櫛灘美雲の幼なじみになった転生者   作:色々残念

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第7話、裏ボクシング界の破壊神

大金を賭けて薄いグローブで殴り合い、相手が戦闘不能になるまで続けるという裏ボクシング界で王者として君臨する破壊神シバことジェームズ志場。

 

そんなジェームズ志場を倒してほしいと依頼された男は、理由を聞くとジェームズ志場が強すぎて勝てる奴が裏ボクシング界にはいないので賭けが成立しないとのことだった。

 

倒すだけなら引き受けようと言った男は、裏ボクシングを専門としている地下格闘場にまで案内されることになる。

 

案内された地下格闘場の内部では裏ボクシングが行われていてちょうどジェームズ志場の試合が始まるようだ。

 

闇の一影が存在していないことから怪我をすることもなく今現在も裏ボクシング界で王者として君臨し続けているジェームズ志場。

 

圧倒的な実力差で相手を瞬く間に沈めたジェームズ志場は、我が輩に挑む者は他にいないかと言い出す。

 

まだまだ体力的には余裕であるジェームズ志場の相手として男がリングに上がっていくと男の実力を感じ取って距離を取ったジェームズ志場は、どうやら貴殿は並みの達人ではないようであるなと言ってガードを固めながら接近する。

 

得意な左のストレートで様子を見ようとしたジェームズ志場だが、それは男の並外れた身体能力によって避けられてしまう。

 

馬鹿げた身体能力を持っているようであるな、我が輩よりも身体能力は確実に上であるか、ならば技で勝負であると考えたジェームズ志場は裏ボクシングの技を巧みに使っていく。

 

ジェームズ志場はあらゆるパンチを繰り出していくが全く男に当たることがない。

 

回転して打つピポットパンチ、後頭部を攻撃するラビットパンチ、背面から腎臓を打つキドニーブロー、金的ローブロー等に加えてオールレンジパンチやジェームズ志場自身が編み出したパンチを放つが男に1発も命中することはなかった。

 

ジェームズ志場の技を見ただけで完全に覚えた男は、見るべきものは見たからそろそろ終わらせるとしようかと考えて攻撃に移る。

 

男の拳による一撃を喰らったジェームズ志場は意識が飛びかけていたが、それでも立ち続けて男に向かっていく。

 

我が輩はしつこいぞと言いながら拳を振るうジェームズ志場には、ボクサーとしての強い執念があったようだ。

 

それでも男の二撃目は耐えられなかったジェームズ志場は遂に裏ボクシングのリングに沈む。

 

倒れたジェームズ志場を運んでいく地下格闘場の人間達。

 

新たな裏ボクシング界の王者の誕生に観客達は盛大な歓声を上げた。

 

運ばれていったジェームズ志場が気になっていた男はリングを下りてジェームズ志場の元に向かう。

 

ジェームズ志場を邪魔に思っていた人間達が、気を失っているジェームズ志場を殺害しようとしているのを目撃した男が止めに入る。

 

ジェームズ志場が目覚めた時には周囲に凶器を持った人間達が倒れていて自分が狙われていたことに気付いたジェームズ志場。

 

貴殿が我が輩を助けてくれたようだなと言ったジェームズ志場は男へと顔を向けた。

 

貴殿が勝手にやったことなので我が輩は感謝などしないのであると言って顔を背けたジェームズ志場に、きみからの感謝が欲しくてやったわけではないから問題はないよ、私がそうしたいからそうしただけさと男は言う。

 

貴殿は背負う必要のない苦労まで背負い込みそうな男であるなと呆れたような顔で言ったジェームズ志場。

 

それで我が輩に何か用があるのであろうとジェームズ志場は男に聞く。

 

きみとの戦いで学んだ裏ボクシングの技を使っても良いだろうかと言ってきた男に、そんなもの我が輩に聞かずに勝手に使えばよかろうと言ったジェームズ志場だが、少し考えた後に覚えた技とやらを見せてみるのであると言い出す。

 

男が披露した裏ボクシングの技の数々は、特A級の達人であるジェームズ志場以上に凄まじいものであった。

 

貴殿はとてつもない才能の持ち主であるなと驚愕したジェームズ志場は、あの身体能力にこの技が加われば完全に我が輩に勝ち目はないなと内心で思ったらしい。

 

そんなジェームズ志場に今日以降は裏ボクシング界の試合には私は出ないと言う男。

 

我が輩に情けをかけるつもりかと怒ったジェームズ志場に、きみを倒すように依頼をされたが倒し続けろとは言われていないから、私が長居する必要はないと判断しただけさと言って男は背を向けて立ち去る。

 

男の背に向かって勝ち逃げは許されないである、我が輩は井の中の蛙であったがいずれ貴殿に勝ってみせるとジェームズ志場は言い放つ。

 

男に敗北してから裏ボクシング界を引退したジェームズ志場は武者修行の旅に出て世界中を巡っていき、強者と戦って勝利していく。

 

強くなったと実感したジェームズ志場が日本に帰ってきたところで男を発見したジェームズ志場は戦いを挑む。

 

河川敷で戦いを始めていく男とジェームズ志場を左腕が治ってから続けているロードワーク中に目撃していた武田一基。

 

ボクシングの動きを見せるジェームズ志場にボクシングの達人がいたと驚く武田一基は、ボクサーとしてジェームズ志場を内心で応援する。

 

どんどん速度が速くなっていき武田一基の目では追いきれなくなった戦い。

 

前よりも確かに強くなってるなと思った男は、ジェームズ志場の動きを間近で観察していく。

 

ジェームズ志場が放った渾身の新技は男にかすりもしなかったが確かに男は、その技も学んでいったようだ。

 

調節された男の一撃で沈んだジェームズ志場を置いて立ち去っていく男。

 

気を失ったジェームズ志場が目を覚ました時に、1番に目にしたのは自分を心配そうに見つめる武田一基の姿だった。

 

貴殿は誰だと聞いたジェームズ志場に、武田一基と言いますと答えた武田一基。

 

何故貴殿が我が輩の近くにいたのだと言うジェームズ志場へ、戦いを見ていたので倒れた貴方が心配だったんですと武田一基は言って買っていた水を差し出す。

 

情けは無用であると言いながら立ち上がったジェームズ志場が水を受け取ることはない。

 

立ち去ろうとしたジェームズ志場に向かって弟子にして下さいと頭を下げた武田一基に対して、何故敗北した我が輩に言うのだと言ったジェームズ志場。

 

そんなジェームズ志場に貴方がボクシングを使っていたからですよ、僕はボクサーとして強くなりたいんですと武田一基は言う。

 

貴殿もボクサーとして強くなりたいのかと言ってジェームズ志場は考える。

 

世界中を巡って色々な出会いを経験したジェームズ志場は考え方が少し以前とは変わってきていたようだ。

 

武田一基に色々と条件を言い渡して、それをクリアできたなら弟子にしようと言ったジェームズ志場は自分が宿泊している場所も武田一基に教えておく。

 

数日後に見事に条件を達成した武田一基を弟子にすることにしたジェームズ志場。

 

貯金で家ごと土地を購入してリングを作りトレーニング器具を用意したジェームズ志場は武田一基を鍛えていった。

 

初めてになる弟子を相手に手加減の度合いを調節しながらリングで戦っていくジェームズ志場は、弟子である武田一基に才能があることを見抜いてギリギリ耐えられるラインで身体に負荷を与えるギプスを着せてみたりもする。

 

裏ボクシング界で破壊神シバと言われたジェームズ志場を狙って名を上げようとする達人達が次々と現れて、ジェームズ志場が相手をすることになったが弟子に実戦で裏ボクシングの技を見せる為に使われた達人達。

 

達人とジェームズ志場の戦いは武田一基にとっては良い勉強になったようだ。

 

特A級の達人であるジェームズ志場の弟子となった武田一基は実力を順調に上げていっていた。

 

武田一基に実力がついてきたと判断したジェームズ志場は武田一基を地下格闘場に連れていき、実戦で更に経験を積ませていく。

 

弟子が勝てる試合しか組まないジェームズ志場は弟子を大事に思っているようである。

 

地下格闘場で戦う男を発見したジェームズ志場は男の戦いを観察してみたが、相手に合わせて身体能力を抑えて観客が楽しめるようにしている男の姿を見て、地下格闘場を出場禁止にならないように上手くやっているようであるなと考えた。

 

手加減している男の試合を見た武田一基が、ジェームズ志場先生と戦っていた時とは速度が違いますねと言う。

 

戦わせるつもりはないが一基が相手の場合、あの男は身体能力を相応に抑えて戦うはずであるとジェームズ志場は言いながら武田一基の今日の相手を探す。

 

ちょうどいい相手を見つけたジェームズ志場は武田一基の試合を組んでいく。

 

武田一基の戦いを今度は男が見ていき、才能がある武田一基が戦う姿に光るものを感じた男。

 

武田一基を見守るジェームズ志場も発見している男は、もう彼は弟子入りしているようだなと判断する。

 

ナックルパートを巧みに使って異種格闘技戦を勝ち抜いていく武田一基。

 

棍棒を持った武器使いを相手にしても勝利した武田一基は確実に成長していた。

 

現在の彼の実力なら今のバーサーカーになら勝てるかもしれないなと男は思う。

 

武田一基の試合が終わったところで金網で囲まれたリングを素手で引き裂いて武田一基を襲おうとした達人をジェームズ志場よりも速く動いた男が殴り飛ばす。

 

吹き飛んだ達人は男の一撃で気を失っており、ジェームズ志場の弟子である武田一基には傷1つない。

 

我が輩の弟子を救ってくれたことには感謝しようと言ったジェームズ志場。

 

きみの弟子を明らかに狙っていたが、知っている顔かなと聞いた男に、我が輩が前に倒した達人のようであるが、弟子を殺して我が輩に復讐するつもりだったのだろうなとジェームズ志場は答える。

 

きみに勝てないと悟っているからこそ弟子を狙ったんだろうが、もはや武人とは呼べない達人だなと男は言った。

 

今回は貴殿に遅れをとったが我が輩がいる限り弟子には手は出させんとジェームズ志場は言い放つ。

 

行くぞ一基と言って武田一基を連れて去っていこうとするジェームズ志場に、此処で会ったのも何かの縁だ、私が奢るから一緒に飯でもどうかなと男が師弟を誘う。

 

良いんですかとかなり乗り気な武田一基。

 

ここで断って男に着いていく気になっている弟子を落ち込ませるのは師匠としてどうなのかと思ったジェームズ志場は、貴殿と馴れ合うつもりはないが弟子が乗り気になっているなら仕方がないのであると男に向かって言う。

 

男が選んだ店に入ったジェームズ志場と武田一基は、男に遠慮することなく料理を注文していく。

 

どうせ奢りである、たらふく食っておけ一基と言いながら酒も注文するジェームズ志場。

 

頼んだ料理がテーブルを埋め尽くしたが、全て3人の胃の中に入っていった。

 

食事を終えて全ての支払いを地下格闘場で稼いだ金を使って済ませた男に感謝した武田一基。

 

酒が入ったが酔ってはいないジェームズ志場は、用は済んだな帰るぞ一基と言って武田一基の背に乗る。

 

ジェームズ志場を背負いながら走って帰っていく武田一基を見送った男。

 

弟子をとってジェームズ志場の性格が少し丸くなったかなと感じた男は、良い影響なんだろうなと思って笑う。

 

さて、私は今日何処で寝ようかなと思った男の前に複数人の達人が現れた。

 

ジェームズ志場に敗北して逆恨みしていた達人達が食事を共にしていた男もジェームズ志場の関係者だと判断したらしい。

 

襲いかかってきた達人達の技を見て覚えてから、全ての達人を一撃で倒して立ち去った男が振り返ることはなく、随分とジェームズ志場は逆恨みされているようだなと思った男。

 

達人達は全員使う武術が違っていて裏ボクシング界の人間ではないようだったが、裏ボクシング界を引退してからジェームズ志場は異種格闘技戦もやっていたのだろうなと男は考える。

 

ジークフリートに貰ったバイオリンが入ったケースも含めた荷物を背負っている男はホテルを予約して其処に向かう。

 

到着したホテルで部屋に入った男が荷物を置いてベッドに横になると今日の出来事を思い出していく。

 

今日も色々とあったなと思い出した男が1番印象に残ったのは弟子を大事にしていたジェームズ志場の姿だった。

 

師匠として弟子をとることは良いことなんだろうなと思った男は、私も弟子をとってみようかと考えてみたらしい。

 

弟子にしてみたいと思った子は1人いるが弟子になってくれるかはわからないなと頭を悩ませた男は、試しに1度聞いてみようかなと考えたようだ。

 

ホテルで寝てから朝に起きた男は宿泊費を支払うと走り出す。

 

弟子にしてみたいと思った子と出会った町に来た男はバイオリンで演奏を始める。

 

男の見事な演奏に人々が集まってきたなかで、演奏を聴いてどこからともなく現れたジークフリート。

 

やはり貴方でしたかと言ったジークフリートは男の隣で歌い始めて、見事な歌唱力を見せつけた。

 

素晴らしい演奏と歌が終わったところで人々が盛大な拍手を2人に送り、人々に向かって一礼した2人は並んで立ち去っていく。

 

きみに話があるんだと言って男は真剣な顔でジークフリートを見る。

 

真剣な話だと判断して、お聞きしましょう、何の話でしょうかとジークフリートは男に言う。

 

私の弟子になってみないかと聞いた男に、それは音楽のでしょうかと言ったジークフリート。

 

いや武術家としてかなと訂正した男に、わたしは変則的なカウンターの使い手ですが確かに貴方には通用しませんでしたね、貴方の方がわたしよりも実力が上なのは確実でしょうとジークフリートは頷いた。

 

ですがそれで貴方を師とするかは別ですよと言って構えをとったジークフリートは、武人として貴方を見極めさせてもらいますと言いながら男の前に立つ。

 

あくまでもカウンターに拘って自分から攻めることはなく、さあ殴りなさいと言ったジークフリートを物凄く手加減して殴打した男。

 

リズムを読んで攻撃を完璧に見切り、軸をずらして受けたジークフリートは男の殴打の力に自分の力を乗せて打ち出す。

 

輪唱アタックとジークフリートが名付けた変則的なカウンターが男に叩きこまれた瞬間、ジークフリートのカウンターを更に改良した完全なる円運動でカウンターを更にカウンターで返した男に驚愕したジークフリートは直撃を喰らう。

 

これはわたしの輪唱アタックの更に先の技術と悟ったジークフリートが、男の技量の高さも感じ取って武人として尊敬の念を抱いた。

 

私の武術を教えるのではなく、きみの武術を高める為の師匠になるのはどうかなと男はジークフリートに聞く。

 

わたしだけに都合が良いような気がしますが貴方はそれで構わないのですかと言ったジークフリート。

 

構わないよ、きみが達人になった姿を間近で見てみたいと思ったんだと言って男は笑う。

 

やはり貴方からは素晴らしいメロディーを感じますねとジークフリートも微笑んだ。

 

貴方と共に武人の道を歩むのも悪くはありません、師となっていただきたいと言うジークフリートに、それじゃあ最初に1つ聞きたいことがあるんだけどと言った男。

 

何でしょうか師よと言って男を見るジークフリートへ、きみのことはなんて呼べばいいのかなと男は聞いた。

 

わたしの異名はジークフリートですが、本名は九弦院響といいますとジークフリートは答える。

 

異名と本名、どちらで呼ばれたいのかなきみは、と言う男に、どちらでも構いませんよと言ったジークフリート。

 

なら響くんと呼ばせてもらうよ、ちなみに私の名前は坂田金時といいますと言って自分の名前も教えた男。

 

それでは師よ、わたしに何を教えてくれるのですかと聞いてきたジークフリートへ、きみには完全なる円運動と内功を修得してもらおうと思っているよと男は答えた。内功とは何でしょうかとジークフリートが男に質問する。

 

体内の機能を高めることによって得られる力のことさと簡単に男は説明して実際にどんなものか見せていく。

 

こんなものがあったのですねと驚いたジークフリートに、カウンターを専門とする響くんには必要になる技術だと私は思うから、まずは内功を練る方法を最初に教えていくよと男は言う。

 

白浜兼一に敗北していたが新白連合にはまだ加わっていないジークフリートは、男の元で修行を積んでいった。

 

修行を続ける日々の中でも思いついたメロディーを書き始める弟子には少し困った男だったが、弟子から音楽を奪うことはなく共にメロディーを奏でる時もあったようだ。

 

とても充実した修行の日々をジークフリートは過ごす。

 

修行によって敵の攻撃を無力化する技をほぼ完璧にマスターしたジークフリートは、後の先の極みに近付いていたらしい。

 

達人へと続く道を上り始めたジークフリートの実力は以前とは比べ物にならないだろう。

 

この時点で涅槃の追走曲とよく練られた内功を修得したジークフリートは間違いなく強くなっている。

 

完全なる円運動と強靭なる横隔膜に内功を会得して身体も一回り大きく逞しくなったジークフリートに、今の時点で教えられることは全て教えたと考えた男は再び旅に出ることにした。

 

行かれるのですね、師よと言ったジークフリートは、男の修行で自分が確実に強くなっていることを実感していて、男に感謝しているようだ。

 

また会おう響くん、きみに素晴らしい出会いがあればいいねと言って笑顔で去っていく男を見送ったジークフリートはメロディーを感じますと海に向かっていき、そこでピアニカを演奏する新島と出会って、そのピアニカの凄まじさに新白連合入りを決意したジークフリート。

 

師よ、素晴らしい出会いがありましたとジークフリートは男に向けて言った。

 

旅を続ける男の前に現れた櫛灘美雲が、機嫌が良さそうじゃのう金時、何かあったのかえと聞いてきたので弟子が1人できたんだと思わず嬉しそうな顔で答えた男。

 

櫛灘流柔術を教えたのかのうと言ってきた櫛灘美雲に、櫛灘流柔術は教えていないけど、その子が編み出した武術を伸ばす方向で育てたよと男は言う。

 

元々の素材を活かしたわけじゃなと納得した櫛灘美雲は、弟子をとったのは初めてじゃろう、弟子を持つ師としての助言は必要かのうと聞く。

 

間違いなく互いの教育方針は違うだろうし、殺人拳と活人拳で教えが違うのは当然だと思うから助言は必要ないよ美雲と男が断ると、そうかと言って残念そうな顔を櫛灘美雲はする。

 

それで美雲は今日も闇への勧誘にきたのかなと言った男に、当然じゃろう、わしが金時を諦めることはないと言い切った櫛灘美雲。

 

迷惑にならない内に終わらせようと言う男。

 

櫛灘流柔術で男に襲いかかった櫛灘美雲を一瞬で気絶させて地面に崩れ落ちる前に男が抱き上げた。

 

腕の中にいる櫛灘美雲を大事に抱えている男へミルドレッド・ローレンスの矢が放たれる。

 

重瞳武弓の異名を持つミルドレッド・ローレンスの矢は特A級の達人でも避けることが難しい。

 

しかし男は雨のように降りそそぐ矢の数々を余裕で避けていく。

 

ミルドレッド・ローレンスに接近した男を食い止める為に立ち塞がった恍惚武姫、保科乃羅姫と百本武芸、立華凛。

 

薙刀を振るう保科乃羅姫と刀を構えた立華凛の後ろから連続で矢を放つミルドレッド・ローレンス。

 

八煌断罪刃3人は男が抱えている櫛灘美雲を巻き込む軌道で攻撃を続けていく。

 

攻撃を全て回避した男による蹴りが3人に叩き込まれて気を失った武器組の頂点。

 

激しく動いていた男の腕の中で目が覚めていた櫛灘美雲は身動きをすることはない。

 

男に守られているという状況が昔を思い出して櫛灘美雲には嬉しかったようだ。

 

起きてるんだろう美雲と言った男の腕の中で、気付いておったかと言う櫛灘美雲。

 

美雲を巻き込むような軌道の攻撃ばかりだったが武器組に恨まれるようなことでもしたのかなと聞く男。

 

どうしても金時を殺しておきたいと思ったのじゃろうな、それ故に、いかなる犠牲も許容したようじゃのうと櫛灘美雲は答える。

 

随分と私は危険だと思われているようだね、そんな私を勧誘する美雲の立場も危ないんじゃないかと心配する男に、とても嬉しそうな顔をした櫛灘美雲は、わしは好きにやらせてもらうだけじゃ、誰が何を言おうと譲れぬものがあるのでのうと言い放つ。

 

櫛灘美雲の譲れぬものである男が櫛灘美雲を抱き上げたまま移動していく。

 

今日はもう帰った方が良さそうだから送っていくよと言って男は走り出すと風林寺隼人すらも超える健脚で駆け抜けた男が櫛灘美雲を闇の拠点まで送り届ける。

 

櫛灘美雲を腕から降ろした男は立ち去ろうとするが、そんな男に近付いた櫛灘美雲が男の頬に手を添えて深く口付けてから顔を離す。

 

続きはまた今度じゃ、ゆっくりと2人きりの時にじゃぞ金時と言って笑った櫛灘美雲。

 

邪魔が入らないように気をつけないとなと言った男も笑う。

 

闇の拠点から凄まじい速度で走り去っていった男を見送り、拠点内に入っていく櫛灘美雲は機嫌が良い。

 

男に久しぶりに守られて初対面の時を思い出した櫛灘美雲は金時は相変わらず全く変わっておらんなと穏やかな笑みを浮かべた。

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