My Hero Battlefront ~血闘師緑谷出久~   作:もっぴー☆

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今年もマックにグラコロが来たので第二十五話です。
グラコロがくる。つまり12月入ってとても寒い時期です。お布団から出られません、求む炎系個性!でも荼毘は勘弁な!

今回から英文はGoogle翻訳じゃなくDEEPL翻訳を使用してみました。感想で教えてくださった皆々様に感謝。
多少マシになったと思いますが、言っても意訳マシマシの所詮フレーバーテキストみたいなものなので適当に流して読んでくだせえ。


第24話:同情すんな殺すぞ

 余った時間でエキシビションが行われることになり、みんなの他薦で僕のペアとかっちゃんのペアが選ばれた。出来れば他のみんなに実践経験を積んでもらいたかったが、僕らがやることになった以上、少しでも参考になる動きが出来るよう頑張らないと。

 気を取り直して僕らは一足先に先程のビル……とはまた別の、もう少し高いビルに核を運んでいた。先程のビルはみんなの訓練で損耗しているし、今考えてる作戦をやろうとするなら条件の合うビルが望ましい。もちろんビルの指定に関しては相手にもオールマイトにも了承は得ている。

 ちなみに角取さんがじゃんけんで負けたため(ヴィラン)継続だ。

 

 「Sorry, Midoriya……. (ソーリーです緑谷クン……)I lose in rock-paper-scissors,(じゃんけんに負けてまたヴィラン) I'm your villain again.(なっちゃいまシタ)

 

 「All right.(いいよ、)Everything is an experience (何事も経験だし)Let's have some fun with bad faces.(悪い顔して楽しんでいこう)

 

 角取さんはじゃんけんで負けたせいでまた(ヴィラン)をさせる事になったのを謝ってくるが気にしない。さっきも言ったけど去年まで自警団(ヴィジランテ)みたいな組織で働いてた身なので今更だ。それより今度はヒーローをどういう風に妨害していくか、ビルの見取り図を見て上へと核を運びながら考える。

 さすがにオールマイトに釘を刺され、種も割れ、おまけに相手はかっちゃん。エンタメ要素は乗ってきてくれないだろうし、そもそも難易度は切島君に合わせていかないといけない以上、加減に加減を重ねないと。

 

 みんなの個性は訓練の時に見てるため、ある程度把握出来てるから対策などは考えられる。

 まずかっちゃんの個性は爆破。戦闘、機動両方にしても強く、本人の才能もありかなり凶悪だ。手札は見せてくれなかったけど個性に関するサポートアイテムがあるのは確実だろう。

 次に切島君の個性は硬化。どれ程の硬度を出せるか定かじゃないけど、先の戦闘のダメージがもうないのを考えると相当固く攻防に強い。機動力に関しては人並かな?

 最後に角取さんの個性は角砲。曰く角一本一本パワーがあり、複数使えばオールマイトでも持ち運ぶことが出来るとか。まだ見てないが角に乗れば空も飛べるし空中戦も可とのこと。

 

 とりあえずかっちゃんは僕が抑えるので確定だな。今のかっちゃんは僕と手合わせを続けてさらに強くなっていて角取さんでは荷が重い。彼女には相性のよさそうな切島君と戦ってもらおう。

 見ているみんなには角取さん達からは相性対策を考えてもらい、僕らからは戦闘センスを学び磨いてもらえるといいな。

 

 「Mr, Midoriya, (緑谷クン。)we've reached the up floor,(上まで来ましたけど) what do you want?(これからどうするんですか?)

 

 「hmm……(えーっと……)OK,has the highest ceiling in the building.(よし、このビルでここが一番高いね)

 

 「Yes. (ハイ)It's the highest one with a stairwell.(吹き抜けにもなってて天井まで高いです)

 

 「Ok, here's the nuke……(よし、それじゃあ核をこうして……) and seal the upper windows, too.(ついでに上の窓も封鎖してっと)

 

 「Oh,it's still useful, that quirk.(おお、やっぱり便利ですねその個性)

 

 必要な妨害手段を一つずつ打っていく。角取さんが僕の個性を便利というけど便利なのは斗流です。そんなことを考えつつ核の設置と必要な窓の封鎖を終え、それからオールマイトに相談を始めた。

 

 「あ、オールマイト、ちょっといいですか?」

 

 『お、ちゃんと相談してくれたね、いいことだ。それでどうしたんだい?』

 

 「はい、ちょっと妨害工作で……この階からかくかくしかじかで……はい……え?守るべき城の損壊を招くからダメ?そこをなんとか……ええ、向こう(H・L)でたまにあった手口の劣化版ですが、こっちでもあり得る内容なので役立つでしょうし……実は楽しんでないかって?あの、仮にも僕向こう(H・L)でヒーロー活動していた人間なんですが?はい……一階分まで?わかりました、それで大丈夫です」

 

 オールマイトと簡単な交渉をして、一階分だけ工作許可といくつかの承認を得た。切島君に合わせるならこれくらいの難易度でちょうどいいだろう、多分。

 そうと決まれば時間は有限、さっそく作業開始だ。さっきのようにアレコレ仕込むわけじゃないけど大仕事なので角取さんには一度外に出てもらわないと。

 

 「Ms,Tsunotori,(角取さん、) it's dangerous, (危ないから)can you evacuate to the outside"(外に退避してもらっていいかな)

 

 「?Danger?(?危ない?)

 

 「Yes.(うん、危ない)

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 緑谷が作業を始める一方、爆豪たちDチームの二人も見取り図を頭に叩き込み終えて話し合っていた。

 

 「とりあえずクソ髪、テメエは俺の後ろ歩けや。前に出たらぶっ殺す」

 

 「お、おう……。本当に口わりーな爆豪、もしかして普通に喋ったら死んじまったりするのか?」

 

 「んなわけあるか!普通に喋れるわ!」

 

 相変わらず口悪く話す爆豪に切島は軽口を叩く。爆豪の言い分に、じゃあ普通に喋ろうぜという気持ちと、でも口の悪くねえ爆豪とかあんま想像できねえなと納得する気持ちがない交ぜになる。それでもクソ髪はどうなんだと思うが。自分も似たようにとんがってるのに。

 

 「まあそれは置いといて、俺が後ろでいいのか。俺の個性を前面に出してあいつらの攻撃を防ぐって手もいいと思うぞ?」

 

 「角女や他のモブ共ならともかくデクの野郎にやったら即効でぶっ殺されるわボケ。あの野郎は硬えならそれはそれで容易に対処してきやがるぞ。テメエみてえな奴には窒息とかな」

 

 「窒息ってこえーな!?……でも二人に集中狙いされたらどうすんだ?」

 

 「デクのことだ、俺に角女を落とされるのを嫌がって核守らせるだろ。何するかわからねえが嫌らしい手を使ってきやがるのは覚悟しておけ」

 

 「お、おう。……あれ?それなら俺たちで緑谷を集中攻撃出来るってことじゃね?」

 

 「……言いたかねえがアイツは俺より強ええぞ。個性ありだと殺り合ったことねえからわからねえが、それでも二人がかりで挑もうが抑え込むついでにテメエにテープ巻き付けて捕縛、なんて器用な事してきても驚かねえ。アイツの実力ならそれが出来る。

 テメエがあいつの動きについていけるならともかく、ねえなら素直に角女をぶっ殺して核奪いに行けや。俺とデクはお互い手の内をいくつかわかってるからうまくやりゃあ膠着に持ち込める。

 ……ああクソッ、完膚なきまでにぶっ殺せるって言えねえのが腹立つ!!」

 

 淡々と説明を始め、最後に勝手にキレる爆豪。それを見て切島はポカンとしていた。

 

 「おいコラなに間抜け面晒して固まってんだ」

 

 「あー、わりい。なんつーかよ……さっきの講評の時もそうだけど如何にも俺様主義丸出しな粗暴野郎に見えて、意外と冷静に見てんだなって驚いた」

 

 「誰が粗暴だゴラァッ!普段から冷静だわ!」

 

 「そういうところだぜ爆豪―――」

 

 ドゴオオオオオオオオン!!

 

 会話の途中でビルから物々しい破壊音が聞こえてきた。それも一度だけでなく何度も。ドゴオオオン、ドゴオオオンとビルから響く音に切島は困惑を隠せないでいる。

 よく見れば角取が外に出てきていたので何が起きてるのか、切島は急いで確認に向かった。

 

 「な、なんだなんだ!?おい角取さん、ビルでなにが起きてんだ!?」

 

 「あ、切島クン!今作戦のためにビルの改造?やってマス!内容はシークレットデス!」

 

 「改造っつーか音からして破壊工作だろ!いいのかよこれ!?」

 

 「オールマイトからなんもねえってことはそういう事だろ。つかあのアホのやることにイチイチ驚いても疲れるだけだ慣れろ、俺は慣れた。今は何やろうとしてんのか考察でもしてろや」

 

 目の前の事態に大して動じずのんびり歩いてくる爆豪。達観したような、悟ったような目をする爆豪を見て切島は頭を下げた。

 

 「……わりい。お前の事誰彼かまわず噛みつくヤンキーみてえに思ってた俺が馬鹿だった。実は相当な苦労してんだなお前……」

 

 「うるせえ同情すんな殺すぞ」

 

 爆豪は切島へ悪し様に返答するのだった。同情するくらいならテメエもストッパーになれ。そんな思いを込めて。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 一方こちらはモニター室。四人の様子を見るべくモニターを眺めていた生徒は呆然としていた。

 

 「み……緑谷君はなにしているんだ……?」

 

 「どんどん部屋がなくなってゆくでありますぞ……」

 

 飯田と宍田がそう呟く。

 それもそうだ。緑谷が行っている行為を見て平常でいられる生徒はそうそういない。

 いち早く気を取り戻した八百万は慌ててオールマイトに進言する。

 

 「オ、オールマイト先生!緑谷さんのあの破壊行為は過剰すぎます!許してよろしいのですか!?」

 

 「あー、それについては相談して了承済みだよ八百万少女。むしろもう二階分天井と床を破壊する可能性を一階分に留めてくれたのだからむしろ妥協したほうなんだぜあれでも」

 

 苦笑いをしながら告げるオールマイト。なにをしているかというと、今緑谷は一階分の壁と床を破壊しているのだ。血でハンマーのようなものを作り上げ地面に叩きつけどんどん壊していき、その度に下の階層が瓦礫だらけになる。これには生徒一同困惑を隠せず、説明を求めた。

 

 「オールマイト先生!我々にも説明をお願いします!」

 

 「もちろんさ飯田少年。とはいっても彼が行っているのは妨害工作兼(ヴィラン)ロールプレイの一貫というのは君たちもわかるだろう。

 彼の説明じゃあとある事件で高層ビルで今回同様核をチラつかせた立てこもり事件があって、それの再現だとか。そっちではなんと一階から四十階までの天井を全部ぶち抜いたとんでも仕様だったらしいぜ!」

 

 「よ、四十……。しかし派手に壊してますが倒壊の恐れはないのでしょうか?」

 

 「それに関しては安心してもいいだろう。倒壊しないよう支柱は壊さず、かつ個性(血法)でところどころ補強もしている。核を取られないよう少しでも遠ざけるために歩く場所を壊し、よじ登る壁を壊し、階段は瓦礫で埋める。簡易的ではあるが上手く妨害しているようだしナイスな作戦じゃないか」

 

 「なるほど、ただ破壊しているように見えて細かい調整もちゃんと考えているのか……わかりました!説明ありがとうございます!」

 

 そう言って飯田は質問を切り上げた。何人かが他に聞くことあるだろそのとんでも立てこもり事件、とツッコミを入れるが、オールマイトも口頭で軽く聞いただけで詳しくはわからないため緑谷少年に聞いてくれと投げるのだった。色んな事件を経験しているオールマイトでも、異世界の事件は経験したことはない以上考察のしようもない。

 なお実際の事件はさらにトンチキだったりするが、内容は割愛する。

 

 そうして説明が終わった後、ズウゥゥンとモニター室にもわずかに聞こえた破壊音が止み、角取もビルの中へと入ったところで訓練時間になったのだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 「それじゃあ時間だ!ヒーローチームはビルに突入開始!お互い健闘を祈る!みんなも四人の戦いを俯瞰して戦術を考えてみてくれ!」

 

 私が訓練の合図を施すとヒーローチームは早速とビルへ向かいだした。空き時間を埋めるために急遽行うことになったエキシビションで首席同士が、それも両者実力だけならプロヒーローレベルの二人が選ばれたこの戦い。他の生徒達にとって心に火をつけるきっかけになってくれることを願おう。もちろん切島少年と角取少女の二人にも期待している。首席達にはない個性と知恵を振り絞り下克上を狙ってくれることを期待しているぜ!

 ただ緑谷少年が仕掛ける(ヴィラン)ロールに一抹の不安を感じるが、都合彼も今年成人する大人だ。釘も刺しているし大事にはならないだろう。多分。

 

 さて、エキシビションだから成績に影響を与えるつもりはない以上、私も一人のヒーローとして観戦させてもらうぜ四人とも!特に首席の二人は手合わせをよく見ていたが個性ありの戦いは今回初めてで楽しみだったりするんでね!

 ちょっとウキウキしながらモニターに目を向けると、正面玄関へと向かうヒーローの会話がインカムを通して聞こえてきた。

 

 『なあ爆豪、さっきもそうだけどやっぱ窓から潜入したほうがいいんじゃねえか?』

 

『時間制限があんだぞ、正面から行く方がはええわ。下手に窓から入ろうとして拘束罠なぞあったら面白くねえ』

 

 爆豪少年がそう言うや足早に正面から入る。やや無警戒に思ったが、どうやらしっかりと考えての行動のようだ。もちろんもう少し慎重にすべきだが爆豪少年の言う通り時間制限がある以上慎重すぎるのもよくない。それに緑谷少年は爆豪少年のことをよく知ってる、どこから入ろうがおそらく察して見つけるだろう。

 

 「二人ともドンドン進んでいくけど、罠とか警戒しないのかな?」

 

 「いーや、しているぜ小森少女。ちゃんと気になる所を見つけては慎重に、突然のことにも対処できるようしっかり警戒をしている。二人ともたまに止まっているだろ?それがそうだ。

 制限時間内にどこにあるのかわからない核を探さないといけないとなると多少急いて動くのも問題ない。ただし見逃しには注意だ!急ぎすぎて足元を掬われたら元も子もないからね!」

 

 潜めそうな場所を時々指しながら慎重に、それでいて素早く動くヒーローチームは上へとどんどん進む。下の階にあるかもしれないが先程の破壊音の痕跡が見当たらないとなると上の階で妨害を考えている可能性は高い。なら核も上にあるはずだ、と予測しているのだろう。なかったら最悪しらみ潰しになるが今回は上階にあるので正解だ。

 そうして大して時間もかけず三階の中程までたどり着いたその時だった。

 

 『死ねやヒィイロオオオオッ!!

 

 少し大袈裟な雄叫びと共に(ヴィラン)役の緑谷少年が奇襲を掛けてきた。壁の一部が欠けるほどの一撃ではあったが、先頭が爆豪少年、みえみえの大振りだったこともあり難なく避けることに成功するのだった。

 

 「えっ、デク君見当たらないと思ったらあんなところにいたの!?」

 

 「ヒーローにもカメラにも見えない死角からの奇襲!よく見つけたな緑谷少年、見つけてもドンピシャで実行に移すのは難しいもんだぜ!」

 

 「死角という闇に溶け込み我らの眼すら欺くとは……。しかし爆豪もその不意討ちを避けてみせるとは見事、さすが首席か」

 

 一連の奇襲と回避を見て盛り上がるヒーローの有精卵達。うまいこと死角を利用し、それを咄嗟に避けた二人の動きはきっと参考になるだろう。

 

 『避けてんじゃねえぞクソヒーローが……大人しく頭をザクロみてえに割られてりゃもう怖い目に遭うことねえってのになあぁッ……!

 

 地の底から響くような声がインカムから聞こえてくる。そこには再び猪に似た髑髏のマスクを付けた緑谷少年が口汚く罵っていた。ノリノリだな少年、そのマスクも気に入ってるのかい?

 

 『ちっ、叫びながら奇襲なぞ仕掛けといて何言ってんだ、なめてんじゃねえぞデク。つかその悪趣味マスク気に入ってんのかコラ』

 

 代弁ありがとう爆豪少年。

 

 『大丈夫か爆豪!緑谷め、破壊工作に奇襲とかやりたい放題すぎんぞ!』

 

 『ハッ!僕……俺達は(ヴィラン)だからな!何やっても許されるんだよ!

 

 『噛むなやボケ、テメエもアホ言ってねえで警戒しろクソ髪。角女の二重奇襲も有り得ねえわけじゃねえ』

 

 今度は切島少年が奇襲に抗議するがこれは実践で相手は(ヴィラン)。その程度の抗議で相手が素直にやめるならヒーローなんていらないだろう。

 

 ヒーロー達は(ヴィラン)から目を離すことなく周囲を警戒しつつ対峙。間もなく戦闘が始まるのだった。

 




お仕事の合間とかにヘルサレムズ・ロットの斜め上なトンチキ事件考えるの楽しいです。それにレオが巻き込ませるともっと楽しいです。不憫!

後常闇君の台詞回し意外と難しい。もっと我に厨二病を……!

【誤字報告】

踊り虫さん。 楓流さん。 呪い狐さん。 めそひげさん。

誤字報告ありがとうございました。

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