真面目なゴルシちゃんは超珍しい。前までの僕ならそう考えていたことだろう。しかし実際はどうだ、僕のルームメイトであり良き友である彼女は真面目も真面目、チームのことをよく考え、誰かの心が弱っていたなら手を差し伸べる、ただのイケメン。今も目の前にいる彼女の口元はきゅっと結ばれ、それによって空気は自然と引き締まっている。
やがて、彼女はゆっくりと僕に語りかけた。
「ずっと思ってたことなんだが、改めて聞く。オロール、お前ってもしかしなくても……アレだよな」
「アレ?」
「あー、なんつーかよ。例のピンクのこと、明らかにただのダチだとは思ってないよな。そうだろ?」
「あぁ、なるほど。そりゃあそうだよ、デジたんのことを考えるだけで、僕の心に煩悩の化身がそびえ立って……」
「分かったもう十分だから一回黙れ。ったく、お前はそういうヤツだったな、真面目に聞いて損したぜ。とにかく、それだけはっきりさせておきたくてよ」
ところで僕は自分のことをスピカのネタ枠であると自覚している。というか消去法的にそうなる。ゴルシちゃんがあまりボケないがゆえ。
「というか、今更だね。僕は隠しちゃあいないし、ゴルシちゃんも気づいてたでしょ?」
「聞くの怖ぇだろうが。いや、言葉通りの意味でよ。お前がデジタルのこと見る目が完全にイッちまってるんだ、触れちゃいけねぇナニカだってこと、赤子でも分かるぜ」
「実を言うと、ゴルシちゃんのことも大大大好きだよ。僕がもう少し浮ついたヤツだったら、間違いなく股かけてた」
「衝撃の事実ッ……ってわけでもねぇけど。何度も告白まがいのこと言われてるし。それにどうせお前はアイツ一筋だろ?アタシの安眠が妨げられることはない」
言い方はアレだが、僕は可愛ければなんでもいい。可愛いものが好きなのだ。だからデジたんのことを愛してはいるが、ゴルシちゃんに対してそういった感情を抱いていないかといえば嘘になる。今はデジたんへの愛で塗り潰されたが、それこそ前までは自分の容姿に対してすら思うところがあった。ウマ娘として生きて、最初にお世話になったのが鏡である僕をナメるなよ。
「うん。デジたんはやっぱり特別。一緒にお風呂入った時、それが実感として分かった。あの時、僕の頭の中はデジたん一色になって、他全てがノイズのように思えた」
「ホントお前、よくそんなことスラスラ言えるよな。まったく頼もしいやつだぜ」
「えへへ、ありがと」
「皮肉だっちゅうの。つーかよ、そろそろ本題話すわ」
本題、というとあれか。忘れるはずもない、今日は一日ゴルシちゃんに付き合うのだ。
「いいか、今日のお前はアタシの荷物持ちな。んで昼はもちろんお前の奢りな。何食おうかなー。ぶっちゃけどこでもいいんだよな、人の金で食う飯はなんだって美味いし」
「なるほど、そんなことなら全然構わない。2トントラックくらいまでなら持つよ。それに昼は、そうだな……予算コレくらい」
言いながら、具体的な金額は口にせずあえてハンドサインで示す。なおその行為に大した意味はない。
「うおっ……マジ?太っ腹だなおい、さすがはアタシのルームメイトだ!」
「マジマジ。これでも僕、君に対する数々の所業には自分自身少し反省してるんだよ。そのお詫びみたいな?まあ、それを含めるとまだまだ足りないかもしれないけどね」
「いや、十分だぜ。そういやアタシ、お前と会ってからちょっと変わったことがあってな。誰かにテキトーなちょっかいをかけようと思ったとき、ふと頭によぎるんだよ。アタシがお前にされたあんなことやこんなことが。そういうときにゃあ、必ず体がブルっと震えちまうんだ」
うーむ、どうも僕はゴルシちゃんに染み込ませてしまったらしい。被害者的感情というやつを。
「だから最近は相手選んでんだわ。例えばトレーナーだろ、あとはトレーナー、他にはトレーナーとかとかとか。いやー、アイツの反応が毎回面白くってよ、それだけはいつまでも飽きねえぜ!」
そしてやはり最大の被害者はトレーナー。僕もなんとなく彼のことはそういうものだと思っている。なんなんだろうね、いや、彼に感謝、尊敬の念を抱いているのは間違いないし、すごい人なのは分かっているのだけれど。とりあえず合掌。
「ま、今日は僕をこき使っちゃってくれても別にいい。何でも言ってよ、ゴルシちゃん」
「持つべきは頼れるルームメイトだな、ありがたく思っとくぜ。っし、ひとまず話は街に繰り出してからだ、早速行くぞオラ!」
拳を突き出し、そのままドアを開けて出て行くゴルシちゃん。僕も遅れぬよう早足で後を追う。
……にしても、ゴルシちゃんって私服がステキだよな。自分の可愛さ、美しさを理解している。赤をあんな完璧に着こなせるあたり、彼女がかなりの美人であることを物語っている。
と、そんなことを考えている間にも進み続けるゴルシちゃんに追いつこうと、僕は足を早めた。
◆
「ねえゴルシちゃん。これさ。買ったはいいけど何に使うつもり?」
「おう、もうすぐ冬だからな。必要だろ」
「うーん、そうかな……?」
少なくとも僕には見つけることができないのだ。冬とビリヤードの関連性というものを。
「にしてもさ。いくらケースに入っているとはいえ、さすがに四本もキューを背負ってるとなると、周りの目がこっちに向いてる気がする」
「そりゃ、美人だからな。お前もアタシも」
「絶対違……いや、そういうことにしとく」
僕はいったい何をしているのだろう。ゴルシちゃんのことは理解していたと思っていたが、それは勘違いだったようだ。
「でな、オッチャンに頼んどいたヤツなんだよ、その特製キュー。4Dホログラム機能とかついてる一本物だぜ、すげーだろ?んで、こないだやっと完成したって連絡が来てよ。どうしても今日取りに来たかったが、他に買いたいもんもあったしよ。お前がいて助かったわ」
誰だよオッチャン。めちゃすごい人な気がするぞ。
「あとは……エクストリーム詰将棋用のシュノーケルも欲しいよな。昼食いに行く前にどっか見てこようぜ」
「僕、久々に君が何を言ってるのか分からないよ」
なんだろう、逆に安心すら感じる。ゴールドシップの名に恥じぬ奇想天外っぷり。デジたんならこの気持ちを分かってくれるだろうか。
「ああ、デジたんも呼べばよかった。こんなにはっちゃけたゴルシちゃんはかなり珍しい。率直に言うと可愛い。今からでも呼べないかな……?」
「おい待てお前それはやめろマジで待って、待ってください、お願いですから。……いいか、オロール。アタシはな、お前のことはそれなりに信用してるんだ、もう長いこと一緒にやってきたわけだからな。お前のことは十分理解してる、デジタルに狂気の愛を注ぐ変態だってことをな」
ボケから一気に常識人ポジへと転じたゴルシちゃん。その美しい尻尾はすっかりへなってしまって、耳もぺたんと塞ぎ込んでしまった。彼女は本気で恐れているようだ。どれくらいか具体的に表現すると、高身長良スタイルの彼女が僕よりも小さく見えるほどに縮こまっている。なんなら、庇護欲すら掻き立てられる。
「逆に言えば、お前がデジタル以外のウマ娘に手を出す可能性は限りなく低い。だが同時に、アタシはデジタルのこともそれなりに知ってる。別に嫌いなワケじゃねえよ。ただアイツが問題なのは、マジで何されるか分からんことだ。なんだかんだ長い付き合いだ。理解しているからこそ、リスクは減らしたいんだよ」
「リスクて。まあ、言わんとすることは分かるけど」
デジたんの強烈な個性は、ゴルシちゃんのテンポをいとも容易く打ち崩すほどのポテンシャルを秘めている。ゴルシちゃんにとっていわば天敵のような存在なのだろう。
さて、ゴルシちゃんに面と向かって言われてはしょうがない。今日は休日だし、デジたんもきっと高尚な創作活動に励んでいることだろう。最近は配信活動も始めたわけだし。であれば、無理に呼ぶ必要もない。
「にしてもさ。なんか、安心する。こう、ボケてるときもそうだし、ツッコミに回ってるときもあるな、安心感。ゴルシちゃんという存在自体に安心を抱けるのかな?」
「いきなり何言ってんだよ。……つか、マジでお前といると崩壊するわ、アタシのアイデンティティ的なサムシングが。頭のコレを取って学園ほっつき回ってたら誰もゴールドシップだと気づいてくれなかったあの日以来の感覚だぜ……」
「ゴルシちゃんはゴルシちゃん。それ以上でもそれ以下でも、それ以外の何者でもない」
「どっかで聞いたようなセリフだな。けど、まあ、真理だ。いついかなる時も、アタシはアタシだ。お前がいつだってオロールなのと同じようにな」
うむ。結局、深く考える必要はない。というかゴルシちゃんについて考察しようとすると確実に脳が爆発すると思う。
「っし!そんじゃあまだまだ店見て回るぞ!」
すっかり元気になった、いや、元気になりすぎではなかろうか。
ともかく、今日も変わらずゴルシっているようでよかった。
ちなみに「ゴルシる」は動詞だ。同志諸君ならば、意味は考えずとも分かるだろう。
◆
「ゴルシちゃん、さすがに荷物が多すぎると思うんだ」
「あ?気のせいじゃね?」
断じて気のせいではない。このウマ娘生において、徒歩でコタツを運ぶ日が来るとは考えてもみなかった。
「なぜにコタツ。それも二つ。これは普通、車で運ぶやつ。違うかい?ゴルシちゃん?」
「仕方ねーだろ。アタシは永遠の17歳だから車動かせねぇし、トレーナーの車ん中はガラクタまみれだしよ、あれ以上積めねぇんだわ」
「軽トラでもレンタルすればいいじゃないか。今度こそ周りの視線が刺さって痛いんだよ!」
そういえば、昼は結局贅沢などせず、庶民の味方ラーメンで済ませた。といっても、僕ら二人とも店で一番高いメニューを食べたし、とりあえず気分をアゲたかったのでチャーシュー盛り盛り、ニンニクも躊躇いなくぶっかけた。少し食べすぎたかも。そのせいか、今になってチクチクとした視線に晒されると、思わずリバースしそうだ。もっと軽めのにしておけばよかったか。
「耐えろオロール。恨むならMT車運転できないとかほざいたトレーナーを恨め。今どきレンタル軽トラなんてオートマも多いってのに、あのバカときたらその一点張りだったもんでよ、アタシも説得すんのが面倒くさくなったんだわ。あとお前バランス感覚すげーな。よくコタツ二つにその他もろもろ抱えて転ばないでやんの」
「ああ、僕もビックリだよ。自分の体幹がここまで優れているとは思ってなかった」
こんな形で知ることになったのが悔やまれる。
その時、ふと閃いた!
このアイディアはトレーニングに活かせるかもしれない……なーんて。
トレーナー、絶対許さん。
「……そうだ。この際、帰ったらトレーナーさんを脅ゲフンゲフン、説得しよう。車片付けろーって。人も物も乗せられないんだもん、スピカもメンバーが増えて久しいし、さすがに片付けするべきでしょ」
そのせいで僕がわざわざ休日にトレーニングじみたことをやるハメに。いや、それ自体は構わない、むしろ大歓迎なのだが、いかんせん周囲から生温かい目で見られるのがキツいのだ。
「ぅ、視線が……コンディション下がるぅ……」
「学園まではすぐそこだ!多分!それまで耐えろよ!……つかお前、変な目で見られるの慣れてるだろ。むしろ自分からそういう目で見られにいってるじゃねえかよ」
「っ、それとは話が別!デジたん関連で僕が変態だなんだと言われることは構わない、なんなら一種の勲章だとすら思える!けど、それ以外で変な目で見られるのは勘弁なんだよ!」
「何言ってんだ、意味分からん」
そういうものだから仕方ないのだ。
しかし、このコタツ、思ったよりもいいトレーニングになるぞ。丁度いい負荷が……いや、これを学園まで運ぶのはさすがにキツイ。ゴルシちゃんはああ言ったが、一駅以上の距離はあるわけでして。肉体的にもそうだが、精神的にキツイ。
だが2トントラックくらいなら持つなどと見栄を張ってしまった手前、この程度のことでへこたれているヒマはない。
そんな僕のもとへ、思わぬ人物が声をかけてきた。
「あー、なンつーか、その。少し持ってやろうか?」
ほんの少し照れくさそうに、髪をかきながら僕にそう言ってきたのは、ロジカル先輩ことエアシャカールさん。
「こんにちは、シャカールさん。えっと、ありがたい申し出なんだけど……」
別に運ぶのが不可能なわけじゃないし、見栄を張った以上最後までやりたい、なんて下らない意地が僕にはあるのだ。気持ちだけ受け取らせていただこう。
「遠慮はいらねッ……!?げっ、ゴルシ……!」
シャカールさんの溢れ出る優しさをひしひしと感じていると、彼女はゴルシちゃんの姿を見て突然のけぞった。なんならはっきり「げっ」て言っちゃったよ。
「ようシャカール。お前ヒマなのかよ?いいぜ、面白そうだからコイツの荷物持ってやってくれ」
「そういやァ、お前らルームメイトか。ッたく、調子狂うぜ……。ほらよ、貸せ」
「あ、えっと。ありがとう」
結局、シャカールさんがスマートにコタツを持ってくれた。意味のない意地だったな。
……親切を受けた身である僕が言うのも悪いが、コタツを背負うシャカールさん、なかなかにシュールだ。
にしてもこの二人、なかなか素敵な関係性だな。
勝利のロジックを突き詰めるガチガチ理系のシャカールさんにとって、常に予測不能で変幻自在のゴルシちゃんという存在は相性が悪いはずだ。今だって仲が良さそうには見えなかったが、そこには切っても切れない糸のようなものがあった。互いを好きあっているわけではないが、決して消えない強固な絆。嗚呼、よきかな。
「シャカールさんは何しにここへ?一人?」
「あー、ツレがいる。実を言うとお前らを見かけた瞬間に手伝おうとか言いだしたのもソイツなんだが……。は?オイ待て、どこ行った?」
キョロキョロとあたりを見回すシャカールさん。普段のクールさのカケラもない姿で、やけに慌てている。
そして、その理由もすぐに分かった。
「ごめんね、シャカール。ついお店に目を奪われてしまって……。あ、待って、そっちのキミ。私にも持たせて!」
どことなく、なんて言葉が生ぬるいほどに底の知れない気品を漂わせるウマ娘が、突如僕らの前に現れた。
「あーっと。とりあえず。コイツの名前はファインモーションだ。ちょっと変わってるが、悪いヤツじゃあねェ……」
「む、シャカール!私は変わってなんかいないよ。トレセン学園では普通のウマ娘。今日だって、その……らぁめん?食べたんだから!」
ファインモーション。
やばい、殿下だ。大丈夫だろうか、僕やゴルシちゃん、不敬罪で首が飛んだりしないだろうか。
とまあ冗談はさておき、僕が彼女について知っていることはだいたい二つ。
ひとつ、ファインモーションはさる王室の御令嬢である。
ひとつ、殿下はラーメンがお好きである。
ラーメンが好き……そのはずだが、今目の前にいる彼女はどうもラーメンに不慣れな様子だ。
「ああ、自己紹介も済ませずにごめん。改めて、私はファインモーション!トレセン学園所属のウマ娘で、好きな食べ物は……らぁめん!ねえ、お二人のお名前を教えてくださる?」
らぁめんが好きなのかぁ。もしかして、今決めた?
「僕はオロールフリゲート。同じくトレセン所属、ちなみに栗東寮。オロールでもールフでも、゛ーでも好きなように呼んで。こっちの可愛い娘は僕のルームメイトで、ゴルシちゃんことゴールドシップ」
「なあちょい待ちオロール。今のどうやって発音したんだよ?ほら、最後の……ウェ゛、ェ゛ーみたいなやつ」
「じゃあオロールちゃん、ゴルシちゃん、よろしくね!私、キミたちと話したいことがあったの!」
「おいオロール?マジで教えてくれ、気になって夜も眠れなくなるヤツだから。どうやって発音した?」
殿下に跪いてみたい、なんて衝動が一瞬胸をよぎったが、彼女はそういった身分の差に関係ないコミュニケーションを求めている様子なので、最初からタメでいってみた。
「実はね、キミたちを見たのはこれが初めてじゃないんだよ。さっきらぁめん屋さんに入っていくのが見えて。そして、私は閃いたの!あのらぁめんなる食物を提供する店こそ、一般現代ウマ娘のトレンドなのだと!」
「オロールさんよ。よく考えたら途中の……オ、オゥールフみたいなやつもどうやったんだよ?会話遮るようで悪いんだがマジで気になるんだ、なんか怖いし」
もしや、殿下はまだラーメンをよくご存知でないのか。
「今日はシャカールと二人でお出かけに来ていたのだけど、お昼をどうしようか迷っていたときにキミたちを見かけた。それで、キミたちを見習ってらぁめんを食べてみたの。そしたら……!」
と、ここでシャカールさんが口を開く。
「コイツな、最初の一口でラーメンにどハマりしちまったンだよ。んでその後はラーメン屋を二軒ハシゴ。やめとけよ、とは言ったんだがな。めちゃくちゃ楽しそうにしやがるからあンま強く言えねぇしよ……」
「シャカールも食べておけばよかったのに。ラーメンは最初の店で一杯だけ、あとはサイドメニューだけなんて……そう、もったいないよ!」
「カロリーだとかを考えると一杯がギリなンだよ。それに、ラーメンなンざいつでも食えるじゃねェか。つかお嬢様がもったいない言うな」
思わぬタイミングで上モノの尊みを頂けた。これは配信のネタに使えそうだが、殿下の情報を公共の電波に乗せるのは果たしてよいことだろうか。
いや、やめておいた方がいいな。今気づいたのだが、夕暮れ時にもかかわらずグラサンをかけたイケメン黒スーツウマ娘が物陰からこちらを見ている。おそらく殿下のSPなのだろう、逆光で見えにくい位置に陣取り、殿下のお楽しみタイムを決して邪魔しないよう存在を極限まで薄めている。風景の微細な変化に強い僕や、どんなウマ娘の気配も感知するデジたんのような猛者でなければ気づけないだろう。その上、僕と一瞬目が合っただけで素早く姿を消してしまった。……なんか、ちょっとカッコいいな。
「オイ、ゴルシ。こんなモノ素手で運ばせようとすんのはお前だろ、どうせ。まあ、ファインもいるし今日だけは手伝ってやる。で、どこまで運ぶんだよ?」
「ああ、スピカの部室に置こうと思ってよ。寒くなってきたから、トレーナーへのサプライズで身も心も暖まってもらおうって算段だ。なぁ、名案だろ?」
「いいね、最高にホットな計画だよゴルシちゃん」
「案の定、このまま学園まで歩きか。チッ……メンドクセェのに手ェ貸しちまったぜ」
「いいじゃないシャカール。それに、なんだかこの人たち楽しそう!学園まで、しばらくお話ししましょう?」
ああ、殿下にそうおっしゃっていただけて、嬉しゅうございます……とか言ってみたい。そんなしょうもない欲が、僕の内で生まれた。
「ファインだったっけ?お前、ケッコー面白そうなヤツだな!いいぜ、アタシがいろいろ教えてやるよ!」
「本当?それなら、私、らーめんのことをもっと知りたいの!」
「ジャパニーズメーンのソウルフードだぜ?この地で暮らす以上、アレを食わない手はない!安心しな、アタシがレクチャーしてやる。至高のラーメン道ってヤツをな……!」
ゴルシちゃんはブレないなぁ。
あ、そうか。いっつも何をしでかすか予測不能なほどブレブレなのがゴルシちゃんだった。だからこそ、いつだってゴルシちゃんはゴルシちゃんなのだ。そんな彼女のこと、僕は大好きだ。
……いや、浮気じゃない、これはいわゆるMAXレベルの友情だ、それ以上でもそれ以下でもない。
個人的にシャカファイは最推しカプのひとつです。
あの、もう、とにかく、とうとい(語彙力0)
ファインとゴルシ、なんとなく似てますよね。だからこの二人を絡ませてみたかったり。(スピードトレーニングが行えなくなった!パワートレーニングが行えry