梁山泊にて修行に励む白浜兼一は、梁山泊に所属する達人達の弟子になっているがまだ通いであり、内弟子にはなっていないようだ。
修行後に死んでいるような状態になった白浜兼一に漢方薬を飲ませて復活させる馬剣星。
何とか立ち上がった白浜兼一は、梁山泊を訪ねてきた男に気付く。
手土産の紙袋を持った若々しい男が風林寺隼人と親しげに会話している姿を見た白浜兼一は、長老のお客さんかなと思っていた。
お茶を持ってやってきた風林寺美羽に、皆さんでどうぞと言った男から渡された手土産は長崎のカステラだったらしく喜ぶ風林寺美羽。
金時、相変わらず櫛灘美雲に勧誘されておるのかと茶を片手に聞いた風林寺隼人。
闇への勧誘は止める気はないみたいだよ、また勧誘に来るだろうねと答えた男が茶を飲む。
何十年も勧誘を続ける櫛灘美雲の執着は凄まじいのうと言って風林寺隼人は茶請けの煎餅をかじる。
話を聞いていた白浜兼一が何十年ってどういうことですか長老、若々しいその人がまるで何十年も生きているような感じで話してましたけどと聞いてきた。
そんな白浜兼一に、わしの前にいる坂田金時という男は外見通りの年齢ではなくてのう、肉体の年齢は18歳で止まっておるが実年齢は、百歳に近いんじゃよと答えた風林寺隼人。
いやいやあり得ないでしょう、長老は坂田さんと一緒に僕をからかってるんじゃないですかと言ってきた白浜兼一。
そのあり得ないことを可能にしておるのが櫛灘流柔術の秘法なんじゃよ兼ちゃんと言い聞かせた風林寺隼人は真剣な顔をしていたが、白浜兼一は信じきれていなかったようだ。
今の彼には信じられない話のようだから、無理に信じさせる必要はないよ隼人と男は言う。
それもそうじゃな、いずれわかってくれるじゃろうと言って風林寺隼人は煎餅に手を伸ばす。白浜兼一くんだったね、私と組手でもやってみないかと聞いてきた男に、組手ですかと考える白浜兼一。
いいじゃねぇか、相手してもらえよとビール片手に言い出す逆鬼至緒。
坂田金時殿と組手をやってみたまえ兼一くん、良い経験になるだろうと乗り気な岬越寺秋雨。
今の兼ちゃんには必要かもしれないねと馬剣星は頷く。
とりあえずやってみるよ兼一と言ったアパチャイ・ホパチャイ。
梁山泊の師匠達におされる形で男との組手となった白浜兼一は構えをとると男に挑む。
今の白浜兼一にも見えるように身体能力を抑えた男は技量のみで相手をする。
櫛灘流柔術の力0技10の技を見えるように使っていく男に投げられていった白浜兼一は、見えているのに避けられない、タイミングが絶妙だと技量の凄まじさに驚く。
僕が梁山泊で学んでいる柔術とはまた違う異質な柔術だと櫛灘流柔術の投げを受けてみて感じた白浜兼一。
目の前にいる坂田金時という男が今の自分とは比べ物にならない技量を持っているとしても白浜兼一は男に挑んでいく。
何度も男に投げられていった白浜兼一は重心というものを少し理解できたらしい。
白浜兼一が繰り出した顔面と鳩尾を狙う空手の両手突きである山突きを片手で捌いた男は、こめかみに当て身を放ち白浜兼一の体勢を崩す。
腕を掴んで櫛灘流柔術の投げを披露した男を見ていた梁山泊の達人達は、卓越した技量を持つ男が超人級すらも超えていることに気付いた。
投げられて受け身をとる白浜兼一は立ち上がって、まだまだと挑んでいく。
組手を終えて、きみは何の為に武術をやっているのかな白浜兼一くんと聞いてきた男に、僕は誰もが見てみぬふりをするような悪に立ち向かう為に武術をやっていますと答えた白浜兼一。
立派な理由だな、私とは大違いだと言って男は笑う。
坂田さんはどんな理由で武術を始めたんですかと今度は白浜兼一が男に問いかける。
私は世話になっていた家の人が使っていた武術の技を一目見ただけで真似ることが可能だったんだが、それを世話になっていた家の人に見られて才能があると判断されてから武術を教えられるようになったのが武術を始めた理由かなと答える男。
そんな理由だったんですね、確かに坂田さんは僕よりも才能がありそうですと言った白浜兼一は、自分に才能がないことを師である梁山泊の達人達に言われて知っていたようだ。
才能がないことで少し落ち込んでいる白浜兼一に、梁山泊は良い環境だからきっときみは強くなれるさと言って男は笑いかけた。
そうなんですかねと白浜兼一は半信半疑だが、これだけの達人に集中して鍛えられることはなかなかないことだよと男は言う。
有料地獄巡りみたいなものですけどねと本音を言ってしまった白浜兼一へ、聞こえてるぜと言った逆鬼至緒。
言わせておきたまえ、直ぐに何も言えなくなると言う岬越寺秋雨。
兼ちゃんが強くなる為には必要な修行ねと言いながら馬剣星は如何わしい本を読む。
アパチャイはまだ手加減できないから兼一の相手をしちゃいけないって言われたよと落ち込むアパチャイ・ホパチャイ。
流石に梁山泊で死人を出すのはまず、いと言いながらアパチャイ・ホパチャイの肩を叩く香坂しぐれ。
白浜兼一が岬越寺秋雨にそろそろ修行の時間だと言われて再び修行を開始する。
両手に1つずつ壺を持った状態で馬歩をする白浜兼一が、ゆ、指がちぎれそうですと言ったが、そう言ってちぎれた者はいないと言い切る岬越寺秋雨に容赦はない。
白浜兼一の修行風景を見ていた男は、これから彼は徐々に修行を積んで強くなっていくのだろうなと思う。
壺によって筋力を鍛える修行を終えた白浜兼一は技の修行に入り、岬越寺秋雨が作成した投げられ地蔵を投げていく。
胴着を着用した投げられ地蔵は日々大きくなっていて白浜兼一は必死に力を入れて投げられ地蔵を背負い投げる。
畳に叩きつけられた投げられ地蔵がドスンドスンと激しい音を立てていった。
それを見ていた男が口を出してもいいかを岬越寺秋雨に聞き、了承を得たので白浜兼一に助言をしたようだ。
それでもいまいち理解できていない兼一の身体を操って投げを教えた男。
重い投げられ地蔵を軽々と投げたことが信じられなかった白浜兼一は男に今のはなんですかと問いかけていく。
今のきみの身体能力でも使い方次第で重い地蔵を軽々と投げることができるということを実際に教える為に、きみの身体を操って動かしてみたよと男は答える。
自分の身体があんな動きをできるなんて初めて知りましたよと言った白浜兼一。
感覚は掴めたかなと聞く男に、一応わかりましたと白浜兼一は言う。
身体で覚えた感覚を思い出して投げられ地蔵を投げた白浜兼一は、今までとは段違いの動きで軽々と投げられ地蔵を投げることができて物凄く驚く。
白浜兼一は男の指導力が高いことを知ることになったらしい。
嬉しそうに投げられ地蔵を投げていく白浜兼一に、若者の進歩は素晴らしいなと満足気に頷く男。
投げられ地蔵を投げる技の修行を終えた白浜兼一が岬越寺秋雨に紐でタイヤと結ばれていき、タイヤに乗った岬越寺秋雨を引いて走り出す。
走り込みに行く2人を追いかけた男が容易く白浜兼一に追いついて追い越すと一周回ってきた男が後ろから失礼と言いながら白浜兼一の後ろから現れた。
凄く驚いた様子の白浜兼一を再び追い越していった男が健脚を見せつけていく。
超人級を超えた身体能力を持つ男の走りには鍛え始めたばかりの白浜兼一では追いつけない。
再び一周回って後ろから現れた男のスピードに組手では物凄く手加減してくれていたんだと気付いた白浜兼一。
驚いている暇があるなら走りたまえ兼一くんと白浜兼一を鞭打つ岬越寺秋雨。
それから何回も男が後ろから現れて白浜兼一を追い越していった。
梁山泊に帰ってきた頃には疲れきっていた白浜兼一を出迎えた男は元気なままであり、久しぶりに走ったがなかなか悪くないなと言う余裕まである。
梁山泊での修行を全て終えた白浜兼一が物凄くふらついて歩いていたので、今日は私が送っていこうと言った男が白浜兼一に肩を貸して歩いていくと歩きながら礼を言ってきた白浜兼一。
気にしなくていいさと男は笑うと白浜兼一の家まで歩幅を合わせて歩いて進む。
到着した家の前で白浜兼一と離れた男が、今日は何処に泊まろうかと言い出す。
それが聞こえていた白浜兼一は男に、泊まる場所が決まっていないなら、うちに泊まっていきませんかと思わず言っていた。
確かに助かるがきみの家族にはご迷惑ではないかなと言った男。
たぶん大丈夫ですと白浜兼一は言うが、手ぶらでは失礼だと思った男は少し待っていてくれと言って全速力で走り出すと和菓子の詰め合わせを購入して帰ってくる。
そんなに気を使わなくてもと言った白浜兼一に、初めてお邪魔する御宅に手土産無しでは入れないさと男は言う。
白浜兼一と共に家に入った男は、白浜兼一の家族に手土産を渡して丁寧な挨拶をした。
白浜兼一が男を泊めてほしいと言うと了承した白浜兼一の家族は直ぐに部屋を用意していく。
息子とはどのような関係なのかねと聞いてきた白浜兼一の父親。
友人ですと言った男に今夜は寿司だ!出前を取るぞ母さん!と言い出した白浜兼一の父親は息子に家に招くような友人ができたことを物凄く喜んでいたようだ。
小声でなに言ってんですか坂田さんと言った白浜兼一に、正直に話す訳にはいかないだろう、友人ということで押し通すからきみは私のことを金時と呼んでくれと小声で言う男。
その後は家族が大好きな白浜兼一の父親の話を真剣に聞いていきながら絶妙なタイミングでビールを注いでいく男を気に入った白浜兼一の父親は、いい友達を持ったな兼一!と感動していた。
礼儀正しい子ねと白浜兼一の母親も男に好印象を持っていたようだ。
白浜兼一の妹は凄いイケメンだじょ、何処で知り合ったのお兄ちゃんと男を見て思ったらしい。
自然に白浜兼一の友達として振る舞う男に戸惑いながらも合わせた白浜兼一。
問題なく白浜家に泊まることができた男は白浜兼一とその家族に感謝する。
翌日の日曜日の朝に目が覚めた男に朝食を用意していた白浜兼一の母親。
和食の朝ごはんを感謝して綺麗に食べていった男が、ごちそうさまでした、美味しかったですと笑顔で言う。
綺麗に食べてくれたわねと白浜兼一の母親も喜んだ。
それではそろそろ失礼しますと言った男に、またいつでもきなさいと言って白浜兼一の父親は笑みを浮かべた。
白浜家から去っていく男は、白浜一家をいい家族だなと思ったらしい。
宿代が浮いたから少し余裕があるかな、夕食と朝食もいただいてしまったが迷惑ではなかっただろうかと考えた男。
今度また手土産を持って挨拶をしてから渡しておこうと思った男は、地下格闘場で手持ちの金を増やしていく。
自分の勝ちに賭けて勝利を続けた男が稼いだ金額は万札が封筒一杯にみっちりと詰められたものが3本ほどになる。
以前稼いだ金と合わせれば、しばらくは生活ができる金額になったので安心して流れるように生きる男は自由に過ごす。
入ってみた居酒屋で拳豪鬼神馬槍月と遭遇した男は、馬槍月の対面の席に自分から座ったようだ。
目の前の男が強いことに気付いていた馬槍月は酒を飲みながら男に何の用だと問う。
此処で会ったのも何かの縁かと思ってね、きみと少し話をしてみたかったんだと男は笑顔で答えた。
邪気もなく自分に向けられた自然な笑顔に弟を思い出した馬槍月は穏やかな気持ちになっていたらしい。
男が一方的に話す話を聞いていく馬槍月は悪い気持ちではなかったようで、酒が美味くなる話だと思いながら話を聞き続ける馬槍月。
居酒屋で酒を注文せずに食事を頼んだ男は静かに食べていく。
酒を更に注文した馬槍月は合計すると凄い量を飲んでいたが全く酔ってはおらず、頭もはっきりと回っている馬槍月は酒が好きだが酒に強かったようである。
酒が強いんだなと感心したように言った男に、この程度は毎日だと言って馬槍月は酒を飲む。
この外見では私は酒を注文できないから飲みたいときは困るなと男は言う。
確かに18歳に見える外見をしているが見た目通りの歳ではあるまいと言いながら馬槍月は酒を飲み続けていく。
きみ以上には歳をとっているかなと言った男は笑みを浮かべると酒ばかりでは身体に悪いぞと言って注文した料理を馬槍月の前に置いていった。
男の押しに弟を再び思い出した馬槍月は、つまみにはなるかと料理を食べる。
馬槍月が満足するまで大量の酒を飲み終えて席を立ったところで男も席を立つ。
会計の時間になったときに男が頼んだ料理の代金まで全て支払った馬槍月は、美味い酒が飲めた礼だとだけ言って立ち去っていった。
馬槍月に感謝した男は夜の街を歩いて宿泊施設にまで進んだ。
闇に届いた情報で男の位置を予測した櫛灘美雲は、男とデートをする為に服を用意していく。
普段着ている服とは違うレディースのスーツを着用した櫛灘美雲は高級車を運転して男の元に向かう。
男の近くに立ち止まった高級車から降りてきた櫛灘美雲に、また新しい車買ったのかいと言う男。
今日はドライブに行くぞ金時と言ってきた櫛灘美雲は、少しテンションが高くなっていたらしい。
櫛灘美雲が運転する高級車に乗った男が、前よりも運転上手くなったじゃないか美雲と言った。
プロのドライバー並みの腕を見せつける櫛灘美雲は高級車を運転しながら海が綺麗に見える場所に行くとするかのうと言い出す。
海が綺麗に見える道を高級車で走っていく櫛灘美雲の隣で男は風景を楽しむ。
昼食をイタリアンで軽く済ませてから高級車で再び走った先で男の衣服を正装に整えて向かった格式高い店で夕食の食事をした2人。
完璧なマナーを見せた男を眺めていた櫛灘美雲は男に見とれていたがマナーは守っていたようだ。
食事を終えて櫛灘美雲が運転する高級車で夜景を見に行った2人は、美しい夜景を寄り添って見ていく。
事前にリサーチ済みであった櫛灘美雲は綺麗に夜景が見える場所を完全に把握していた。
顔を見合わせた男と櫛灘美雲の顔が徐々に近付いていき、夜景を背景に2人は口付けを交わす。
1度だけでは満足していない櫛灘美雲と何度も口付けをした男は、そんな櫛灘美雲にも慣れていたようだ。
部屋に行くぞ金時と言い出した櫛灘美雲は待ちきれない様子である。
これは間違いなく朝までコースだなと思った男は櫛灘美雲の運転する高級車に乗ってホテルまでの道を直行していった。
防音設備がしっかりしている高級なホテルに到着した男と櫛灘美雲の2人は直ぐ様部屋に向かう。
部屋に入って扉を閉めた櫛灘美雲が元気よく飛びついてきたので受け止める男。
今夜は寝かさぬぞ金時と言ってきた櫛灘美雲は嬉しそうな顔をしていた。櫛灘美雲を抱きしめて、綺麗だよ美雲と笑顔で言った男。
そんな男を押し倒そうとした櫛灘美雲だったが、身体能力では男に完全に負けていたので上手くはいかない。
逆に男に押し倒された櫛灘美雲の胸は物凄く高鳴っていたようである。
心臓の鼓動が早くなってるね、ドキドキしているのかなと男が言う。
好いておる者とこんな状態になっておるんじゃから当然じゃろうと言った櫛灘美雲。
きみに好かれていることがとても嬉しいよと微笑んだ男がとても嬉しそうだったので、思わず櫛灘美雲は男の頬に手を伸ばす。
頬を優しい手つきで撫でる櫛灘美雲の手を掴んだ男は、美雲の手はいつも優しいねと言いながら櫛灘美雲の手に口付ける。
そんな男の行動が櫛灘美雲を高まらせていく。
完全にその気になっている櫛灘美雲が我慢できなくなっていたようなので男は櫛灘美雲に熱烈な口付けをする。
それから長い時間が過ぎて朝になったところで寝ていない男と力尽きているが起きている櫛灘美雲。
男の体力に付き合うのは大変だったようだが幸せそうな顔をしている櫛灘美雲の頭を撫でて寝ていてもいいよ、私が近くにいるからと言った男。
そばにいてくれ金時と言ってきた櫛灘美雲の近くで見守る男に安心したのか深い眠りにおちた櫛灘美雲の寝顔を見て、昔と変わらないなと思った男は笑う。
櫛灘美雲が自然に起きるまでそばにいた男の体力は、まだまだ余裕があるらしい。
一晩くらい寝なくても問題はない男は櫛灘美雲とホテルで朝食を食べると代金を支払って去っていく。
今回のデートにかかった費用は全て男が払ったようである。
それでも金銭的には余裕があり、懐は暖かい男は地下格闘場で稼いでいて良かったと思ったようだ。
さて、今日は何処に向かおうかと考える男は今日も日本中を巡っていきながら流れるように過ごす。
定住することのない男は、縛られることのない自由を楽しんでいた。