櫛灘美雲の幼なじみになった転生者   作:色々残念

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第22話、アーガード・ジャム・サイ

裏ムエタイ界の魔帝、拳帝肘皇の異名を持つ古式ムエタイの達人であるアーガード・ジャム・サイが狙う相手を護衛することになった男。

 

特A級の達人であるアーガード・ジャム・サイが放つ古式ムエタイを見ていた男は、抉り込むような必殺の技の連続に、古式ムエタイの技を覚えたとしても使う相手は選んだ方が良さそうだと判断する。

 

ソンブーン・ヤン・エラワンという技を繰り出すアーガード・ジャム・サイ。

 

跳躍して相手の頭上よりも上になり、逆さまになった状態で膝蹴りを振り下ろす技であるソンブーン・ヤン・エラワン。

 

高い威力を持つ技であり使い手が闇の九拳の1人のアーガード・ジャム・サイであることも相まって、凄まじい威力となっていたソンブーン・ヤン・エラワンを片手で止めた男。

 

ソンブーン・ヤン・エラワンを片手だけで止めるとは、妖拳怪皇坂田金時のとてつもない身体能力は確実にオレを上回っていると確信したアーガード・ジャム・サイ。

 

身体を横に素早く回転させながら首を狙った肘打ちを放つヒラン・ムアン・パンディンを繰り出していくアーガード・ジャム・サイの攻撃を超人すらも超えた動体視力と身体能力で男は避けた。

 

拳帝肘皇アーガード・ジャム・サイの全ての攻撃を容易く避けることが可能な男が、ソンブーン・ヤン・エラワンを受け止めたのは正確に技の威力を確かめるためである。

 

アーガード・ジャム・サイが用いる古式ムエタイ、ムエボーランの殺傷力の高い技を手加減なしで使えば相手を殺してしまうと判断した男は、技の威力を知ることが大事だと思ったらしい。

 

ソンブーン・ヤン・エラワンの一撃を受け止めて力の配分が大体わかった男はそれ以降は、アーガード・ジャム・サイの凄まじい攻撃を受け止めることなく全て避けていく。

 

連続で繰り出されていったアーガード・ジャム・サイの古式ムエタイの技を至近距離で見ていった男は、古式ムエタイであるムエボーランを見ただけで身に付けていったようだ。

 

どうやら秘技を出さねば倒せぬ相手らしいと言ったアーガード・ジャム・サイが、ワイクルー・ラーム・ムエを踊り始めた。

 

神と師に捧げる舞であるワイクルーには意味があり、かつて野外で戦っていた時は地面のコンディションを見てそれによって戦法を変えたり、さらに円を描いて踊ることで結界をはり、己の潜在能力を極限まで引き出す効果がある。

 

アーガード・ジャム・サイがワイクルーを踊り終えるまで待っていた男の前で両手を合掌したアーガード・ジャム・サイが、ボーリスッド・ルークマイと静かに言うと攻撃の動作に移った。

 

これまで以上に凄まじい威力の秘技が放たれていき、アーガード・ジャム・サイの全力が繰り出されていく。

 

その全てを避けきった男が秘技を繰り出した直後に存在した僅かな隙を突いた。

 

拳帝肘皇アーガード・ジャム・サイの腹部に拳を叩き込んでいた男の一撃でアーガード・ジャム・サイは気を失って倒れ込み、しばらく起き上がることはない。

 

アーガード・ジャム・サイに命を狙われている護衛対象を連れて移動して安全な国に向かう飛行機に乗せた男は、護衛の依頼達成の報酬を受け取って空港を出ていくと再び旅を続ける。

 

後日とある料理店に入った男は裏ムエタイ界の魔帝、拳帝肘皇アーガード・ジャム・サイと再び出会うことになったようだ。

 

流石に料理店で戦いを始めるようなことはなく、空いている席が隣であっても大人しく座る男とアーガード・ジャム・サイの2人。

 

よくこの店には来るのかと言った男に、何回かは来ているな、この店は肉が美味いんだと言うアーガード・ジャム・サイ。

 

じゃあ肉を頼んでみるとしようと言いながらメニューを開いて肉を選び注文する男。

 

その隣でいつものを頼む、と料理店の店主に言ってアーガード・ジャム・サイは水を飲んだ。

 

骨付きで大きな肉が2つほど運ばれてきて、男とアーガード・ジャム・サイの前に置かれていく。

 

なるほどキミもそれを頼んだのか、いい選択をしたなと言ったアーガード・ジャム・サイは笑った。

 

骨付き肉を食べ始めた男とアーガード・ジャム・サイは綺麗に肉を食べていき、直ぐに食べ終えてしまったようだ。

 

おかわりで同じものを注文した男とアーガード・ジャム・サイは骨付き肉を何個も食べていって満腹になるまで食べ続けたらしい。

 

骨付き肉だけで満腹になったところで料理店を出ていった男とアーガード・ジャム・サイの2人。

 

何故か向かう方向が同じであり困惑していた男とアーガード・ジャム・サイだったが、泊まっているホテルも偶然同じでさらには部屋まで隣であったようで思わず笑ってしまった2人は、ホテルの最上階にあったバーで一緒に酒を飲むことにしたようである。

 

バーテンダーがグラスに用意していったアルコール度数の高いカクテルを静かに飲んでいく男とアーガード・ジャム・サイ。

 

酒に酔うことはない男とアーガード・ジャム・サイは会話をしていくことになり、お互い話せる程度に色々な話をしていった。

 

アーガード・ジャム・サイが梁山泊のアパチャイ・ホパチャイとは同門であるという話になった時に、アパチャイ・ホパチャイが今どうしているかが少し気になったアーガード・ジャム・サイに彼は弟子をとったようだよと言った男。

 

あのアパチャイの弟子かと言ってカクテルを飲んでから、どんな弟子なのか興味深いなと言うアーガード・ジャム・サイ。

 

手加減が下手だったアパチャイに弟子ができるとは、手加減をものにしたようだなアパチャイと言いながら笑ったアーガード・ジャム・サイに、たまに手加減を間違えて臨死体験を弟子にさせているみたいだがねと男は言った。

 

それを聞いて大爆笑したアーガード・ジャム・サイは笑いすぎて出た涙を拭いながら、アパチャイらしいなと言って頷く。

 

それでも弟子の身体がちぎれ飛んでいないだけ進歩しているなとアーガード・ジャム・サイは言う。

 

そこまで言われるほど手加減が苦手だったのかアパチャイ・ホパチャイ殿はと言った男は、梁山泊での修行風景を思い出して納得していた。

 

ああ、昔からそんな感じだったよアパチャイはと昔を懐かしみながら言って穏やかに笑ったアーガード・ジャム・サイ。

 

何故だろうなキミと一緒にいると不思議と和んでアパチャイのことをよく思い出すよと言い出したアーガード・ジャム・サイに、よく思い出したならアパチャイ・ホパチャイ殿の話をもっと聞かせてくれないだろうかと言った男。

 

そうだな、ならアパチャイとの出会いから話していこうかと言って話し始めたアーガード・ジャム・サイ。

 

腹を空かしているのがちょうどいいと判断されて飯をあまり食わせてもらってないアパチャイを売り込もうとしていた眼帯の男からアパチャイを買い取ったことが始まりだったなとアーガード・ジャム・サイは懐かしそうに思い出す。

 

それからはアパチャイに腹一杯食わしてやることに決めて先生の元で共にムエタイを学んでいったんだとアーガード・ジャム・サイは語った。

 

ホテルの最上階にあるバーでカクテルを飲みながら語っていったアーガード・ジャム・サイの話を静かに聞き、時には気になったところを質問していった男。

 

バーが閉店になる時間になっても話が全然終わらなかったアーガード・ジャム・サイを連れ出して宿泊しているホテルの部屋で続きを聞いていった男にアーガード・ジャム・サイは話を続ける。

 

アパチャイが隠れて猫を飼っていた時にその猫を見て凛々しい猫だと思ったアーガード・ジャム・サイが飼うことを許可したこと。

 

その後にアパチャイと共に丘へ散歩に行ってバナナの木を蹴ったアパチャイが手加減を知らずに木を全てへし折って畑を買い取る必要が出てきたことも語ったアーガード・ジャム・サイは、今日はここまでにしておこうかと話を切り上げた。

 

長々と話してすまなかったなと言ってきたアーガード・ジャム・サイに、いや面白かったから問題はないよと言った男は笑う。

 

それなら良かったと言うアーガード・ジャム・サイも穏やかな笑顔を見せてから自分の宿泊している部屋にまで戻っていく。

 

闇からは坂田金時を発見したら連絡して情報を送るように言われていたが今日はそんな気分ではないなと思ったアーガード・ジャム・サイ。

 

情報を送ることなくベッドで寝始めたアーガード・ジャム・サイは夢の中でアパチャイと共に過ごした日々を再び体験することになって懐かしい気持ちになっていたようだ。

 

目が覚めたアーガード・ジャム・サイが部屋を出るとちょうど男も部屋を出たところで、同じくチェックアウトをするつもりのようだった。

 

随分と偶然が重なるなと思った男とアーガード・ジャム・サイは思わず笑ってしまう。

 

ホテルの入り口でアーガード・ジャム・サイと別れて移動していった男は走り出す。

 

凄まじい速度で移動していく男の姿を見たアーガード・ジャム・サイは、オレと戦った時は随分と手加減していたようだなと理解したらしい。

 

移動した先で方向転換した男は車に轢かれそうになった子どもを助けてから、よく左右を見て渡るようにと子どもに注意して去っていく。

 

旅をする男は超人級すらも超える健脚で移動を続けていき、ようやく到着した町でまずは宿泊施設を探し始めた。

 

発見した宿泊施設には立派な温泉があるようで、とても喜んだ男が荷物を部屋に置いて直ぐ様温泉に向かう。

 

頭にたたんだタオルをのせて温泉に静かに浸かりながらリラックスしていた男は近付いてくる気配を察知しており、闇の武器組のようだなと判断する。

 

現れた闇の武器組が投げてきたナイフを避けた男は、次々と飛んでくるナイフを回避しながら闇の武器組へと近付いていき、頭にのせたタオルを落とすことなく闇の武器組の達人を一撃で倒す。

 

投げられていたナイフを全て回収して粉微塵に粉砕し、使えなくしてから闇の武器組の服を使って残骸を1ヶ所にまとめておいた男は温泉を出ていった。

 

出会ったのは偶然だろうが闇には情報が伝わっているだろうし、この町から移動した方が良さそうだなと思った男は服を着て部屋に戻り、荷物を背負うと支払いを済ませて宿泊施設を出ていく。

 

そのまま止まらずに凄まじい速度で移動していった男が他の県にまで到達した頃に、闇から送られてきた大勢の刺客が男が宿泊していた宿泊施設に到着する。

 

宿泊施設に残されていたのは、気絶した投げナイフ使いだけであり坂田金時という男の痕跡は全く残っていない。

 

遅かったかと思った刺客達は先走った投げナイフ使いが1人で戦おうとせずに応援を呼んでいればと考えたようだ。

 

それでも必ず殺せたとは限らないと判断した刺客達は妖拳怪皇坂田金時という男を高く評価しているようであった。

 

他県にまで素早く移動していった男は、その土地にある名物を確めにいき、土地ごとに異なる名物を楽しんでいく。

 

そんな日々をおくってあてもなく旅を続けていた男は穿彗と鍛冶摩里巳の師弟に出会うことになり、久しぶりの出会いにとても喜んだ男。

 

鍛冶摩里巳が更に強くなっていることに気付いた男は、あとは妙手の殻を破るだけのところまできているようだねと鍛冶摩里巳に言う。

 

なかなか妙手の殻を破ることはできませんねと言った鍛冶摩里巳に穿彗が、かといってこれ以上修行の量を増やせば、今度は里巳の身体が確実に壊れてしまうと言って真剣な顔をした。

 

なるほど今の修行量が鍛冶摩くんが身体を壊さずに修行できる限界なのかと言う男は、それなら何か別の方法で妙手の殻を破らせる必要がありそうだなと頷く。

 

師匠である穿彗との組手で進歩が望めないなら、別の相手と戦ってみるのも悪くはないだろうと言った男。

 

ちょうどこの県には立派な地下格闘場があったな、そこには何人か準達人級も居たはずだ、地下格闘場で準達人級と連続で戦ってみれば鍛冶摩くんも何か掴めるかもしれないねと言って穿彗と鍛冶摩里巳を地下格闘場まで男が案内していった。

 

地下格闘場で戦うのは始めてである鍛冶摩里巳だが緊張はしていないようで、今までの経験で戦いの場でも落ち着いていられる勝負度胸がついているらしい。

 

準達人級を呼び寄せるために試合を続けていく鍛冶摩里巳は、地下格闘場の対戦相手に勝利を重ねていく。

 

鍛冶摩里巳の勝利に金を賭けていた男と穿彗は稼いでおり、懐がだいぶ暖かくなっていたようだ。

 

戦いを続けていく鍛冶摩里巳に興味を惹かれた準達人級が集まってきて鍛冶摩里巳に勝負を挑んでいった。

 

準達人級を相手に連続で戦っていく鍛冶摩里巳は勝利を続けていき、積み重ねた戦いの数で何かを掴みかけていた鍛冶摩里巳。

 

最後の相手となる地下格闘場で一番強い準達人級は、達人級に限りなく近い準達人級であり、鍛冶摩里巳でも苦戦することになる。

 

激しい戦いの果てに勝利を掴んだ鍛冶摩里巳は妙手の殻を破ることに成功しており、達人の領域にまで到達していた。

 

とはいえ達人になったばかりである鍛冶摩里巳は達人としてはまだまだの実力であり、そこまでたいした達人ではない。

 

これから穿彗の元で弟子として更に鍛えられるようになる鍛冶摩里巳は達人という坂を今ようやく登り始めたところだろう。

 

鍛冶摩里巳の成長を見届けた男は自分の弟子であるジークフリートのことも気になっていたようで、思い付いたら直ぐにジークフリートの元へと向かっていた。

 

到着したジークフリートの豪邸で執事に案内されてジークフリートの帰りを客間で待つことになった男。

 

帰ってきたジークフリートは、兼一氏が達人に斬撃を喰らったようですが生きていましたよと言う。

 

兼一くんが生きていたのは業物である手甲とかたびらに日々の修行のおかげだろうねと言った男は、響くんは真剣相手の戦いを経験したようだけどどうだったかなとジークフリートに聞く。

 

我が師との修行を経験したわたしなら問題はなかったですよと答えたジークフリートは、どんな危険な攻撃も直接当たらなければ同じですと言い切った。

 

まあ、問題がないなら良かったよと安心したような顔で言った男は続けて、鍛冶摩くんが達人級に到達したよとジークフリートに教える。

 

なるほど、彼が達人級に到達したからこそわたしに更なる修行を積ませにきたのですね我が師よと察しが良いジークフリート。

 

今回の修行で響くんにも達人級へ到達してもらおうかと思ってねと言う男。

 

望むところです我が師よ、早速修行を始めましょうと言ったジークフリートは凄まじいやる気に満ち溢れていた。

 

響くんもかなり進歩しているようだしそれに合わせて今日の修行はいつもよりも激しくなるから覚悟しておきなさいと言って構えた男に、どんな過酷な修行であろうとやり遂げてみせましょうとジークフリートは言い切ると独自の構えをとる。

 

ならばまず最初にこの技を受け流してみせてもらおうかと言った男は、連続で闇の九拳の技を放つ九撃一活という技を繰り出す。

 

原作で一なる継承者である叶翔が用いた九撃一殺から男が思い付いた技であり、活人拳であるために一殺が一活に変わっていて相手を絶対に死なせない攻撃になっているという違いがあるが大体は同じ技だといえるだろう。

 

とてつもなく手加減した男の九撃一活を連続で喰らったジークフリートは、技の質も種類も全く違う攻撃であろうと見事に受け流してみせていた。

 

やるじゃないか響くんと喜んだ男は次はこれかなと言ってジェームズ志場と裏ボクシング現王者の戦いを見て覚えたジークンドーの構えをとり、縦拳による連打をジークフリートに叩き込んでいく。

 

ジークンドーの縦拳の連打の速度が徐々に上がっていくと、それに対応するジークフリートも更に進歩をしていたようだ。

 

男との激しい戦いの中で確実に進歩していくジークフリートは間違いなく天才と呼べる存在である。

 

じゃあ次はこれでどうかなと言って男は中国武術である壁掛拳に構えを素早く切り替えると苛烈な攻撃を続けていった。

 

頂肘鬼哭、烏龍盤打という連続技を繰り出す男に対して全て完全なる円運動で受け流していったジークフリート。

 

足を狙う蹴り技である斧刃脚から、迎面一腿加戳掌という腹部に蹴りを入れて顔面に掌打を叩き込む技を男が放つ。

 

回転して男の技を無力化したジークフリートが繰り出すカウンターを受け止めた男は、ジークフリートの進歩を確かめていたようだ。

 

私がこうした場合はどうするかなと言いながら滾雷龍掌というジークフリートの完全なる円運動による回避行動を絡めるように打ち出す打撃をもってとらえた男。

 

当然備えはしてありますよと言いながらジークフリートは、よく練られた内功によって打ち込まれた滾雷龍掌を弾いた。

 

それを見て私が居ない時も内功を練り上げ続けていたようだねと男は感心する。

 

ならもう少し攻撃を強めても大丈夫そうだねと言った男は手加減を僅かに緩めていき、ジークフリートがカウンターで返せるギリギリの攻撃を連続で続けていく。

 

ジークフリートに限界を超えさせて妙手の殻を破らせるために男は師匠として攻撃を行って、弟子であるジークフリートはそれに応えて先へと進んだ。

 

妙手の殻を破り達人へと到達し、回転を必要としないカウンターを新たに考えたジークフリートは、力の方向をずらし脱力した身体に威力を素通りさせ、ポジショニングを確保した状態で受け流した威力を相手に返す技を放つ。

 

放たれたジークフリートの新たな技を受け止めた男は、達人に到達して新しい技もできたみたいだね響くんと笑った。

 

その技は色々と応用ができそうだから試してみようかと言ってジークフリートの新たな技を見ただけで真似た男。

 

1度見ただけで技を真似られる我が師は相変わらず凄まじいですねと思ったジークフリート。

 

新たな技の試行錯誤を繰り返していく男とジークフリートだったが、メロディーを思いついたジークフリートによって中断されることになった。

 

紙に思いついたメロディーをかなりの速度で書いていくジークフリートのペンはしばらく止まることはない。

 

作曲中であるジークフリートの邪魔をしないように静かにしていた男は、ジークフリートが考えた新たな技の使い方を考えていく。

 

ジークフリートの作曲が終わり新たな曲が1つ完成したところで、我が師よ、この曲を共に演奏してみませんかと言い出すジークフリート。

 

構わないよ響くん、演奏しようかその曲をと言った男はケースからバイオリンを取り出した。

 

男と共にバイオリンで演奏していったジークフリートは達人の感覚で非常に良い演奏ができたらしく、とても上機嫌だったようだ。

 

そう言えば新たな技の名前は考えているのかなと聞いた男に、輪唱アタック改ですかねとジークフリートは答える。

 

うん、まあ、響くんがそれでいいならいいんじゃないかなと頷いた男は、弟子の技のネーミングセンスに関しては諦めていたらしい。

 

それじゃあそろそろ私は旅に戻るとするよ、長居すると迷惑をかけてしまうからねと言いながら男は荷物を背負う。

 

ありがとうございました我が師よ、おかげで達人まで辿り着くことができましたと男に言ったジークフリート。

 

響くんなら自力でもいずれ達人には辿り着けていただろうし、私は少し手伝いをしただけだよと笑った男は、また会おう響くんと言うと凄まじい速度でジークフリートが住んでいる豪邸から走り出していく。

 

驚異的な速さで去っていく坂田金時という男に向かって、ええ、また会いましょう我が師よと言ってジークフリートは穏やかに微笑んだ。

 

山で野宿の準備をしている男に近付いてくる見知った気配を察知した男は、私は今忙しいんだが何か用かな美雲と言った。

 

姿を現した櫛灘美雲が、金時は山が好きじゃのう、よく山で過ごしておるような気がするんじゃがと言うと距離を詰める。

 

至近距離で男を見る櫛灘美雲に、そんなに見てもお茶くらいしか出ないぞと言いながらお茶を用意した男。

 

良い茶葉を使っておるのうと喜んで茶を飲む櫛灘美雲に、こうして私の茶を飲みにきたわけじゃないんだろう、今日は何をしに来たのかなと男は言って櫛灘美雲の顔を見る。

 

金時に会いたくなっただけなんじゃがのうと素直に言った櫛灘美雲は嘘はついていない。

 

それが正直な言葉であると理解できた男が、じゃあしばらく一緒に居ようかと言うと櫛灘美雲は嬉しそうに笑った。

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