櫛灘美雲の幼なじみになった転生者   作:色々残念

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第17話、逆鱗飯店

旅をしていた男が中華街に立ち寄ると見知った気配を幾つか感じ取ったので何かあったようだと思った男が向かった先にある逆鱗飯店。

 

そこには身体の前面に拳の跡が幾つも残っている慧烈民が気絶していて、その前にはアパチャイ・ホパチャイが立っていた。

 

翻子拳の達人であり疫病より多く殺す男と呼ばれ、人間災害の異名を持つ慧烈民とは以前戦ったことがある男。

 

黒虎白龍門会の始末屋である慧烈民は、ターゲットが村に匿われた時などは居場所一つ聞かずに村ごと皆殺しにするような奴だからこそ人間災害などと呼ばれているようだ。

 

かつて日本に逃げ込んだターゲットを殺す為に、ターゲットが隠れている町を皆殺しにしようとした慧烈民を男が止めたことが戦いの始まりとなり、慧烈民の技を見て覚えてから男は慧烈民を倒した。

 

翻子拳と戳脚を慧烈民と戦ったことで身につけた男は、慧烈民以上の腕前で翻子拳と戳脚を使いこなすようになったようである。

 

中華街にまで黒虎白龍門会を抜けた三頭竜の郭誠天、楊鉄魁、帳射林の3人を始末しにきた慧烈民を倒したアパチャイ・ホパチャイ。

 

今回黒虎白龍門会から送り込まれた始末屋の中では一番の腕である慧烈民がやられたので、黒虎白龍門会は一旦退いていく。

 

それでも三頭竜の3人を始末することを諦めたわけではない黒虎白龍門会は、これからも達人を送り込んでくるだろう。

 

逃亡生活で怪我を負っている三頭竜の3人と服が破れている馬連華に無傷の白浜兼一とアパチャイ・ホパチャイと男が会話していると白眉の異名を持つ馬良が帰ってきたが、破壊された逆鱗飯店の凄まじい状態に怒っていたらしい。

 

三頭竜に安住の地を提供する代わりに、住み込みで逆鱗飯店で働かせるつもりの馬良。

 

店の修理代稼ぐ間だけいてやるよと言った三頭竜のリーダーである郭誠天に、高いぞいと言って馬良は笑う。

 

男の方を見た馬良が、久しぶりじゃのう金時と話しかけてきた。確かに久しぶりだね良、あまり中華街には立ち寄らないからねと言った男は頷く。

 

お主もしばらく住み込みで働いていかんか金時、以前お主が働いている間は評判が良かったのでのうと言う馬良に、色々と壊れて大変そうだし食事と寝る場所だけ提供してくれるならしばらく働くよと言いながら笑った男。

 

決まりじゃな、では金時にはさっそく働いてもらおうかのうと言った馬良は、逆鱗飯店の破壊された壁と入口と店内の修理を男に任せる。

 

材料を用意して素早くてきぱきと動いていった男によって入口と店内が修理されて壁も綺麗に直されていく。

 

壁が乾くまではしばらくかかるだろうが入口と店内は問題がないようで、逆鱗飯店は直ぐにでも客を呼べるような状態となっていた。

 

流石じゃな金時と満足気に頷いた馬良とあっという間に店が元通りにと驚いていた三頭竜の3人。

 

翌日から住み込みで働き始めていく三頭竜の3人と男は真面目に逆鱗飯店で働いていき、早朝の仕事を終えると通う学校を選んでいく三頭竜。

 

結局は馬良におすすめされた高校に行くことになった三頭竜だったが、高校に行けるようになるまでしばらく手続きが必要になるらしい。

 

それまで三頭竜の3人は丸1日逆鱗飯店で働くことになるようだ。

 

しばらく中華街の逆鱗飯店で働いていく男は、逆鱗飯店に迫りくる複数の気配を察知する。

 

間違いなく黒虎白龍門会からの刺客であると判断した男は、馬良に三頭竜の3人を任せて逆鱗飯店から飛び出すと感じ取った気配に近付いていく。

 

黒虎白龍門会によって日本に送り込まれた王という名の達人の前に立ち塞がった男へ、王が拳を振るう。

 

しかしそれが男に当たることはなく、瞬時に間合いを詰めた男の顔面を狙ったデコピンによって王が吹き飛ぶ。

 

デコピンだけで完全に気絶していた王が今回黒虎白龍門会によって送り込まれた達人の中で一番の腕だったらしく、気絶した王を運んで大人しく去っていく黒虎白龍門会の面々。

 

三頭竜を始末しにきた達人を倒した男は逆鱗飯店に帰っていく。

 

中華街で生活していく男は逆鱗飯店の店員として働いていき、随分と店に馴染んでいたようだ。

 

他の店員とも男は仲良くなっていて阿琴と料理の仕込みについてよく話すようにもなっていた。

 

三頭竜の3人はそろそろ高校に通う時がきたようで、朝昼は学校で学び、夕は逆鱗飯店で仕事というスケジュールになっている。

 

学校にいけることは三頭竜の3人にとっても嬉しいことらしい。

 

高校へ行く三頭竜の3人を隠れて見守ってくれんかと馬良に言われた男は了承して、隠れてこっそり高校へ向かう三頭竜の3人に着いていく。

 

三頭竜の3人を狙う黒虎白龍門会の始末屋を発見して静かに倒していく男によって、黒虎白龍門会の陳という名の達人が倒されていた。

 

今回送り込まれた達人の中で一番強い陳があっさりと倒されたことを確認した黒虎白龍門会は陳を担いで急いで逃げ去る。

 

無事に高校へ辿り着いた三頭竜の3人を見守った男は、高校の授業が終わるまで待っていたようだ。

 

高校から出てきた三頭竜の3人の前に現れた男に高校はどうだったかなと聞かれて、悪くはなかったと答えた三頭竜の3人。

 

逆鱗飯店まで一緒に帰っていく4人は、会話を続けていく。

 

今日もこれから仕事だなと言い出した楊鉄魁に、そうねと頷く帳射林。

 

白眉のじいさんは本当に俺達をコキ使うからなと言った郭誠天へ、しばらくはタダ働きかもしれないけど、いずれは給料が出るかもしれないねと男は言う。

 

それは本当かと反応した楊鉄魁に、良もそこまで鬼じゃないさと笑った男。

 

日本で買いたいもの幾つかあるのよねと言って買いたいものを思い浮かべた帳射林は嬉しそうな顔をしていた。

 

まだまだ給料が出るのは先だろ、落ち着けお前らと言った郭誠天は三頭竜で1人だけ冷静だったようだ。

 

会話を続けていると中華街に到着した4人は迷わず逆鱗飯店へと向かう。

 

逆鱗飯店で仕事を始めた4人の中で、男に近付いた馬良が今日の出来事を男から詳しく聞いていく。

 

やはり黒虎白龍門会から刺客が送られていたようじゃなと頷いた馬良。

 

金時がおらんかったらわしが見守っておったんじゃが、安心して任せられる相手がおるのはいいことじゃのうと言った馬良に、いつまでも私がここにいるわけではないから、その時は彼等を見守るのは良の役目になるねと言う男。

 

それでもしばらくは金時に任せることになりそうじゃからな、3人を頼むぞいと言ってきた馬良に、仕方ないね任されたよと言いながら男は笑った。

 

中華街にある逆鱗飯店は人気店であり、客足が殺到する店内で忙しなく働く三頭竜の3人と男は動きを止めない。

 

働き続けていく三頭竜の3人は男や逆鱗飯店の店員達に丁寧に仕事を教わってからは、普通に働けるようにまでなっている。

 

今日も仕事をこなしていく三頭竜の3人を狙っている黒虎白龍門会は、まだ三頭竜の始末を諦めてはいないようだ。

 

馬良に仕事を一旦抜けると言った男が向かった先にいた黒虎白龍門会の刺客達。

 

その中で一番腕が立つ朱という名の達人が前に歩み出てきた。

 

男の前に立った朱が飛び蹴りを放ってきたが、あっさりとそれを回避した男が朱を一撃で倒す。

 

今回送り込まれた中で一番強い朱が倒された黒虎白龍門会の刺客達は気を失った朱を運びながら立ち去っていく。

 

逆鱗飯店へ直ぐに戻ってきた男に何しに行ってたんだと聞いた三頭竜の3人に、ちょっと掃除をねと言った男は仕事に戻る。

 

阿琴と一緒に小籠包をダース単位で作っていく男は厨房も任されていたようだ。

 

しばらく中華街の逆鱗飯店で住み込みで仕事をして過ごしていた男は旅支度を始めていく。

 

世話になったね良と荷物を背負いながら男が背後に向かって言う。

 

現れた馬良が、そろそろ旅に出るつもりのようじゃが早いのう、逆鱗飯店の皆も金時のことを気に入っておるから、もう少しおればよかろう、お主の働きに見合う給料も払うぞいと言った。

 

しかし男の意思は固く、私を狙う闇は多いからね、あまり長居はしない方が良いのさ、迷惑をかける訳にはいかないだろうと言って男は逆鱗飯店を出ていく。

 

そんな男の背に、いつでも来るといい、待っておるぞいと声をかけた馬良。

 

中華街を出ていった男が向かう先は元暗鶚の隠れ里であり、土産を中華街で買い込んでいた男は元暗鶚の面々に土産を渡していった。

 

男に近付いてきた叶翔が、金時さん見てくださいと言いながら見事な空手の正拳突きを見せつける。

 

以前男に教わってから毎日欠かさず千回正拳突きを行ってきた叶翔は正拳突きを実戦でも使えるものに練り上げていたようだ。

 

叶翔の努力の成果を見た男は叶翔を褒めておく。

 

暗鶚の体術に空手の正拳突きを合わせた戦い方を編み出した叶翔と戦ってみた男。

 

忍の系統である暗鶚に空手が合わさった戦い方は、決して悪くはないと言えるものだったらしい。

 

やはり翔くんには間違いなく武術の才能があるなと頷いた男は、叶翔にも中華街で購入した土産を渡しておいた。

 

男からの土産に喜んだ叶翔は、ありがとうございます金時さんと笑顔で言うと渡された土産を大切にしまう。

 

今日は何を見せてくれるんですか金時さんと言ってきた叶翔に、アレクサンドル・ガイダルから見て覚えたコマンドサンボを見せていった男。

 

関節技主体のサンボに実戦用突き、蹴りを加えたコマンドサンボの投げかと思えば打撃、打撃かと思えば関節という特異な流れの技を見せていく。

 

コマンドサンボを見て、柔術の技も入っていましたねと言った叶翔に、翔くんはいい目をしているねと言って笑った男。

 

コマンドサンボの原型であるサンボが200以上の民族格闘技を結集して創設された時、日本の柔術も多大な影響を与えていたからね、コマンドサンボにも柔術の技が含まれているんだよと男は説明していった。

 

そうなんですか、金時さんは詳しいですねと言う叶翔へ、コマンドサンボの使い手から聞いた受け売りだけどねと言った男。

 

金時さんっていろんな人と交流してますよねと言って笑った叶翔が、何人くらい金時さんには知り合いがいるんですかと聞くと、知人は沢山いるからざっとで言うとと言いながら男は知人の数を瞬時に数えて、200人以上はいるねと答える。

 

200人以上って凄い数ですね金時さん、俺はそんなに沢山知り合いはいませんよと言った叶翔。

 

まあ、長く生きてると知人は増えていくものだよと言って笑みを浮かべた男。

 

それじゃあそろそろ旅に戻ろうかなと言い出した男に、今日は泊まっていかないんですか金時さんと寂しそうな顔で叶翔が言うと、次に来た時は泊まっていくからそんな顔はしないでくれ翔くんと男が言った。

 

また何か土産を持ってくるよと言いながら去っていく男に手を振る叶翔は、男の姿が見えなくなるまで手を振り続けていたようだ。

 

次に男が向かった先は山であり、自然がまだ残っている山中で男は過ごしていく。

 

そこで野生の猪を狩った男は血抜きをしてから猪を丁寧に解体していき、肉と骨を完全に分けて肉をフライパンで焼いて食べ始める。

 

肉が焼ける匂いにつられたのか野生の獣が近寄ってきたが男が放った軽い気当たりで一目散に逃げ去っていったらしい。

 

まだ若い猪1頭を全て食べ終えた男は、素早く寝床を作ると横になって眠り始めた。

 

都会の喧騒とは離れた静かな山中で眠っている男は、間違いなく熟睡していたが危険が迫れば直ぐにでも目が覚めるようになっているようだ。

 

山中で眠りから目覚めた男は、手際よく後片付けをすると荷物を背負って山から出ていく。

 

次に向かう先は温泉街であり、色々な温泉に入っていく男。見つけたラーメン店に入ってラーメンと餃子を注文した男は食べ始めていき、ここのラーメンと餃子は美味いなと思ったようである。

 

ラーメンと餃子を食べ終えて会計を済ませた男はラーメン店を出た。

 

温泉街を充分に満喫している男が知っている気配を感じ取ったのでそこに向かうと穿彗と鍛冶摩里巳の姿があり、2人とも浴衣姿で温泉街を楽しんでいたらしい。

 

おひさしぶりです、金時さんと言ってきた穿彗と金時さんもこの温泉街にきていたんですね、おひさしぶりですと言いながら笑った鍛冶摩里巳。

 

風林寺の技を覚えさせた時以来かなと言った男。

 

新しい技を覚えるのは里巳にもいい経験になったと思いますよ、あれからそれなりに時間も経ちましたねと頷く穿彗。

 

ジークフリートは強くなっていますか金時さんと鍛冶摩里巳が聞いてきたので、だいぶ強くなっているよ、私との修行でかなり達人寄りの妙手にまでなっているから、響くんが達人になるまで後少しかもしれないねと男は答える。

 

ジークフリートも後は妙手の殻を破るだけの段階にまで到達しているんですね、俺もかなり達人寄りの妙手にまで辿り着いていると師匠に言われていますと鍛冶摩里巳は言う。

 

達人の速度も完璧に見切れるようにもなっていますよとも言った鍛冶摩里巳。

 

どうやら鍛冶摩くんも日々の修行で進歩しているようだねと言って男は頷く。

 

修行ばかりしているのも良くはないので、今日は修行を休みにして温泉街の温泉で身体を癒す日にしていますと言いながら温泉まんじゅうを食べる穿彗。

 

師匠、俺にも温泉まんじゅうをくださいと言う鍛冶摩里巳に、穿彗は箱に詰まった温泉まんじゅうを差し出す。

 

これ美味しいですね師匠と言った鍛冶摩里巳は温泉まんじゅうをほうばりながら笑顔になっていた。

 

温泉街で並んで歩く3人は色々な話をしていき、会話がとても弾んでいたようだ。

 

元暗鶚の自分がこんなに穏やかな時を過ごせるようになるとは思わなかったと穿彗は考える。

 

争いの中で生きてきた暗鶚でも、戦うことのない日々を過ごすことができるようになったのは金時さんのおかげだろうなと思った穿彗。

 

内心で坂田金時という男に感謝した穿彗は、温泉街を純粋に楽しんでいく。

 

まだ温泉街に残って身体を癒すつもりの穿彗と鍛冶摩里巳と別れて旅に出る男は、次に向かう先を決めずに宛もなく走り出す。

 

辿り着いた先で寿司屋を発見した男が入ってみると、値段は高いが思っていたよりもいい店だったようだ。

 

頼んだものがどれも美味しかったので沢山食べた男が会計を済ませると財布が少し軽くなっていたらしい。

 

そろそろ稼いでおこうかと思った男が近場にある地下格闘場に向かうと、ルールは何でもありで相手だけが武器持ちの状態で試合を組んでいく。

 

相手に合わせて身体能力を抑えて試合をする男は、観客にも見える程度の速度で動くようにしている。

 

対戦相手の一見木刀に見えるそれが、木刀のような鞘の中に真剣が仕込まれた刀であることに男は気付いていた。

 

鞘から引き抜いた刀を構えた対戦相手に観客がどよめくが男は構えもとらずにただ立っていて、準達人級である対戦相手が振り下ろした白刃を半身になって避けた男へと、刀による突きを繰り出す対戦相手。

 

それすらも回避した男は身体能力を抑えたままで、対戦相手を一撃で倒す。

 

次の試合も仕込んだ殺傷力の高い凶器を使ってくる相手との戦いとなった男。

 

ここの地下格闘場のオーナーは私に死んでほしいようだから、遠慮をする必要はないな、稼げるだけ稼がせてもらおうかと考えた男は試合に勝ち続けていく。

 

地下格闘場で戦える相手がいなくなるまで戦い続けた男に観客は盛大な拍手を送る。

 

苦々しい顔で賭け金を男に渡したここの地下格闘場のオーナーは、男の実力を完全に見誤っていたようだ。

 

観客はともかく地下格闘場側には歓迎されていないようだし、ここの地下格闘場を使うのは今回で最後にしようかと思った男。

 

闇によって坂田金時という男の首に懸けられた賞金が目当てだった地下格闘場のオーナーは、男を狙う機会を今回で完全に失ったらしい。

 

地下格闘場を後にした男が走り去る姿を見ていた地下格闘場のオーナーは、男が手加減していたことにようやく気付く。

 

地下格闘場を立ち去る前に地下格闘場の観客に今度向かう場所が、ちょっと何かありそうだから護衛を頼みたいと言われていた男は地下格闘場の観客と連絡先を交換していた。

 

向かう時は連絡するからその時は来てくれと言った観客に了承した男。

 

護衛の依頼を引き受けていた男は、向かう先は豪華客船か、闇の九拳も現れると聞いたから充分に注意しようと考えて気を引き締める。

 

地下格闘場で稼ぎに稼いで懐がとても暖かくなっていた男は、財布に収まりきらない程度には稼いでいたようで、万札が限界まで詰まった封筒を6本も持っていた。

 

それに加えて万札だけで物凄く分厚くなっている財布もあり、今現在男は全く金には困っていない。

 

それでも男が護衛の依頼を引き受けたのは、闇の九拳が関わっている依頼だからだろう。

 

問題なく旅を続けていた男が歩いていると泣いている子どもを発見したので、近くに親がいないか確認してから泣き止ませた男。

 

物凄く子どもになつかれた男は、へばりついてくる子どもをあやしながら子どもを家まで連れていく。

 

家まで子どもを送り届けてから去っていく男へ手を振る子どもに振り返って手を振り返した男は笑顔を見せる。

 

昔から何故か子どもにはなつかれるんだよな私はと思った男が今まで出会った子ども達を思い出す。

 

出会ってきた全員の子どもになつかれた記憶がある男は、何故いつも私は子ども達になつかれるのだろうかと考えるが答えは出なかったようだ。

 

まあ、私は子どもは別に嫌いではないから特に問題はないかなと結論を出した男。

 

再び旅を続ける男が移動していると見知った気配を感じ取って立ち止まる。

 

今日は何の用かな美雲と言った男に、近付いてきた櫛灘美雲は女性用のスーツを着ていて今日は戦うつもりはないらしい。

 

今日はデートの日じゃ金時と言ってきた櫛灘美雲は、デートをする為に男の元へきたようであった。

 

男に近寄ってきて腕を組んできた櫛灘美雲と一緒に男は歩く。

 

個室がある和食の店に入った2人は、食事を楽しみながら日本酒を何本も空にしていったようだ。

 

軽く酔っている櫛灘美雲の頬がほんのりと赤く染まっていて、櫛灘美雲の頬に優しく手で触れた男に、金時の手は暖かいのうと言うと櫛灘美雲は笑う。

 

男の支払いで会計を済ませてから店を出た2人は、植物園に入ると植物を見て回る。

 

フランス産のバラであるサムライを見てから、幹から実がなるカカオノキを見て確かウルシ科だったのうと言う櫛灘美雲に、そうだねと頷く男。

 

咲いた花から香るバナナの匂いを感じ取った男が唐種招霊があるねと言い出す。

 

唐種招霊は神社によく植わっておる木じゃの、茶にもするらしいが飲んだことはないのうと言った櫛灘美雲。

 

ちなみに唐種招霊の別名はバナナの木らしいねと言って笑顔を見せた男に、確かにそう聞いたことはあるのうと言いながら櫛灘美雲も笑みを浮かべた。

 

あまり人がいない植物園の一角で向かい合った男と櫛灘美雲は口付けをする。

 

深い深い口付けをした2人は、お互いしか目に入っていない。

 

他の人が近付いてくる気配を察知して素早く元の体勢に戻った2人。

 

静かに植物園を出ていった男と櫛灘美雲は、ゆっくりと街を歩いていく。

 

会話をしていった男と櫛灘美雲の2人が到着した宿泊施設は防音設備がしっかりとしているようだ。

 

中に入った2人は朝まで出てくることはなく、朝になって出てきたところで足腰が立たなくなっていた櫛灘美雲を男がお姫さま抱っこで闇の拠点にまで運んでいった。

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