憑依したらクレイマンだった件 (微量の転スラネタバレ注意)   作:謎のコーラX

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17話 他国外交

「さて、てなわけでだ。貴方達には外交官として他国に行ってもらいます」

 

今回は玉座の間ではなく、円卓のある客間で外交について、アニスは話していた。円卓は邪魔なので退けて、外交官となる三人に念入りに注意事項を言っている。

 

別に厳しいものではない。下手に喧嘩をふっかけない。失礼な言動、態度を取らないなど、常識的なことだ。

 

その三人というのがドラゴニュートの三人、宝角三龍(ジュエル・トリニティ)という遊撃部隊に任命されたはいいものの、大きな戦いはあんまり起きず、アダルマンのアンデッドで事足りているのが現状だ。

 

「外交官ですか。ではアタシは天翼国に行きたいですね。殆どを翼で移動していく国というのが気になります」

 

ツヴァイは三人の中でも礼儀正しく、言葉が丁寧であり、女性であることも踏まえると、天翼国以外無いだろう。

 

「それは良かった。私も天翼国に行かせたいと思っていたので。では二人はどちらにしますか?」

 

ドライが悩んでいると、先にアインが手を元気よく挙げる。

 

「オレは忘れられし竜の都っていうのに行きたいぜ。あのミリム・ナーヴァの民に一回たた――会ってみたくてな」

 

「じゃ、じゃあジブンが獣王国に行くことになりそうですね。ま、まぁ果物とかが美味しいって聞くしそれでいいんですけどね」

 

アインがミリム・ナーヴァ、ツヴァイがフレイ、ドライがカリオンのところに行くことが決まり、アインに不安があるが、アニスはとりあえず信じて送り出そうと決めた。どうせ連れて行く他の部下の水晶で様子が一部始終見れるわけだから。

 

「さて、次に外交官を迎えるのは誰にしようか。ミュウランやアイリーンが妥当か?」

 

「では、このビオーラにどうかそのニンをおアタえください」

 

影から元クレイマンの最高傑作の魔人形(ゴーレム)、今はアニスの忠実なる人形之王の眷属(ガラテア)という魔人に近い自我を持った人形に変わった、ビオーラが飛び出し、目の前で跪く。

 

「貴方が?ふーむ、接待のやり方わかります?」

 

「はい。ホンでミて、ダイタイはラーニングしております」

 

少し不安はありはするが、むしろ人形国家と名乗っているのだ。人形で応対するというのもアリだろうと、アニスは考え、快く承諾する。

 

「良いだろう。失敗は許さないからな」

 

「ギョイ。このビオーラ、ゼンシンゼンレイであたらせてもらいます」

 

メインの外交官四人の命令が済み、獣王国の外交官が不安対象だが、とりあえず当日の日までどう応対するかをアニスは考えるのであった。

 

 

まず、ツヴァイ。()()()()何の問題もなく、話が進んていっている。

 

長テーブルを挟んでソファーに座り、マナーに沿った飲み方でツヴァイは紅茶を嗜んでいた。

 

「ふむ、美味しい紅茶ですね。これはこの国の物でしょうか?」

 

「そうよ。例えば――」

 

ツヴァイは礼儀作法が整っており、相手に失礼のない、完璧な対応をしてみせた。

 

元よりリザードマンだった頃から温厚な性格で、錆びた鱗でなければ結婚には事欠かなかったほどに優良な相手だった。

 

それでも欲はあり、服を買ったり、美味しいスイーツにも興味がある。戦うことが多いリザードマンらしく武器も吟味し、何が良いのか、何処が悪いのかを判別して教えもした。

 

フレイとの歓談も弾み、ツヴァイはこの国の評価を語り始める。

 

「この国は良いですね。飛べぬ者が来られないのは不便だとは思いますが――」

 

この国の良いところ、悪いところを淡々と述べ、しかし嫌味ったらしくなく、褒めすぎない絶妙な塩梅で話していく。

 

「――なるほど。貴女、本当に良い子ね。貴族の令嬢と話している気分になるわ」

 

「お褒めくださりありがとうございます。これでもリザードマンの頃はやさぐれていたと言えるものだったんですけどね」

 

「あら、それは意外。私も――」

 

二人は和気あいあいとした会話をして、外交は何の問題もなく成功したのであった。

 

 

「――え、なんでさ」

 

ドライは外交に来たはずだ。しかし今の状況としては、戦意バリバリに滾らせている獣王国の兵士に囲まれていた。それも門前で。

 

「え、えっと?ジブン何かしましたか?」

 

ドライの疑問に、獣王国の三獣士、黄蛇角のアルビスが答える。

 

「いえ、何も。ただカリオン様の命令で、貴方のお力を試すようにと仰せつかっております。どうかお覚悟を」

 

アルビスはそう告げると、獣身化をした。

 

下半身が黒い大蛇のものとなり そしてそれだけではなく、携行していた錫杖が龍を思わせる黄金の角となり、頭に二本そなえ、全身が龍燐の鎧に覆われたその姿はドラゴニュートよりも龍らしい、半人半龍と言った戦闘形態だ。

 

「ま、マジじゃないですかヤダー……はぁ、アニス様から穏便に済ませよとのお達しなのに、ハズレくじ引いたかな、ま、いいや」

 

ドライはそれに応え、背中に背負っていた槍の布を取り、自らの普通の槍がアニスの進化に合わせて、ドライの角と同じエメラルドを思わせる綺羅びやかな緑の刃を持った魔法の槍に変わっている。

 

「で、では参ります」

 

ドライは疾風の如き速さでアルビスとの距離を詰め、突きを一閃。

 

(速い!ですが)

 

アルビスはそれを紙一重で避け、自らのスキル、天蛇目(ヘビノメ)でドライを状態異常にする。

 

「むっ?」

 

ドライは足に痺れを覚える、立てないほどでは無いが、素早い動きは不可能だろうと判断する。

 

「麻痺がはいったようですね。どうします?」

 

「これくらいで止める相手の下にはつきたいと思わないでしょう?」

 

「そうです……ね!」

 

アルビスの攻撃にドライは防戦一方で、周りの部下達はアルビスの勝利だと確信している。

 

しかし本人はまだ相手が隠していることに、そもそもまだドライスキルと呼べるものを使用していないのだ。

 

ドライは言ってしまえば石橋を叩いて渡るという言葉が似合うほど慎重な性格をしている。

 

相手の力量を見極め、言葉を選び、下手な行動はしないように知恵を回す。

 

今ドライが考えているのはアニスにとって何が不利益か、自身の実力を全て出していいか悩んでいるのだ。

 

足の痺れにも慣れ、足運びが洗練されていく。

 

戦士してはアインとツヴァイの上にいるドライ、アルビス程度なら難なく倒せるだろう。

 

しないのは相手にどの程度怪我させて良いのかわからないというのがある。

 

「……獣王国は、強者を好む実力主義、だったっけ。ま、裏切る可能性は無しと結論しよう。じゃあ……こっちのターンで」

 

アルビスはゾクリと、危険を肌に感じ、後退する。

 

それは正解だろう。その瞬間、ドライの身体が突風と共に緑に輝き、その姿を獣身化のように変えていく。

 

肌には角と同じエメラルドの輝きを放つ鱗で覆われ、髪は輝き、角も大きく、鋭くなり、龍の翼と尾が生え、その瞳は緑の眼光がアルビスを睨む。

 

鏡身の腕輪(ドッペルゲンガー)を応用し、もう一つの自身の魔法の槍、疾風宝槍(エメラルドウィンド)を出現させて、ニ槍流となり、空中を漂っている。

 

「これがジブンのユニークスキルの一つ、輝龍化(きりゅうか)、足のデメリットもこれで0だね」

 

「……これほどですか」

 

それでもアルビスは降参はせず、攻撃を仕掛けようとするが、ドライの片方の槍が光り輝いたかと思うと、アルビスの頭の真横を何かが通り過ぎる。

 

振り返ると、輝く白く透き通った槍が刺さっており、アルビスはそれがまったく見えていなかった。

 

「もう一つが光輝槍(ブリューナク)。光速で投擲されるだけだけど、見ての通り強いでしょう?で、このまま続けるか言ってほしい。ジブンはこの場の全員を相手してでも外交を始めたいんですけど」

 

「いえ、それには及びません……降参です。貴方の実力、よくわかりました」

 

アルビスは獣身化を解き、それに合わせてドライも輝龍化を解いて、手を差し伸べる。

 

「では、良い外交となることを願いますね」

 

こうして、ドライも無事、外交を成功させたのであった。

 

 

最後に残ったアインはと言うと――

 

「あーーー、負けた!」

 

「はっはっはっは!なかなかに強かったぞ、おぬし」

 

アインのまわりには多数のドラゴニュートの末裔達が倒れ、自身も最後に残った男によって、輝龍化(きりゅうか)光輝拳(アガートラム)を使用してでも勝とうとしたが、結果は惨敗となった。

 

こうなった経緯を端的に言うなら、いきなり喧嘩ふっかけまくった、これに尽きる。

 

アインは好戦的な性格であり、獣王国の者に近い思想だ。

 

考えるのは苦手で、本能に従って、アニスの命令をも忘れてこのような惨事を作り上げた。

 

とうの被害者の長、神官長であるミッドレイは笑っており、不快気な様子は一切ない。

 

「では、大人しくなったところで、外交を始めようか」

 

 

獣王国の外交官は二人、黒豹牙フォビオ、白虎爪スフィアだ。

 

二人は忘れられし竜の都と、天翼国よりも早くつき、そこの外交官の実力を見ようとしたが、結果としては敗北している。

 

「おフタリトモ、なかなかツヨかったですね。このビオーラ、オモったよりクセンしました」

 

ビオーラは他の二国の外交官を交え、客間で話していた。

 

「お世辞に良いんだよ。なぁお前、今度は負けねぇからな!」

 

スフィアはなみなみと注がれた酒を一気飲みする。

 

「くぅー!うめぇな!」

 

「いやまさか、俺ら二人がかりでも勝てないなんてな。本当に強いぜあんた」

 

フォビオは適度に飲みながら、ビオーラをまじまじと見ていた。

 

「本当に人形なんだな。魔人にしか見えねぇよ本当」

 

「ビオーラはトクベツセイですので、ささ、まだまだこのビオーラ、タノしまさせます!」

 

――こうして、外交は終わりを迎えたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




(´・ω・`)話すネタがな。無いんや。ボキャブラリーというものが自分、まったく無いもので。

三龍の掘り下げはまだ続きます。というか一人やりきれてませんし

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