新白連合と白浜兼一に風林寺美羽がとある遊園地に向かうことを知った坂田金時は、闇がその遊園地を夜だけ貸し切りにすることも知り、YOMI達に新白連合と白浜兼一に風林寺美羽を襲わせるつもりだと判断したようだ。
活人拳の道を選んだ櫛灘千影から殺武の時が近いと櫛灘美雲が言っていたことも聞いた坂田金時は問題の遊園地に向かう。
最近新たに弟子となった櫛灘千影を連れて遊園地に来ていた坂田金時は、遊園地内に潜むYOMIの気配を感じ取っていた。
初めて来た遊園地に目を輝かせていた櫛灘千影を自由に過ごさせておき、数の多いYOMIが潜む場所を探る坂田金時。
無手組以外のYOMIも来ていることを確かめた坂田金時は、ルグの気配をよく覚えておくことにしておく。
遊園地を楽しんでいた櫛灘千影が購入したポップコーンを食べており、遊園地のアトラクションを見ながらとても楽しげな顔で歩いていた。
完全に遊園地を満喫している櫛灘千影と一緒にコーヒーカップに乗ったりもした坂田金時は、櫛灘千影に向けられた鋭い殺気に瞬時に気付いて櫛灘千影を庇う。
殺気が放たれた方向を見て女性用のスーツを着用した櫛灘美雲の姿を発見した坂田金時。
間違いなく私と一緒にコーヒーカップに乗っていた千影ちゃんに嫉妬しているなと櫛灘美雲の状態を正確に察知した坂田金時は、とりあえず落ち着きなさい美雲と櫛灘美雲に話しかけていく。
凄い殺気だったがそこまで嫉妬するようなことではないと思うが、美雲とコーヒーカップに乗ったことは何回もあるだろうと坂田金時が言うと櫛灘美雲も少し落ち着いてきたようだ。
櫛灘美雲も合流して3人で遊園地を巡ることになり、坂田金時と手を繋いで機嫌が回復した櫛灘美雲の前を櫛灘千影が歩く。
子どもを連れた夫婦に見えなくもない坂田金時と櫛灘美雲。
遊園地を歩いていく坂田金時と櫛灘美雲に櫛灘千影の3人は観覧車に乗って風景を楽しんだりして、それなりに遊園地という場所で楽しく遊んでいたようだ。
夜が近付いてきた頃にトイレで柔術着に着替えた櫛灘千影は戦闘準備が万端の状態で新たな師の前に立つ。
武器組のYOMIの姿も確認してあるから、とりあえず得物を教えておこう、小太刀が1人、大鎌が1人、薙刀が1人といったところだ、無手組のYOMIは拳聖と拳豪鬼神の弟子だけのようだな、どの相手も今のきみの実力なら問題はないと弟子に言った坂田金時。
櫛灘美雲は坂田金時と離れなければならないとわかっていても非常に名残惜しそうにしながらYOMIの戦いを見守る為に移動していく。
武器組のYOMIで1番腕が立つ小太刀使いの元へ櫛灘千影を送り届けた坂田金時は、ルグの元へと移動した。
武田一基にリベンジをしようとしているルグだが、実力差があり武田一基に押されていたルグ。
左のストレートを放つ武田一基の拳が直撃し、一瞬意識が飛びそうになりながらもルグは武田一基に挑む。
散弾リバーブローを繰り出した武田一基の攻撃で肋骨を痛めていたルグが緒方流古武術の関節技を使おうとした時に、素早く間合いを詰めた武田一基。
ルグの技よりも速く武田一基の渾身の拳が放たれ、ルグを一撃で気絶させていたようだ。
闇の九拳の1人である拳聖、緒方一神斎の弟子であるルグを倒した武田一基は他のみんなは大丈夫だろうかと移動を始める。
武田一基が立ち去ってから倒れているルグの前に現れた緒方一神斎。
ルグがこうも簡単にやられるとは、武田一基くんはジェームズ志場に随分と鍛えられているようだなと呟いていた緒方一神斎に、隙だらけだぞ緒方と話しかけた坂田金時。
瞬時に背後を振り返って身構えた緒方一神斎は完全に気配を消していた坂田金時に気付くことができていなかったらしい。
これはこれは、妖拳怪皇、坂田金時殿、わたしに何のご用ですかなと言った緒方一神斎は油断なく構える。
そろそろビッグロックにきみをご招待しようかと思ってねと言いながら坂田金時は無造作に緒方一神斎へと近付いた。
緒方流数え抜き手を放つ緒方一神斎に対して単なる身体能力だけで攻撃を避けていく坂田金時。
あらゆる力のかかった抜き手によって最後には必ず目標を貫く技である数え抜き手。
四本指の抜き手から続けて三本指の抜き手を繰り出して、二本指の抜き手から最後の一本指の抜き手を放つ緒方一神斎。
必ず目標を貫くはずの技が坂田金時には簡単に止められてしまう。
一本指の抜き手を掴まれて止められた数え抜き手は坂田金時を貫くことなく、緒方一神斎の人指し指の関節を外した坂田金時は、それでは此方も攻めるとしようと言うと拳を振るっていく。
両腕を交差して坂田金時の拳を受けた緒方一神斎は拳の威力に耐えきれずに吹き飛んだ。
坂田金時の拳を喰らった両腕が軋んでいた緒方一神斎は相変わらず凄まじい威力だと思っていたらしい。
緒方一神斎を身体能力だけで圧倒する坂田金時は、これでもかなり手加減している。
坂田金時がかなり手加減をしていなかったら先ほど振るわれた拳は緒方一神斎の交差した両腕を押し潰しながら容易く突き進み、緒方一神斎の胸部を深々と陥没させていたことは間違いなかった。
凄まじい身体能力を持つ坂田金時は手加減を忘れることはない。
坂田金時と緒方一神斎の力の差は歴然であり、まだ完成はしていない危険な技である静動轟一を使わざるをえないと判断した緒方一神斎は、静の気と動の気を同時に使って静動轟一を発動する。
静動轟一により一時的に特A級から超人級にまで自らの実力を上げた緒方一神斎。
しかしそれでも坂田金時という壁は高く、静動轟一で上昇した身体能力でも坂田金時には追いつけなかった。
坂田金時の身体能力は超人級を遥かに超えた領域に到達しており、緒方一神斎が静動轟一を極めたとしても身体能力では坂田金時に追いつけないだろう。
拳魔邪神、シルクァッド・ジュナザードのように、超人級の存在が静動轟一を極めてようやく勝負になる身体能力をしている坂田金時。
そして今現在も成長を続けている坂田金時は更に強くなっていく。
緒方一神斎がどんな技を使おうと真正面から叩き潰す坂田金時は容赦がない。
弟子を武術の発展の為なら簡単に実験台にする外道を相手にする坂田金時は弟子を持つ師として、緒方一神斎に怒りを抱いていた。
強い怒りを抱いているとしても冷静さを失うことはない坂田金時は、武術を使うことなく身体能力だけで緒方一神斎を追い詰めていく。
手加減されていることにも気付いている緒方一神斎は活人拳め、と思いながらも手も足も出ない状態に追い込まれていたようだ。
緒方流古武術が全く通用しない相手である坂田金時は、緒方一神斎にとって悪夢のような相手であっただろう。
何をしようが当たることのない緒方一神斎の攻撃。
緒方一神斎がどう動いても必ず直撃する坂田金時の攻撃の数々。
油断も慢心もなくただ冷静に緒方一神斎に攻撃を打ち込む坂田金時は緒方流古武術の技を見ながら手加減の度合いを確かめていたが、そろそろ見るべきものは見たとして終わらせようと考えていた。
全身が悲鳴を上げている緒方一神斎は静動轟一を解くことなく坂田金時に挑み続けていくが、更に速度を増した坂田金時を完全に捉えきれなくなる。
先ほどとは威力が段違いの殴打が緒方一神斎の腹部に叩きこまれていき、あまりの威力にかなりの速度で吹き飛びながら一瞬で意識も飛んでいた緒方一神斎。
吹き飛んだ緒方一神斎を回り込んで受け止めた坂田金時は、YOMIに襲われている新白連合が無事かどうか確かめにいく。
意識のない緒方一神斎を肩に担ぎながら移動していった坂田金時。
遊園地で戦うYOMIと新白連合に白浜兼一と風林寺美羽。
坂田金時が向かった先で武器組のYOMIである大鎌使いとバルキリーが戦っていて、振るわれた大鎌を避けて踵落としを大鎌使いに叩き込むバルキリーが優勢だ。
どう見てもバルキリーが押している戦い。
今のバルキリーなら特に問題は無さそうだと判断した坂田金時は戦いに介入することなく他の面々を気で探知していく。
次に移動した場所で薙刀使いと戦っているトールを発見した坂田金時は、薙刀に切られて腕に軽い切り傷を負っているトールにだけ聞こえるように助言をする。
風林寺隼人から教わった秘技である肺力狙音声で声を超音波ビームというごく狭い振動にすることで周りには聞こえない波に変えて発することで助言をして、トールの動きが良くなったことを確認してから立ち去った。
更に移動を続けてバーサーカーと白浜兼一の戦いを見た坂田金時は武術ではない無型の動きを見せるバーサーカーの才能と、今まで積み重ねてきた白浜兼一の努力の結晶である武術がぶつかり合う姿に才能対努力の戦いかと考えていたようだ。
今の兼一くんなら問題はないだろうと判断した坂田金時は他の面々を見に行くことにしたらしい。
互いに動の気を開放したアタランテと風林寺美羽の戦いは、風林寺美羽の圧倒的な勝利に終わったようで気を失ったアタランテが無事であるか確認した風林寺美羽は、ゴールドの靴ですわと金が仕込まれたアタランテの靴を嬉しそうに抱きかかえる。
まあ、問題は無さそうだと思った坂田金時は戦利品を手に入れている風林寺美羽を遠い目で見てから移動していった。
特A級の達人であるジークフリートにハーミットが敵うわけがなく敗北したハーミットを肩に担いだジークフリートは新島の護衛をしていたようだ。
1番弟子であるジークフリートの心配は特にしていなかった坂田金時は、一応ジークフリートの無事を一目だけチラッと確認してから遊園地内で戦っている小太刀使いと櫛灘千影の元に向かう。
小太刀を振るう小太刀使いを相手に距離を詰めた櫛灘千影は対武器も想定した修行も積んでおり、小太刀を相手に退くことなく前に出ると相手の小太刀を持つ手を掴んで重心の配分を見切ると瞬時に投げていく。
コンクリートに叩きつけられた相手が肺から強制的に吐き出された息を吐いている内に再び掴んだ櫛灘千影。
再度の強烈な投げが小太刀使いを襲った。
殺人拳の修行を受けていた櫛灘千影は現在活人拳の道を選んでいるが手加減が少し苦手なようで、何の関わりもない敵を相手にすると少しやり過ぎてしまうようだ。
流石にこれ以上は小太刀使いが死ぬと判断した坂田金時は櫛灘千影を止めることにしたらしい。
新たな師に止められた櫛灘千影は、少しやり過ぎましたと反省をしていたので次からは気をつけようかと言い聞かせた坂田金時。
スロースターターである白浜兼一であるがバーサーカーは戦いを楽しんでいるようで、白浜兼一が本調子になるまで全力で攻めることはなかった。
バーサーカーの放つ鋭い攻撃を流水制空圏で受け流した白浜兼一。
面白いと思ったバーサーカーは攻め続けて動の気迫だけで流水制空圏のしかけを弾く。
気の流れが不安定なバーサーカーは動の気の開放は遠いが、動の気の潜在力は高いようだ。
流水制空圏を発動させる前に弾かれた白浜兼一はバーサーカーの裏拳を伏せて避けると足払いを繰り出す。
飛び退いて足払いを回避したバーサーカーは瞬時に間合いを詰めて拳を打ち下ろした。
真剣白浜取りと言いながらバーサーカーの拳を両手で挟み込むように受け止めた白浜兼一は、体勢を変えてバーサーカーを投げると地面に叩きつけようとする。
投げられながら身を翻したバーサーカーは足から着地するとその体勢から蹴りを放つ。
バーサーカーの型にはまらない無型の動きは滑らかであり、緒方流古武術の稽古だけを積んでいる成果が現れていたようだ。
天才めと思いながらもバーサーカーに怯まずに立ち向かっていく白浜兼一。
梁山泊に鍛えられた白浜兼一は武術の才能がなくともバーサーカーと互角に戦えていた。
変幻自在の無型の動きで白浜兼一を攻めるバーサーカーは止まらない。
バーサーカーの猛攻を避けていく白浜兼一は、戦いの中でも心を静めていく。
連綿と続く攻防の中、防御こそしているが意識下より外れ孤立している所、それを孤塁と呼ぶ。
白浜兼一という武術家の基礎は下半身であり、すなわち足と腰。
バーサーカーの孤塁を見抜いた白浜兼一は前に出る。
白浜兼一の蹴りをガードしたバーサーカーだが、脚力が並外れている白浜兼一の蹴りはバーサーカーのガードをぶち抜いて孤塁という打点に真っ直ぐつぎ込んだ。
弟子クラスでは凄まじい威力の孤塁抜きという蹴りを喰らったバーサーカーは、なんとかそれでも立ち続けていたが受けたダメージは甚大であった。
なりふり構ってられる場合じゃねぇかと言ったバーサーカーはバーサクモードを発動。
アドレナリンの多量分泌で痛みを感じなくなったバーサーカーは白浜兼一に襲いかかっていく。
放たれたランダムでリズムが読めない突きは速く、左で殴りかかったかと思えば右の拳が振るわれて型もなく流れもない錯覚を起こさせる突き。
発動したバーサクモードで速度が上がったバーサーカーの激しい連続攻撃を避けていった白浜兼一。
バーサーカーに突きの変化を行わせない為に間合いを詰めた白浜兼一は、小さく前にならえと言って揃えた両手をバーサーカーの腹部に当てると無拍子を放つ。
孤塁抜きに加えて無拍子という必殺の突きを喰らったバーサーカーは流石に意識が飛んでいたようで、遂に倒れ込んだ。
勝利した白浜兼一は他の皆は大丈夫かと心配になって駆け出していく。
大鎌使いの動きを完璧に見切ったバルキリーは大鎌使いの顔面にめり込むような蹴りを叩き込んで気絶させた。
やったぜキサラと喜ぶ宇喜田孝造は決着した戦いに安心していたようだ。
そんなバルキリーと宇喜田孝造の近くでは、オーディンの車椅子の車輪に腕を挟まれたフレイヤの姿がある。
動きを止められているフレイヤと戦う気はないオーディン。
さっさとフレイヤ姉を離しなオーディンと言って構えたバルキリーに、そろそろいいかなと言いながらフレイヤを解放したオーディンは車椅子で走り去っていく。
車椅子にしてはかなりの機動力を見せて瞬く間に立ち去ったオーディンを思わず呆然と見ていた宇喜田孝造の腹に、軽く肘打ちを入れてしっかりしな宇喜田とバルキリーは言う。
武器組のYOMIである薙刀使いを相手に1歩も退くことなく対武器のアドバイスを坂田金時から受けたトールは前に出た。
振るわれた薙刀の刃を両手で挟み込むようにして受け止めたトールは怪力で刃をへし折ると、鬼張り手で薙刀使いを張り飛ばす。
鬼張り手で怯んだところに更に距離を詰めたトールはぶちかましで薙刀使いを完全に失神させたようだ。
オーディン以外の全てのYOMIが倒されたことを見て回っていた櫛灘美雲は、ふむ、残念じゃが殺武の時は失敗じゃな、活人拳が相手であるから死人は出ておらぬが敗北で折れるものがでなければよいがのうと考えていた。
YOMIの回収は闇に任せて立ち去ろうとした櫛灘美雲は、どうやら金時は拳聖を倒したようじゃな、闇の九拳がまた減るかと坂田金時を見ながら思っていたらしい。
ビッグロック送りになった緒方一神斎は直ぐに脱走したようで、特A級の達人を閉じ込めておくことはビッグロックでは不可能のようだ。
闇によって回収されたハーミット以外のYOMI達は師の元で更なる修行をしていく。
ジークフリートに倒されて捕まったハーミットはジークフリートの豪邸で友情について語られる日々をしばらく過ごすことになったらしい。
解放されたハーミットは物凄く疲れきっていたようだが師である拳豪鬼神の元で修行する時は手を抜くことはない。
放浪癖がある拳豪鬼神、馬槍月が珍しく一ヶ所に留まって弟子であるハーミットの修行を見ていた。
達人となっている坂田金時の弟子に負けたかと言った馬槍月に対して悔しさを滲ませながら、ああ、そうだと頷いたハーミット。
今のお前では達人に勝てんのは当然だと言い切った馬槍月に、わかってると頭では納得していたが心は悔しさに満ちているハーミットは拳を強く握り締める。
生きているなら終わりではない、敗北すらも糧にして強くなれと弟子に言った馬槍月に、いずれあんたを倒せるくらい強くなってやると力強く言ったハーミットは、次の修行は何だ不良師匠と聞いた。
基礎を積み重ねてから新しい修行に入るぞと言いながら酒が入った瓢箪に栓をした馬槍月。
修行を続けるハーミットは基礎鍛練を疎かにすることはない。
新たな修行をすることになったハーミットは馬槍月に連れられて、現在のハーミットよりも少し上の実力の相手と戦うことになる。
実戦を積み重ねていくハーミットは確実に実力を上げていったようだ。
櫛灘千影を連れてジークフリートの元に向かった坂田金時は1番弟子に新たな弟子を紹介した。
活人拳の道を選んだ櫛灘千影を見て、そうですか、貴女は自分で進む道を選んだのですねと微笑んだジークフリート。
迷いのない素晴らしいメロディーを感じます、新たなメロディーを思いつきましたよと言いながら紙に羽根ペンでメロディーを書いていくジークフリートは手が止まらない。
そんな1番弟子には慣れている坂田金時は、彼が作曲している間は邪魔しないようにして私と話していようかと櫛灘千影に提案する。
師匠の坂田金時とお菓子について話していた櫛灘千影は、以前坂田金時が作ってくれた果物を使って砂糖を全く使わないで作る菓子が美味しかったことを子どもらしい顔で眩い星のようにキラキラと目を輝かせて語った。
また作ってくれますよね金時師匠と言った櫛灘千影に、そうだね、今度また作ろうかと言って頷いた坂田金時。
材料の果物は一緒に買いに行こうか千影ちゃんと言う坂田金時に、はい金時師匠と笑顔で頷いた櫛灘千影。
会話をしていた坂田金時と櫛灘千影の師弟の近くで思いついたメロディーを書き出して作曲していたジークフリートが動かす手がようやく止まったようだ。
新たな曲が完成しましたよ、曲名は少女の選んだ道に決めました、それでは我が師よ、一緒にこの曲を演奏してみませんかと言い出したジークフリート。
差し出された紙に書かれた曲を見て覚えた坂田金時はバイオリンをケースから取り出すとジークフリートと共に演奏を始めていく。
音楽家としても才能に溢れているジークフリートが作曲した曲は素晴らしい曲であった。
坂田金時とジークフリートの素晴らしい演奏を瞼を閉じて集中して聴いていた櫛灘千影は、金時師匠と兄弟子の演奏はとても良いなと思っていたらしい。
演奏が終わってから拍手をした櫛灘千影に、ジークフリートは、貴女に楽しんでいただけたようで何よりですと言って笑う。
それを見て弟子達はうまく交流できているみたいだなと思った坂田金時は安心していた。
櫛灘千影とジークフリートで組手をしてみることになり、櫛灘流柔術と変則カウンターの戦いとなったが、特A級の達人であるジークフリートには妙手である櫛灘千影では敵わない。
手加減したジークフリートが櫛灘千影を導くように相手をすることになる。
始めて戦う非常に変則的なカウンターの使い手に、こんな武術もあるのかと思った櫛灘千影。
まだまだ達人への道は遠い櫛灘千影には良い経験になったジークフリートとの組手。
完全に疲れきった櫛灘千影と体力をほとんど使っていないジークフリート。
特A級の達人と妙手では体力にもかなり差があるようだ。
1番弟子であるジークフリートに感謝をした坂田金時は、疲れてふらついている櫛灘千影を背負うとジークフリートの豪邸から立ち去っていく。
我が師に任せれば少女が歩む道を踏み外すことはないでしょうと確信していたジークフリートは、師匠である坂田金時をとても信頼している。
背負った櫛灘千影を揺らさないようにゆっくり歩いていく坂田金時は、疲れただろうから寝ていても構わないよと優しく櫛灘千影に言い聞かせた。
坂田金時の背で寝始めた櫛灘千影は完全に熟睡してしまう。
昔はこうしてよく美雲を背負って家まで運んだなと思い出していた坂田金時。
櫛灘家までの道を進んでいく坂田金時は、とても穏やかな気持ちで背負った櫛灘千影を運んでいく。
櫛灘家に到着して合鍵で玄関を開けた坂田金時は櫛灘千影の靴を脱がさせてから部屋まで運んだ。
自分の部屋でようやく起きた櫛灘千影は寝ぼけていて、坂田金時の服を掴んで離さない。
そして坂田金時の服をしっかりと掴んだままの状態で再び寝始めた櫛灘千影。
強引に外すと起こしてしまうかなと考えた坂田金時は、とても気持ちよさそうに寝ているから起こすのは抵抗があるなと思ったらしい。
坂田金時なら起こすことなく手を外すことも不可能ではなかったが、まあ、今日は暇だから自然に起きるまで待っていようと考えた坂田金時。
それから櫛灘千影が起きるまで待っていた坂田金時は、4時間くらいそのままだったが特に疲れることはなかったようだ。
起きた櫛灘千影は寝ぼけて坂田金時の服を掴んでいたことに気づいて恥ずかしそうに顔を赤らめながら、すいませんでしたと師匠である坂田金時に謝る。
気にしなくていいよ、と言って優しい顔で笑った坂田金時は特に気にしてはいなかった。