もう一振りの天羽々斬   作:とんこつラーメン

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急に何かまた新作を書きたい衝動に駆られ、その原作を何にしようか模索していたらシンフォギアになっていて、その為に色々と読み漁っていたら、気が付いた時には頭の上にゲッター線が降り注いでいました。

最初は人体欠損系無気力&無力なヒロインで行こうと思っていたのに、いつの間にこんな事になってしまったのだろう…?
とあるシンフォギア&ゲッターの作品に影響を受けたせいなのか。
それとも、これがゲッターの意志なのか……。







生きる為に

 それは本当に気紛れな偶然だった。

 

 その日、私は別になんてことの無い普通の歩道を歩いていた。

 天気もよく、気持ちのいい散歩日和。

 だが、どんな所にも必ず人の気分を害する無粋な輩がいるもので。

 

「うぉっ?」

 

 いきなり腕を掴まれたと思ったら、私は路地裏へと引き込まれた。

 そこにはイヤらしいか笑みを浮かべているガラの悪い男達が。

 日陰になっているこの場所でも分かるほどに顔色が悪く、明らかに薬をやっている感じだった。

 

「お前…知ってるぜ? 金次第で誰にでも股を開くって噂のガキだろ?」

「それが何? もしかして、今ここでヤラせろって言いたいの?」

「お…おう! ちゃんと金ならあるぜ! ほらよ!」

 

 そう言って、私の腕を掴んでいる男がズボンのポケットの中からグシャグシャになっている万札を何枚か取り出した。

 

「こ…これで足りるだろッ!? とっとと犯させろよ!」

「…ふざけてんの? 話で聞いてないの? 外でのプレイなら最低でも10万以上。これっぽちのはした金じゃフェラすらもしてやんないよ」

「んだと…!?」

「それ以前に、私は基本的に薬中の野郎の相手はしないようにしてるんだよ。変な病気とかになっても嫌だし」

 

 一体どこで私の事を聞いたのかは知らないけど、こっちにだって客を選ぶ権利ぐらいはある。

 仮に金を持っていたとしても、こんな連中の相手なんて絶対にお断りだけど。

 

「このガキ…! だったら、もう金なんて関係ねぇ!! ここでレイプしてやんよ!!」

「ぐひひ…! 俺らの愚息でヒィヒィ言わせてから無責任孕ませショーだぜぇ!」

「ひゃははははははははははっ!!!」

 

 なんというかもう…見ているだけで不快感が極まる。

 視界に入れるだけで吐き気がしてくる。

 だから…教えてやることにした。

 私のような小娘が、こんな危ない商売をしていても平気な理由を。

 

「目だ!!」

「ぐぎゃぁぁぁぁぁっ!?」

 

 腕を掴んでいた野郎の目を指先で潰してやり、そのまま地面に叩きつける。

 

「耳だ!!」

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 二人目には伸びた爪を使った斬撃で耳を削いでから腹を蹴り飛ばす。

 

「鼻っ!!」

「ぶぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

 

 三人目は、その汚い鼻の穴に指を突っ込んでから引き千切り、二つの穴を一つにしてやった。

 

 裏路地はあっという間に血溜りとなったが、見つかって困るのは逆にコイツらなので問題は無い。

 婦女暴行に薬物摂取。言い逃れは出来ない。

 仮に見つかっても、私の場合は正当防衛で片が付く。

 

 未だに悲鳴を上げ続けているバカどもを尻目に、私は奴らが落とした金を拾ってから財布に入れた。

 

「金に罪は無いからね」

 

 貰っておけるものは貰っておく。それが私だ。

 

 その後、気分転換に少し歩いた後にコンビニに入ってから軽く買い物をした。

 するといきなり、店員がくじ引き用の箱をレジに持ってきた。

 

「これは?」

「実はですね、1000円以上お買い上げのお客様を対象にくじ引きキャンペーンを実施中なんです」

「ふーん…なんか貰えたりするの?」

「はい! 一等はなんと…あのツヴァイウィングのコンサートの限定チケットなんです!」

「コンサート…ね」

 

 ぶっちゃけ、私は音楽とかには微塵も興味は無かった。

 だから、いきなりツヴァイウィングとか言われても訳が分からなかった。

 

「ま、とにかく引いてみてください。一等以外にも豪華な景品がありますから」

「分かったよ」

 

 どうせ、こんなのは絶対に一等が当たらないように仕組まれてるんだ。

 くじ引きなんて、どうせお遊び。適当で構わない。

 そう思った私は、中をかき混ぜる事もせずに箱の中に手を突っ込んでからクジを取り、中身を確認してみた。

 

「どうでしたか?」

「はぁ……」

 

 大きな溜息と共に、私は自分が引いたくじを店員に見せた。

 

「お…お…お…大当たり~!! 一等のツヴァイウィングのコンサートチケットゲット~!! おめでとうございます!!」

「…………」

 

 まさか、本当に当たるとは思わなかった。

 そう言えば、こういうのは物欲が強いと却って当たりにくいって噂で聞いたことがある。

 今回の場合は私の物欲は皆無に等しかったから当たったのだろうか?

 

「…誰かにでも売りつけるか」

「そんな勿体無い! 是非とも行くべきです!!」

「そうは言ってもね……」

 

 興味も無い、名前も知らないアーティストのコンサートに行くってのもな。

 だが、店員がこんなにも興奮している理由も気になる。

 なので、暇潰し感覚で行ってみることにした。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 当日になり、私はコンサート会場に足を運んだ。

 特別チケットという事もあって、私は殆ど顔パスに近い形で中へと入れた。

 

 会場は私の想像以上に賑わっていて、どこを見ても人人人で溢れている。

 一体何がこいつらを此処まで熱くさせるのだろうか。

 私には全く持って理解が出来なかった。

 

 そうして暫くボーっとしていると、遂にコンサートが始まった。

 歌っているのは、赤い髪の女と青い髪の女。

 なんとも対照的な二人だった。

 こいつらがツヴァイウィングなのか。

 そんな事を考えながら曲を聞き流していると、いきなり空気が変わった。

 

「なんだ…?」

 

 私がいたのは一階席の真ん中辺り。

 周りの連中の顔が恐怖に変わり、大きな悲鳴を上げた。

 

「ノ…ノイズだぁぁぁっ!!」

 

 まるで着ぐるみのような風貌の化け物が突然、観客席のど真ん中に姿を現す。

 あれこそがノイズと呼ばれる化け物で、その生態や存在は全て謎に包まれている。

 分かっている事と言えば、奴等には現代兵器が全く通用しなくて、触れられた瞬間に灰のようになって殺されるという事。

 つまり、めちゃくちゃにヤバいってことだ。

 

 ノイズとは関係のない所で猛烈に嫌な予感がした私は、急いでその場から離れて巻き込まれない内に前方の空いたスペースへと移動をした。

 すると次の瞬間、私が予想したことが起きてしまった。

 

「「「「「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」」」」」

 

 会場は一瞬にして阿鼻叫喚の地獄絵図へと姿を変えた。

 恐慌に支配された人々は一斉に狭い出入り口へと殺到し、我先にと女子供を押し倒していく。

 もしも予め移動をしていなければ、私も同じ目に遭っていたに違いない。

 

(可哀想だが…私も自分の身が可愛いんでね)

 

 同じ死ぬでも、あんな風に押し潰されて死ぬのは嫌だ。

 ノイズは一体や二体だけに留まらず、かなりの数が会場に溢れていた。

 正直、私の所に来るのも時間の問題だろう。

 こんな状況下で、あの二人組は一体何をしているのだろうか。

 とっくに逃げおおせているのだろうか。

 そう思ってステージをの上を見てみると、そこでは赤と蒼の二人組が変なコスプレ衣装に着替えて武器を片手にノイズと戦っていた。

 普通ならば触れる事すら叶わない相手に、彼女達は槍や剣を使って普通に戦闘している。

 これは一体どういう事だ?

 いつもならば、ここで色々と考察をしたりするところなのだが、生憎と今はそんな事をしている暇はない。

 一刻も早く、この場から逃げなくては。

 そう思って私は今いる場所から移動を試みる。

 

(…にしても、どうしてコイツらはこの状況で真っ先に『戦う』という選択肢を選んだんだ…?)

 

 正直言って、彼女達の行動は本気で理解に苦しんだ。

 あの二人がどうやってノイズと戦っているかは分からないが、今の観客達が求めているのはノイズを退治してくれる救世主ではない。

 この混乱と恐怖を少しでも和らげてくれる鶴の一声だ。

 ツヴァイウィングにはそれが出来る。否、彼女達にしか出来ない。

 なのに、どうしてそれをしない? 何故、皆を少しでもいいから安心させてやろうとしない?

 別に本当でなくてもいい。嘘でも構わない。

 大事なのは『安心させる』事なのだから。

 たった一言でいいから『大丈夫』とか『安心して』とか言って欲しい。

 皆が一番して欲しい事を、どうしてしてくれないんだ?

 

 なんてことを考えながら自分だけの避難路を探していると、遠くの方から『パキン』と何かが割れるような音が聞こえた。

 反射的に後ろを振り向いた瞬間……自分の身体に何かによって吹き飛ばされた。

 

「え?」

 

 余りにも突然すぎて、思わず変な声を上げてしまった。

 周囲の光景がスローモーションのようにゆっくりに見え、視線だけを動かすと、そこには……。

 

(嘘…だろ……?)

 

 何処からか飛んできた巨大な刃のような破片によって、自分の右腕が肩の部分から切断されて胴体から離れた光景があった。

 同時に、左手と胸の部分にも大きな痛みがあった。

 

「がはっ…!?」

 

 そのままの勢いで地面に叩きつけられた私は背中を大きく打ちつけられ血を吐いた。

 霞む目で近くに見えた自分の左手を見ると、薬指と小指が無くなっていた。

 胸の辺りから生暖かい感触があるから、きっと出血をしているんだろう。

 

(ちく…しょう…! こんなコンサート…来るんじゃなかった…!)

 

 遠くなっていく意識の中、青い髪の女が手に持っている欠けた刃を見て焦燥しているのが見えた。

 同時に、私と同じように誰かが倒れているのも見え、それに赤い髪の女が必死に叫んでいた。

 もう限界だった私は、大人しく目を瞑って自分の最後を悟った。

 こんな所で私は終わりなのか。

 でも、それもいいかもしれない。今までにだって碌な事が無かったし。

 全てを諦め、私はこの猛烈な眠気に意識を委ねた。

 最後に聞こえてきたのは、誰かの叫ぶ声だった。

 

「生きる事を諦めるな!!」

 

 無茶言うなよ……。

 頼むから…静かに死なせてくれ……。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 

「あ…起きた? 随分とうなされてたけど……」

 

 静かに目を開けると、そこには見慣れた天井が映っている。

 どうやら、私は疲れて寝てしまっていたらしい。

 

「…寝てた?」

「ぐっすりと」

「そっか……」

 

 ここは、私が行きつけにしているラブホテル。

 そんでもって、私に話しかけているのは今回のお客さんである会社員のおじさん。

 もう常連となっている人で、何回も一緒にこのホテルでセックスをしている。

 

「疲れちゃったのかな? 大丈夫かい?」

「御心配なく。昔の事を夢で見ちゃっただけだから」

「昔って?」

「『こんな体』になった時の夢」

「あ……」

 

 私が何を言いたいのか悟ったおじさんは、バツが悪そうにしながら黙り込んだ。

 この人は私の事情を知っている数少ない人だから、こんな時は楽でいい。

 

 あれから二年が経ち、私は昔と同じように自分の身体を売って金を得ていた。

 だが、あの頃とは違って今の私はなんとも不自由な体になってしまっているので、昔のように何もかもは上手くいかない。

 右腕を丸々失い、左手も薬指と小指を失った事で非常に日常生活が不便になっている。

 だが、ここで愚痴を言っても仕方がないので、私は今日も今日とて生きる為に頑張るのだ。

 私以上に大変な人間も世の中にはいるのだから、私がめげる訳にはいかない。

 今の自分に出来る事をやるだけだ。

 

「にしても、叔父さんも変態だよな。私みたいな女と寝たがるだなんて」

「ははは……」

「まぁ…良いんだけどね。今の私は、おじさんみたいな『変態さん』に助けられてるんだし」

 

 こんな体になった私を抱きたがるのは、それこそ非常に特殊な性癖を持つ連中だけ。

 だけど、今はそれに救われているのだから皮肉としか言いようがない。

 

「ま…まだ時間はあるよね? もう一回頼めるかな?」

「それはいいけど、少しシャワーを浴びてきてもいい? 寝汗を掻いちゃったみたいで」

「全然いいよ! それじゃ、おじさんも水分補給でもしておこうかな。疾風(はやて)ちゃんは何にする?」

「ジンジャーエールお願い」

「分かったよ」

 

 注文だけ頼んでから、私はシャワールームへと入っていく。

 そんな私の名は『(じん)疾風(はやて)』。

 どこにでもいる、援助交際で金を稼いでいる15歳の女。

 勿論、学校なんて行ってない。

 

 これは、一日で色んな物を失ってしまった私の数奇な運命の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 




正直、自分でも何を書いてんだろうって思ってます。

だけど、私の中にいるゲッターエンペラーが無意識のうちにプロットを組み上げていくんですもん。
書かない訳にはいかないじゃないですか。

次回か、その次辺りでギアを纏わせられたらと模索中です。


主人公の疾風とのカップリングは誰が良い?

  • クリス
  • 未来
  • マリア
  • 切歌
  • 調
  • まさかの弦十郎
  • まさかまさかの慎次
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