹が空いていたので早くレジに行って帰ろうとした時、男の子が母親らしき人に何かを
「僕プリン! プリンがいい!」
「昨日食べたばっかりでしょ。今日は我慢して」
「いやーだー! プーリーン、プリンが食べたい!」
「……もう、しょうがない子ね」
結局子どもに折れたのか、三個入りのプッチンプリンを一つ買い物カゴに入れて私の前を通り過ぎてレジに向かって行った。その後ろ姿を見て、幼い頃の懐かしい思い出に心が包まれた。
私はプリンが置いてあるコーナーへ行くと、ひんやりしたプッチンプリンとカスタードプリンの両方を手に取りカゴに入れて会計をする。誰にも聞こえないくらいの音量で鼻唄を歌いながら、自宅までの夜道を弾むように歩いた。
一人暮らしの寂しい家に到着すると、部屋着に着替えて夕食の準備をした。野菜と豚肉を炒めて、ほくほくの白米を茶碗一杯に入れて召し上がる。簡素だけど、私のお腹を満たしてくれる。今はこれくらいが丁度良かった。
ご馳走様をすると、食器を洗って冷蔵庫に入れていたプリンを取り出す。音のない静かな部屋で嗜むプリンは至極のデザートへと変わり、私に風雅な一時を与えてくれる。
「いただきます!」
挨拶は忘れずに。
さて、今日はどちらを食そうか。ここはやはりプッチンプリンだろう。
小皿を取り出し、その上にプリンを乗せスプーンを当ててみる。すると見よ、プリンは絶妙なバランスを保ち、形を崩さないままぷるりと揺れるではないか。私は毎度ながらこの光景に感動を覚える。
子どもの頃プッチンプリンを食べる際、面倒くさいからと言ってプッチンせずに食べた私はなんて愚かなのだろう。まるで一つの演芸でも観ているような気分を味わえるというのに。
見るプリンを堪能した後、いざ実食へと移る。
頂上からすいっと撫で下ろすかのように削り取り、一口分をスプーンに乗せて口の中へ運ぶ。弾力のある食感は食べていて心地良く、カラメルと卵の味が調和して私の舌を満足にしてみせる。
舌に乗せたプリンを
一口、また一口とパクパク食べているうちに小皿にあったプリンはお腹の中へ姿を消した。私はこれだけじゃ物足りず、もう一つ冷蔵庫から取り出し小皿に乗せた。それも食べ終わるともう一つ食べてしまい、結局一日でプッチンプリンを三つも食べてしまった。
お風呂に浸かりながら自分の暴食を反省する。それでもプリンのことを考えるのはやめれなかった。
明日はカスタードプリン。クリームの滑らかさとプリンのやわらかい食感が相まって、よりまろやかに仕立て上げられた極上のプリン。私は唾をゴクリと飲み込んだ。
プリンのために、明日も一日頑張ろう。
お題「プリン」
プリンっていつ食べても美味しいですよね。子どもの頃によく食べるおやつと言えばこれ的なものでもあります。
今夜のデザートにプリンはどうですか?