ゲラート・グリンデルバルド成り代わり主がDC世界でスーサイドスクワッドに入る話   作:抹茶アイス大好き

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ラットキャッチャー2かわいい(挨拶)

はい、更新遅くなりました。すみません。
今話は、初の戦闘シーンだったのでちょっとシリアスになったと思います。
軽い気持ちで、暇つぶしに読んでいただければ幸いです。

感想、誤字報告などありがとうございます。


ねぇから!

私の名前はゲラート・グリンデルバルド(成り代わり)。この世界でたった一人の魔法使いさ(魔術使いは無視する)。

あとは皆さん、知っての通り。私は世界に喧嘩を売り部下を引き連れ戦争をし、そうして15年ほどたってなんだかんだで逮捕され半世紀ほど牢屋で過ごし気づけばウォラーとかいうアメリカ政府高官の協力者になった。

 

何で突然、こんなことを言い出すのかって?

 

ピンチだからだよ。まぁ、俗に言う現実逃避ってやつ。

 

現状は、予め構築していた防衛陣形は人数が減っていたこともあり早々に崩壊。密集していた部隊はある程度ばらけて各々で戦う選択をした結果、完全な乱戦になっている。火器の強みは横に並べて弾幕を張ることだろうに。最早、その強みは失われ、戦場は文字通りの混沌(カオス)だ。

 

救いといえば武器を持っていない敵が多いこと、そしてバケモノが弱いことだ。

輸送ヘリを撃墜できるほどの武器を持ってきてる奴はいないらしい。

 

あーよかった。

 

しかし、如何せん数が多い。

ひとりで複数体を相手にする状態に陥っており、現に自分の前にも二体のバケモノがジリジリと迫ってきている。

そして、しびれを切らしたのか一体向かってくる。

一見すると技術も何もない無謀な突進だが、その速度は脅威だ。

 

まっ、一般人からしたら、だけどね。

 

そんなことを考えながらステップを踏み、体を後ろに傾ける。次の瞬間、さっきまで自分の顔があったところを大振りの右フックが通り過ぎる。

それを横目にフワリと体が宙に浮きゆっくりと時間が流れる中、両手でしっかり銃を固定し慎重にサイトをバケモノの頭に合わせ引き金を引く。

放たれた弾丸がバケモノの脳天をぶち抜くのを目に収めると同時に一抹の後悔が自分の心をよぎる。

 

今のは二丁拳銃でやってた方が絶対かっこよかった。

 

そんな私の心中を察することなく残りの一体が雄たけびを上げながら突っ込んでくる。

残念なことに銃を構える余裕がなく片手撃ちとなってしまうが気にせず銃弾を放つ。

 

一発目、バケモノの左側を通りすぎる。

二発目、バケモノの以下略。

三発目、全略。

 

はい、クソエイム。やっぱ片手撃ちはカッコいいけど全然当たんない。

それに比べてハーレイちゃんは私よりも大口径の銃を片手で撃って見事ヘッドショットを決めているから本当にすごい。

 

先ほどとは違い、敵を掠ることなく飛んでいく銃弾にがっくりしながら懐に入ってきたバケモノに目を向ける。

 

 

 

 

クソエイムVS素人体術 勝手に戦え 

 

レディファイ!!

 

 

 

先手を取ったのはバケモノだ。

ブンッという強烈な音と共に振るわれる剛腕は老人である自分が食らえば一発KOだ。

そのため避けることに専念する。

 

躱す、躱す、撃つ、躱す、撃つ。

目を見開いて集中し、敵の一挙一動を見逃さない。攻撃を先読みし隙間を縫うように動く。そして敵の攻撃が通りすぎる僅かな合間にささやかな反撃として銃を撃つ。無論、安定もくそもない姿勢での射撃が当たるはずもない。

互いに有効打を打てない、完全な千日手だ。

 

この状況を打開するにはどうするか?

かのマリー・アントワネットは言った(言ってない)。

 

 

攻撃が当たらないのなら当たる攻撃をすればいいじゃない

 

 

てことで、歯ぁ食いしばれや。

攻撃を回避すべく下げた右足で地面を踏みしめ銃を持った右腕を大きく振りかぶり、握りやすいように製造された銃把(グリップ)に力を込める。

そして、自分の体重を乗せて全力でその右手を振りぬく。

 

体重×スピード×握力

 

これだけの威力が込められた攻撃に、バケモノの側頭部が耐えられる防御力を持つわけがない。

見事なまでにバケモノの頭が砕け散る。

 

うん、すっきりしたけど腕が痛い!

 

と爽快感を感じた次の瞬間、崩れるバケモノの体に隠れるようにして叫び声をあげながら突進してくるバケモノが目に映る。

 

「ガアァァァァ!」

 

脊髄反射で右腕を振りぬいた体勢の体を無理やり動かし横に転がる。間一髪でたなびいたコートをバケモノの腕が掠めていくのを気にすることなく銃を構える。

 

さっきのバケモノみたいに近接戦になれば面倒なのは確実。

後ろに飛びずさり引き金を引きまくる。

 

うおおおおおお、当たれ当たれ当たれ当たれ

 

放たれた弾丸がアスファルトの地面に火花を散らす中、数発が次々とバケモノの体を抉る。そして遂にダメージの許容量を超えたのか崩れる様に顔面から地面に突っ込む。

突進の勢いをそのままズサーという音と共にバケモノの死体が自分の横を滑っていくのを確認した私は使い切ったマガジンを地面にそのまま落とし、コートの裏ポケットから取り出した新しいマガジンを叩きこみスライドを引く。

 

ふっ、決まった!

流石だよ、私の愛銃H&K P30。ジョ〇・ウィックのブランドは伊達じゃないぜ。

 

パッと顔を上げると、そこには先ほどよりもさらに多い数のバケモノが瓦礫やらなんやらを飛び越えながら続々と姿を見せていた。

 

……はい、深呼吸。

 

スーハ―スーハーシュコーヒューシュコーヒュ―

失礼しました、暗黒卿が出てしまいました。

 

残りのマガジンは3つ。近接戦用の武器はなし。

これはちょっとマズいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

圧倒的な数の敵に対し、救出部隊の各々は戦いを続けていた。

 

軍人たちは鍛えられた連携で乱戦の中で犠牲者を何人か出しながらも、カタナのサポートもありバケモノを次々と撃破していた。

一方、特殊部隊Xは連携なんぞ知るかというが如く個人プレイを貫いていた。デッドショットとクラウチはひたすら銃を撃ち続け、ハーレイは弾が切れた愛銃の代わりに木製バットを振り回し、キラー・クロックは力に物を言わせて殴り飛ばし、ブーメランは得物を刃物として振るっていた。

 

着実にバケモノを倒し続ける面々。

しかし、倒しても倒してもバケモノは次々と現れ数を増やしていく。

じわじわと押されていきバラけていたはずの救出部隊は自然と一処に近づいた。

 

そうして声が届く距離になったところでデッドショットがクラウチに声を掛ける。

 

「クラウチ、お前の能力は使えるか?」

 

クラウチは一瞬言葉が詰まったが、それをおくびにも出さず静かに返答する。

 

「この乱戦では無理だな、我々と敵を分けれればいいんだが」

 

「オーケー、その時が来たら頼むぜ」

 

「了解した」

 

一人でも多くの戦力が必要な状況。もう一人のメタヒューマンにも声を掛けようと周りを見渡す。

ここで初めて、デッドショットはディアブロの姿がないことに気づいた。

 

「ディアブロはどこだ?」

 

「どっかに歩いて行ったぜ、燃える男だか何だか知らねぇがふざけた野郎だ」

 

「なんで!逃げてん!のよ!」

 

「…………」

 

脇道でこっそりやり過ごそうとしていた自分のことを棚に上げ、ブーメランは戦いから逃げたディアボロをここぞとばかりに貶す。

ハーレイはバットで倒れたバケモノの頭を執拗に殴りながら苛立ちをあらわにし、キラークロックはその凶悪な顔を顰める。

しかし、この場にいない人間に怒りを向けたところで状況が改善するはずもない。

 

そんな中、遂に綻びが生まれた。

 

偶然か意図的か、フラッグがマガジンを交換しようとした瞬間、弾丸を潜り抜け一体のバケモノがフラッグに掴みかかった。即座にフラッグは殴り飛ばすが、その隙に複数のバケモノが一斉にフラッグに飛び掛かり地面に引きずり倒すと、服や四肢を掴み上げ運び始めた。

 

「大佐ー!!」

 

慌てて部下の軍人たちは連れ去られ始めたフラッグを救おうとするが、他のバケモノたちに妨害され近づくことが出来ない。

フラッグ自身も拳銃をぬき抵抗するが大した効果もなくバケモノたちにされるがまま運ばれていく。

 

その光景に、自分たちが手を下すまでもなかった

と言うが如く満面の笑みを浮かべるハーレイに、目が合ったデッドショットが叫ぶ。

 

「あいつを助けろ!」

 

「は!?なんで?」

 

「放っておきゃいいだろ、あんな奴」

 

「このままじゃ全員、死ぬぞ!!」

 

異議を唱えたハーレイとブーメランにデッドショットが怒鳴る。

 

この状況に最も焦っていたのは軍人たちではなくデッドショットだった。

デッドショットから言わせてみれば、フラッグがどうなろうが知ったことではない。元々、無理やり参加させられた任務な上にいけ好かない野郎がとる指揮に従わなければならない状況、誰だって御免被る。だが、ここでフラッグが消えれば彼が相手にしていたバケモノの相手をしなければならないだけでなく、彼の統率の下で成り立っていた軍人たちの士気が崩壊する。

そうなれば自分たちはこのまま圧倒的な数に押しつぶされて全滅だ。

 

ハーレイもそれを理解すると、嫌そうに首を振りフラッグを運ぶバケモノに飛び掛かる。そして、隙だらけのその頭にバットを振るう。

ハーレイのバットに特に細工は無い、ごく普通の木製バットだ。だが、男性に筋力的に劣るとはいえ鍛えられた女性のフルスイングを前に自らの背中を無防備に晒す馬鹿(バケモノ)の頭を砕くには十分な威力だった。そうして、フラッグを囲むバケモノたちを倒すハーレイ。

 

しかし、バケモノはフラッグを襲う個体だけではない。先ほどまで、ハーレイが相手をしていた分のバケモノを誰かが相手しなければならない。

その空いた穴を埋めるべくクラウチとブーメランが戦いを続ける。

 

クラウチはバケモノと近接戦を行い、キャプテン・ブーメランは本領発揮と言わんばかりにブーメランを次々と投げる。

 

特殊部隊Xの面々が名の知れた犯罪者であるのに対し一人、得体の知れない男であるクラウチの戦いに視線が集まるが銃床でバケモノを殴りつけているという、外見と大きく異なる荒々しい戦い方に一同は目を見張る。

 

一方、ブーメランの手から放たれた凶器は白く輝きながら宙を切り、次々とバケモノの体を切り裂き、そして貫く。

 

今でこそブーメランは遊び道具という側面が強いが元の存在意義は大きく異なる。

遡れば紀元前から始まるその歴史は、弓矢の登場で廃れながらも東南アジアからインド、オーストラリアと広い地域で長きに渡り狩猟道具としても使われ続けたれっきとした武器である。

 

そうして、ようやくフラッグを助けようとする軍人もたどり着き、その場のバケモノを一掃した。

 

「助かった」

 

「うるさい」

 

助けられたフラッグが思わず礼を言うがハーレイは即座に冷たく返すと戦いに戻る。

どこか寂し気な表情をするフラッグを笑うブーメランだったが、再び現れたバケモノの群れにその表情が凍り付く。

ただでさえ、おされているこの状況での増援に最悪の展開が頭をよぎる。しかし、この場の誰もが予想したそれが来ることはなかった。

 

「今だ!」

 

デッドショットが叫んだ瞬間、廃車になった車がバケモノたちをなぎ倒しながらアスファルトの道路を削る。

 

やったのはクラウチだった。

 

右手を前に出している姿はただの人ではないことの証明だった。

 

「ワオ、そんな便利な力があるなら最初から使えばいいのに」

 

「老人に無理をさせるな」

 

ハーレイに肩を竦めながら答えるクラウチだが、肩をかすかに上下させている程度で大して疲れているようには見えない。

その間にデッドショットは素早くスコープを覗き、正確無比な射撃で次々と残ったバケモノの頭を打ちぬいていく。

 

そして、ついに最後の一体の頭が打ち砕かれ地面に崩れ落ちる。

シンとした静寂が場を支配する。バケモノが襲い来る気配はない。

 

デッドショットはスッと構えた銃を下ろし、フラッグに歩み寄ると一言告げる。

 

「おい、俺は逃げたか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、俺は逃げたか?」

 

うーん、なんて味の利いた皮肉なんだ。10点!

にしても、まじで危なかった。能力の一つで物を触らずに動かし、どうにかメタヒューマンの体裁を守ることに成功したのは。

だから、ハーレイちゃん。最初から使えばいいのにとか言わないで。

 

ブーメランが重役出勤のディアブロに絡んでいるの横目に軍人たちに問い詰められるフラッグを見る。どうやら彼らもこれがテロリストの仕業と聞いていたようだ。フラッグがどうせ信じないとか言って誤魔化してるところに有力証言が1つ。

 

「3000ドルの腕時計だ。なんでバケモノがつけてんだ?」

 

そこそこの腕時計だな、おい。

 

気になりチラッと目を向けるとバケモノの死体を物色するブーメランに、好感度はともかく私のなかでの評価が地の底にまで落ちる。

 

にしてもこれで、確定したな。バケモノが元人間ってことが。

てかフラッグ、ちゃんと知ってんのね。

 

ジロッとフラッグに目を向けるけど、フラッグは完全に話を切り上げて部下と話し合ってる。

 

「別動隊はどうした?」

 

「連絡が取れません」

 

マジか、やっちまったなぁ。

こっちだって無傷じゃないのにさらに味方の数が減るのは辛い。というか、今の戦闘で自分の銃ブームが完全に消えた。腕を振り回し過ぎて明日は筋肉痛確定なのが直感で分かる。

 

「進むぞ、部下にも伝えろ」

 

だというのに、フラッグは救出部隊にそのまま進軍するよう指示する。

 

なんというかこれは……焦り?フラッグは焦ってる?

よくよく思い出せばバケモノに引きずり倒された時も数に押されたとういうより、リロードのタイミングを逃したように見えた。

てか、なんでフラッグだけ連れ去られかけた?強い人間を仲間にして戦力増強を図るため?でも、それなら特殊部隊Xの面々も十分強い。

他の面々には容赦なく殺しにかかってきていたのになんでフラッグだけ………うーん、分からん。

 

でも少なくともこの状況での簡潔な命令は如何なものか。もう特殊部隊Xからだけじゃなく部下からも疑いの目を向けられてますやん。

あっ、ディアブロ君にはそんな目を向ける資格、ねぇから!

 

その後も、一部がショーケースをぶち割って商品を盗ったりやりたい放題しながら進む救出部隊。

そうしてたどり着くは聳え立つタワービル。ここの最上階に救出対象がいるらしい。

馬鹿と煙は何とやらとか言うけど、やはり重要人物は最上階にいるのがデフォらしい。

 

バケモノがいることも加味して見上げれば、どこか不気味さを感じる。

そんな建物に乗り込み、救出対象を助け出さなければならない。

 

まさに気分はクッパ城に乗り込むマリオである。よし今行くぞ、ピーチ姫!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テロリストが占拠しているとされた地下鉄、そこは救出部隊が戦った通りのように融解したあとがある。その最深部、謎の光が出ている場所に1人の女がいた。

 

艶やかな黒髪を腰まで伸ばし、黄金比のように美しい肉体を存分に魅せつける碧緑色のドレスを着たその姿は正しく支配者であった。

そして、その支配者に仕えるが如く巨漢が一人、さらにその周囲には先ほど救出部隊を襲った群れより数こそ少ないが、銃で武装したバケモノたちがいた。

 

そこに新たにバケモノたちが入ってくると戦利品を女の前に差し出した。

それはフラッグの部下たちだった。

武装を奪われ腕を拘束された状態で連れてこられた軍人たちに僅かな抵抗も許されない。

 

そんな男たちを前に、女はゆっくりと恐怖に震える先頭の男の顔に触る。すると男はガタガタと全身を痙攣させその姿を変えた。

全身はタールで塗り固められたかのような黒になり、顔は無数の目のような器官が張り付く。完全なバケモノへと変貌した。

 

自分の思い描いていた通りに手駒を着実に増やす女は笑みを浮かべていたが怪訝そうな顔に変わる。

 

「どうした?姉上?」

 

後ろに控える巨漢が声を掛けるが女は物思いにふけ答えない。女はたった今バケモノにした男の記憶を見ていた。

救出部隊なる者たちが自分の心臓を持つ女を救出しに来たらしいが、それは大した問題ではなかった。問題なのはその部隊の中の一人の男。

未だ不完全とはいえ、復活した自分の能力でも得体の分からぬ存在。

 

「この男はなんだ?」

 

女の呟きは静かに空気に溶けていった。

 

 

 

 

 

 

 




ディアブロは殺そうか迷いましたが生かしといたほうが面白い展開になったので生かします。
あと、今作では敵がバリバリに強化されてます。全部、主人公のせいです。私の筆が遅いのも設定を盛り過ぎた主人公のせいです。
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