前回の最後
目の前が真っ暗になった!所持金の半分(0)を落とした!
真っ暗、最初は何が起きたか分からなかったが月明かりがあることに気が付く。
「これは……?」
目の前には闇があった。夜に闇があるのは当然かもしれないが、目の前のそれはあまりにも不自然だった。何だかこの闇自体に意識があるかのように蠢いて見えた。
月の民はこの中にいるのだろうか?……鉄がいないところをみると、どうやら鉄も中にいるようだ。
するとその闇の中から誰かが吹き飛ばされた。両手に持っていた剣を地面に突き刺してようやくその勢いを殺し、膝をついた。
「……何だ、今のは」
腹部を押さえ、苦痛の表情を浮かべていたのは鉄だった。
「大丈夫か?中で一体何があったんじゃ?!」
「……ああ、何とかな。斬られはしなかったが腹を思いっきり蹴られた。ただそれだけしか分からないな」
あの闇の中で鉄は斬られそうになった……ということはこの闇は相手が作ったのではなく、別の誰かが作ったことになる。おまけに鉄を襲ってきた奴はどうやらあの闇の中でも相手がみえているようだ。今まだ中にいる数人はどうなっているのかは分からないが、恐らくその誰かにやられるだろう。……何だか鉄を逃がしたようにも思えるが、ただの考えすぎなのかもしれない。
「輝夜は!?」
敵が見えない今、二人のことが気になった。出来れば生きていて欲しい。そう思って二人が倒れている元へといく。
倒れている二人を見て何か違和感があった。だが一体何処に違和感があるのか全く分からない。すると鉄がそれに気がついたようで、
「…おい、傷が」
鉄に言われてようやくその違和感に気が付いた。そう、あの時の傷が綺麗に無くなっていた。まるで傷があった事が無かった事のようにされているような気がしたが、穴の開いた服がそれをあった事だと主張している。
それから二人の元へより、声を掛ける。何度か輝夜とその名前を呼ぶと、もう一人の手が動いた。
そして、何でも無かったような動作で上体を起こした。
「あら、貴方たちは確か…姫様の傍にいた方だったかしら」
目があったと思ったらそんなことを言った。輝夜のことを心配する素振りが見られない。
「そんなことより、傷はどうしたんじゃ?」
そういうと目の前の女性、永琳が自分の穴の開いた服のところを指差されていることに気付いてこう答えた。
「別に気にしなくていいのよ、私達は不老不死なんだから」
……ん?
「すまんがもう一回」
「姫様と私は不老不死、もっと簡単に言うと死なないのよ、私達は」
物凄く分かりやすい言葉で教えてくれたが、正直自分がまともに理解できたのかが怪しい。取り敢えず頭の中を整理する。………よし、分かった。
「その分かったみたいな顔は分かってないな」
「そんなことはない、とりあえず二人は生きているって事じゃろ!?」
「そうね、生きてるから逃げないと…」
そう言うと輝夜を背負って立ち上がる。輝夜はまだ目を覚ましていないが、頬にうっすらと涙を流していた。永琳と呟く声が聞こえる。その名前を呼ばれた人は申し訳なさそうな顔をしている。
「…逃げるって、どこに……?」
「どこへでも…月から身を隠す場所を、探すわ」
何か手伝うことはないかたずねようかとしたが、覚悟を決めた目でそういわれたらこちらは何も口出し出来ない。
「姫様のこと、感謝するわ。私は貴方達の名前を知らないけど、また会えるといいわね……いいえ、また会いましょう」
最後にそれだけ言って深い自然の闇の中に消えていった。
「また、の」
もう二人には聞こえないかもしれないがそう言って送った。今度会うときは、もっとゆっくりと笑顔で話したいものだ。
「あらぁ?あの二人、生きてたのぉ?」
そんな声が聞こえて鉄も勢いよく後ろへ振り返る。そこにいたのは黒い服で身を包んだ一人の少女だった。よく見ると、黒い服と思っていた服は少し赤黒かった。それから赤い目に赤い口、金髪の先が赤く染まった、妖怪。
「ちょっともったいないけど、もう結構食べちゃったし……でもいつかは食べられるかぁ」
そういいながら袖で口元を拭い、不敵に笑う。その後ろにはあったはずの闇が消えていて、替わりに地面が赤く染まっていた。どうやら、目の前のこの妖怪があの闇を作り出し、襲ったようだ。
二人して目の前の妖怪に対処するために身構える。だが、相手はそれが可笑しいかのように薄く笑った。
「あら、私はあなたたちを食べる気なんかないのに、これはどうすればいいのかしらぁ?」
口元に指を当てて困った仕草をする。だが全く困っている表情には見えない。
「誰じゃ、何の用じゃ?」
「誰、ねぇ………わたしはルーミア。別に、今のあなたたちには用がないの。もう食事を終えたから後は帰るだ~け。だから私なんか気にしないでいいの」
「そう言われて気にしない奴の気が知れるの」
笑ってそう言ってやり、互いに声を殺して笑った。
「何で用がないのかを話したら気にしないでくれるのかしら?」
「それは内容次第じゃな」
「そうねぇ、まずはあなたは食べられないから用が無いの」
そう言ってこっちを指差す。食べられない?言っている意味がよく分からない。
「それからあなたは今食べても美味しくなさそう、だから用が無い。これでいいかしらぁ?」
鉄を指差しながらそう言って嘲笑う。すると鉄が一歩踏み込み、鉄が蹴られたところと同じ腹部を蹴りこんだ。
「っ!!?」
が、そのまますり抜けてしまった。自分がやられたところと同じところを狙うところを見ると、一応根に持っているようだ。
「だ~か~らぁ、今はあなたたちを食べたくないのぉ」
そう言いながら何事もなかったかのようにその場に立っている。目の前にいるのは実態ではないのだろうか……?
「鉄、いくら美味しくなさそうと言われて蹴ることはないじゃろ」
「そうそう、今は美味しくなさそうでも時期美味しくなるわよ」
「うるさい!それにそこは気にしてない!!」
おー、今度はこっちに向かってきそうだ。怖い怖い。
「ふふふっ、でも本当にあなたたちは美味しくなる。あなたは一人になれば確実に美味しくなる」
鉄のほうを見ながらそう言う。一人にならないと何がいけないのだろうか……?
「おいおい、そんな事いっていいのか?」
その問いに答えることなくこちらを向く。それから目をじっと見て、
「そして、あなたは芽を出すことを忘れてしまった種を持っていて、それが何処にあるのかが分からないみたいね」
「………ん?それはどういう」
「私はそれを知らない………今度会うときはわたし好みになっててね♪」
最後にそれだけを言って闇の中へと消えた。
「ルーミア、か……」
「なんじゃ、知っておるのか?」
「いや、聞いたことも無い妖怪だ。あれだけの妖怪なら名か特徴くらいはあるはずだが……」
結局、ルーミアという妖怪もよく分からないままその日を過ぎた。だが当初の目的は達成できたのでよかったかもしれない………
その日は最後に疑問を残したまま過ぎてしまった。
こんばんは~ (≧∀≦)ノ
いきなりですが家庭の事情で暫く更新できなくなります。
どれくらいの間かというと大体皆さんが忘れるころなんじゃないかとw
そう言うわけなので………うん、何も思いつかないw
それではまた会いますか~? (´・ω・`)ノシ