風林寺美羽の武術家のタイプは動であり、動の気を発動することはできるようになっていた。
弟子クラスとしては凄まじいポテンシャルを秘めている風林寺美羽は、風林寺一族と暗鶚で最も優れた血統の間に産まれた子どもであるらしい。
その為に武術の才能も高い風林寺美羽は、教え上手な父と戦闘スタイルが似ている母に規格外な祖父から武術を学んでいる。
妙手にまで至っている風林寺美羽の動の気は、弟子クラスの中では強大なものであるようで、暴走してしまえば人を殺めてしまう可能性がある為に修行は慎重に行われていた。
風林寺砕牙と風林寺静羽に風林寺隼人の3人から武術を教わって確実に強くなっている風林寺美羽。両親に祖父と同じく活人拳の道を選んだ風林寺美羽は日々修行を積んでいく。
強い動の気を持った風林寺美羽は修行が進んでいく中で動の気が開花を始め、技のキレが冴えわたり白浜兼一との組手で思ったよりも強く当ててしまうことが増えていた。
風林寺美羽の力の開放が始まっていることに気付いた風林寺砕牙に風林寺静羽と風林寺隼人。
そろそろ次の段階に進ませるべきだと判断した風林寺隼人は、馬剣星に頼み事をする。
風林寺砕牙と風林寺静羽が見守る中で、動の気の開放にまで修行を進めていた風林寺美羽。
馬剣星により腱や筋肉の硬功夫を授けられていた風林寺美羽は、気の開放に耐えられる身体になっていた為に更に修行が進んだようだ。
硬功夫の修行をしている最中は、馬剣星が風林寺美羽にセクハラをしないように風林寺砕牙がしっかりと見張っていたらしい。
動の気を運用する時は中途半端なままでは危険だと知っている風林寺砕牙と風林寺静羽は風林寺美羽に適切な助言をしていき、風林寺美羽が秘めている激しい動の気を開放させていく。
両親と祖父から受けた修練により動の気のコントロールが可能となっていた風林寺美羽は、運用を間違えれば非常に危険である動の気を完全に乗りこなす。
動の気の開放を見事に修得した風林寺美羽は、活人拳の武術家として次の段階に進んだ。
梁山泊の一番弟子である白浜兼一は静の気の発動までは辿り着いているが、開放までには至っていない。
武術家として先に進んでいる風林寺美羽に負けないように日々歩みを止めることはない白浜兼一は、大切な存在である風林寺美羽を守れるようになりたいと思っていた。
梁山泊から遠く離れたとある山でしばらく過ごしていた坂田金時の元に、動のタイプを極めている闇の無手組の達人が現れる。
動の気を爆発させて迫り来る達人は外功と筋力が達人の中でも並外れているようであり、使う武術はモンゴル相撲のブフであったが着ている衣装は内モンゴル自治区で主な流派が着る物で、日本で見るには随分と珍しいなと思った坂田金時。
動の気を掌握しているブフの達人が繰り出そうとしてきた組技を避けていく坂田金時は、ブフの達人の技を全て観察していく。
殺意に満ちている攻撃の数々を回避していった坂田金時は、見るべきものは見たと判断して戦いを終わらせようとしたが、闇の九拳の1人である拳聖、緒方一神斎から教わった技である静動轟一を発動したブフの達人。
静と動の気を同時に用いる危険な技である静動轟一を使ったブフの達人は、準超人級と一時的に同格になっていた。
それでも坂田金時には及ばない実力でしかないブフの達人の攻撃が坂田金時に当たることはなく、組技も全て避けられて成功しない。
達人の身体でも長引かせると問題がありそうだと思った坂田金時は、ブフの達人の首筋に指を当てて静動轟一を外部から解いていく。
それから武術の技を使うことなく単なる身体能力だけで坂田金時はブフの達人を倒す。
緒方一神斎が静動轟一を他の達人にも教えていることは間違いないと判断した坂田金時。
闇の九拳では緒方一神斎とシルクァッド・ジュナザード以外は使うことはないだろうが八煌断罪刃は全員使うかもしれないなと考えた坂田金時は、私は大丈夫だが他の活人拳達には問題がありそうだと思っていた。
ブフの達人と戦っている最中に山を少し離れたところから秘められた動の気を感じ取っていた坂田金時は、超人級を超える速度で素早く移動してブフの達人よりも強い動の気の元に向かう。
到着した場所に立っていたのは酒が入った瓢箪を持った拳豪鬼神、馬槍月であった。
瓢箪を傾けて中に入っている酒を飲んでいる馬槍月は完全にやる気がない。
静動轟一を覚えたブフの達人と坂田金時の戦いを監視するように頼まれていた馬槍月だったが、酒を飲んでいるだけで役目を果たしていない馬槍月は乗り気ではないようだ。
静動轟一を覚えたところでブフの達人では坂田金時を殺すことなどできないだろうと思っていた馬槍月。
ちなみに馬槍月は闇に報酬として用意された最高級の酒3ダースは既に飲みほしていた。
目の前に立つ坂田金時を見て、ふん、やはり失敗したかと言った馬槍月は、酒が入った瓢箪に栓をすると坂田金時に背を向けて去っていく。
闇の九拳に所属する特A級の達人であり、動の気を秘めた馬槍月が去ると周辺に人の気は感じなくなった坂田金時。
とりあえず移動して闇の追跡を完全に振り切っておこうと考えた坂田金時は凄まじい速度で移動する。
移動した先で闇に所属してはいない達人と遭遇した坂田金時は武術家として勝負を挑まれることになった。
パンクラチオンの達人である相手の武術タイプは動であり、ブフの達人よりも強い動の気を放つ。
今日は動の気とよく出会う日だなと思った坂田金時は、そんな日もあるかと考えながらパンクラチオンの達人が繰り出す攻撃を避けていく。
古代総合格闘技であるパンクラチオンの技を間近で見ていった坂田金時は見ただけで技を完璧に覚えていき、パンクラチオンの達人の技を身につけていった。
武術家として勝負を挑んできた相手には武術家として応える坂田金時は、相手と自分にかなりの実力差があるとしても技を解禁する。
超人級を超えている坂田金時は相手を殺さないように手加減を忘れない。
爆発的で破壊的な動の気を掌握しているパンクラチオンの達人が拳で突きを放つ。
気血を送り込んだ突きは鋼鉄と化し、並の達人では弾けないほど重い突きとなっていたが、容易くそれを掴んだ坂田金時は今日見て覚えたブフの投げを繰り出す。
投げられたパンクラチオンの達人は受け身をとることができないほど素早い投げをまともに喰らった。
一投で意識が完全に飛んでいたパンクラチオンの達人が意識を取り戻すまで待っていた坂田金時は、しばらくしてようやく立ち上がったパンクラチオンの達人に、まだやるかいと問いかける。
やめておきます、今の自分では貴方に敵いそうもない、投げに反応できなかったのは始めてです、流石は妖拳怪皇、坂田金時ですねと答えたパンクラチオンの達人。
動のタイプを極めていながら人の道を外れていない達人は珍しいと思った坂田金時は、パンクラチオンの達人に少し興味を持っていたようだ。
これから一緒に飯でもどうかな、私の奢りでと聞いてみた坂田金時に、いいんですか、近くにイタリアンの美味い店があるんで、そこに行きましょうと乗り気なパンクラチオンの達人は笑顔になっていた。
激しい動の気を放っていた時とは大違いの落ち着いた様子を見せるパンクラチオンの達人は、1つ間違えばリミッターが外れっぱなしになるという危険を含む、コントロールが難しい動の気を完全に掌握して使いこなしていたらしい。
近場にあったイタリアンの店に行った坂田金時とパンクラチオンの達人は美味い料理を満腹になるまで食べていく。
坂田金時が支払いを済ませてから2人で店を出たところで、並んで歩いていく坂田金時とパンクラチオンの達人。
そういえばきみは闇に勧誘されたりはしなかったのかなとパンクラチオンの達人に聞いてみる坂田金時。
闇に勧誘されたことはありますが、全部断ってますねと答えたパンクラチオンの達人は、闇から殺しに来た相手も何度か叩きのめしてますと言った。
制御の難しい動の気の使い手でありながら、戦った相手を全く殺すことなく手加減できているのは物凄く活人拳に向いているかもしれないが、別に活人拳というわけではないんだろうと言うと坂田金時はパンクラチオンの達人を見る。
そうですね、自分はただの達人ってだけですよ、活人拳ってわけではありませんと言ってパンクラチオンの達人は笑う。
まあ、どんな道を選ぶかは個人の自由だと私は思うから、強制することはないよと言いながら優しい笑みを浮かべた坂田金時。
その優しい顔を見てると戦ってる時とは別人みたいですよ、何か貴方は女性に物凄くモテてそうな気がしますねと坂田金時に言ったパンクラチオンの達人。
私は大切な1人の相手がいれば充分さと言う坂田金時は櫛灘美雲を思い出していた。
そんな坂田金時とパンクラチオンの達人の前に櫛灘美雲が現れて、会いに来たぞ金時と言い出す。
貴方の彼女ですか金時さんと言って櫛灘美雲を見たパンクラチオンの達人に、彼女ではなく妻じゃと言い切った櫛灘美雲。
本当ですかと坂田金時を見るパンクラチオンの達人に、櫛灘美雲が妻ということを否定する言葉を坂田金時が言うことはない。
どうやらお邪魔のようなので自分はこれで失礼します、イタリアンごちそうさまでした金時さんと言うと空気を読んだパンクラチオンの達人は去っていく。
坂田金時と櫛灘美雲だけが残されたところで坂田金時に近付いて腕を組んだ櫛灘美雲。
さて、2人きりになれたようじゃから、しばらく町を2人で一緒に歩くとするかのう金時と言いながら櫛灘美雲は笑った。
食事はさっき済ませてしまったよと言った坂田金時に、わしも食事は済ませてあるから問題はないのうと櫛灘美雲は言う。
町を2人で歩いていく坂田金時と櫛灘美雲は道行く人々に仲の良い恋人同士だと思われていたようだ。
夫婦だと思われていなかった理由は指輪をしていないからだったが、2人が指輪をしていれば夫婦だと思われていた可能性が高い。
坂田金時と一緒にいるだけで機嫌が良い櫛灘美雲は、とても楽しそうな顔で坂田金時と共に町を歩いていく。
町中に最近新しくできた綺麗な映画館を発見した2人は映画館に入ると上映されている沢山の映画を選んでいった。
武術家として厳しい目で見てしまうであろうアクション物は避けて、恋愛系の映画を選んだ坂田金時と櫛灘美雲の2人。
良い席を取ることができた2人は並んで座って上映される恋愛系の映画を静かに見ていき、苦難の道を進みながらも最後には結ばれる男女の姿が映されて上映が終了する。
先ほど見た恋愛系の映画の内容を語りながら映画館を出ていく坂田金時と櫛灘美雲。
主演の演技力は中々のものじゃったなと言った櫛灘美雲に、脇役もけっこう良かったと思うよと言う坂田金時。
映画を見た2時間が無駄な時間にならなくて良かったのう金時と言ってきた櫛灘美雲は恋愛系の映画に満足していたらしい。
苦難の道を進んでいても最後には愛し合う2人が結ばれて終わりで良かったとは思うよと映画の感想を言いながら坂田金時は櫛灘美雲に笑いかけた。
坂田金時の笑顔を間近で見た櫛灘美雲は、とても幸せな気持ちになっていたようだ。
日も沈んで暗くなった夜道を照らす街灯に誘導されるかのように進んでいく坂田金時と櫛灘美雲は、歩みを止めることなく真っ直ぐホテルを目指していく。
美雲は今日も私と一緒の部屋に泊まっていくみたいだねと言った坂田金時に、わしは金時と離れるつもりはないぞ、明日の朝まで金時と共に過ごす予定じゃからのうと言い切った櫛灘美雲。
ホテルの部屋に入った坂田金時が荷物を降ろして床に置くと櫛灘美雲が坂田金時に飛びつくように勢いよく抱きついた。
櫛灘美雲を受け止めた坂田金時は優しく櫛灘美雲の頭を撫でると、艶やかで長く美しい黒髪に触れる。
綺麗だよ美雲と櫛灘美雲の耳元で囁いた坂田金時に、興奮が最高潮に達した櫛灘美雲は坂田金時に口付けると深い口付けを行っていく。
長く続いた深い口付けもようやく終わったところで櫛灘美雲が、今日は楽しい夜になりそうじゃな、わしは金時を朝まで寝かせるつもりはないぞと言い出す。
そんなことになるんじゃないかとは思っていたけど、普通に一緒に寝るだけじゃ我慢できないみたいだね、私と朝まで一緒に過ごそうか美雲と言って櫛灘美雲をベッドに寝かせた坂田金時。
ベッドの上で誘うように手招きする櫛灘美雲に、今度は自分から口付けをした坂田金時は深い口付けをして櫛灘美雲を攻めていく。
坂田金時に求められていることが嬉しかったのか櫛灘美雲は頬を赤く染めて喜んでいたようだ。
朝まで寝ずに2人だけで楽しい時を過ごした坂田金時と櫛灘美雲だが、櫛灘美雲だけはしばらくまともに立てないような状態になっていたらしい。
今回は一段と凄かったのうと言った櫛灘美雲は、とても満足気な顔をしていたようで、坂田金時と2人だけの時間を過ごせたことに微笑む櫛灘美雲。
ベッドに身体を横たえている櫛灘美雲に優しい口付けをしてから、それじゃあ私は先に出ていくけど、ゆっくり身体を休めるんだよ美雲と言うと坂田金時は自分の荷物を背負って部屋を出ていった。
ホテルの宿泊代は泊まる前に坂田金時が2日分を先に支払っていたので、部屋で櫛灘美雲が休んでいても問題はない。
部屋で1人残された櫛灘美雲は、共に過ごした坂田金時のことを思い出して嬉しそうに笑う。
金時は相変わらず変わらんのうと笑みを浮かべながら横たわる櫛灘美雲がまともに動けるようになるまでしばらく時間がかかりそうだった。
ダブルデートをしている最中に元ラグナレクの不良集団に絡まれていたバルキリーとフレイヤに武田一基と宇喜田孝造に白鳥かおるを見かけた坂田金時。
あの5人は見たところデートをしている真っ最中のようだし、楽しいデートを邪魔されるのは嫌だろうなと思った坂田金時は元ラグナレクの不良集団にだけ気当たりを叩き込んで気絶させる。
手加減しているとしても凄まじい気当たりを感じ取って瞬時に臨戦体勢になったバルキリーとフレイヤに武田一基と白鳥かおるだったが、武術の才能がない宇喜田孝造だけ反応が遅れていた。
坂田金時の姿を見て、あの気当たりは金時さんでしたか、突然不良達が倒れて驚きましたよと警戒を解いた武田一基に、武田の知り合いかと判断した他の面々。
せっかくデートをしているんだから荒事はない方が良いかと思ってね、とりあえず邪魔者には気絶してもらったよ、存分にデートを楽しんでくるといいと言って笑った坂田金時が悪い人ではないと思った面々は、坂田金時に感謝をしてデートを続けていく。
去っていった若人達を見ながら青春だなと頷いていた坂田金時は、始めて櫛灘美雲とデートした時のことを思い出していたようだ。
あの頃の美雲は可愛かったな、今も可愛いところはあるけどと考えながら歩く坂田金時は立ち止まると、それできみは弟子のデートが気になって隠れて見に来ていたのかなと言って視線を路地裏に向ける。
路地裏から現れたジェームズ志場は、我が輩は、そこのパチンコ屋でパチンコをしにきただけである、断じて弟子の一基がうまくいくか気になっていたわけではないのであるぞと言った。
ならパチンコをやればいいんじゃないかなと言う坂田金時に、貴殿に言われんでもそうするのであると言いながらパチンコ屋に入っていくジェームズ志場。
裏ボクシング一筋でパチンコ自体を今までやったことがなかったジェームズ志場は、パチンコ屋の店内で客がやっているパチンコのやり方を見ながら覚えて自分でもパチンコをやってみたらしい。
ビギナーズラックか初めてのパチンコで大勝ちしていたジェームズ志場は、パチンコが以外と面白いと思っていたようで、すっかりハマっていた。
景品を持って帰っていくジェームズ志場はデートで良い雰囲気になっている弟子とその仲間を見守って、頑張れ一基と弟子を応援していたが、やっぱり見守ってるじゃないかと坂田金時に言われてしまう。
貴殿は帰ったのではなかったのであるかと言い出したジェームズ志場に、暇だからあの子達を隠れて見守ってたんだよ、また不良に絡まれてたら対処しようかと思ってね、そしたら結局きみも見守ってるから話しかけてみたってところかなと言った坂田金時。
我が輩に全く気付かれることなく背後を取るとは、坂田金時の実力は間違いなく我が輩よりも上であるなと思ったジェームズ志場。
我が輩を倒した坂田金時という男を、いずれは裏ボクシングで倒してみせるのであると決意しているジェームズ志場は、だが今は、どうやって誤魔化すのかが先であるとデートしていた弟子を見守っていた事実を誤魔化そうとしていたジェームズ志場だった。
まあ、弟子が気になるのはわかるけどねと坂田金時は言ってジェームズ志場に優しい眼差しを向けていく。
ええい、そんな目で我が輩を見るのではないと言ったジェームズ志場は、パチンコ帰りにデート中の弟子を偶然見かけただけであると言い張るようだ。
ここはパチンコ屋からだいぶ離れているし、きみの家に向かう方向ではない道を進んでいるが、それはどう説明するのかなと言う坂田金時は素直になれないジェームズ志場に優しく笑いかける。
それは、その、散歩していただけであるぞ、そう、我が輩がどこを散歩しようが我が輩の自由であると言ったジェームズ志場に、じゃあそういうことにしておこうかと言って坂田金時は追及の手を緩めた。
パチンコはどうだったかなと聞いてきた坂田金時に、中々悪くはなかったであるな、景品もこんなに沢山手に入ったであると自慢気に景品を見せながらパチンコの感想を答えたジェームズ志場。
弟子に用事がある時は、またパチンコに行くの良いかもしれんのであると言うジェームズ志場は完全にパチンコを気に入っていたらしい。
初めてのパチンコで大勝ちしてすっかりハマったみたいだなとジェームズ志場を見て思っていた坂田金時は、今は弟子を育てる身なのだからギャンブルは程々にしておいた方が良いと思うがねと忠告をする。
地下格闘場で稼いでいる貴殿には言われたくない言葉であるぞと坂田金時に言ったジェームズ志場だが、しかし確かにギャンブルにのめり込む訳にはいかんな、貴殿の忠告は受け取っておくのであると言って坂田金時にジェームズ志場は背を向けた。
自宅に向かって歩くジェームズ志場に、武田くんによろしくなと言いながら坂田金時もその場を立ち去っていく。
移動した先で動の気を開放し過ぎて凶暴化した人物と遭遇した坂田金時は、とりあえずまだ弟子クラスの相手であるその人物をかなり手加減して倒す。
ハーミットによって1度倒されたが殺されてはおらず生きていた人物は既に何人か殺しているようだったので、忘心波衝撃を叩き込んで記憶を消して動の気の開放方法を忘れさせた坂田金時。
それでも一般人には危険な相手であるその人物を、弟子クラス程度に殺されることは間違いなくない友人に預けた坂田金時は再び旅に戻っていく。
旅先でやたらと強い動の気を秘めた女性を発見した坂田金時は、OLをやっているその女性の名札に書いてある名字が逆鬼であることに気付いて、逆鬼至緒と確実に関係がありそうだなと思っていた。
坂田金時が見ていることに気付いた女性が、わたしに何か用かなと問いかけてきたので、これは失礼しました、知り合いに逆鬼至緒という人がいまして、同じ名字なので何か関係があるのではと思って見ていたんですと正直に答えた坂田金時。
何だ、至緒の知り合いだったんだと言って笑ったOLの女性は、わたしは至緒の姉だよと逆鬼至緒との関係を言う。
そうだったんですね、お若く見えるので妹さんかと思っていたんですがお姉さんでしたかと言った坂田金時は自然な笑みを浮かべた。
最近会ってないけど至緒は元気かなと聞いてきた逆鬼至緒の姉に、かなり元気ですよ、酒は飲み過ぎているかもしれませんが、空手の弟子もとって今は空手を熱心に教えていますねと坂田金時は答えていく。
弟子はとらない主義とか言ってた至緒が弟子をとるようになったんだ、それで至緒の弟子はどんな子なのと興味津々な逆鬼至緒の姉。
そうですね、武術の才能は全くありませんが、誰もが見て見ぬふりするような悪に立ち向かうために武術をやっていて、大切な人を守る戦いの時こそ真の勇気を発揮する少年ですねと逆鬼至緒の弟子について語った坂田金時。
至緒なら確かに気に入るかもねと言って笑う逆鬼至緒の姉に、ちなみにその少年には逆鬼至緒殿も含めて5人の師匠がいますと坂田金時は言うと、実は少年は空手以外も教わっているんですよと言いながら穏やかな笑顔を見せた。
話が盛り上がっていたところで休憩時間そろそろ終わるからわたしは会社に戻るわねと言った逆鬼至緒の姉がメモ帳に自分の電話番号を書いて坂田金時に差し出す。
また今度話を聞きたいから連絡先渡しとくわねと言う逆鬼至緒の姉に、長い付き合いの女性が物凄く嫉妬深いので、他の女性の連絡先は絶対に受け取れませんと坂田金時は断った。
じゃあしょうがないかと言って連絡先を渡すことは諦めた逆鬼至緒の姉は、貴方とはまた会いそうな気がするからその時に話しましょうねと言いながら去っていく。
まさか逆鬼至緒殿の姉君と出会うとは、偶然の出会いというものはあるのだなと思った坂田金時。OLとして生きているようだが常人とは比べ物にならないほど強いところは、流石は逆鬼至緒殿の姉君であるといえるなと坂田金時は考えたようだ。
さて、逆鬼至緒殿の姉君と会話したことは美雲には黙っておかないといけないなと判断した坂田金時だった。