東方八咫烏   作:水明

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依頼

 

 次の日、三人道を走っていた。二人は目麗と鉄、もう一人は大羅(おおら)という名で、隣の村の者だ。

 今朝、戸を叩く音がしたと思ったらこの大羅という男がいた。彼は来るなり依頼をしてきた。どうやらここ最近、頻繁に村の女、子供を(さら)っていく妖怪が現れたのでその妖怪を退治して欲しいとの事だった。鉄は報酬を聞かずにその依頼を受けた。それから鉄が妖怪退治に使う道具を装備してきたのだが、昨日も見た刀(一メートル程)や剣(刀の約半分)だった。使うのは大方それだろう、とは思っていたのだがその数に驚いた。

「それは幾らなんでも動きづらいじゃろ」

 そう指摘すると隣にいた大羅も何も言わないが頷いた。

「と言われても、これがいつも通りなんだからさ」

 そう言うが、腰の横に左右それぞれに刀を二本に剣も二本、それから腰の後ろに四本の剣、合計十二本の刀と剣があり、後ろの剣は左右に二本ずつ柄が出ているような感じになっている。どう考えたって重いし邪魔になる。よくそんな装備で妖怪退治をしていたものだ。もしかしたら、使う時は使う以外の武器を外すのかもしれない。まあ、その時になれば解ることだろう。

 取り敢えずその装備のまま、その大羅が住んでいるという少し離れた村へと向かって今に至る。少し、と言ってもそれなりの距離があり、大羅は少し息を切らし始めている。もちろん自分は体を少し浮かせながら走っているので少しは楽だが、それでも少しは疲れる。だがそれに対し、鉄はあの装備でまったく息を切らしていないし全く顔色を変えていない。単に体力があるのか、それともこれが能力と関係あるのだろうか?

 そう思ってから暫くすると村が見えた。

「や、やはり流石と言うべきでしょうか。お二人とも体力がおありで」

 息を軽く整えながらそう言ってきた。

「そうでないと仕事が出来ないからな」

「わしはもう動きたくないのー」

 体力の多い………能力とかを使っているこちらと比べなければ、彼は結構な体力があると思う。鉄はどちらか分からないが……

「まだ着いたばかりなのですが、今のうちに依頼について話しておきます」

 真剣なまなざしを向けてこちらに話しかけてくる。

「その例の妖怪については、黒い羽を持つ妖怪らしきものを見たという者がいたことから天狗だと思われます」

「天狗、か。これはやりにくそうだな……まあ、やることには変わりはないけどな」

 それをみて安堵の表情を浮かべ、

「そうですか……それで、その妖怪はあの山にいます」

「ん?何で分かるんじゃ?」

 今まで誰もはっきりと見た者がいないような話だったのに、急に確信を持ったことを言ったことに疑問を持ってそう質問をする。

「実は、あなた方に依頼する前に別のところに依頼したをしたのですが、あの山に行ったきり帰って来ていないんですよ。それで、あの山にいるのだと」

「なるほどのう、どうするんじゃ?そんな相手に」

 そう言いながら鉄のほうを向くと、その妖怪がいるという山を見据えていた。その顔は真剣そのものだった。それからこちらに視線を戻し、

「俺一人で行くから、お前は残っててくれ」

 真面目にそんなことを言ってきた。

「い・や・じゃ」

 それに対して一言一言丁寧に言葉をはっきりと分かりやすく答えてやった。

「あのなぁ、今回はいつものに比べて危ないかもしれないんだ。そんなところにいられると危ないんだよ、互いにな」

「ほう、なら勝負してみるか?わしが逃げるから捕まったら付いて行くのを諦めるぞ?」

 この勝負で、『危なくなったらいつでも逃げれる』ということを理解してくれればいいのだが……まずは、

「……分かった、なら十数える間に俺が捕まえられなかったら俺が諦めよう」

 そもそもこの勝負を受けてくれるのか分からなかったのだが、取り敢え話が進んだ。

「たったの十?本当にそれでいいんじゃな?」

「その替わり、能力は使わせてもらうからな。そっちも使っていいぞ」

 能力を見ることができると言うことは目的のうちの一つが達成されるということだ。だからと言って、負ける気は全く無いのだが。

「それでいいんなら別に構わないんじゃが」

「なら決まりだな。大羅、だったか?悪いが手を叩いてから十数えてくれないか?」

 それに頷いたことを確認すると、互いに少し距離をとる。どうやら、手を叩いて始まるようだ。

「それでは」

 と言って分かりやすく手を広げる。

 パンッ!

 気持ちいいくらいいい音が出たと思ったら、もう目の前までに鉄が迫ってきていた。始まる直前に、少し身を屈めていた事から、おそらく一歩で間合いを詰めてきたのだろう。

 それ以上は考えることが出来ず、とにかく今伸ばしてきている手を避ける。捕まることは無かったが、すぐ横を通り抜けた。

「い、一」

 それを見て数えるのを忘れそうになったのか、ぎこちない声でそう聞こえた。

(あの速さで動くなら、そうすぐに切り返せないじゃろ)

 そう思ったのが間違えだったとすぐに気付かされた。刀を素早く抜き、それを足場にするようにしてこちらに向かってきたのだ。流石にこの姿で避けきれるとは思えなかったので、姿を八咫烏に変えて上に一直線に飛んだ。

(何じゃ、今のは……?)

 刀を足場にすることに驚いたのだが、幾らなんでも中に浮いた刀を足場にする(、、、、、、、、、、、、)というのはありえない。刀を地面に刺していれば出来るかもしれないが、それでも刀がそれに耐えられるとは限らない。

「二」

 大羅は驚かないようにするためなのか、目を閉じて数えていた。鉄はというと、既にこちらに向かって垂直跳びで向かってきていた。

「さて、どうしたものか」

「三」と聞こえてきたばかり。まだ(、、)七もある。

 

 

 

 

 

 

 




皆さんこんばんは (≧ω≦)ノ

今回は短いです

来週更新できるといいな、くらいです

おまけに、あとがきも短くなってきております

申し訳ないです (..)
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