櫛灘美雲の幼なじみになった転生者   作:色々残念

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第35話、櫛灘流柔術

現在の櫛灘流柔術の使い手は櫛灘美雲と坂田金時に櫛灘千影だけであり、この3人以外には櫛灘流柔術を使うものはいない。

 

基本的な柔術の使い手は技3、力7で捌くが、櫛灘流柔術の神髄は技10、力0という特に技を重視したものとなっており、全く力を使わずに技だけで相手を軽々と投げることを可能とする流派こそが櫛灘流柔術だ。

 

櫛灘美雲から殺人拳としての櫛灘流柔術を教わっていた櫛灘千影は急所を狙う技もしっかりと覚えていたが、活人拳の道を選び、坂田金時に活人拳としての櫛灘流柔術を学ぶことになった櫛灘千影は急所攻撃を使うことは禁止にされることになった。

 

活人拳の櫛灘流柔術では今まで使えていた危険な技も幾つか使えなくなったが、その代わりに新しい技を坂田金時に教わった櫛灘千影。

 

新たな技を使いこなす為に現在の師匠である坂田金時の元で櫛灘流柔術の修行に励む櫛灘千影は、充実した日々を過ごしている。

 

対武器を想定した修行は、鋭い日本刀が何本も吊るされて塞がれた道を日本刀に切られることなく、櫛灘流柔術の体捌きで日本刀を押し退けながら進むというもので、櫛灘千影は心を乱さずに道を進みきったようだ。

 

身体も服も切られることはなかった櫛灘千影は活人拳の道を歩むと決めてからは、心が以前のように揺らぐことはない。

 

殺人拳の櫛灘流柔術を妙手に到達するまで学んでいた櫛灘千影は、活人拳の櫛灘流柔術も直ぐに身につけることができたが、まだまだ手加減を調整する必要があるだろう。

 

以前遊園地で戦ったYOMIの小太刀使いにあまり手加減ができていなかった櫛灘千影は危うかった。

 

活人拳の師匠として弟子に人を殺させるわけにはいかないと考えている坂田金時は、殺気を放つ相手にも手加減できるように櫛灘千影を鍛えていく。

 

殺人拳と活人拳、2つの櫛灘流柔術を学んだ櫛灘千影は、完全に殺人拳の櫛灘流柔術を捨てることはなく、使える技は使っていくつもりらしい。

 

師匠である坂田金時にちゃんと相談して使ってもいい技なのか確認する櫛灘千影。

 

殺人拳の櫛灘流柔術から使っても構わない技を櫛灘千影に教えていく坂田金時。

 

手加減すれば相手を殺すことのない技なら使っても問題はないと判断している坂田金時は、だからこそ完璧な手加減を覚えさせないといけないと考えていたようだ。

 

相手を殺さずに無力化する活人拳の櫛灘流の技も直ぐに覚えた櫛灘千影は優秀で、手加減も形になってきていた。

 

櫛灘千影がYOMIの小太刀使いにあまり手加減できていなかったのは、小太刀使いの殺気に反応していたかららしい。

 

殺気を放つ坂田金時を相手に手加減した櫛灘流柔術を使うことができた櫛灘千影は、活人拳の武術家として前に進む。

 

坂田金時の殺気に慣れた今の櫛灘千影なら、殺気を放ってきた相手にも手加減を失敗することはないだろう。

 

櫛灘流柔術を受け継ぐ相手として千影を選んだ櫛灘美雲は、養子として千影を引き取り櫛灘の名字を与えた。

 

そして殺人拳としての櫛灘流柔術を教えてきたが決して弟子である櫛灘千影を武術を使うだけの人形にすることはない櫛灘美雲は、弟子の心を殺さずに育て上げていく。

 

殺人拳か活人拳か、どちらかの道を弟子が自分で選べるようにした櫛灘美雲。

 

櫛灘流柔術が受け継がれていくなら櫛灘美雲は弟子の櫛灘千影がどちらを選んでも問題はないと考えていたようだ。

 

櫛灘美雲だけと接していた頃の櫛灘千影は殺人拳以外の道は考えていなかったが荒涼高校で日常を経験して、様々な人と交流した櫛灘千影は迷いながらも活人拳の道を選ぶ。

 

弟子の選んだ道を否定することはない櫛灘美雲は活人拳の師として坂田金時を紹介して弟子を後押ししていく。

 

新たな師である坂田金時は元々交流があった相手であり櫛灘千影は新しい櫛灘流柔術の師匠を直ぐに受け入れることができたらしい。

 

櫛灘千影は住居である櫛灘家を追い出されることなく、これからも住み続けても構わないと櫛灘美雲から許可されている。

 

櫛灘美雲に生活費や食費も渡されていて高校の学費も支払ってもらっている櫛灘千影は養われていた。

 

櫛灘千影が櫛灘流柔術を極めて達人となる日を櫛灘美雲は待っているのだろう。

 

櫛灘千影が順調に育つ為に必要なものは、延年益寿に影響がある大量の砂糖を使っている飲食物以外なら何であろうと用意するつもりでいる櫛灘美雲。

 

しかし櫛灘千影の新たな師である坂田金時が必要なものは用意しているので、櫛灘美雲の出番はあまりない。

 

櫛灘美雲が用意したものの中で、1番櫛灘千影の修行に役立っているものは広い道場である。

 

坂田金時とよく道場で櫛灘流柔術の修行をしている櫛灘千影は、組手と基礎鍛練をしっかりと行っていた。

 

日々続けてきた坂田金時との修行で妙手の中でもかなり達人寄りとなっていた櫛灘千影。

 

達人への道が近付いている櫛灘千影は、静の気を開放することはできているようだ。

 

櫛灘千影は妖拳怪皇と呼ばれて恐れられている坂田金時という男の弟子育成能力の高さを毎日実感していたらしい。

 

坂田金時に育てられて日々上昇していく自分の実力を知り、師としても美雲師匠より金時師匠の方が上かもしれないと思った櫛灘千影は、櫛灘流柔術を更に磨いていく。

 

修行の日々は櫛灘千影にとっては苦痛ではなく、素晴らしいものとなっていた。

 

坂田金時が行う的確な指導で進むべき活人拳の道を歩んでいく櫛灘千影は不安を感じることはない。

 

静のタイプの武術家として、己の心を静めて櫛灘流柔術の技を使う櫛灘千影。

 

戦いの中では心が乱れることはなくなっている櫛灘千影は常に冷静さを保つことができるようになっている。

 

完成された静の武術家に近くなっていた櫛灘千影だが、日常生活では心が乱れることもあるようだ。

 

櫛灘家で一緒に生活している坂田金時が櫛灘千影のその姿を見ることになり、よく顔を真っ赤にした櫛灘千影に謝られることになる坂田金時。

 

そんな櫛灘千影の一面で色々とあっても特に気にしてはいない坂田金時は子どもにはとても優しい。

 

櫛灘千影が櫛灘流柔術を受け継ぐ存在であるから櫛灘美雲は、坂田金時と一緒に生活していることを許していた。

 

特に櫛灘流柔術を受け継ぐ相手ではない女が坂田金時と一緒に生活しようとしていたら櫛灘美雲は間違いなく女を殺しに行くだろう。

 

櫛灘美雲の坂田金時への執着は長い年月を経てとてつもないものとなっており、坂田金時を独占したいという気持ちがかなり強くなっている。

 

坂田金時を愛していることは確かだが、想いが強すぎる櫛灘美雲。

 

幼い頃から共に過ごしてきた坂田金時と櫛灘美雲は、櫛灘流柔術の秘法である延年益寿によって老いることのない若々しい身体で生きており、相思相愛であった。

 

これまで長く生きてきて櫛灘美雲以外にも守りたい大切な人が増えた坂田金時。

 

1番大切な人が坂田金時である櫛灘美雲は、いつもいつも坂田金時のことばかりを考えているようだ。

 

坂田金時と櫛灘美雲の櫛灘流柔術は活人拳と殺人拳で違いがあり、共通している技もあるが全く別の技もあるらしい。

 

互いに選んだ道によって同じ流派の柔術を学んでいても違っている技。

 

殺さずに倒す為の技と確実に殺す為の技は明らかに違っていた。

 

手加減が絶対に必要な活人拳の技と、手加減が不要である殺人拳の技は威力が全く違う。

 

殺傷力は殺人拳の技が高いのは当たり前であり、活人拳の技は相手よりも実力で上回っている必要がある。

 

相手を殺さずに倒すという枷を背負っているからこそ活人拳の道は容易いものではないのだ。

 

櫛灘千影が選んだ活人拳の道は確実に険しいものであるが、活人拳としての櫛灘流柔術を学んだ櫛灘千影は迷うことなく戦っていくことは間違いない。

 

今日も修行を終えた櫛灘千影は部屋でしばらく休むことにして、秘密の隠し場所にしまっておいた菓子の本を取り出して読み始めた。

 

夢中で菓子の本を読んでいる櫛灘千影は、数多の菓子の写真に目を輝かせながら、その菓子を食べてみたいと思っていたらしい。

 

集中して菓子の本を読む櫛灘千影の部屋の前に来た坂田金時は櫛灘千影を呼んだ。

 

菓子の本を隠し場所にしまった櫛灘千影が部屋から出てくると、何ですか金時師匠と言って坂田金時の前に立つ。

 

新作の菓子ができたから食べるかと思って呼びにきたんだと言った坂田金時に、さあ、行きましょう、菓子が置いてある場所にと言い出した櫛灘千影。

 

じゃあ行こうか千影ちゃんと笑った坂田金時に、着いていく櫛灘千影は、どんな菓子だろうと思っていたようだ。

 

到着した食卓に置かれていた菓子は櫛灘千影が食べてみたいと考えていた菓子であり、食べていいですか金時師匠と櫛灘千影は言う。

 

砂糖は使っていないから食べても構わないよと言って、食卓に置かれた菓子の前に櫛灘千影を座らせた坂田金時。

 

フォークを使って菓子を食べていく櫛灘千影は、子どもらしい顔で、とても嬉しそうな笑顔を見せていた。

 

夢中で菓子を食べていた櫛灘千影のフォークが止まることなく動いて、菓子が口の中に消えていく。

 

砂糖を使っていなくても果物だけで甘みを加えた菓子は美味しかったようで、櫛灘千影は満足していたみたいだ。

 

しかし最後の一口を食べ終えた櫛灘千影が悲しそうな顔をしていたので、おかわりもあるよと言った坂田金時は用意していた菓子を持ってくる。

 

再び笑顔になった櫛灘千影は菓子を作ってくれた坂田金時に感謝をして菓子を食べていき、おかわりもして合計で8個の菓子を食べていた。

 

完全に満腹になるまで菓子を食べた櫛灘千影には、もう夕飯は入らないだろうと考えていた坂田金時。

 

明日はちゃんとご飯も食べられるようにするんだよと櫛灘千影に言い聞かせていた坂田金時は、少し甘やかし過ぎてしまったかなと反省していたらしい。

 

翌日の朝、朝食を用意した坂田金時は櫛灘千影を起こしに行って寝ぼけた櫛灘千影に抱きつかれて噛まれることになったりもしたが気にしてはいなかった。

 

どうやら夢の中で櫛灘千影は巨大な菓子に抱きついてかじっていたようで、だから寝ぼけた櫛灘千影がそんな行動をしていたようだ。

 

目が覚めた櫛灘千影は自分の行動を悟って恥ずかしい気持ちになりながら師匠に謝ることになる。

 

顔を真っ赤に染めて、すいませんでしたと頭を下げる櫛灘千影の頭を撫でて、私は気にしていないから大丈夫だよと言った坂田金時。

 

自分に子どもがいたらこんな感じだろうかと思っている坂田金時は櫛灘千影には、とても優しい。

 

坂田金時の暖かく包み込むような優しさに櫛灘千影は安心感を感じていた。

 

武術の師としては厳しいがそれ以外では優しさに溢れている坂田金時を櫛灘千影は慕う。

 

朝食を食べて高校に向かっていく櫛灘千影を見送ってから、掃除と洗濯をした坂田金時の元へやってきた櫛灘美雲。

 

茶を出した坂田金時に近付いてきた櫛灘美雲は坂田金時の胸板に頭を当てると、坂田金時に抱きついた。

 

殺武の後始末が長引いてしばらく金時に会えなかった分を補充しなければのうと言いながら坂田金時の胸板に頬擦りをする櫛灘美雲は物凄く嬉しそうな顔をしていたようだ。

 

千影は問題ないかと聞いてきた櫛灘美雲に、武術家としては進歩しているよと答えた坂田金時。

 

それならよいが、久しぶりに二人きりになったからにはのう金時と言って櫛灘美雲は瞼を閉じて顔を坂田金時に向ける。

 

櫛灘美雲が何をしてほしいのか理解している坂田金時は迷うことなく口付けをした。

 

深い口付けを求めていた櫛灘美雲に応えた坂田金時は、満足するまで口付けをしていく。

 

ようやく重なりあっていた顔が離れた坂田金時と櫛灘美雲の両者は布団がある部屋にまで移動していったようで、口付けだけでは止まることはない。

 

櫛灘千影が帰ってくるギリギリまで二人だけの時間を過ごしていた坂田金時と櫛灘美雲。

 

色々と洗い流す為に二人一緒に風呂に入った坂田金時と櫛灘美雲は互いの身体を洗い合う。

 

さっぱりとしてから櫛灘家を去っていった櫛灘美雲は肌が艶々していたようだ。

 

高校から帰ってきた櫛灘千影は出迎えてくれた坂田金時に、ただいまです金時師匠と言って笑った。

 

おかえり千影ちゃんと言った坂田金時も笑顔で櫛灘家に櫛灘千影を招き入れていく。

 

坂田金時と一緒に暮らすようになってから更に表情が豊かになった櫛灘千影は、戦いの時と普段の生活の時とで切り替えるようになっていたらしい。

 

戦いの時は何があろうと冷静に心を静めて乱さない櫛灘千影。

 

普段の生活の時は、色々な刺激に素直に反応する子どものような状態となっている櫛灘千影の変化を白浜兼一は、しっかりと気付いていた。

 

花を育てている時も自然な笑顔を見せてくれるようになった櫛灘千影に喜んだ白浜兼一。

 

活人拳の道を選んだと言った櫛灘千影に驚いていたが、よかったと思った白浜兼一は、この子は闇に染まらないでいてくれたんだと安心したようだ。

 

今は金時師匠に世話になっていると言った櫛灘千影に、今度ボクも遊びに行っていいかな久しぶりに金時さんにも会いたいしと白浜兼一は言う。

 

連れてきてもいいと金時師匠は言っていたから別に構わないと白浜兼一の提案を了承した櫛灘千影。

 

そんな約束をしたことを師匠である坂田金時に伝えた櫛灘千影に、客人に用意する茶と茶菓子が必要だなと言いながら財布を用意する坂田金時。

 

買い物に言ってくるけど千影ちゃんは、どうするかなと聞いた坂田金時に、わたしの客なのでわたしも買い物を手伝いますと櫛灘千影は答える。

 

じゃあ一緒に行こうか千影ちゃんと言った坂田金時は櫛灘千影を連れて買い物に出かけていった。

 

とても仲良く二人で一緒に買い物をしていく坂田金時と櫛灘千影は、まるで親子のように見えていたらしい。

 

買うものを買って帰ってきた二人は、冷蔵庫や戸棚に買ったものをしまっていく。

 

必要な買い物が終わってから師匠である坂田金時と一緒に櫛灘流柔術の修行をしていく櫛灘千影。

 

日々修行を欠かすことはない櫛灘千影は一歩一歩確実に達人へと続く道を進んでいたようだ。

 

かなり達人寄りの妙手である櫛灘千影は何かきっかけがあれば達人になれるかもしれないところまで来ている。

 

そのきっかけを作る為に、とてつもなく手加減した坂田金時と組手をすることになった櫛灘千影は、全力を出して坂田金時に立ち向かっていった。

 

何をしようが通用しない坂田金時という高い壁に挑んでいく櫛灘千影は止まらない。

 

体力が続く限り挑み続けていた櫛灘千影は気の掌握を掴みかけていたようで、進歩している自分を理解していた櫛灘千影。

 

そしてついにその時は来て、気の掌握に至っていた櫛灘千影は達人に辿り着く。

 

妙手の殻を破り達人となった櫛灘千影は物凄く喜んでいて、満面の笑みを浮かべていたらしい。

 

おめでとう千影ちゃん、ついに達人に到達したねと弟子を祝福する坂田金時。

 

お祝いに今日は豪勢な食事を作ろうと思った坂田金時は、献立を何にするか考えていた。

 

弟子である櫛灘千影に、達人になったとしても終わりではないからこれからも修行は続けようねと言った坂田金時は弟子のことを考えていたようだ。

 

もちろんですと頷いた櫛灘千影は日々行う修行の大切さをよく理解している。

 

とりあえず今日は、これで修行は終わりになるから、しばらく休憩して夕食にするとしようかと坂田金時は言った。

 

弟子が達人となった祝いとして豪勢な夕食を作った坂田金時は食卓に様々な料理を並べていく。

 

どれでも好きなものを好きなだけ食べていいよと言って笑った坂田金時に、こんなに沢山の料理を作ったんですねと言う櫛灘千影。

 

坂田金時が作った様々な料理を少しずつ食べていった櫛灘千影は、どれも美味しいです金時師匠と笑顔を見せる。

 

全ての料理を少しずつ取り分けて食べた櫛灘千影は、満腹に近付いていたが、デザートもあるけど食べるかいと坂田金時に聞かれて、食べますと迷わず答えた。

 

どうやら櫛灘千影にとって師匠である坂田金時が作るデザートは別腹であったらしい。

 

用意されていた果物を使った特製のデザートを食べた櫛灘千影は至福といった表情をしていたようだ。

 

そこまで美味しそうに食べてくれるならデザートを作っておいて良かったと思えるなと頷いた坂田金時。

 

残っていた料理を全て残らず完食した坂田金時は空になった皿を手早く下げていく。

 

デザートを食べ終えた櫛灘千影の皿も回収した坂田金時は皿を丁寧に洗っていった。

 

手伝いましょうか金時師匠と言ってきた櫛灘千影に、座って休んでいていいよと言いながら坂田金時は皿を洗う。

 

丁寧に洗い終わった皿に付いている水滴を拭いて皿をしまっていく坂田金時は手慣れていて、まるで主夫のようであり、妖拳怪皇という異名を持つ武術家だとはとても思えない姿を見せているようだ。

 

弟子である櫛灘千影と過ごす日常でそんな穏やかな姿を見せていても戦いとなれば超人級すらも超えている実力を見せていく坂田金時は、とてつもない。

 

しっかりと歯を磨くように櫛灘千影に言った坂田金時は、自分も歯を磨いてから布団を敷いて横になるとこれからの櫛灘千影の修行をどうするか考えていく。

 

達人に到達しているなら、とりあえずこれまで以上に厳しい修行にしておかなければなと弟子の修行内容を考えた坂田金時。

 

響くんほど頑丈ではないから、身体を壊さないように気をつけなければいけないなと坂田金時は思っていた。

 

明日は櫛灘千影が通っている高校が休みであるので丸一日修行をすることになっているが、ペース配分は考えなければいけないなと思う坂田金時は休憩時間が必要になるなと判断する。

 

色々と考えてから眠りに入った坂田金時は、しばらく寝ていたが部屋に入ってきた気配を察知して起きたようだ。

 

どうやら寝ぼけた櫛灘千影が自分の部屋と間違えて入ってきていたらしい。

 

そのまま坂田金時の布団に入ってきた櫛灘千影は、坂田金時に抱きついて寝てしまったが、流石にこれはまずいと思った坂田金時によって部屋まで運ばれていく櫛灘千影。

 

完全に眠っている櫛灘千影は起きることなく気持ち良さそうに寝ていたので、運ばれている最中に起きることはなかった。

 

櫛灘千影の部屋の布団に櫛灘千影を寝かせてから立ち去った坂田金時。

 

流石に一緒に寝たことが美雲にバレたら千影ちゃんが危険だからなと思った坂田金時は、このことは誰にも内緒にしておこうと考えていたみたいだ。

 

そんなことがあった翌日に櫛灘千影を起こしに行った坂田金時は寝ぼけた櫛灘千影に飛びかかられることになったが、容易く受け止めておく。

 

受け止められて自分が寝ぼけていたことに気付いた櫛灘千影。

 

櫛灘千影は夢の中で車と同じ大きさである巨大なマシュマロに飛び込む夢を見ていたらしい。

 

恥ずかしさで顔を赤くする櫛灘千影が謝ってきたところで、私は大丈夫だから顔を洗ってきなさいと優しく言った坂田金時は微笑む。

 

走り出した櫛灘千影が素早く顔を洗ってきたところで、食卓に用意されていた朝食。

 

いただきますと言ってから食事を始めた坂田金時と櫛灘千影は、静かに朝食を食べる。

 

朝食を食べ終えた坂田金時と櫛灘千影は腹がこなれるまで会話をすることになった。

 

話す内容は高校での出来事であったり、武術家として武術に関するものであり、櫛灘千影が大好きな菓子に関係があることであったりもしたようだ。

 

色々と話してみたところで武術よりも菓子の話に食い付いていた櫛灘千影に、本当に菓子が好きなんだなと思った坂田金時。

 

会話が終わりになり朝から櫛灘流柔術の修行をしていく櫛灘千影は達人に至ってできるようになったことを確かめていく。

 

静の気の掌握を行った櫛灘千影は達人として櫛灘流柔術を極める為に修行に励んだ。

 

基礎鍛練もしっかりと行ってから坂田金時との激しい組手を始めていく櫛灘千影。

 

遥かに格上の櫛灘流柔術の使い手と戦う櫛灘千影は、自らを研ぎ澄ます。

 

そびえ立つ坂田金時という高い壁に怯まず挑んでいく櫛灘千影は冷静さを失うことはなく、静の極みである流水制空圏に似た櫛灘流柔術の技で坂田金時と流れを合わせようとしたが弾かれてしまった。

 

それでも諦めることはない櫛灘千影は坂田金時に立ち向かい続けていく。

 

師匠である坂田金時と行う櫛灘千影の修行は、これからも続いていくだろう。

 

坂田金時と櫛灘千影の修行を遠くから見ていた櫛灘美雲は、どうやら千影は達人級に至っておるようじゃなと微笑む。

 

金時は、しっかりと千影のことを櫛灘流柔術で鍛えておるようじゃのうと頷いた櫛灘美雲。

 

千影を金時に任せたのは正解だったのう、あそこまで進歩しているとは相変わらず金時の育成能力は高いと思った櫛灘美雲は櫛灘流柔術を受け継ぐ存在に期待していたようだ。

 

問題は千影が金時に惚れてしまわないかというところじゃなと真剣に考えていた櫛灘美雲は、修行中の櫛灘千影を凄い目で見る。

 

かつての師匠にそんな目で見られているとは知らずに坂田金時に立ち向かう櫛灘千影。

 

金時と千影は随分と親しくなっておるようじゃな、単なる親愛で済めばよいがと思った櫛灘美雲は、櫛灘流柔術を受け継ぐ相手を殺したくはないんじゃがのうと考えていた。


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