【悲報】転生したらしいんだけど秒でオークと鬼ごっこしてる【どこここ?】   作:火壁

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ガッシュⅡ熱い。それはそれとして更新希望のコメントあったから更新する。しょうがねえなぁ(悟空)こんな亀更新待っててくれてありがとナス!!


戦いを終えて

 賢斗が目を覚ました時、見覚えのない光景が目に映った。自分は何かの椅子に座しており、身体中が痛みで悲鳴をあげている。顔を歪ませながら目を動かすと、そこにはここ数日で見慣れた姿があった。

 

「あ、起きたねー。怪我大丈夫?」

 

「……戦ってる時に来てほしかったんですがね」

 

 井河さくら。対魔忍でも上位の実力を持つ彼女がなんでいるのか、それを問うよりも前に愚痴が出て来た。

 

「ゴメンね。本当に危なくなったら助けるつもりだったんだけど、なんか勝てそうだったから」

 

「それで生徒放置するって……まあ事の発端は俺だけど」

 

「無茶したよねー。あーこりゃ肋骨だけじゃないね」

 

 さくらの言う通り、身体強化の術(ラウザルク)の連続発動やベルザロの攻撃へ耐え切るだけの肉体がまだ完成していなかったのだ。肋骨だけではなく、肩や脚の骨にも罅が入っているのだろう。喋りはできるが、とても動けそうになかった。

 

「敵は……?」

 

「ボスっぽいのは君が倒して意識が飛んでる。部下みたいなのが何人か来たけど返り討ちにしておいたよ。原ちゃんも今は敗走兵を捕まえてどうするか騎士さんと話してるよ」

 

 フラムと既に顔合わせと済ませていると確認し、どれだけ時間が過ぎていたのか思案する。

 

「あれから……どれだけ経ちました?」

 

「3時間ってところだね。もう少しで日が昇るよ」

 

 窓に目をやると、向こう側の空が淡く白けている。賢斗も動こうとするが、やはり身体は動かない。

 

「心配ないよ。今は外部戦力の介入は無いし、簡易的だけど復興の準備も始めてる。ここの住人はすごいよ本当に」

 

 さくらが羨ましがるように笑う。賢斗も理解しているが、対魔忍は基本脳筋であり、それが罷り通るのは対魔忍という種族が、魔族と同等レベルの膂力と対魔忍特有の忍術、人間特有の組織形態を構えているが故である。

 

 しかし、脳筋ばかりというのが良い事かと問われれば、当然の如く否と答えるだろう。彼女自身や姉であるアサギが辿った凌辱の歴史は、彼女らが罠への嗅覚を欠き、油断した歴史でもある。勿論魔族が人質を取るなどの手段もあるが、敵の罠を力でねじ伏せ、なまじそれで結果を出してしまったものだからか、対魔忍は力こそ全てという概念が根付いている。

 

「まあ身内の愚痴は置いといて、まだやる事はあるよ?身体ボロボロだけど行ける?」

 

「当然っすよ。なんぼか骨が罅入ってる感じするけど、そんな事言ってらんないし」

 

 ゆっくりと立ち上がり、調子を確認する。痛みが走り辛い事この上無いが、無理をしなければ歩くことは出来る。核原が無事かを確認しなければと、玉座の間を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ……?さっきまで……え?」

 

「あっちを見てごらん」

 

「あっ……」

 

 賢斗が外へ出て、燃えていた(燃やした)集落の様子を確認しに行くと、そこには何事も無かったかのように生活を営んでいる。全焼した家屋が被害を生々しく訴えているが、それを気にしないといったように民は笑い、それと同じく犠牲を悼んだ。

 

「奴等に殺された数も、そう少なくは無いよね。王様もその筆頭だし」

 

「……俺らがもっと早く駆け付けられたら、結果は変わってましたかね?」

 

「それは無いね。住民は全て拘束されて、その前には抗戦の跡もあった。多かれ少なかれ、死は免れないだろうし、私達がいても王様は死んでたと思うよ」

 

 そこからさくらが知っていた情報を聞く。あの手紙を読んだ後、個人的に調べていたのだそうだが、ヴァルボーグ領の領主は民を守る事に誇りを持ち、これまでの戦いにも単騎で挑み全て勝利してきた。今回の敗北はそれに対策を打たれたが故だとさくらは語る。

 

「だからどの道王様が死ぬのは変わらない。ここの住民は温和な魔族が多いみたいだけど、外からの侵略者は変わらずに襲ってくるだろうね。君の行動は立派だけど、それは余りにも無駄な行為とも言えるよ」

 

「……」

 

 耳が痛い言葉。善意だけでは世界が救えないように、悪者が全て消えなければ賢斗の行為は焼け石に水であることは間違いない。戦いの中でベルザロが零していた言葉、彼もまた何らかの形で被害者となったのだろう。戦いを終えた今だからこそ、賢斗にはそう思えてしまう。

 

「あいつは俺と戦っていた時、ルッキズムとか差別とか、侵略者が言うにはおかしい言葉があった。あれはどっちかっていうと虐げられた者の言う台詞だ」

 

「きっと、どこかで差別されたのを今の国に拾われたとかなんだろうね。それを考えれば、彼にも同情出来る部分はあったかもしれないけど、君は少なくともそれを汲む資格は無いよ」

 

「!!」

 

「だって君は、彼の言葉を聞いてそれでもこの国を守る選択をした。それはつまり彼の意志や思いを否定する事だよ。それがあいつの過去を考えた時に可哀そうっていうのはただの傲慢だよ。君があいつを仕留めなきゃこの国の住民はもっと被害に遭ってたし、何よりそんなふわふわした状態で倒されたあいつへの侮辱だよ」

 

「……俺は、非情になった方がいいんでしょうか?」

 

「いや十二分に血も涙もないよ?」

 

 少なくとも被害に遭っている領地へ追撃の如く火を放つ男にはシリアス顔で自分温いですよねアピールをする資格は無い。

 

「あ、核原さん!」

 

「賢斗さん……って!」

 

「おー!核ちゃん!!無事だったんだねー!!」

 

 賢斗は別行動していた核原と合流する。核原の無事に賢斗とさくらは胸を撫でおろし、さくらを見つけた核原は少し苦い顔をしている。

 

「なんでさくらさんがいるんですか……?」

 

「固いこと言わなーい。生徒の努力を見守るのは教師の務めだよん」

 

「あなた……それだけじゃないでしょう」

 

「ニヒヒ、ちょっとね」

 

 さくらは意味深に笑い、核原はこめかみを抑える。その様からも二人の関係は長く、深いものであると賢斗にもうかがえた。

 

「核原さん、住民の安否は?」

 

「犠牲者は全体の2割程、侵略者を倒して守ろうとしたけど、領主が死んでから戦線が崩壊したみたいですね」

 

「そうでしたか……これから彼らはどうなるんでしょうか?」

 

「それは我々の問題だ」

 

 不意に賢斗達の背後から声がかかる。振り向くとそこには賢斗が助けた女騎士、フラムがいた。

 

「あなたは……さっき助けた人」

 

「私の名はフラム。遅れながら、ベルザロを倒し、奴らをこの地から退けてくれた事、感謝する……火を放った件については、仕方ないと目をつむろう」

 

((ば、ばれてるぅーーーーーー!!!))

 

 一応見逃されたとはいえ、放火について物申したいという視線を向けられ、表情が硬くなる賢斗と核原。それに構わずフラムは続ける。

 

「貴方達に助けていただいた事には大きく感謝している。ヴァルボーグ領は移民や難民を受け入れ、生活を保障する代わりに労働に勤しんでもらうというサイクルを組んでいたんだが、その中で戦闘訓練を受け入れた者は多くなかったのだ」

 

「ん?ここで暮らす時に訓練するって言わなかったの?」

 

「元よりヴァルボーグ様は戦いは好むが、ここに移り住もうという者は戦いに敗れたり、元居た場所を追いやられたりという者がほとんどだ。戦いに苦手意識や忌避感を抱いている者は少なくない。ヴァルボーグ様も無理に戦わせられないという理由で戦闘訓練については自由意志で行われたんだ」

 

「民の意志を尊重するのは立派だけど……」

 

「それで敵に攻められたら本末転倒ですよ。魔界で恒久的な平和を維持するのには、それこそ誰も戦いたくないと思わせるような力が無ければ叶いません。そうあってさえ少し知識を身に着けた者が調子に乗って知略という名のガバ理論で攻め込んできますからね」

 

「そ、そうだな……これからのヴァルボーグ領の事を考えれば、皆も納得してくれるだろう。話し合ってみる事にする。それと」

 

「ん?」

 

 フラムが賢斗に向き合って頭を下げる。

 

「シュナイダーを守ってくれて感謝する。私の……私と主人の宝を守ってくれてありがとう」

 

「お、ぉおう……シュナイダーは今どこに?」

 

「あの子か?あの子なら……来たぞ」

 

「メルメルメーーーーー!!!」

 

 賢斗がシュナイダーの所在を訪ね、フラムがそれに答えるよりもはやく、シュナイダーが賢斗たちの下へ駆けつけた。心なしか、目元が赤くなっている。

 

「シュナイダー!無事だったんだな!」

 

「メルメル!メルゥ……」

 

「俺は大丈夫だ。お母さんとまた会えてよかったな」

 

 シュナイダーの頭を撫で、柔らかく笑う。シュナイダーも賢斗の胸に抱き着き、ワンワンと泣いている。

 

「シュナイダーはまだ幼く、喋ることができない。あと2年もすれば会話できるだけの知能が育つだろう。その時には、話し相手になってやってくれ」

 

「……ああ」

 

 三人は分かれの挨拶を済ませ、ゲートへ向かう。フラムとシュナイダー、そして何人かの魔族が見送り、賢斗、核原、さくらは魔界を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

「いやー!それにしても大変だったね!!」

 

「あなたほとんど何もしていないでしょう。賢斗君の手助けくらいしてあげてもよかったのではないですか?」

 

「いやいやちゃんと賢斗くんが気絶してる間の護衛はしてたから!」

 

 人間界に戻ってきた後、五車町へ戻る道すがら、三人は先の戦いについて話の花を咲かせていた。賢斗の行動の反省点や五車において確保出来た可能性のある戦力、なぜ核原がいるのかも聞かれ、二人は半ば師弟の関係にある事を明かしていた。

 

「にしても核ちゃんが賢斗くんと知り合いだったとはねー。しかも賢斗くんを鍛えてたなんて!」

 

「賢斗君が初めての任務に行った時に偶々、ですよ。そこで実力を伸ばしたいと頼んで来たので」

 

「俺が弱いのは自覚していましたから。そして、今回でまだ先があると実感した。これからも、指導鞭撻よろしくお願いします」

 

 賢斗は頭を下げ、核原もそれに首肯で答える。さくらはそれに気を良くしたのだろう、声を上げる。

 

「ぃよーし!じゃあ賢斗くんのこれからを祈って、三人でご飯行こう!!」

 

「ちょっとさくらさん、賢斗君は大怪我してるんですから、まずは安静にさせないと」

 

「いいじゃんいいじゃーん。ウチで食べるだけだし、ウチなら簡単な手当もできるから。病院はその後行けば良いって。んじゃ、デリバリー呼ぶね……え?」

 

「さくら先生?」

 

「何かありましたか?」

 

「……五車学園でふうま一門が反乱おこしたって」

 

「「は?」」

 

「しかも先導したの賢斗くんだって疑われてる。今すぐ来いって」

 

「「……はあ!?」」

 

 時を同じくして、物語も産声を上げていた(対魔忍RPG開幕)




脳 み そ 溶 け る

RPGシナリオ読まなきゃいけない時間となりました。とはいってもガッシュ要素もやりたいのでうまーくまじぇまじぇしなきゃ……(使命感)
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