東方八咫烏   作:水明

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前回の最後

湯気「こっちみんな!」



気にしないでください (ー_ー)




様子を窺っている

 

 言われた通りに庭にいるのだが、

「あー……こうただ立っているだけじゃあなー」

「そうじゃなー……」

 二人してだらけていた。正直何もすることが無いのでかぐや姫に会いに行こうかとも考え始めている。

「(ところでさっきからずっとこっちを見ているような気がするんじゃが、気のせいじゃろうか?)」

「(気のせいじゃないだろ、どう見たってこっちをみてるだろ)」

 お互いにそう囁き合ってその視線の元のほうを視界の端に映る位の位置で見る。

「(じゃよなー、早く話しかけて欲しいような感じが……と言うわけで話しかけてみたらどうじゃ?)」

「(俺かよ!?そう言うお前が話しかければいいだろ)」

 そう言って頭を無理矢理その視線の元へと向けられる。誰かが分からないが襖の間からこちらを覗いていた。覗くのなら大体は片目だけで見るような感じがするものだが、何故かばっちり両目でこっちを覗いていた。その両目と目が合う。

「じーっ」

 その襖から覗いている者がそう言ってこちらを見ている。そこは自分で言うものなのだろうか……?

「じーーっ」

 さっきよりも少し気持ちばかりか声が大きくなっているような気がする。このまま放っておくといずれ大声になるのではないか?そう思って、

「カシャッ」

 声を掛けようとしたがそのままでは何かと面白くなさそうなので、今の時代には無いがカメラの音の真似をしてみた。指付きで、

「……な~んでそうなるのよ!?」

 そう言いながら襖を開け放つ。そこにいたのは(と言うか襖を開けても体は横になったまま)……あれ?もしかして……?

「こう、構って欲しい眼差しを向けられて態々か細い声まで出したのに何でそこで、え~っと……ま、まあなんだったか忘れたけど、まず何でかなり昔の道具のことを知ってるの!?はっ、それを知っていると言うことはまさか迎えの者!?」

 そんなことをいいながら何か勝手に一人で盛り上がっている。急に立ち上がったと思ったら立ち眩みなのか少しふらついた。

「だ、大丈夫か?」

 流石に少し色々と心配になってきたので近くに寄る。すると口が弧を描いた。

「もらったー」

 そう言いながら手に持つ何かを振りかざす。その何かは、

(……ハリセン)

 完全な不意打ちで避けることはできないが、ハリセンなら痛くないだろうから抵抗せず受けることにする。

 パァーン、そんな音がするかと思ったがそんな音はしなかった。

「な、なぜそっちで………」

「あ、あれ……?痛かったの?このハリセンというのなら痛くないはずなんだけど……?」

「痛い!何故そのぎざぎざの面で打つんじゃよ!?」

「え、ここじゃないの?」

 驚いた顔でそう言い、不思議そうにハリセンを見ている。どうやら本当に使い方を知らなかったようだ。知らなくてもそっちを使うことは無いと思うが……

「で、何でこんなことをしたんじゃ、それと名前」

 そう聞きながらついでにデコピンデ仕返しをしておく。

「うー……ただ暇だったから、それと名前は言わなくても何となくわかるでしょう?」

 そんな言い方をするということは名前を名乗っているのに近い。

「お?ということはかぐや姫か!俺は鉄だ、よろしくな」

 さっきまで後ろで見てるだけだった鉄が前に出てきた。かぐや姫はそうだ、と言わんばかりに胸を張っている。というか想像していたかぐや姫とは随分かけ離れた存在だ。

「いやー、何だか思っていたよりも随分と話しやすいな」

 どうやら鉄も同じことを思っていたようだ。

「そうねー、貴方たちが普通の人間じゃないからかしら?」

 その言葉に一瞬お互いに動きが止まった。

「……普通じゃない、というと?」

「う~ん……貴方たちは神様とか妖怪、とか?」

 (゜д゜)

「ははは、俺たちは神様でも妖怪でもないさ」

「それ以外に長く存在できるのがいたのー?」

 頬をぷーっと膨らませてそう聞いてきた。

「ああ、忘れてるな。これとかな~」

 そう言って鉄は手をだらんとさげてうらめしやー、とでもいいそうな感じでそうしてみせる。

「えー、でも貴方足があるじゃないの」

「まあ、一般的なのはな。俺はちょっと他とは違うんだ」

「ふぅ~ん……じゃあ、そっちは?」

 指差しながらそう聞いてきた。まだ完全に鉄のことに納得していないのか、少し顔の表情が曇っている。

「そうじゃなー……簡単に言えば元は人間じゃな」

「じゃあ今は人間じゃないの?」

「姿を変えているからのー、今のこの姿は人間でも別の者のじゃし」

「え!?姿変えられるの!!?見たい見たい!ちょっと何か別の姿になってよ!」

 新しいおもちゃを貰った子供のような、そんな感じだ。まあ、姿を変えることは億劫ではないので姿を変える。

「わっ!鉄が二人になった。すごーい!」

 それから今まであってきた人間や妖怪などになったりする。

「私が二人いるー!」

「これで満足した?」

「え、声まで変わるの?」

「まあ、よくはわかんないけど」

「へー、じゃあ私から一人なってもらいたい人がいるんだけど」

「まあ、なれるかわからないけど、知っている人なら」

 多分自分の知らない者にはなれないからなれるものなんて少ないような気がする。

「大丈夫よ、私がなってもらいたいのはあなた自身なんだから」

「断る、というか無理」

「えー、何でなれないのー?」

「姿を変えることが出来るのは顔を見たものだけで、自分の顔を見たことが無いから無理」

 これは本当のことだ。ただあることをすればなることは出来るのだが正直それはやりたくない。

「じゃあ、元の姿に戻れないって事……?」

 可哀相ねー、と少し哀れんでいる視線が痛い。そこで姿を何時もの姿に戻して少し話をそらす。

「あ、ああ、そういえばまだ名乗ってなかったの、目麗じゃ、よろしく」

「そう言うものは会った時にいうものだけど……」

「まあそれはいいとして、こんなところで遊んでいて大丈夫なんじゃろうな」

 一応、護衛されている身なのだがここまで自由で言いのだろうか?

「いいのいいの、どうせまだ来ないんだし。それまで楽しんでおかないと」

「それは何時来るんじゃ?」

「今度の満月の日だから、明日の晩ね」

「来るって、何がだ?」

 どうやら鉄は知らないようだ。というか護衛内容にそのことは書いてなかったのか。

「迎え、月からの迎え」

「月って、あの月か?」

「そう、私は月からきたから月に帰らなくちゃいけないの」

 笑ってそう言うが表面だけしか笑っていない。だがそこについては何も言わない。

「月にはやっぱり兎とかおるのか」

 そんな適当なことを聞く。実際少し気にはなっていたことなのだが。

玉兎(ぎょくと)、月の兎のことをそう呼ぶけどたしかにいるわね」

「餅をついたり?」

「するする」

 兎が餅をついているところを想像する。うん、やっぱり物凄く不自然だ。

「もしかして、地上で見かける普通の兎が餅をついているところを想像したんじゃない?」

 そう意地悪そうに言うところを見るとどうやら違ったらしい。さっきの雰囲気がなくなっていたので少し安心した。

「餅をついている兎たちは大体地上の兎が妖怪になった感じね」

「あ、あーー、兎の妖怪は見たことが無いんじゃよなー……」

 そういえばまだ一度も見たことが無い……いつか探しにでも行こうかな?……ん?

「さあ、色々と私と話さない?貴方たちは色々と私が知らないことを知っていそうだし!」

「それなら大歓迎だ。こっちもあって話したいと思ってたしな、目麗もそうだろ」

「ん、ああ、そうじゃったな」

 それから中へと進められた。さっき見えたのは少しはなれたところから見る嬉しそうな顔の翁だった。

 

 

 

 

 

 

 





こんばんは~?
今回は普通に更新することが出来ました。やったね! (^∇^)

次回も更新できる、はず

それではまた~ (≧∀≦)ノシ
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