坂田金時という男の弟子でありながら達人に到達しているジークフリートは以前よりも更に腕を上げており、まだ特A級の達人には勝てないだろうがそれ以下の達人であるなら倒せる程度には強くなっていた。
そんなジークフリートが新白連合の本拠地で回転しながら新たな曲を考えていると、YOMIの櫛灘千影が新白連合の本拠地であるビルに姿を現す。
中年探偵団という本を持った櫛灘千影が、少し話があるとジークフリートに言うと、1度貴女とは話をしてみたいと思っていましたと言ったジークフリート。
坂田金時さんの弟子であると聞いたが、櫛灘流柔術は教わっていないのかと気になっていたことを聞いてみた櫛灘千影。
我が師は、わたしの武術を伸ばしてくれましたが特に櫛灘流柔術は教わってはいませんねとジークフリートは答える。
その身のこなしと秘めた気からみて達人に到達しているようだなと言ってジークフリートを見ている櫛灘千影に、ええ、我が師と一緒に積んできた日々の修行の成果ですよ、とジークフリートは答える。
決して楽な道のりではありませんでしたが、わたしの武術を引き上げてくれる的確な指導をしてくれた我が師がいたからこそ辿り着けた領域ですねと誇らしげに語ったジークフリート。
ふむ、どうやら師弟関係は良好なようだと判断した櫛灘千影は、わたしの師匠とそちらの師匠である坂田金時さんは長い付き合いみたいだが、それに関して何か聞いたことはあるかとジークフリートに問いかけていく。
幼なじみだとは聞いていますが、あまり多くは語ってはくれませんでしたね、ただ我が師が彼女を大切に思っていることは確かでしょうとジークフリートは答えた。
そして彼女が幸せになるには我が師が絶対に必要であることも確かですと付け加えたジークフリートは、以前櫛灘美雲と出会って感じ取ったメロディーから確信を持って言っていたようだ。
坂田金時さんと交流している時だけは感情を露にしてとても嬉しそうだった自分の師匠を思い出し、確かにそれは正しいかもしれないと納得した櫛灘千影。
師匠は闇に殺人拳として坂田金時さんを招きたいようだが、それについてはどう思うと櫛灘千影が聞く。
我が師が闇に行くことは間違いなくないでしょう、それは貴女の師匠である彼女も気付いている筈ですよ、我が師が逆に彼女を活人拳の道に勧誘しないのは彼女が決めた道であるからです、たとえ自分とは違う道を選んでもその意志を尊重する人ですからね我が師はと答えるジークフリート。
ジークフリートはさらに続けて、我が師の勧誘を絶対に諦めない彼女は、どうしても我が師への執着を断ち切れないようですね、よほど我が師を愛してしまっているのでしょう、と断言する。
危うささえも感じるその愛は、確実に以前よりも強くなっているのではないですかと言うと、貴女は弟子としてそれをどう思うのです、とジークフリートは櫛灘千影に聞いていた。
師匠にあんな一面があることを知って驚きはしたが櫛灘流柔術という武を教えてくれたことには感謝をしている、お菓子を禁じられていること以外には文句はない、師匠が坂田金時さんを愛していようが問題はないだろうと櫛灘千影は答える。
愛を知る彼女が何故殺人拳の道を選んだのかは知りませんが、我が師と彼女が相思相愛であることは間違いありませんと言い切ったジークフリート。
語り合っていたジークフリートと櫛灘千影を見ていた新島は、珍しい組み合わせになっているなと思いながらも情報収集にはなるかと考えて止めることはない。
そういえば貴女は我が師のバイオリンを聴いたことはありますかと聞いたジークフリートに、聴いたことはないが、坂田金時さんはバイオリンも演奏できるのかと驚いていた櫛灘千影。
ええ、とても素晴らしい演奏をしてくれますよ我が師はと言ったジークフリートは師匠である坂田金時と同じようにとても優しい顔をしていた。
ほう、そうなのかと言う櫛灘千影は年相応の幼い顔をしていて目がキラキラと輝いていたようだ。
完全に子どもモードが発動している櫛灘千影は、坂田金時のバイオリンを実際に聴いてみたいと思っていたらしい。
機会があれば是非、我が師のバイオリンを聴いてみてください、貴女が頼めば我が師も断ることはないでしょうと言って笑ったジークフリート。
うむ、そうしようと頷いた櫛灘千影は、今度坂田金時さんに会ったらバイオリンの演奏を頼んでみようと考えていた。
話が一段落したところで貴女と話していたらメロディーを思いつきましたとジークフリートが言い出す。
常に帽子に刺している羽根ペンで紙にメロディーを書いて作曲を始めたジークフリートに対して、奇妙な奴だが、いい話は聞けたので感謝はしておこうと思った櫛灘千影は、師匠と坂田金時さんの関係を少し知ることができた、礼は言っておくと言った。
互いの師が交流しているようにわたしたちも交流してみただけですよと言いながら作曲を続けるジークフリート。
もう用は済んだと考えて他の面々が来る前に新白連合の本拠地から出て行った櫛灘千影は、中年探偵団を読みながら帰っていく。
心の風に翻弄されているいとけなき少女との会話は聞いていましたか我が魔王と問いかけたジークフリートに、ああ、聞いてたぜ、ジークの師匠と櫛灘千影の師匠が幼なじみってのはオレ様も初めて聞いた情報だなと答えた新島。
闇に勧誘されてる活人拳の達人ってのも初めて聞く情報だが、何故勧誘されているのかも詳しく知りたいところだ、何か知っていないかジークと新島がジークフリートに聞く。
最初に訂正しておきますと我が師は達人という領域を既に超えて超人ですらも相手にならない領域にいますので、活人拳の達人という呼び方は正しいものではありませんねと訂正したジークフリート。
もはや妖怪と言った方がいいかもしれませんと言うジークフリートに、自分の師匠にそんなこと言っていいのかと言いながらいつも持ち歩いている情報端末に妖怪と情報を入力していく新島は続きを促す。
我が師と山で修行をしている時に感じたのですが、鹿や猪に熊などの動物を殺害して食料にする時に我が師は躊躇いも罪悪感もなく命を奪っていましたとジークフリートは語った。
おそらくではありますが、何の感情も抱くことなく命を奪うことができる我が師を殺人拳に向いていると判断しているのかもしれませんねと新島に自分の予想を伝えたジークフリートは先ほど作曲した曲を演奏し始める。
もしかしてかなりヤバい人なんじゃねぇかジークの師匠ってと思った新島ではあったがジークフリートに何も言うことはない。
ジークを達人に導いたことからして指導能力が高いことは間違いなく、ロキと一緒に闇の情報を集めていたこともあったから諜報能力もあり、そして戦闘力はとてつもなく高いかと坂田金時の情報を整理していく新島。
闇に行かれたら此方が不利になることは確実な人材だなと考えた新島は、坂田金時が闇に行っていなくて良かったと思ってため息をつく。
一方その頃、元暗鶚の隠れ里では叶翔と鍜冶摩里巳が組手をしていて、暗鶚の技だけではなく空手まで使う叶翔に驚いていた鍜冶摩里巳。
素朴にして簡潔であり、まさに剥き出しの武術といえる空手を使う叶翔。
夫婦手を使う叶翔を相手に手加減して実力を抑えている鍜冶摩里巳は、いつの間に空手なんて覚えたんだと叶翔に問いかけていく。
拳を振るいながら短期間だけど金時さんに教わったんだと叶翔が答えると、それは羨ましいなと言う鍜冶摩里巳は、とても羨ましそうな顔をしていた。
まあ、前に俺は櫛灘流の技と風林寺の技を金時さんに教わったけどなと言った鍜冶摩里巳に、そっちだって色々と教わってるじゃないか、俺を羨ましがるなよと言って叶翔は呆れたような顔をする。
いやいや坂田金時さんに武術を教わりたいって人は多いと思うぜ実際と言う鍜冶摩里巳。
確かにそれはそうかもしれないけど、鍜冶摩には師匠がいるだろと言いながら三日月蹴りを叶翔が放つ。
脇腹を狙った下段と中段の間の軌道で放たれた蹴りを掴んだ鍜冶摩里巳に向かって片足を掴まれた状態で、もう片方の足で顎に膝蹴りを叩き込もうとした叶翔。
片手で叶翔の膝蹴りを受け止めた鍜冶摩里巳は、坂田金時から教わった技である嵐車を繰り出す。
ほとんど力を使うことなく技だけで相手を投げる技である嵐車。
投げられた叶翔は暗鶚の技ではないと判断し、これが金時さんに教わった技だなと確信していた。
立ち上がった叶翔に、続けていくぜ、風林寺、千木車と言いながらドリルのように回転して鍜冶摩里巳が突撃していく。
跳躍して両拳を頭上に突き出した状態で凄まじい勢いで回転しながら相手に突撃していき、両拳を相手に叩き込む技である風林寺千木車は、跳躍力と回転が肝心である技であった。
跳躍力が足らねば相手に届かず、威力を増す回転が足りねば拳を突き出して相手にぶつかっているだけになるからだ。
双方が備わっていなければ使えない技である風林寺千木車。
この技をものにすることができたのは、鍜冶摩里巳の惜しまぬ努力があったからだろう。
風林寺千木車を直撃で喰らった叶翔は、これも金時さんに教わった技だなと思いながら地面に崩れ落ちていく。
組手はそれで決着となり、手加減していても鍜冶摩里巳の勝利で終わった戦い。
2人の組手を見守っていた穿彗が、いい戦いだったと2人に語りかけていった。
しばらく立ち上がれないダメージを受けた叶翔は横たわりながら鍜冶摩里巳に、いつの間に達人になってたんだと問いかける。
妙手でもかなり達人寄りになってから金時さんの紹介で地下格闘場に行ってな、そこで経験を積むことで達人に至ることができたと答えた鍜冶摩里巳。
やっぱり金時さんも関わってたのかと言った叶翔は、達人かと自分が達人になった姿を想像していく。
達人になって鍜冶摩は何か変わったかと聞いた叶翔に、自分の実力が間違いなく上がっていることがわかるし、相手の実力も弟子クラスだった頃よりずっとわかるようになるから手加減がしやすくなるかな、後は師匠の実力が少しわかるようになると鍜冶摩里巳は答えた。
そっか、俺もいずれは達人になりたいなと言った叶翔は、まだ達人寄りの妙手であるようだ。
暗鶚の武術だけに専念していればかなり達人寄りの妙手にまで到達していた叶翔は空手を学ぶ時間を作ったことで、少し修行が遅れていたらしい。
しかし空手を学んで更に強くなった叶翔が達人になれば、暗鶚の武術だけを身につけていた時よりも強い達人になれることは間違いないだろう。
短期間でかなりの空手を覚えさせた坂田金時の育成能力は、とても高いと言える。
穿彗の弟子である鍜冶摩里巳と交流していく坂田金時の弟子のような叶翔は、互いの師匠について話していった。
師匠の穿彗と日本全国を巡っていく中でラーメン屋にも行っていた鍜冶摩里巳は、師匠は塩ラーメンばかり注文するんだと穿彗の情報を言っていく。
金時さんはバイオリンも演奏できるんだぜ、しかもかなりの腕前でと叶翔が何故か自慢気に坂田金時について語り出す。
そんな情報を色々と言い合っていった鍜冶摩里巳と叶翔の2人を止めることはなかった穿彗。
これもまた交流だろうと判断して楽しそうな弟子を止めない穿彗は師匠として弟子を見守るだけに留めていた。
中華南京路ってところのラーメンが特に美味しかったと言った鍜冶摩里巳に、達人になっていずれ旅に出たら探してみようと思って詳しい場所を聞く叶翔。
梁山泊から近いと聞いた叶翔は、白浜兼一と活人拳の達人達がいる場所だったっけ梁山泊ってと、かつての白浜兼一との戦いを思い出す。
達人に育てられているにしては全く才能が感じられない相手だったが弱くはなかったな、確かに信念があったと白浜兼一を評する叶翔。
まあ、次に戦うことがあるとしても負けるつもりはないけどねと叶翔は考えた。
会話を続けていった鍜冶摩里巳と叶翔は、随分と会話が弾んだようで長く話をしていたようだ。
ダメージも回復して立ち上がった叶翔と話していく鍜冶摩里巳は楽しげな顔をしていて、会話を切り上げさせることを悪いと思いながらも今日はそこまでにしておけと止めに入った穿彗。
辺りはすっかり暗くなっていて、穿彗と鍜冶摩里巳の師弟は、元暗鶚の隠れ里にある叶翔の家に泊まっていく。
家事を手伝う穿彗と鍜冶摩里巳は淀みなく動いていき、叶翔を手助けしていった。
手持ちの食料を提供した穿彗と鍜冶摩里巳に感謝をした叶翔は、山奥にある隠れ里ではあまり食べられないものが食べられることを喜ぶ。
特にチーズとインスタントラーメンが叶翔は嬉しかったらしい。
前に金時さんも持ってきてくれたなと思い出しながら食べていった叶翔。
食事を終えて歯を磨いた3人は、それぞれ布団や寝袋を用意して就寝の準備を始めていく。
並んで横になった3人は寝るまで会話を続けていて、笑いの絶えない楽しい夜を過ごす。
しばらくして全員が眠りにつき朝まで起きることはなく、1番最初に起きた穿彗が外に出て早朝の運動として軽く身体を動かしていると起きてきた鍜冶摩里巳と叶翔。
ちょうどいい、2人まとめてかかってきなさいと言って手招きした穿彗に、こんな朝からですかと言いながら構えをとる鍜冶摩里巳。
暗鶚最強と1度戦ってみたいとは思ってたんだと言うと構えた叶翔は、やる気に満ち溢れていた。
達人として腕を上げている鍜冶摩里巳と達人寄りの妙手である叶翔を同時に相手にしても当然のように余裕である穿彗。
全力で立ち向かっていく鍜冶摩里巳と叶翔に対して、かなり手加減して相手をする穿彗は、特A級の達人を超えた領域に辿り着いている。
しかしまだ超人級というわけではない穿彗は準超人級といったところだろう。
大きな怪我をさせないように手加減をしている穿彗との激しい戦いで朝から体力を完全に使いきった鍜冶摩里巳と叶翔が地面に倒れ込んだ。
朝食はわたしが用意しようと言い出した穿彗が、朝食の準備をしている間に地面に倒れている鍜冶摩里巳と叶翔が会話をしていく。
いつもこんな感じなのかなと聞いた叶翔に、いつもこんな感じだと鍜冶摩里巳は答えた。
そりゃ才能無くても強くなるなと思った叶翔は大変だなと思わず言う。
もう慣れたよと言って笑った鍜冶摩里巳は師匠である穿彗の行動を理解していたようだ。
小一時間が経過してようやく体力が回復してきた2人は穿彗によって用意された朝食を凄まじい勢いで食べていった。
戦いで消費したエネルギーを補給しようと身体が食事を欲していたらしい。
朝食をかきこんでいく鍜冶摩里巳と叶翔は何杯も山盛りのごはんをおかわりしていき、腹一杯になるまで穿彗が多めに用意していた朝食を食べていく。
食事を終えて腹を擦る鍜冶摩里巳と叶翔は、満腹になっていて激しい動きは難しい。
そろそろわたしと里巳は旅に戻ろうと思うと言った穿彗は、今動くのは難しいですと目で語る弟子を見て、もう少し時間が経過してからだがと付け加えた。
朝食が消化された頃に移動していく穿彗と鍜冶摩里巳を見送った叶翔は、俺も修行しないとなと鍛練に励んだ。
梁山泊に来ていた坂田金時という男が風林寺隼人と会話をしながら碁をしていると、きょうのおやつは金時さんが持ってきてくれた、たい焼きですわと言いながら風林寺美羽がたい焼きを風林寺隼人へ差し出す。
たい焼きを受け取って一口かじってから、これは随分と美味いたい焼きを用意してくれたのう金時と言って嬉しそうに笑った風林寺隼人。
古い友人に手土産を持っていくからには良い店を選ぶさと言った坂田金時も笑顔を見せる。
碁を続けながら、ふむ、美雲とはどうなっておるかのうと聞いてきた風林寺隼人に、最近は闇への勧誘よりも単に2人で過ごす時間が多くなっているかなと答えた坂田金時。
それでも闇への勧誘を諦めてはおらんだろうな美雲はと風林寺隼人は言った。
それは間違いないだろうねと頷いてから碁石を打ち、これで私の勝ちだな隼人と坂田金時は言うと楽しげに笑う。
あっ、と言いながらかじっているたい焼きを落としそうになった風林寺隼人。
碁で坂田金時に敗北した風林寺隼人は、ならば今度は将棋で勝負じゃ金時と言って碁石と碁盤を片付けると超人級の速度で素早く将棋の用意をしていく。
将棋もあんまり強くないんだよな隼人はと思いながらも将棋を始めていった坂田金時。
駒を動かす風林寺隼人と坂田金時は会話を続けていき、日本国内では闇の力が弱まっているようじゃなと言うと風林寺隼人は駒を進ませた。
その駒を取った坂田金時は、武器組は日本から姿を消しているね、私が拠点を全て潰したことも影響しているかもなと言って次の手を待つ。
風林寺隼人の次の手は坂田金時の予想通りであり、詰みまでもう少しだなと思った坂田金時は容赦なく王手を連発していく。
王を必死に逃がしていく風林寺隼人だが誘導されていることに気付かず、最終的に逃げ場がなくなった王を見て、待ったと言い出す。
待ったは聞かんよと言って詰みに追い込んだ坂田金時に、鬼かお主はと風林寺隼人は言った。
将棋でも負けた風林寺隼人は、金時は酷い奴じゃと言うと老人を労るということを知らんのかとまで言い始める。
そう言われてもな、私も充分じじいだぞ、隼人と言った坂田金時に、金時はまだ若いじゃろう、わしはもっとじじいじゃぞと言ってきた風林寺隼人。
まあ確かに戦国時代から生きている記録がある隼人に比べれば私はまだ若い方だがと言う坂田金時。
話は変わるが前に二天閻羅王と戦ってね、勿論勝ったが確かに超人級の実力ではあったから、二天閻羅王が更に腕を上げるようなことがあれば、今の隼人でも苦戦するかもしれないよと坂田金時は言った。
闇に所属する超人級と戦って生きておるのは、わしとお主だけじゃろうな金時、二天閻羅王とわしはいずれ戦いそうな気がするのうと風林寺隼人が言い出す。
そういえば金時はジュナザードとも戦っておったようじゃが、ジュナザードとはどんな感じなんじゃと風林寺隼人が聞く。
新しい友人に会いにティダード王国に行った時に、またジュナザードとは戦ったかな、私は今もこうして生きているから戦いは私の勝ちで終わったけどね、それとティダード王国でジュナザードは弟子をしっかりと育てているようだったよと答える坂田金時。
どうやら金時に影響されてジュナザードも変わったようじゃのうと言う風林寺隼人。
確かに初対面の時よりもだいぶジュナザードは落ち着いたような気はするね、ティダード王国ではけっこう話をしたけど、ジュナザードの夢も聞いたよ、人の限界を捨てて神と戦うことがジュナザードの夢らしいねと言った坂田金時は、それを語ったジュナザードを思い出していた。
ジュナザードからティダードの秘法と記憶を消し去る術は教わったことはあるが、夢を聞いたことはなかったのうと言ってきた風林寺隼人は、かつてのジュナザードとの交流で特別な技術を学んでいたようだ。
じゃあ忘心波衝撃も元はジュナザードの技なんだね、それは知らなかったなと言いながら立ち上がった坂田金時は置いていた荷物を背負う。
それじゃあ、そろそろ私は旅に戻るとするよ、また梁山泊に来るときは何か手土産を持ってくるから楽しみにしておいてくれと言った坂田金時は梁山泊を出ていく。
坂田金時を見送った風林寺隼人は、今のジュナザードは金時に興味が向いておるから問題はないが、二天閻羅王がどう動くかじゃな、気を引き締めていかねばならぬのうと真剣な表情をしていたらしい。
旅先の地下格闘場で戦ってかなりの金額を稼いだ坂田金時は地下格闘場から出ていき、凄まじい速度で走って長距離を移動してから見つけた蕎麦屋に入ると美味しそうだと思った天ぷら蕎麦を注文して食べていく。
ここの蕎麦は美味いなと思っていた坂田金時が座っている席の真正面に座って勝手に相席をした櫛灘美雲が坂田金時に向かって微笑んだ。
美雲も蕎麦を食べにきたのかなと聞いた坂田金時に、金時に会いに来たのじゃがのうと答えた櫛灘美雲は、蕎麦屋に来たなら蕎麦の1つでも食べておくとするとしようと言って山菜蕎麦を注文する。
山菜蕎麦を全て食べ終えるまでは口を開くことはない櫛灘美雲を静かに待っている坂田金時は既に天ぷら蕎麦を食べ終えていたが席を立つことはない。
山菜蕎麦を食べ終えて、美味かったのうと言った櫛灘美雲に、じゃあ会計を済ませて出ようか、私が払うよと言って天ぷら蕎麦と山菜蕎麦の料金を支払った坂田金時。
蕎麦屋を出た坂田金時と櫛灘美雲は仲良く手を繋いでゆっくりと歩いていく。
今日は何処に行こうか美雲と聞いた坂田金時に、金時と一緒ならわしは何処へでも行くぞと答えた櫛灘美雲は、とても楽しそうな顔をしていた。