比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

1693 / 1700
渦巻く情念のグランプリ

 

 

ーーーーーー

 

 

パドックでのウマ娘紹介が終わり、既に出走メンバー全員の本バ場入場が済んでゲート前で最後の準備をしている。年末のグランプリなだけあって観戦に来ている人の数はダービーの人数とほぼ同じとなっていた。この1年で活躍しただけでなく、ファンによって選ばれた16人のウマ娘が2,500mのスタート地点で周回している。

 

 

ジャーニー「………」

 

ブエナ「………」

 

 

そしてスターターが赤い旗を振ると、中山レース場にファンファーレと大歓声が起きた。

 

 

実況『大歓声が恐らく遠くに聞こえる、3コーナー奥のポケット地点。ドリームジャーニー威風堂々。ブエナビスタも虎視眈々、49年ぶりのティアラ路線によるクラシッククラスの制覇となるか?さぁ今回の展開はどうなりますでしょうか?行くウマ娘は居るのでしょうか?』

 

解説『テイエムプリキュアはこの前抑えずに行って成功しましたし、ミヤビランベリは枠は良いんですが、今回は控える形を取るかもしれませんね。』

 

実況『さぁ最後に16番フォゲッタブルだけ……さぁ、クラシッククラスによる世代交代か!?それとも、歴戦のシニアの意地か!?』

 

 

ガッコン!!

 

 

実況『有馬記念スタートが切られましたっ!!ドリームジャーニーは後ろに下がりました!エアシェイディもスーッと後ろに下げた!さぁ何が行くんでしょうか!?リーチザクラウンか?リーチザクラウン、内からミヤビランベリ、外からテイエムプリキュア!少し掛かり気味でブエナビスタは何と先行策っ!!ブエナビスタは先団の内側、前目につけています!ホームストレッチ、満員の、観衆の前を通って行きます!』

 

 

八幡「エアシェイディがあそこまで下がるのも意外だったが、ブエナもまさかの先行策とはな……」

 

オルフェ「だが、展開には恵まれている……ペースは少し速いが姉上には好都合、大逃げを打つ者も居ない。」

 

八幡「あぁ、展開次第だが、地力勝負になるかもしれないな。」

 

 

実況『さぁ間も無く前半1,000mというところになるますが、58秒6とちょっと速い!58秒6決してスローペース落とせていませんっ!さぁこのペースで果たしてどうなのか、リーチザクラウン先頭に立っています。ご覧のように4~5バ身のリード!ミヤビランベリと今日は抑えたテイエムプリキュアは3番手!その後少し切れてシャドウゲイト、1バ身後ろに皐月賞ウマ娘アンライバルド。その外にトリプルティアラウマ娘ブエナビスタが上がって行く!ブエナビスタが上がって行く、ブエナビスタは此処に居ます!いつもより前です!そしてスリーロールス、インコースからイコピコ更にはネヴァブション、マイネルキッツこの辺りはバラついているがスリーロールスが後ろに下がっている!スリーロールス故障発生かっ!?』

 

 

八幡「っ!あの走り、故障か………」グッ…

 

アート「……トレーナーさん?」

 

八幡「………いえ、何でもありません。(後で様子を見に行こう。)」

 

 

実況「スリーロールスが競走を中止しています!さぁ、間も無く3コーナーにかかるっ!先頭はリーチザクラウン!ミヤビランベリ、そして外からスーッとマツリダゴッホが早くも捲っていった!アンライバルドも来た!ブエナビスタはその前を行っている!さぁブエナビスタは、いつの間にか外目に持ち出しているぞ!前に行ったのはマツリダゴッホ、ラストラン!4コーナーをカーブして、色んな情念渦巻いて、直線コースに出てきたっ!!』

 

 

ブエナ「はあああぁぁぁぁぁ!!!」

 

ジャーニー「フッ!!」

 

 

実況『先頭はマツリダゴッホかっ!ブエナビスタ、早くも先頭!ドリームジャーニーが外から襲いかかるっ!!更に外からはエアシェイディ!先頭はブエナビスタかっ!?ジャーニーだっ!ジャーニーだっ!!夢への旅路だっ!!ドリームジャーニー先頭に立った!!ドリームジャーニー1着っ!!そして2着に敗れたブエナビスタ!ティアラ路線クラシッククラスの夢はまたも届かず、渾身のガッツポーズ、ドリームジャーニーですっ!!そして史上9人目、春秋グランプリ制覇っ!!』

 

 

八幡「ふぅ~……勝った。」

 

オルフェ「兄上と姉上ならば当然である……」

 

アート「おめでとうございますトレーナーさん。そしてありがとうございます、またこのような大きな舞台でジャーニーを勝たせていただいて。」

 

父上「礼を言う、トレーナー。」

 

八幡「ありがとうございます。お話したいところではありますが、少し確認したい事もありますので失礼します。」

 

 

八幡はそれだけ言うと、そそくさと観覧席から出て行ってしまった。

 

 

アート「……きっと故障したウマ娘さんが気になるのね。」

 

オルフェ「……で、あろうな。」

 

アート「トレーナーさんは優しいものね、さっきのレースで少し反応していたものね。今は勝った事よりもあの子の事が気になるんでしょう。」

 

父上「素直に喜べない様子だったからな……仕方ない。」

 

アート「ジャーニーが帰ってきた時にはお祝いの言葉をかけてあげましょう。あの子にしては珍しく拳を突き上げたんだもの、きっと凄く嬉しかったと思うわ。」

 

父上「……そうだな。」

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

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