いつも通りの日常を過ごしていた梁山泊に鷹が飛んできたようで、鷹の足には手紙が結ばれている。
風林寺隼人への世直しの依頼が書かれていた手紙を見て、装備を整えた風林寺隼人は直ぐに戻ると言って梁山泊を出ていった。
走り出した風林寺隼人が偶然坂田金時を発見して、わしの居ぬ間の梁山泊を気にかけておいてくれぬかと頼まれた坂田金時。
任せておいてくれと了承した坂田金時に、かたじけないと言った風林寺隼人は走り去っていく。
隼人が私に頼みごとをするのは鳥獣戯画以外だとあまりないから珍しいなと思っていた坂田金時は、風林寺隼人が居ない間の梁山泊を守ることを決めていたようだ。
梁山泊に住まう人々の気配を探れる位置にしばらく待機しておこうと考えていた坂田金時は、場所を確保していたらしい。
風林寺隼人が世直しの旅に出て1週間が過ぎ、何の音沙汰もないことを心配していた梁山泊の面々。
久遠の落日を成功させる為に風林寺隼人を島に足止めする八煌断罪刃頭領、世戯煌臥之助。
風林寺隼人と同じく超人級である世戯煌臥之助を相手に苦戦している風林寺隼人は1週間休憩も睡眠も取ることなく互いに隙をついて栄養を補給して戦いを続けていた。
闇の九拳が政府の重要施設に現れるという情報を本巻警部から入手した梁山泊。
警察には闇の九拳の警備にあたるように命令が下っているようで、とても悔しそうな本巻警部は拳を強く握り締めて梁山泊の面々に謝罪する。
謝らなくて良いぜ、おやっさん、闇の九拳が現れるって情報だけでも充分だからよ、後は俺達に任せなと言った逆鬼至緒。
戦いに備えていた梁山泊の面々は風林寺静羽と香坂しぐれを風林寺美羽と白浜兼一の守りに残して、闇の九拳が現れるであろう政府の重要施設に向かっていく。
警察によって警備がされている施設に真正面から堂々と突入していく梁山泊の面々。
梁山泊に残された4人は待機していたがテレビに映った人物を見た香坂しぐれは落ち着きがない。
どうやら知っている人斬りが映っていたようで、とてもたちの悪い人斬りであることは確かなので、野放しにはしておけないと考える香坂しぐれは風林寺美羽と白浜兼一を風林寺静羽に任せて1人で行こうかと思っていたようだ。
そんな香坂しぐれを見て、1人で決めるのは早いわよしぐれさんと言った風林寺静羽は、今にも飛び出していきそうな香坂しぐれを呼び止める。
風林寺静羽と話し合った結果として、風林寺静羽と風林寺美羽に白浜兼一を連れてテレビに映った場所に向かった香坂しぐれ。
頭領である世戯煌臥之助以外の八煌断罪刃が7人も居るタンカーに乗り込んでしまった4人。
ボクが戦っている間に2人を逃がせ静羽と言って刀を構えた香坂しぐれは、八煌断罪刃7人を相手に1人で戦いを挑む。
さて、刈っておくかと言いながら静動轟一を発動したミハイ・シュティルベイ。
超人級に一時的に到達したミハイ・シュティルベイの大鎌が振るわれていき、香坂しぐれのかたびらが一瞬で弾け飛ぶ。
次の一撃で刈るぜと宣言したミハイ・シュティルベイの大鎌が香坂しぐれの喉元に近付いた瞬間、瞬くよりも速く割り込んでいた坂田金時が大鎌を蹴り上げた。
蹴り上げられた大鎌が宙を舞い、回転して落ちてくるよりも速く動いたミハイ・シュティルベイが跳躍して大鎌を掴んだ。
しかし眼前には坂田金時が既に近付いていたようで、空中で坂田金時の拳が腹部に叩き込まれると、一撃でミハイ・シュティルベイは気を失う。
妖拳怪皇、坂田金時!とタンカーにいつの間にか現れた坂田金時に警戒を深める八煌断罪刃。
何故ここにと疑問に思った香坂しぐれが聞くと、隼人に梁山泊のことを頼まれていてねと答えて助けが必要になりそうな4人を守りに来たんだと言った坂田金時。
八煌断罪刃は私に任せて4人は逃げなさいと言って坂田金時は凄まじい気当たりを放つ。
それぞれの武器を構えた八煌断罪刃が、本気で坂田金時を殺す為に残り全員が全力を出して襲いかかっていく。
倒されたミハイ・シュティルベイ以外の八煌断罪刃6人全員が静動轟一を発動して、連携しながら坂田金時に攻撃をしていった。
静動轟一によって超人級にまで辿り着いている6人が完全に連携して攻撃をしていたとしても余裕がある坂田金時は身体能力だけで攻撃を避け続ける。
当たることのない斬撃は空を斬り、放たれた矢はタンカーのコンテナに突き立つ。
間合いを詰めた小太刀は残像にしか当たらず、薙刀による突きは坂田金時にかすりもしない。
ハルバードを力任せに振り下ろしても足場のコンテナが破壊されるだけで全く坂田金時を捉えることはできていなかった。
そろそろ4人が逃げ切った頃かなと言うと坂田金時は、遂に攻撃を始めるようだ。
矢を放つミルドレッド・ローレンスが弓を破壊されたかと思えば気を失ってコンテナを転がっていく。
一時的にとはいえ超人級に至っている八煌断罪刃の目に止まらぬ速度で動いた坂田金時。
警戒を深めた5人は迷わず、静動発動真刃合練斬を使って武器と己を1つにした状態で静動轟一を用いる荒業を見せる。
武器と己を1つにする境地に辿り着いている武器使いが静動轟一まで発動して襲いかかってきても坂田金時は慌てるようなことはなかった。
立華凛が突き出した槍の穂先を人差し指と中指で挟んで止めた坂田金時は容易く穂先をへし折ると、折れた鋭い穂先を背後から薙刀を振り下ろす保科乃羅姫の薙刀に向けて投擲。
凄まじい威力で飛んできた槍の穂先と薙刀がぶつかりあって体勢を崩した保科乃羅姫。
薙刀の刃が欠けていることにも気付いた保科乃羅姫が思わず薙刀を見てしまった僅かな隙に、坂田金時の掌打が打ち込まれていく。
勢い良く吹き飛んでコンテナに叩きつけられた保科乃羅姫は完全に気絶している。
これで残りは4人となった八煌断罪刃は、坂田金時がかなり手加減していることに気付いていたようだ。
武術家として高名な坂田金時が武術を全く使っていないことから、身体能力だけで戦っている坂田金時は手加減していると判断した八煌断罪刃は正しい。
たとえ複数人の超人級が相手だとしても妖拳怪皇の異名を持つ坂田金時には脅威ではなく、かなり手加減して相手ができる敵でしかなかった。
空気を薙ぎ払いながら豪快に横に振るわれたハルバードを左手の親指と人差し指で挟んで摘まんで止めた坂田金時は、下から掬い上げるような右掌底打ちをマーマデューク・ブラウンの鎧に打ち込む。
銃弾を容易く弾く鎧に深々とめり込んだ坂田金時の右手の跡がくっきりと鎧に残り、叩き込まれた右掌底打ちの一撃で失神したマーマデューク・ブラウン。
遂に3人になってしまった八煌断罪刃は小太刀使いの來濠征太郎に統率されることになり、より連携した鋭い動きを見せることになるが、遥かに格上である坂田金時には全く通用しない。
エクスキューショナーソードを使うエーデルトラフト・フォン・シラーが連携して斬首刀とも呼ばれるエクスキューショナーソードを振り下ろす。
立華凛が野太刀を鞘から引き抜いて横に振るい、距離を詰めて小太刀の間合いに入った來濠征太郎が急所を狙う。
その全てを回避した坂田金時はエクスキューショナーソードの側面にデコピンをしてへし折った。
僅かに呆然としたエーデルトラフト・フォン・シラーの頭を掴んで足場のコンテナに叩きつけてめり込ませた坂田金時。
意識が完全に飛んでいるエーデルトラフト・フォン・シラーは頭がコンテナに突き刺さったまま動くことはない。
來濠征太郎と立華凛の2人だけになった八煌断罪刃は、それでも戦いを止めることなく坂田金時に挑んでいく。
手裏剣を投げていく立華凛に対して、投げられた全ての手裏剣を避けていった坂田金時は立華凛に加減した蹴りを打ち込んだ。
立華凛が身に付けている鎧の腹部に坂田金時の靴跡が残り、凄まじい蹴りの威力で気を失っていた立華凛。
遂に最後の1人となった來濠征太郎は、坂田金時から逃げることは不可能だと判断して戦いを続けていった。
小太刀を振るう來濠征太郎は実力差に怯むことなく坂田金時に挑んでいき、常に急所を狙い続ける。
静動轟一を使っていても完全に速度で負けていて、坂田金時が残す残像だけを突いて斬っていく來濠征太郎。
攻撃が全く当たらないとしても不動の武士と呼ばれる來濠征太郎の心は折れることはない。
体術に近い入り身主体の小太刀術で振るわれる小太刀。
静動轟一を使うことで超人級に至っている來濠征太郎の小太刀を、とてつもない身体能力だけで避けていく坂田金時。
タンカーにあるコンテナは來濠征太郎の小太刀によって切り刻まれていて内部にある金塊が露出している。
なるほど中身は金塊だったのかと來濠征太郎の動きを誘導してコンテナを破壊させていた坂田金時は中身を確認して満足そうに頷いた。
じゃあそろそろ終わらせるかと考えた坂田金時が腕を來濠征太郎に見えない速度で振るう。
來濠征太郎が気付いた時には小太刀が粉々に砕かれていて、いつの間にか真正面には坂田金時が立っている。
目の前に居る坂田金時に何をされたのか全くわからないまま意識が暗転した來濠征太郎が次に起きた時には、既にビッグロックの中だったようだ。
八煌断罪刃が乗っていたタンカーは日本政府に回収されて、約2000トンはあった金塊も一部を除いて全て押収されたらしい。
日本政府に押収される前に発見していた金塊の一部をちゃっかり回収していた坂田金時は、まあ、臨時収入ということでもらっておくとしようと考えていたようで、闇の軍事資金である金塊を50本程度持ち帰っていた。
日本政府が押収した金塊を回収する為に闇から部隊が派遣されたが残らず梁山泊の手で倒されることになる。
八煌断罪刃は頭領の世戯煌臥之助以外が坂田金時によってビッグロックに収監されており、闇の九拳は誰も引き受けず、充分な戦力を用意できなかった闇が派遣した部隊は梁山泊に敗北し、闇の軍事資金である金塊の奪取は失敗に終わったようだ。
莫大な軍事資金を奪われたままでも活動を続ける闇は、久遠の落日を諦めてはいない。
坂田金時は以前掴んだ情報が役立つ時が来ると予想していて、北緯31度28分西経159度47分にある闇の基地が久遠の落日に関係していると考えていた坂田金時。
その場所にある闇の基地には確かにミサイルがあり、それを日本に撃ち込むことで闇は世界大戦の引き金を弾こうとしていた。
久遠の落日を阻止する為に動く梁山泊と坂田金時は、政府にも情報を伝えることにして闇の基地へ突入する為に色々と用意してもらうことにしたようで、それぞれが戦いの準備をしていく。
日本が標的になっていることを元暗鶚の隠れ里に伝えて穿彗にも連絡した坂田金時は元暗鶚で戦えるものを連れて日本政府と接触する。
元暗鶚の面々は叶翔以外は全て別口の突入部隊に所属することになった。
穿彗は梁山泊と共に突入することになり、叶翔と鍛冶摩里巳に櫛灘千影は新白連合と共に潜水艦で向かうことになったらしい。
新白連合が乗ることになる潜水艦には梁山泊から風林寺砕牙と風林寺静羽に風林寺美羽と白浜兼一に香坂しぐれが乗り込むようだ。
突入が決行されるまではまだ時間があり、それまでは日常を過ごすことになる突入する面々。
闇の基地に向かうことになることを知っている面々は、普段通りに過ごせている者も居れば緊張を隠せていない者も居て、人それぞれである。
坂田金時は普段通りに過ごせていて、今日も落ち着いて櫛灘千影の修行を見ていた。
達人級でもハードな修行が一段落してから、もうそろそろ闇との戦が迫ってきていますね金時師匠と言った櫛灘千影。
そうだね、私と千影ちゃんは別々に突入することになるかなと言って今日のおやつを用意した坂田金時。
櫛灘千影の前に差し出されたおやつは砂糖は使われていないが果物が使われていてしっかりと甘いものとなっている。
一口食べて物凄く幸せそうな笑顔になった櫛灘千影を見て、どうやら今日のおやつも問題ないようだと坂田金時は思っていた。
そんな穏やかな日常を過ごしている師弟が居る櫛灘家に近付いてくる気配。
坂田金時がよく知っている気配の主は迷わず櫛灘家に入ってくると坂田金時の元へ近付いていく。
師弟で過ごしているところに現れた櫛灘美雲が、会いたかったぞ金時と言いながら坂田金時に抱きついて頬擦りする。
目の前でそんなことをされて櫛灘千影は普通に不機嫌になっていたようだ。
敏感にそれを察知した櫛灘美雲は千影は間違いなく嫉妬をしておるのうと判断していたようで、父親のような相手を取られて嫉妬しておるのか、それとも好きな相手を取られて嫉妬をしておるのか、どちらであろうと金時に好意を抱いているのは間違いないのうと考えた櫛灘美雲。
さて、どちらじゃろうなと櫛灘千影を見定める櫛灘美雲の眼光は鋭い。
そんな櫛灘美雲の頭に軽いチョップを入れた坂田金時は、元弟子を見る目じゃないよ美雲、その目は止めなさいと櫛灘美雲に優しく注意する。
わしにとっては大事なことなんじゃがな、恋敵が生まれるかどうかじゃからのうと小声で言った櫛灘美雲は、まあ、金時がそう言うなら今日は止めておくとするかのうと言って櫛灘千影を凄い目で見ることを止めた。
真正面から坂田金時に抱きついたまま離れることはない櫛灘美雲を見て、対抗心が生まれた櫛灘千影は坂田金時の背中に抱きつく。
前と後ろから2人にぎゅっと抱きつかれている坂田金時は、背中に抱きついている櫛灘千影に大人気なく全力で本気の殺気を放っている櫛灘美雲を落ち着きなさいと宥めることになったようだ。
間違いなく櫛灘千影に危害を加えようとしている櫛灘美雲を抱きしめて抑え込んでいる坂田金時。
金時に抱きついてよいのは、わしだけじゃと言いながら櫛灘千影に殺気を放ち続ける櫛灘美雲。
特A級の達人すらも超えている櫛灘美雲が放つ殺気は凄まじいものであるが、それを受けても平然としている櫛灘千影は坂田金時に抱きついたまま離れない。
簡単に殺されるつもりはないという自信と金時師匠なら守ってくれると信頼していた為、櫛灘千影は凄まじい殺気を向けられても落ち着いていた。
櫛灘美雲は坂田金時の腕の中で静かにしていたが、櫛灘千影に向けて物凄い殺気を放ち続けている。
無言で櫛灘千影に殺気を放つ櫛灘美雲を見て、私に近付く女性には、いつもこんな反応をしているな美雲はと思った坂田金時。
とりあえず、千影ちゃんには離れてもらわないと美雲の殺気は治まらないだろうなと考えた坂田金時は、離れてくれるかな千影ちゃんと言う。
坂田金時のその言葉を聞いて、金時師匠は、わたしに抱きつかれているのは嫌ですかと言ってきた櫛灘千影。
別に嫌ではないけど、美雲を刺激することになっているから千影ちゃんが危険になってるんだよと坂田金時は優しく言った。
できる限り守るつもりではあるけど、常に一緒に居られる訳ではないから千影ちゃんが心配なんだと言いながら坂田金時は更に殺気を強める櫛灘美雲を抱きしめて抑え込む。
金時師匠がそこまで言うのなら離れますね、わたしは誰かさんと違って金時師匠に迷惑をかけたい訳ではありませんからと言って坂田金時の背中から櫛灘千影は離れたようだ。
櫛灘千影が離れたことで櫛灘美雲の殺気自体は治まったが、内心での怒りは治まっていないようで、せっかく達人級にまで到達した櫛灘流柔術を受け継ぐものを殺すのは、勿体ないんじゃがなあと思いながらも櫛灘千影を殺そうと考えていた櫛灘美雲。
基本的に坂田金時に近付く女性には殺意を抱く櫛灘美雲の独占欲は、とてつもなく強い。
元弟子であり櫛灘流柔術を受け継ぐ櫛灘千影であっても例外ではなく、坂田金時に近付く女性を許すことはない櫛灘美雲は、櫛灘千影を敵として認識していた。
そんな櫛灘美雲の考えを全て正確に把握している坂田金時は、千影ちゃんを殺させるつもりはないよ美雲、師匠として弟子の命は守らせてもらうと言い切って櫛灘美雲を牽制する。
坂田金時の力強いその言葉を聞いて、わたしは金時師匠に守られていると思って嬉しさを感じていた櫛灘千影。
大切にされている櫛灘千影に強い危機感を感じていた櫛灘美雲は、金時にここまで大事にされておるのは弟子だからじゃろうが、長い月日があれば、それ以上の気持ちに発展しないとは言い切れぬ、信じて預けた千影が最大の敵となるとはのうと内心で思っていたらしい。
金時、今のわしが千影を害するつもりはないことに気付いておるじゃろう、もう離しても問題はないぞと言った櫛灘美雲に、私が抱きしめたいから抱きしめているだけだよと言って抱きしめ続ける坂田金時。
愛している相手にそんなことを言われながら抱きしめられて嬉しくなっていた櫛灘美雲。
しばらく抱きしめられていた櫛灘美雲は満足するまで抱きしめられたようで、とても落ち着いていく。
精神的に安定してきていた櫛灘美雲は、千影が金時に抱く想いを見極める必要があるのうと考えていた。
櫛灘千影を殺そうと思っていた櫛灘美雲の気持ちは落ち着いたらしく、直ぐに櫛灘千影を殺害しようとするようなことはなくなったようだ。
先ほどまで凄まじい殺気を放っていた櫛灘美雲に見られていることに気付いていたとしても堂々としていて怯えることはない櫛灘千影。
今の美雲が千影ちゃんに危害を加えるようなことはないだろうと判断した坂田金時は、櫛灘千影を見る櫛灘美雲を止めることはない。
見つめあう櫛灘美雲と櫛灘千影の元師弟は、しばらく無言で互いを見続けていた。
かつて師弟関係にあったとしても今は別の陣営にわかれている櫛灘美雲と櫛灘千影は殺人拳と活人拳でそれぞれ立場が違う。
殺人拳の無手組の頂点である闇の九拳に所属している櫛灘美雲と、活人拳で最強の坂田金時の弟子となった櫛灘千影は、特に坂田金時と関わっている。
幼なじみとして誰よりも長く坂田金時と関わってきた櫛灘美雲と、関わってからの時間は櫛灘美雲に比べれば短いが弟子として身近で一緒に生活してきた櫛灘千影は1歩も退くことなく見つめあっていた。
何が起きても決して目線を逸らすことはないであろう櫛灘美雲と櫛灘千影の2人。
互いの内心を目を見ることで探りあっている櫛灘美雲と櫛灘千影は、静の極みである流水制空圏に必要な相手の心を見抜くことを行っていたようだ。
高度な技術を使ってしていることが坂田金時をどう思っているかを探ることであり、横から見ていた坂田金時は技術の無駄遣いのような気がするなと思っていたらしい。
しばらく目線を合わせて互いの目を見ていた櫛灘美雲と櫛灘千影は現在相手が坂田金時をどう思っているかを正確に理解していた。
櫛灘美雲は坂田金時を独占したいと思っていて、櫛灘千影は坂田金時と寄り添って生きていたいと思っている。
櫛灘美雲と櫛灘千影の考えは全く違っていて、坂田金時に近付くものを排除したい櫛灘美雲と、ただ坂田金時と一緒にいたいだけな櫛灘千影。
今日は帰るとしよう、次に会った時は容赦はせぬぞ千影と言った櫛灘美雲は坂田金時に口付けをしてから去っていく。
櫛灘美雲が立ち去ってから坂田金時の手を握った櫛灘千影は、わたしは金時師匠と一緒にいたいですと素直な気持ちを言う。
千影ちゃんが立派な大人になるまで私は一緒にいるつもりだよ、迷惑じゃなければねと言った坂田金時。
金時師匠がずっと一緒にいてくれるなら一生立派な大人になれなくてもいいですと言い出した櫛灘千影。
それは困ったな、どうすれば立派な大人になってくれるか考えておかないといけないねと言って笑みを浮かべると坂田金時は櫛灘千影と繋いではいない方の手で櫛灘千影の頭を撫でる。
坂田金時に撫でられた櫛灘千影は、師匠に撫でられたことが嬉しいようで幸せそうに微笑んだ。
金時師匠、わたしは強くなってみせます、美雲師匠に負けないくらいに強くと言い切った櫛灘千影。
そうなってくれたら私は色々と安心できるかなと本心で言った坂田金時は、櫛灘美雲に殺されないように弟子には強くなってもらいたいと思っていたらしい。
はい、頑張りますと言って気合いを入れている櫛灘千影は、櫛灘美雲に負けたくないと思うようになっていたようだった。