弟子である櫛灘千影の手で柔術の道場を潰させている櫛灘美雲は、この世に柔術は櫛灘流だけで充分という考えを持っているらしい。
今日もまた1つ柔術の道場を壊滅させた櫛灘千影は師である櫛灘美雲に連れられて夜道を歩く。
夜道で偶然男と出会った櫛灘千影と櫛灘美雲は思わず歩みを止めて男を見る。
間違いなく強いと目の前にいる男に警戒する櫛灘千影とは違って笑みを浮かべた櫛灘美雲は、金時と会えるとは運が良いのうと言って嬉しそうであった。
師匠の知り合いですかと警戒を緩めた櫛灘千影に、昔からの深い仲の相手じゃなと言う櫛灘美雲。
幼なじみと言った方がわかりやすいんじゃないかなと言って笑顔を見せた男。
金時も櫛灘流の使い手じゃからのう、当然延年益寿の秘法も修めておる、もっとも少し改良を加えているようじゃがなと弟子である櫛灘千影に説明した櫛灘美雲は、男が果物を食べられるように櫛灘流の延年益寿の秘法を改良していることに気付いていたようだ。
まだ甘いものに未練があるような顔をしているねと櫛灘千影を見て男が言った。
やはりそうか、それなら金時の改良した延年益寿の秘法を教えてもらおうかのう、果物程度なら食べられるようにしておくのも悪くはないじゃろうと櫛灘美雲が言い出す。
教えることは構わないが、やる気があるかどうかになるかなと言って櫛灘千影を見た男に、やりますと素早く言った櫛灘千影はやる気に満ち溢れている。
うむ、それではわしと千影が住む屋敷にまで来てもらおうかのうと櫛灘美雲が言うと、まあ、暇ではあるから構わないよと言って男は頷く。
櫛灘千影と櫛灘美雲に着いていく男が屋敷にまで到着して中に入ると広大な空間が男を出迎えた。
2人が住むにしては広いなと思った男は、前を歩く櫛灘千影と櫛灘美雲に着いていきながら間取りを確認する。
到着した客間で座った櫛灘千影と櫛灘美雲だが、櫛灘美雲が男のそばに当然のように座っていて困惑する櫛灘千影。
私と一緒にいる美雲は、少しいつもと違うらしいから、あまり気にしないようにした方がいいよと櫛灘千影に優しく言い聞かせる男。
わかりました、気にしないようにしますと言って櫛灘千影は頷いた。
櫛灘千影に改良した櫛灘流の延年益寿の秘法を教えていく男を真剣な眼差しで見る櫛灘千影は、聞き漏らすことなく男の言葉を聞いていく。
櫛灘千影はよほど果物が食べられるようになりたいらしい。
櫛灘美雲も男を見ていて男が話していく興味深い内容を残さず聞いており、男が語る延年益寿の秘法の改良方法になるほどのうと頷いていたようだ。
男が語り終えると聞き終えた櫛灘千影が感謝をする。
櫛灘流柔術の改良された延年益寿の秘法を知ることができた櫛灘千影は、男から教わった教えを実践してみることにした。
問題はないようじゃのうと師匠である櫛灘美雲からも言われた櫛灘千影は、果物を食べてもいいか櫛灘美雲に聞く。
構わんぞと言った櫛灘美雲に、ありがとうございますと言う櫛灘千影。
財布を片手に飛び出していった櫛灘千影は果物を買いにいったようで、客間で2人きりになった男と櫛灘美雲。
男に身を寄せてきた櫛灘美雲が男の胸板に頬擦りしながら、これでようやく2人きりじゃのうと嬉しそうに言う。
弟子の子は直ぐに帰ってきそうだけどと言った男は、櫛灘美雲の頭を優しく撫でていった。
千影が食べられるようになった果物を大量に買い込んでくるのは間違いないのうと櫛灘美雲は言って男に笑顔を見せていく。
果物を持てるだけ持って千影が帰ってくるまでは、まだ時間がありそうじゃな、それまではこのまま過ごしても問題はないじゃろうと言った櫛灘美雲に、弟子のことは完全に把握しているみたいだねと言う男。
師として弟子を知るのは当然のことじゃのうと言いながら、男に身を預けている櫛灘美雲の姿は弟子には見せられないような状態となっていたらしい。
男に頭を撫でられて顔が完全に蕩けて緩んでいるところを見られたら師匠としての威厳が台無しとなってしまうだろう。
まだ弟子である櫛灘千影が帰ってくる様子はなく、男に身を預けながら頭を撫でられ続けている櫛灘美雲。
大量の果物を詰めた袋を両手に持った櫛灘千影が屋敷に帰ってくるまで、櫛灘美雲のその状態は続いていたようだ。
戻りましたと言って果物が詰まった袋を両手に持っている櫛灘千影が客間に戻ってきた頃には、平然と男の隣に座っていた櫛灘美雲が、わしの予想通りに沢山買ってきたようじゃなと落ち着いた様子で言った。
流石に先ほどまでの美雲の姿は弟子には見せられないなと思った男は櫛灘美雲に何も言わない。
冷やしておいた方が美味い果物もあるから冷蔵庫に入れておいたほうがいいんじゃないかなと櫛灘千影に言った男は、櫛灘千影の持つ袋の中身を確認していく。
とりあえずバナナは冷蔵庫に入れなくても大丈夫だから出しておこうかと言ってバナナを男が取り出す。
大量に買い込まれた色々な果物を仕分けて冷蔵庫にしまっていく男に素直に従う櫛灘千影。
このパイナップルは熟れてるからもう食べた方がいいかもしれないねと男が言うと包丁とまな板に皿を取り出した櫛灘千影は、完全にパイナップルを食べる気でいた。
男が綺麗に切り分けたパイナップルを食べていく櫛灘千影は甘酸っぱいパイナップルに満足していたようだ。
続けて買ってきたイチゴを食べていく櫛灘千影は物凄く幸せそうな顔をしていて、以前櫛灘美雲に出されたデザートの砂糖抜き小豆抜きのようかんを前にした時の死んでいたような顔と比べると大違いである。
こうして果物を普通に食べられるようになったことは櫛灘千影にとってはとても嬉しいことらしい。
千影にとっては甘いものを断つことは厳しいことだったようじゃのうと言った櫛灘美雲は、弟子が甘いものへ執着していることも菓子の本を隠れて集めていることも当然知っていた。
果物が食べられるようになったことで千影の甘いものへの執着が薄れればいいんじゃがなと思った櫛灘美雲。
イチゴは美味しいかいと問いかける男に凄い勢いで頷く櫛灘千影。
改良されたとはいえ延年益寿の秘法には大量の砂糖は厳禁であるからのう、果物は良いが甘い菓子は食べぬようになと言い聞かせる櫛灘美雲に、はい、師匠と櫛灘千影は返事をしていく。
今度はバナナを食べていく櫛灘千影は止まらずに果物を食べ続ける。
食事が入らなくなるのはまずいんじゃないかなと言う男。
そうじゃのう、食べ過ぎるようなら明日からは果物の摂取量を制限させるとしようかのと櫛灘美雲が言い出すと、櫛灘千影の果物に伸びる手が止まった。
流石にようやく食べられるようになった果物を制限されるのは櫛灘千影も嫌なようだ。
まあ、今日は許してやるとするかのうと言った櫛灘美雲は、坂田金時という男が一緒なので機嫌が良いらしい。
金時、今日は泊まっていくじゃろうと男に向かって言って微笑んだ櫛灘美雲を見た櫛灘千影は、この人がいるとあまり表情を変えない師匠がよく笑うなと男を見ながら思っていた。
櫛灘美雲と櫛灘千影が住まう屋敷に泊まることになった男は櫛灘美雲が作った夕食を食べることになり、とても美味しいよ美雲と笑顔で言う。
そんな男に嬉しそうな顔をした櫛灘美雲も笑って、金時の口に合ったならよいなと頷く。
いつもより食事が豪勢だとは思ったが何も言わない櫛灘千影は、おそらく師匠はこの人のことがと色々と察していたようである。
櫛灘美雲が師匠として威厳を保とうとしていても滲み出る何かを敏感に櫛灘千影は感じ取っていた。
食事を終えて歯を磨いた男が客用の部屋で布団をしいて横になると櫛灘美雲が現れて男の横に寝転んだ。
何してるのかな美雲と聞いた男に抱きついた櫛灘美雲は、独り寝は寂しいかと思ってのうと言い出す。
弟子の子もいるんだからと言う男へ、千影はもう完全に寝ておるから問題はないじゃろうと笑う櫛灘美雲。
両腕と両足で絡みつくように男へ抱きついている櫛灘美雲に、今日は寝るだけだからねと言い聞かせる男。
それは仕方ないのう、場所が場所じゃからなと言って残念そうな顔をした櫛灘美雲へ、また今度にしようと男は言った。
今度会ったときじゃな、約束じゃぞ金時と言う櫛灘美雲に、ああ、約束だ美雲と言って男は頷く。
櫛灘美雲の体温を感じながら眠りに入った男と同じく、男の体温を感じながら眠りに入っていく櫛灘美雲は幸せそうな顔で眠る。
早朝になるまで起きることはなかった男と櫛灘美雲が目覚めた時に、互いの顔が近くにあって思わず口付けをした2人。
長く続いた深い口付けを終えて顔を離した男と櫛灘美雲は笑う。
抱きついたままの櫛灘美雲が誰よりも何よりも愛しい坂田金時という男からしばらく離れることはない。
櫛灘千影が起きる気配がするまでそのままだった櫛灘美雲に抱きつかれていた男は美雲は相変わらずだなと完全に慣れていたようだ。
朝食も当然食べていくじゃろうと言い出した櫛灘美雲に、そうだね、いただいていこうかなと頷いた男。
櫛灘美雲が用意した朝食を食べてから去っていった男に手を振る櫛灘美雲を見ていた櫛灘千影。
今まで見たことのない師匠の姿が、あの人がいると見れたから驚いたなと思った櫛灘千影は荒涼高校へ行く準備を始める。
飛び級で高校に通っている櫛灘千影は、あまり高校に馴染めてはいなかった。
最近では白浜兼一と交流しているようだが、櫛灘千影は白浜兼一を始末したがっているらしい。
しかし闇の九拳では誰の弟子が梁山泊の一番弟子である白浜兼一を始末するか順番決めに手間取っていて、櫛灘千影には待機が命じられているようである。
昼食を共にする程度には交流している櫛灘千影と白浜兼一。
高級な容器に入れた果物を持ってきていた櫛灘千影に気付いた白浜兼一が、果物食べられるようになったんだと言って笑う。
ある人のおかげで果物は食べても問題なくなりましたと言った櫛灘千影は、美味しそうに甘い果物を食べていく。
そのある人って誰かなと聞いた白浜兼一に、師匠に金時と呼ばれていた人ですと答えた櫛灘千影。
しかして坂田金時さんかなと言って外見の特徴を言った白浜兼一へ、同一人物の可能性は高いですねと櫛灘千影は頷く。
僕の家に金時さんが泊まったことがあるけど金時さんのことを父さんと母さんが凄く気に入っていたかなと言う白浜兼一。
わたしの屋敷にもあの人は泊まっていきましたね、師匠があの人のことをとても気に入っているようでしたと櫛灘千影は言った。
何者なんだろうね金時さんはと疑問を口にした白浜兼一は頭を悩ませる。
そんな白浜兼一にあの人が櫛灘流柔術を修めていることは確実ですねとだけ言って果物を食べ終えた櫛灘千影は去っていく。
高校から梁山泊に戻った白浜兼一は師匠である岬越寺秋雨に櫛灘流柔術について聞いてみることにしたらしい。
櫛灘流は禍々しい噂がつきまとう流派で、代々延年益寿を研究しており、無謀な実験を繰り返し、常に最新の科学を取り入れていたと答えた岬越寺秋雨。
兼一くんの後輩にあたるYOMIの娘が食事に制限をされているのは、櫛灘流の延年益寿法の一環なのだろうと岬越寺秋雨は言う。
坂田金時さんも櫛灘流を修めていると千影ちゃんは言っていましたけど、あの人は闇の達人には見えませんでしたよと言った白浜兼一。
どんな技も使うもの次第で変わるものだよ兼一くん、坂田金時殿は活人拳であることは間違いないと岬越寺秋雨は断言する。
自然の摂理に逆らってまで己の身体を改造していることはよくないことだと思うがねと付け足した岬越寺秋雨。
じゃあ坂田金時さんが物凄く歳上って長老が言ってた話は本当のことだったんですねと驚いた白浜兼一は過去のことを思い出す。
坂田金時さんと長老に冗談でからかわれていたわけじゃないんだなと思った白浜兼一だった。
男は日本国内を凄まじい速度で移動していて闇は男の居場所を捉えることが全くできていない。
目撃情報があった場所に向かっても既に男は移動しており、目的地を特に決めておらず流れるように別の場所に移動する男が何処に向かったかもわからなくなっていたようだ。
闇の情報網でも掴めない男の行方を知ることができるのは闇でも限られている。
確実に男の居場所を見つけることができるのは、闇では櫛灘美雲とシルクァッド・ジュナザードくらいになるだろう。
どちらも闇の九拳に所属する実力者であり、男を捜すときは自分の為に捜す両者は闇から男の情報は出させるが逆に闇へ男の情報を提供することはない。
闇を使うことはあっても闇に使われることはない我の強さを持つ櫛灘美雲とシルクァッド・ジュナザード。
闇に居場所を発見されることもなく突き進む男が到着した場所の近くで銀行強盗が発生していたようで、銀行内に飛び込んだ男が一瞬で銀行強盗達を倒していく。
関節を外して強盗達が銃を持てないようにした男は警察に強盗達を引き渡して去っていった。
そんな男の後を追いかけていく闇の武器組に所属する達人。
人気のない場所に向かう男を追う闇の武器組の達人が、男を見失い戸惑ったところで武器組の達人の背後に立っていた男が、ジャマダハルか珍しいなと言い出す。
声を聞くまで男の気配を感じなかった武器組の達人であるジャマダハルのオルタン・シンは素早く振り返ると両手にジャマダハルを構えて間合いをとった。
ジャマダハルを腕に引っ掛けたまま投擲武器であるチャクラムを取り出して投げたオルタン・シン。
投げられたチャクラムを避けて間合いを詰めた男にジャマダハルの刃を突き出したオルタン・シンだが、ジャマダハルの刃をへし折られてから拳を叩き込まれて完全に意識が飛ぶ。
オルタン・シンが目覚めた時には男の姿はなく、すっかり日が暮れていたらしい。
坂田金時か、完敗だなと言ったオルタン・シンは闇に戻って闇の刀匠に新しいジャマダハルを頼んでいて、これが完成するまで当分仕事は休みだなと思ったようだ。
オルタン・シンから男の情報を受け取った闇は、速やかに人員を派遣して男の居場所を全力で探ったが既に男は移動していて見つかることはなかった。
向かった先で闇の武器組の達人である陳宗岳と出会った男に、武器を使って素早く墓穴を掘った陳宗岳が、供養は拙僧がする、安心して逝けい坂田金時よと言い出す。
私よりもきみの方が間違いなく先に死ぬと思うがねと言った男へと襲いかかる陳宗岳。
振るわれた刃を避けた男は、手刀で陳宗岳が持つ武器を切り裂いていった。
武器の残骸を持った陳宗岳に拳を打ち込んだ男は一撃で陳宗岳を倒す。
気を失った陳宗岳を置いて立ち去った男は、無敵超人風林寺隼人以上の健脚で走り去っていく。
しばらく時間が経過してようやく起きた陳宗岳は拙僧の愛用の武器が細切れになってしまったと落ち込んだ。
急いで闇に戻った陳宗岳は再び同じ武器を闇の刀匠に頼んでいたようである。
闇の武器組の達人と偶然出会うこともありながら自由に日本を巡る旅を続けていく男。
色々な土地を回っていく男は、様々な出会いもしているらしい。
闇の達人ばかりと出会っているわけではなく、それ以外の達人とも交流する男は日本人で最も多くの武術を覚えている者であった。
坂田金時という男が覚えている技は凄まじい数となっている。
ジークフリートの元に向かった男は弟子であるジークフリートを連れ出して山に向かうと軽く組手をして、今現在のジークフリートの実力を正確に確かめてから修行を始めていく。
また強くなっていたね響くんと言って笑った男に、次に会ったときに我が師を驚かせようと日々修行を積んでいましたと言ったジークフリート。
向上心のある弟子で嬉しいよと言うと男はジークフリートに過酷な修行を行わせていった。
それでも1歩1歩確実に前に進んでいくジークフリートは更に腕を上げていき、かなり達人寄りの妙手にまで到達することができたようだ。
達人の領域へと間違いなく近付いたジークフリートは師へと深く感謝をする。
後は妙手の殻を破れるようになれば、響くんも達人になれるだろうねと言った男。
まだまだ達人になるには時間がかかりそうですねと言うジークフリートは、また素晴らしいメロディーが浮かんできましたよと言い出して紙に思いついたメロディーを書き出す。
あっという間に数枚の紙がジークフリートが書き続けるメロディーに埋め尽くされていった。
我が師よ、この曲を一緒に演奏してみませんかと言って紙に書き出したメロディーを見せたジークフリート。
いいよ、一緒に演奏しようか響くんと快く了承した男がケースからバイオリンを取り出していく。
ジークフリートも持ってきていた荷物からバイオリンを取り出すと演奏の準備に入った。
師弟の演奏が始まっていき、素晴らしいメロディーが奏でられる。
演奏をしている男とジークフリートの2人以外に聴いている者はいなかったが、2人とも素晴らしい曲だと思っていたようだ。
響くんは相変わらず素晴らしい才能を持っているなと思った男は、とても楽しそうな笑みを浮かべながらバイオリンで演奏を続けていく。
やはり我が師の演奏は素晴らしいと思ったジークフリートも自然と笑顔になっていた。
演奏が終わったところでとても良い曲だったね響くんと言って男は笑う。
こうして我が師と一緒にいると様々な素晴らしいメロディーをよく思いつくのですと言ったジークフリート。
我が師の弟子となれたことは幸福ですねと言うジークフリートに、私は響くんが弟子になってくれたことが物凄く嬉しかったよと伝える男。
仲が良い師弟である男とジークフリートは、もう1曲どうでしょうと言い出したジークフリートに男が応じて再び曲を一緒に奏で始めていく。
バイオリンで演奏を続けていった男とジークフリートの2人。
再びの演奏を終わらせたところで空腹を感じた男が食料を調達しに川へと向かう。
川魚をとってきた男が魚を焼いていき、できあがった焼き魚をジークフリートにも手渡す。
焼き魚を男とジークフリートの師弟が食べ終わったところで、ジークフリートを家まで背負って運んでいった男。
ジークフリートの豪邸にまで辿り着いた男は背負っていたジークフリートを降ろすと、着いたよ響くんと言った。
我が師は凄まじい健脚ですね、車や電車よりも間違いなく速いでしょうと言って頷くジークフリート。
それじゃあまた会おう響くんと言いながら立ち去っていった男は、ジークフリートを運んだ時とは比べ物にならないほど凄まじい速度で走り出していく。
わたしを背負っていた時は加減していたんですねと思ったジークフリートは、直ぐに見えなくなった師匠にメロディーを思いついたようで素早く紙に書き出す。
この曲の名前は何にしましょうかと考えたジークフリートは、これにしましょうと思いついた名前を書いていき、とても満足気な顔をする。
師匠である男が立ち去っていく姿を見て思いついた曲の名前は、技の旅人というものであったようだ。
数多の武術の技を持つ旅人である師を現した1曲であるらしい。