リュウノスケェ!!に殺されたショタの姉に転生しました。 作:シーボーギウム
感想評価ありがとうございます。
最近ガチで忙しいのと狩りに出てるので遅れました。次も遅れそうです。ごめんなさいね…………
「大丈夫ですか、士郎?」
「……ん?あ、ああ。大丈夫」
生返事を返す士郎にセイバーは心配そうな表情を向けた。
あの後、姉代わりである藤村大河からの電話が来たことで話は一旦切り上げられた。凛は用事があると言って衛宮邸を離れ、士郎は弁当を届ける為に穂群原学園に向かっている最中だ。
「士郎、貴方にとって桜と識姫という二人はそれ程大切な方々なのですか……?」
「………ああ、桜は家族同然だし、蓮姉は俺の恩人だ」
暗い表情のまま歩を進める士郎に、セイバーはそれ以上の追求を出来なかった。
────────────
穂群原学園。そこにある弓道場に、桜はいた。彼女は髪を結い上げ、弓道着を身に纏い、弓に矢を番えた状態で集中し────
(はぁ、士郎さんまだかな………)
てはいなかった。的の方に目を向けてこそいたが、あまりにも上の空。微塵も集中していない。その頭の中は使い魔越しに感知した士郎が来訪する、という情報でいっぱいだった。
今回の聖杯戦争、桜は識姫から一つ助言を受けていた。それは、出来る限り士郎との接触を避ける、というもの。初めこそ疑念を抱いた桜だったが、識姫が無意味にそんな事を言う訳もないと了承していた。とはいえ、
(士郎さんの方から接触してくるんですから、不可抗力ですよねー)
接触するのは避けるが、接触されるならば問題ない。彼女はあえてそう曲解した。
と、そんな思考がフワフワした状態で矢は放たれた。
(あ、ズレた)
的に当たりこそすれど中心には当たらないであろう軌道。だが、
「お!
「ありがとうございます」
美綴の言葉に桜はニコリと笑みを向ける。
(これを単純な技量だけでやるんですから、士郎さんは凄いですよねー)
想い人の来訪を心待ちにする桜の影は、ゆらりゆらりと揺れていた。
────────────
「………なるほど」
ビギィッ!!と、桜の額に青筋が走る。瞬間、弓道場に凄まじい殺気が迸った。そのあまりの圧に、弓道場にいた面々は冷や汗を流しながら桜へ視線を向け、そして桜の殺気を一身に受ける少女、セイバーもまた瞬間的に身構える程だ。
「
「は、はい………」
士郎の手を取り、桜は人気の無いところへ向かう。そして当然の如く着いてくるセイバー。聖杯戦争、敵対する陣営である桜と己のマスターを二人きりにするなどという愚行を彼女が犯すことはない。
だが、今回ばかりは相手が悪かった。
「なっ!?」
早歩きで士郎の手を引き、角を曲がる桜。それを急いで追ったセイバーだったが、彼女が追い付いた時には忽然と士郎も桜も居なくなっていた。
「はぁ、全くしつこい人ですね………」
真っ黒な、暗くは無い、ただ黒い空間で、少女は外で未だに士郎を探し続けるセイバーに嫌悪感を隠すことすらなく呟いた。
「こ、こは………」
「有り体に言えば、影の中です。私の魔術による虚数空間ですから、逃げられるなんて思わないでくださいね?士郎さん」
呆然とした様子で周囲を見回す士郎の様子に暗い悦びが湧き上がるのを押さえ込みながら桜は影で出来た椅子に腰掛けた。士郎もまた椅子に座ってはいるが、拘束され、身動きは取れない状況だ。
「遠坂の言ってたことは本当だったのか………」
「はぁ、やっぱり遠坂先輩の仕業ですか………」
これはお姉ちゃんの事もバレてますね、と考えながら彼女はため息をついた。
「なぁさ「協力なら、出来ませんよ?」………」
士郎の提案を、聞くまでもなく跳ね除ける。現状の策を成功させる為に士郎と協力関係になることは出来ない。
「桜、俺は、お前とは戦いたくない」
「そもそも私と士郎さんは戦えませんよ?」
「……?何を言って…………」
「だって私の方が強いもの。そもそも戦いになりませんよ」
この現状が何よりも物語ってますよね?と呟いて桜は微笑んだ。この虚数空間に桜自身以外の生物を連れ込むのは相当な難易度になる。そもそもほぼ無抵抗でなければ連れ込めないのだ。
仮に識姫と桜が戦うのなら、桜はここに連れ込むこと自体成功しないだろう。仮に凛と桜が戦ったなら、連れ込んだとしても即座に逃げ出されるだろう。だが士郎はそもそも連れ込まれないことも、この空間から逃げ出す事も出来ずにいる。
何も言うことが出来ず黙り込んだ士郎に、桜は虚構を混ぜつつ自身の戦力を告げていく。
「ここからさらに、お姉ちゃんも加わります。士郎さん、魔術無しでも勝てた事ないですよね?」
「それは………」
「遠坂先輩も、士郎さんも私達の相手になりません」
「だとしても、俺は……」
「士郎さん、そも勝ち目の無い戦いに挑むのは勇気でも挑戦でも無いんです。士郎さんじゃ、ただ無駄に命を散らして、無意味に無価値に潰えるだけですよ?それでも戦うんですか?」
「…………」
沈黙し、俯く士郎の姿に桜は胸の内がチクリと痛むのを感じた。だが彼女に容赦する気は微塵も無い。
(これで、降りてくれるなら………)
"士郎は戦わなくちゃいけないし、どれだけ言おうが妨害しようが巻き込まれに来るよ。この戦いはあの子の中にある色々なことに決着を付けるためのものでもあるから"
士郎を参戦させることに難色を示した桜に、識姫はそう言った。士郎の中に巣食う歪みには桜も気が付いている。そして、今の今までそれをどうにか出来ないかと考え続けてきていた。
(今のこの現状は
だがその希望は、打ち砕かれた。
「それ、でも………俺は戦わなくちゃいけない…………」
その言葉に、桜は目を伏せた。
(ああ、やっぱり…………)
歪みは正せなかった。それならばと、桜は立ち上がる。
「分かりました。なら、ここから出たと同時に、私と士郎さんは敵になります」
「………見逃してくれるのか?」
「言ったじゃないですか。戦いにならないって。なら、殺さずに済ませます。少なくとも、私にもお姉ちゃんにも士郎さんや遠坂先輩を殺すなんて選択肢はありませんから」
でも、と続ける。
「それ以外は、分かりません。だから、一つ、楔を打たせて貰いますね」
「楔……?どういうんむっ!?」
唇を、重ねる。その甘い痺れに身を任せたくなる衝動を押さえ込み、少女は士郎から離れた。そしてその胸に身を寄せた。
「好きです。大好きです。どうか、死なないで………!」
隠すことはなかった、されど告げてもいなかった想いをぶつけた。
士郎の身体を押す。倒れ行く士郎は、桜に向けて手を伸ばした。
「桜っ!!」
二の句を告げるよりも先に、士郎は影の外へ放り出される。先程と同じ場所だ。こちらに駆け寄るセイバーの姿を捉えながら、少年はぶつけられたその想いにただただ戸惑っていた。
プリヤの識姫
とても一般人。そもそも聖杯戦争が起こっていないので普通に家族と幸せに暮らしている。多分小学校教師。士郎とも面識がある。関係性はただの生徒と教師。無駄に士郎Love勢に警戒されてる。
美遊時空の識姫
とても逸般人。美遊の力の暴走で家族が死体も残さす消滅した。各時空最強の擦れっぷりを発揮する。聖杯戦争自体には全く参加していないが、しっかり直死の魔眼に覚醒しつつ参加者の戦いを覗き見て独学でサーヴァントカードを再現、聖杯戦争関係どころか魔術に関する全てに問答無用の殺意を向け始め、結果、エインズワースからもイリヤ達からも
因みにこのサーヴァントカードの中身は本編で桜たちが召喚しようとしている英霊。
感想評価よろしくお願いします。