双子系Vtuber、はじめました。 作:えびんす
英文は適当に翻訳サイトにかけたのをコピペしてます。
私の英語力は2です。
『あああああ待って待って出てきた出てきたなんか風呂から出てきた!!』
『距離がだーいぶ近いでーすねぇぇ?』
『やめろやめろこっちに来ないでやだやだやだ』
『すみませんがお探しの方と僕らは人違いではありませんかぁぁぁ!?』
バアァンッ!!
『『手形ああああああッ!!』』
『え? 待、ちょっ、なんでラジオ鳴り出すんだよ』
『待って待って止まって止まって音はマズイ奴らに気づかれる』
『いや多分気づかれてるでしょこれもう!』
『ぎゃああ絵画こっち見んな!! なんで肖像画なのに目玉グリグリ動くんだよ!!』
『うわー綺麗な血涙だなあー絵画でも泣くことがあるんだあー』
『優斗現実逃避しないで!! おい戻ってこい!!』
ダァァアンッ!!
『『眉間撃たれたああああッ!!!』』
『なんで人形なんか吊るしてあるんだ……?』
『しかもよくよく見たら首に紐くくりつけてあるし……悪趣味だなぁ……』
『クリックしたら揺れるな……誰だこんなことやったの』
『そりゃあたしらの前に入った誰かじゃないの?』
『でも玄関鍵掛かってただろ』
『あ、確かに……え、窓は?』
『窓開いてたんなら玄関から入る意味無くね? 閉まってたんだろ』
『えぇ~? じゃあこの家に居る霊がやったん? 何のために?』
『こういう死に方しましたっていうアピールじゃないか?』
『アピールしてどうすr』
バゴオオォォンッ!!
『『上から来たあああぁぁぁッ!!?』』
『もうやだぁ……このゲーム怖いよお…………』
『さ、叫びすぎて具合悪くなってきた……』
『もう意味分かんないよ……外国の幽霊アグレッシブ過ぎるよ……』
『風呂から出てくるわ絵なのにド頭ぶち抜かれるわ上からダイナミック首吊りするわ……なんなの? そんなに俺らに死に様を見せたかったの? 見せてどうしたかったの? 目立ちたがりが過ぎんだろあの世でイエス様に愚痴ってろよ……』
『ねえもうクリアしよ? さっさとクリアして今日はもう寝よ?』
『分かってる……分かってるんだけど、クリックする指が、重い…………』
『なんでホラーなんてジャンルがあるの……死滅してしまえばいいのに……』
『兄としては妹の提案に賛成である……』
:満身創痍やんけ
:そらあんだけ叫びゃ疲れもするでしょ
:でも二人のユニゾン絶叫ちょっと気持ちいい
:叫んだら妹と声域が同じになる兄すき
:優斗くん意外と声の幅広いっぽいよね
:鼓膜破れてもいいからもっと叫んで
:なんて耳に悪い配信だ……
一時間。本来想定されているこのゲームのプレイ時間を二倍以上かけ、なんとかかんとかゲームを進めてきた俺達。
もう、アレです。これクリアしたら二度とホラゲはしたくないです。たかがゲームでなんでこんなに疲れなきゃならないんだ。
疲労困憊もいいところだ。これじゃあ俺……配信をやりたくなくなっちまうよ……!
だがその辛い時間もようやく終わる。
ステージの終わりでは毎回画面の右下に、
【Next stage……→】
というテロップが出てくるのだが、今回出てきたのは、
【Last stage……→】
というもの。
そう、いよいよこのゲームも終わりが見えてきたのだ。この次をクリアすれば、この心臓に悪いゲームを終わらせることが出来る。真っ暗闇に見えた一筋の光明。
だが同時に、最後ということは、今までで一番ヤバイステージでもあるに違いない。そう考えるとクリックを押す指が強張る。
『フゥーーーーー…………行くかぁ里奈』
『…………っし、覚悟できた。行こう優斗』
もうここまで来たら最後までやり通そう。これが終わればオフトゥンが待っている。恐怖体験における
まだ微かに震える指を律し、最後のステージへ進むため、画面をクリックした。
『『うわぁ…………』』
早くも挫けそうになった。
どうやら最後のステージは廊下のようだ。明かりがついているものの、奧の方は見通せず、暗闇が不気味に口を開けている。
『いやーいかにもって感じ?』
『まだ明かりが付いてるから序の口ってか…………廃墟なのに電気通ってるのアレだけど』
『……あ、なんか紙が落ちてる。あれ拾えばいいの?』
『えーどれどれ…………』
廊下の真ん中にはメモ用紙のような紙が落ちていた。早速クリックして拾ってみると……。
『あ、なんか書いてる』
『里奈読んでみろ』
『えー……っと?』
【O God. Forgive me for what I have done.
I wanted to be with my loving family for a long time.
I had no choice but to do this.
Our bond will never be broken by anyone.
Forever and ever......】
『…………なんだよ、それ』
:発音めちゃくちゃ綺麗やな
:クッソ綺麗なイギリス英語で草
:俺の学校の英語教師より聞き取りやすい
:ワイも英語ちょっと分かるけどなんとも言えんなこの手紙
:里奈ちゃんちょっとおこ?
:何が書いてあるんや……
『……ごめん。ちょっとあまりにも……アレな奴だったから』
『翻訳するぞ』
【ああ、神よ。私の行いを御許しください。
愛する家族とずっと一緒にいたかった。
そのためにはこうするしかなかったのです。
私たちの絆は誰にも断ち切れない。
永遠に、永遠に……】
『……っていう感じだな』
『やっぱり全ての元凶は母親だったね……勝手すぎるよ……』
『俺もこれには同情出来ねぇな……他に方法があったろうに』
『今までの情報で、不治の病に罹って心を病んでたってのは分かってたけどさ……家族を道連れにしていいわけないでしょ』
『同感。結果こんなゴーストハウスになってたら世話無いわな』
母親の気持ちもまあ分からんでもないが、家族を道連れというやっちゃいけない一線を越えてしまっている。その時点で同情の余地はないと俺は思う。
『んで……他に反応するのは……あ、スイッチがある』
試しに押してみると、予想通り廊下の電気のスイッチだったようで、電気が点いたり消えたり。未だに電気が通っているのが本当に謎だけどまあゲームだからということにしておこう。
などと考えながらスイッチを弄っていると、
『あっ』
『えっ』
ジジッ、という嫌な音と共に、突然スイッチがショート、照明が不気味に明滅を繰り返し始めた。
『やっべ』
『兄上!? ねえどうしてそんなことしたの兄上!?』
『まあ……ゲーム進めるためだし?』
『だとしてもだねもうちょっとだね心の準備というものをだね!!』
『そんなこと言ったってしょうごのいじょのいこ』
『えな○か○きやめろ!!』
:あーあ
:兄貴やってんねぇ!
:戦 犯 兄 貴
:反省してねえなwwww
:ほら早く進めてホラホラ
:そろそろ鼓膜破りくるー?
:いいよこいよ(音量下げながら)
『えーどうしよ、スイッチがもう反応しなくなったし……もっかいメモ見ようか?』
『えーどうしよ、これ以上なんかあったら俺マジで心臓止まりかねないんだが』
『しょーもないこと言ってないで早く進めて』
『んもー全くわがままだなぁ里奈ちゃんは』
『その口に粗塩詰めて縫い合わすぞ』
『こわ』
本気で怒られそうなので再度メモを見る。これと言って変化は……。
『うわっ、血が垂れてきた』
『ひいぃ』
『うわー嫌だぁーこれ絶対近くいるじゃんメモ下げたらいるやつじゃん絶対』
『言ってね? 下げる時言ってね? さっきみたいな不意打ちしたらホンット許さないからね!?』
『分かった分かったハイ下げますよさーんにー』
『早ぇんだよバカ!!』
『冗談だって』
:これは愉悦感じてますね
:もはや安心感すらある畜生っぷり
:半泣きの里奈ちゃんの声を聴いていたら、下品なんですがその、フフ……下品なんでやめときますね
:自制できてえらい
:ほぼ言ってるから自制できてないんだよなぁ……
『はい、じゃあメモ下げますよ』
『ごめんもうちょい待って』
『えー』
『このぐらいの我儘許してくれたっていいでしょ妹の頼みだよ!?』
『しょうがないなーもー』
『…………ふぅぅぅ』
『はいというわけで行きまーす』
『いや待ておいこら』
『ジャスト三秒、いい夢見れたかよ? はいさんにーいちオラァ!!』
『うわあああぁぁぁ人でなしいいいぃぃ!!!』
里奈の制止も待たずメモを下げる。すると……。
キィィン……という耳鳴りのような甲高い効果音と共に、目の前に長い黒髪をだらりと下げた女がぼやぁ、と現れ、こちらに近づき……。
『あっあっぁっ』
『やだやだきてるきてるきてる』
『うちはN〇K見てないんですよほんとです嘘じゃありません』
『集金やめろ来るな来るな来るな』
『……ッ!』
『ゃ……!!』
再び、廊下の電気が消え、真っ暗になった。
『…………えっ?』
『……は!? ここにきてまだ引っ張るの!?』
『嘘だろおい……こっちで電気点けろってか』
『えげつねぇ……このゲームえげつねぇぞ……』
:ガチ怯え助かる
:アバター越しにビビってるの伝わってて暗い笑いがこみあげてくる
:マジでホラー苦手なの分かって草生える
:ホラ電気点けるんだよホラ
:クリアはもう目の前だぞー?
:プレイ済み兄貴たちが鬼畜で草
:これはマジで怖い。俺も躊躇う
:でも双子がガチビビりしてるの見るとなんていうかその……下品なんですが、フフ……
:画面越しに手を繋いでるのがミエルミエル
:何それかわいい
:兄妹の絆てぇてぇ
:あれ、動かないな
『…………』
『…………』
どちらからともなくお互いを見やり、意を決したように頷きあう。ここまで来たんだ、もう覚悟はできてる。
それと視聴者鋭いな。恐怖が臨界点達しそうだから思わず手を繋ぎましたよ。こうしたらなんとなく勇気が二倍になりそうな気がするんだ。気がするだけだけど。
『…………行くぞ』
『…………うん』
再度腹を括り、先ほど電気のスイッチがあった場所へカーソルを動かし……。
スイッチを押した。
『うわっ!?』
『ちょっ、やだやだやだなになになに?!』
先ほどよりもよりこちらに近い位置まで、例の母親と思われる霊が近づいてきていた。
それこそ鼻先に顔があるような、目と鼻の先にあるような!?
『やめろやめろやめろ一思いにやれやっぱやるな』
『やだああぁぁぁぁ!!』
『ガアアアアアアアアアアアアッ!!!!』
:ビビった
:心臓止まったわ
:↑成仏してクレメンス
:いきなり目の前で叫ばれるのは本当に心臓に悪い
:いやーでも楽しかったwwwww
:クリアおめでとう!
:完走おめ、感想期待してる
:おっ、親父ギャグか?
:誰かのやる気が下がりそう
:……あれ、動かないな
:おーい?大丈夫かー?
:あれこれマジで気絶してね?w
:マジで動かんぞ!?
:死んでおるぞ!!
:同期に鳩飛ばした方がいいか?
:いやそれは迷惑行為だやめろ
:御簾納ー!!死ぬなー!!!
結局その日、俺と遥香は日付が変わるまで気を失い、その間配信は止まらないままだった。
最終的に鳩を飛ばされたギルバルトこと俊輔さんが電話をくれたおかげで、俺たちは正気に戻り、慌ててまとめに入って配信を切った。
後日、この配信が切り抜かれ、【ライブラフ】「三期生御簾納兄妹、ホラゲ実況でガチ気絶してしまう」【切り抜き】という動画がゲラゲラ動画で再生数を爆発的に伸ばし、結果的に俺たちのチャンネル登録数が一気に伸びた。
同時に、しばらく自室でのホラゲ実況は禁止するという珠緒さんの命令と、お説教を頂いたのであった。
御簾納優斗
『しばらくホラゲ以外のゲームを実況します。頼まれたってするものか』
御簾納里奈
『マネージャーからホラゲ実況禁止令を言い渡されました。こちらとしても渡りに船です』
というぼやきをボヤイターに挙げたところ、「ホラゲして♡」勢と「仕方ないね」勢と「聖様に監禁されて怯える御簾納兄妹ボイスはよ」勢に別れ、混迷を極めたのは別の話。
親父、母さん。
お仕事って、難しいね。
尻切れトンボ感ありますがここまで。
次はどうしようね(考えなし)