デジたんに自覚を促すTSウマ娘の話   作:百々鞦韆

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アマ○ラでウマ娘一期を見直そうと思い立ったのですが、いつの間にか手が勝手に動いて「デンゼル•ワシン○ン」って入力してて、それで……ハイ。
いや〜映画っていいものです(ry

そんなわけで、アニメの内容はちょっとうろ覚えですが許してつかぁさい。また見直してきます。


スピカ式勧誘メソッド

「聞けぇお前ら!」

 

部室に入って開口一番、威勢よくそう言うトレーナーさん。

 

「あ?んだよいきなり……って、後ろ誰だ?」

 

「ああ、紹介しよう!今日付けでこのスピカに加入する、新メンバーのサイレンススズカだッ!」

 

「新メンバー……って、ええぇっ!?だって、スズカさんはチームリギルの……!」

 

デジたんの驚きようも分かる。普通ならば、当代最強のリギルから、スピカとかいう組対のマーク対象になってそうなヤベェチームに移籍するウマ娘などまずいない。

 

「おい、見損なったぜ、トレーナー。とうとう一線を越えやがったな……!いったいどんな手を使った……!」

 

「違ぇよ!?これには深ーいワケがあんの!とりあえず、スズカ。自己紹介よろしく!」

 

「……サイレンススズカです。よろしくお願いします」

 

クールで儚げな雰囲気を纏った声。

必要最低限の情報だけを口にする彼女は、何も知らない人からすればさぞかしミステリアスに見えることだろう。

しかしその実態はただの天然。走ることしか考えていない。そりゃあ、ウマ娘は皆走るのが好きだ。だが彼女のソレは度を越えている。

 

「それじゃあ、あの、トレーナーさん。少し走ってきてもいいですか……?」

 

「スズカ?流石に展開が早いぞ?大分掛かってるな。まだ入ったばかりだし、手続きやら何やら、それに俺もいろいろと話したいことがある。だから今すぐ走るのはムリだ。……ゴメンな?」

 

ほれ見ろ。

耳がシュンってなっちゃった。

 

「ふーん……なんとなく読めたぜトレーナー。おハナさんと仲良くやってるみてぇじゃねーの」

 

「言い方ァ!そんな生々しい関係じゃねーから!」

 

「トレ×トレ……。ウマ娘ちゃんが介入する余地はないように思えるが、しかし中央のトレーナーともなればプライベートに担当ウマ娘との関係が絡んでくるのもまた事実。つまり、トレ×トレでしか得られないウマ娘ちゃん成分もまた存在する……!?コレ、けっこうアリでは……?」

 

デジたんが新境地に達した。

だが、その気持ちは分かる。今回の例で言うと、うちのトレーナーさんはおハナさんからサイレンススズカを託されたわけだが、彼らの何とも言い難い距離感や信頼の間で揺れ動くウマ娘の想いが、尊くないわけがない。

 

「んで、スズカさんよぉ。なんでリギルからわざわざウチに移ってきたわけ?」

 

「えっと、走りたかったから……?」

 

「あー、つまりだ。おハナさんとこって、ほら、ケッコー厳しいだろ?けどよ、このサイレンススズカの真の力を引き出すには、自由主義なトレーナーこと俺がいるスピカの方が良いんじゃないか……って話をおハナさんとしたワケ」

 

「ほーん……」

 

ゴルシちゃんは部屋に居るウマ娘たちを一回り眺めたあと、納得した表情で口を開いた。

 

「つまりクセの強いヤツら担当のスピカに、例のごとくお鉢が回ってきたわけだ」

 

「おまっ、ゴルシ……スズカは良い娘だぞ。お淑やかで落ち着きがあって、どこぞの鼻にカラシ詰めてくる芦毛とは大違いだ」

 

「いや、ありゃあ……ちょっとした冗談だろ」

 

ゴルシちゃんは一応良識を持っている。そのため、生命に危険が及ぶようなイタズラはしない。それはつまり、トレーナーさんは鼻にカラシを詰め込まれても問題ないということを示している。彼は本当に地球人なのか?僕は恐ろしくなってきた。

 

「というか、もう一つ話したいことがあるんだ!」

 

トレーナーさんが続けて言う。

 

「今日、リギルの選抜レースがあるのを知ってるか?学園最強のチームに入りたがるウマ娘は多い。だからレースへの注目も大きい。他のトレーナーもリギルのおこぼれを狙って見にくるほどだ。磨けば光る才能を持ってるウマ娘が山ほど集まるからな」

 

ふむ、なんとなく話が見えてきたぞ。

 

「……そ、こ、で、だ!」

 

トレーナーさんが一枚の紙を取り出した。

そこには、僕の予想通り、スペシャルウィークについての情報が書かれていた。

 

「今回のターゲットはコイツだ。名前はスペシャルウィーク。つい先日、北海道よりこの中央トレセンに転入してきたウマ娘。なかなか光るものを持ってるヤツだ。だが逆に言えば、磨かなければ光らない。今日のリギルの選抜レースに出走するらしい。もし一着になっておハナさんとこに行くんなら、それはそれで構わない。が、惜しくも選抜されなかった場合……手段は問わない、やれ」

 

「ラジャ。っし、いつもの手でいくぞ」

 

「了解だよゴルシちゃん。サングラスとマスクを用意しておこう」

 

「……犯罪紛いのことに小慣れすぎでは?」

 

そこは気にするなデジたん。

ディス•イズ•スピカだ。

 

「ところでさ。コレって拉致だよな」

 

「違うわよウオッカ。ただの勧誘よ」

 

「被害者からすると拉致以外の何物でもありませんでしてよ」

 

「……そういや、俺らも元々拉致られてスピカに入ったよなぁ」

 

「そういえばそうね。……メンバーの半分が拉致られてチームに加入したって、冷静に考えるとスゴいわね」

 

さあ!今日も元気に勧誘しよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

「トレセン学園のコースにはこれといったクセがなく、そのため日頃の努力に基づいた基礎能力がモノを言う。それを才能のみで走り抜けられるのなら、そのウマ娘は稀代の天才だと言わざるを得ない」

 

「どうしたの急に」

 

選抜レースの結果は、怪鳥エルコンドルパサーが一着。原作との相違はなかった。ターフを眺めながら、僕らはちょっとしたヲタ談義に花を咲かせていた。

 

「あのスペシャルウィークさんという方、中央に来て日も浅いのに、猛者揃いのリギル選抜レースで二着とは……。トレーナーさんが目をつけるのも納得だよ」

 

「バレンタインステークスの時から目をつけてたらしいし。……というか、ウララちゃんが可愛いんだけど」

 

「えっと、ウララちゃんはどこに……ッスゥゥーッ!何アレ、尊っ……!」

 

丁度レースが終わり、今はウララちゃんが「疲れたぁー!」をやってるところだ。なんだろう、彼女を見ていると心が安らぐ。

 

レースに負けても嫌な顔を一切せず、ひたむきに笑顔を届けてくれる彼女に魅了された人が多いのも頷ける。確かに、走る才能はないかもしれない。しかし競馬と違って賭けの発生しない競走ウマ娘の界隈では、オーディエンスを楽しませることこそが、競走ウマ娘にとっての最も重要な項目だ。だから、その愛嬌でもって多くのファンを獲得できるウララちゃんの魅力は、ある意味でとんでもない才能だ。

中央を無礼(なめ)るなよ。ただしウララちゃんは別だ。

 

「そういえば、デジたんとウララちゃんってけっこう似てる」

 

「確かに、背格好や髪色はあたしとほとんど同じだね」

 

ウララちゃんは……ロリだ。誰がなんと言おうとロリだと僕は思う。そして低身長、ピンク髪、明朗快活……デジたんとの共通点はかなり多い。

 

「デジたんはロリだった……?」

 

そして僕はロリコンだったのか?

 

「ロリちゃうッ!?!」

 

うーん、難問だ。

精神面で言えば、確かにロリではないかもしれない。だが、デジたんはどう考えてもロリとしか思えないような私服を持っている。それがまた似合うのだから、やはりロリなのだろうか。

 

「冷静に考えてみてよ。こんなに心の薄汚れたロリはいないよ!いや、あたしだって、常々ヲタクの自分を誇れるように生きてるけど、それはロリとはまた違った……」

 

「そっか。デジたんはデジたんだった。ロリ、美少女、ヲタク、天才、その他諸々の萌えポイントを包括した究極の存在!」

 

「あ、あぁー……せめてロリ扱いはご勘弁を」

 

結論、デジたんは可愛い。

 

「さて、と。あとはやることをやるだけだ」

 

「ああ、えっと……確か、ルート確保と万一の場合のカバーだったっけ?」

 

実行犯は体格の良いゴルシとウオスカ。今回僕らに与えられた役割は、人目の少ないルート確保。

……まあ、ぶっちゃけ必要ないのだが、クライムアクション的雰囲気にすっかり飲まれてテンションの上がったウオッカたっての希望である。

 

「スペシャルウィーク……今回はSと呼称しよう。Sが我々の動向に感づいた場合、僕がSの逃走を阻止する。具体的にはこのにんじんクッキーを使っておびき寄せる」

 

「さすがに無礼(なめ)すぎでは……?」

 

「いや、イケる。病みつきの味だもん」

 

スペなら引っかかる。

 

「おっ、これ美味っ」

 

「ア、自分で食べちゃった……」

 

そりゃあ、元々自分のおやつとして買ったんだから食べてもいいだろう。うむ、やはりにんじんフレーバーは美味い。

 

「デジたんも、はい、どぉぞ」

 

「あの、オロールちゃん。もしかして、そこからしかクッキーが取れない系だったり……?」

 

「うん」

 

デジたんの頬に赤みが差す。言わずもがな、「そこ」とは僕の口元を指している。

 

「……ええいままよッ!」

 

「わ、ちょ、デジたン゛ッ……!?」

 

瞬間、心重ねて……。

おおっと、危うく逝きかけた。まさか、デジたんの方から僕の唇を奪いに来るなんて。

 

「んー……美味し」

 

「っ……ぷはっ!?そッ、それは、ク、クッキーのことを言ってるんだよね?そうだよねっ!?」

 

「ふふ。いやぁ、ありがたいね。残念だけど、引いてダメなら押してみろ理論は僕には通用しないよ、デジたん」

 

本当に甘くて美味しい。ついつい食べ過ぎてしまいそうな風味だ。舌の根元から先まで、純粋な幸福に包まれたような気分になる。僕の自制心は限界を迎える寸前だ。

 

「アァ゛ア〜……恥ずか死……」

 

「おーい、デジたーん。大丈夫?もしかして一口じゃ足りなかったのかなぁ?ン?」

 

うむ。今日もトレセン学園は平和です。

 

 

 

 

 

 

 

 

傾きつつある陽の中、ふと物憂げなため息をつくウマ娘……の周囲をひっそりと取り囲んでいる不審者が5人。言わずもがなスピカの面々である。

 

「あー、こちらO。周囲の安全を確認。実行するなら今だ。オーバー」

 

『こちらG。安全確認、了解。ただいまよりターゲットに接触する、オーバー』

 

「こちらO。作戦の成功を祈る。ところで、G。ターゲットがスピカの看板の前で立ち止まってるけど、あれ何?ダートに埋めるぞ、ってヤツ。あんなのいつ撮ったの?オーバー」

 

『ああアレな。お前らが正月を楽しんでる間、アタシたちは学園に居たんだが。ある日ふざけてウオッカとスカーレットにパイルドライバーしたらよ、トレーナーが「これをポスターに使おう!」とかトチ狂ったこと言い出したんだ。んでもれなくアタシも自らダートにダイビングしたってワケ。アウト』

 

前回の反省を活かしたのかなんなのか知らないが、今回はしっかりと連絡手段が用意された。ゴルシちゃんが持ってきたのは、映画なんかでよく見るタイプのインカム。ウマ耳用もちゃんとあるんだなぁ、と謎の感動を覚える僕の横で「スパイみてぇ!」とはしゃぐウオッカが、見ていてとても可愛かった。

 

「しかし便利だなぁ、デジたんのウマ娘センサー」

 

「ふっふっふっ……!半径200m以内のウマ娘ちゃんなら何人でも検知可能!このデジたんに死角はないッ!」

 

やはり匂いで検知しているのだろうか。とにかく、ウマ娘絡みのことならば、彼女の右に出るものはいないだろう。そう強く実感した。

ちなみに僕はデジたんがどこにいようと検知可能だ。ブラジルだろうが外宇宙だろうがパラレル世界だろうが、デジたんの気配は見逃さない。

 

「おっと、いつのまにかゴルシちゃんがターゲットの目の前に」

 

「あ、ホントだ。うわぁ、ズタ袋を被せるのも、あんなに手際よく……」

 

あわれ、スペちゃんはサングラスとマスクをした変なヤツらに攫われてしまった。どうせ部室で挨拶をするので、僕らもゴルシちゃんのもとへ行く。

 

「ゴルシちゃーん、お疲れ」

 

「おう。……フッ、お前らがいてくれなきゃあこの作戦の成功はあり得なかった。……だってお前らがいなきゃわざわざインカムを買った意味がなくなっちまうからな」

 

と、ここで袋がモゾモゾと動いた。

 

「ちょっとーッ!?誰か、誰かいるんですかっ!?あっ、あの!助けてください!なぜか私、誘拐されちゃったんですけどー!?」

 

「オイオイ、こりゃ誘拐じゃなくて拉致だぜ。いいか、騙したり誘惑したりして連れ去るのが誘拐、有無を言わさず強引に連れ去るのが拉致だ。覚えとけよスペシャルウィーク」

 

「へぇー、なるほど……って!?ちょっ、結局私攫われたままじゃないですか!?というかどうして私の名前を知ってるんですか!?何するつもりなんですかぁ!?ハッ、まさか、身代金目当てッ!?ヒィッ……!?都会怖いッ!」

 

「違ぇから。とにかく大人しくしとけ!……なあオロール、お前なんかコイツ黙らせるモン持ってねぇの?」

 

「あー、っと。そうだ、スペシャルウィークさん。にんじんクッキーありますけど、食べます?もちろん食べますよね?袋の中に入れとくので、どーぞ召し上がってください」

 

「えっ、クッキー!?いいんですか!?嬉しいです、ありがとうございます!今日はいっぱい走ったからお腹が空いてたんですよ〜……」

 

ズタ袋にクッキーを適当に放り込んだところ、彼女はそれっきりジタバタともがくのをやめた。それを見たスカーレットは呆れた様子だ。

 

「えぇ……ウソでしょ?フツー犯人からもらった食べ物を無警戒に口にする?」

 

「ハッ、確かに……!?くっ、でも美味しい……!手が止められない……!」

 

なんだろう、とても心配になってくる。こんなに食べ物に弱いのだから、もし毒でも盛られたら大変だ。まあ、彼女は耐毒性能が高いウマ娘の中でもとりわけ毒に強そうだが。

 

「やっぱよぉ、スピカってクセ強いヤツらの受け皿みてぇなモンだよなぁ……」

 

「常識人ポジみたいな口きいちゃって。ゴルシちゃんだってやるときはしっかりやるヤバいヤツじゃん」

 

「おう、それは否定しねえわ」

 

「ア゛ッ……クッキー、全部食べちゃった……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようこそ、チームスピカへ!!!」

 

「うえぇっ!?ちょ、ここどこで……あっ!?こないだの痴漢の人!?」

 

スピカ部室にて。袋から出された直後に爆弾発言をかますスペちゃん。

 

「は……痴漢……?」

 

トレーナーさんに注がれる冷ややかな視線。まあ実際痴漢の常習犯であるからしてしょうがない。

 

「フンッッ!!」

 

「ああぁ゛痛い痛い痛いッ、待て待て!誤解だ!スカーレット!」

 

トレーナーさんは真っ青な顔で弁解を試みる。だが、いかなる理由であろうとも、ウマ娘のふくらはぎを舐めるように触りまくるのはいかがなものかと思う。

 

「ハァッ、ハァッ……!よし、まずは説明させてくれ。俺は痴漢じゃなくてトレーナーだ」

 

「えっ……?トレーナーさん?」

 

「ああ。このチームスピカのトレーナーをやってる。んで、スペシャルウィーク。今日からお前もスピカだ」

 

「へっ……?っ!?いやいやいや、私!?ムリですよ!?だって……」

 

慌てふためく彼女の目は、ハッとしてとある一箇所を見つめたまま動かなくなった。

 

「スッ、スズカさん!?えっ!?でも、どうして……。だってスズカさんのチームは……」

 

サイレンススズカとスペシャルウィーク。

一期主人公様方が揃いなすった、といったところか。

 

「スズカはリギル所属だ、って言いたいんだろ?実はな、コイツは今日付けでこのチームスピカに移籍したんだ」

 

「リギルはスズカさんの強さを分かってないのよ。その点、ウチのトレーナーはさすがよね。……どうしようもない変態だけど」

 

「なあ、俺何かやったか?当たり強くない?」

 

まあトレーナーさんだし。仕方ない。

 

「スズカさんが、スピカに……」

 

「ああ。どうする?お前、憧れなんだろ?」

 

彼女は一瞬目を閉じ、しかしすぐにトレーナーさんの方を見据えて口を開いた。

 

「……私、スピカに入ります!」

 

「よく言った!改めて、ようこそスピカへ!」

 

サイレンススズカ、スペシャルウィークの加入。

僕の知るスピカが完成しつつある。

 

「なあ、お前……夢はあるか?」

 

「夢、ですか?……それは。っ、私、日本一のウマ娘になりたいんですッ!」

 

「ほう……日本い」

 

「ひょぉぉ〜ーッ!?なんですかそのチョー絶にアツい夢ッ!もう最ッ高!ムリッ……!あぁっ、良きみ、尊みがッ……!」

 

「おーいデジたん。気持ちは分かるけど抑えて。今トレーナーさんが珍しくイイこと言おうとしてるから」

 

「ア゛ッ……すっ、すみません……」

 

ちょっぴり顔を赤らめて僕の隣に引っ込むデジたん。可愛い。

 

「えー、あー、コホン。とにかくだ。スペ。見ての通り、本気で夢追ってるヤツを笑うヤツなんてここにはいない。何を言われようと、お前はずっと前を向いて走れ。それが夢を目指すってもんだろ?」

 

「っ……!ハイッ!よろしくお願いしますッ!」

 

おお、トレーナーさんがカッコいい。さすが、やる時はやる男。

ふと、横から鈴のような声が鳴る。

 

「う〜ん……!尊いィ〜……!やっぱり良きだよねぇ〜、夢を追うウマ娘ちゃん!まさに王道の尊み!一所懸命に取り組む姿、やっぱり、何かこう、心にグッとくるものがあるというか……」

 

「おや、僕だっていつもデジたん一筋、ずっと君に首ったけだよ。つまり一所懸命ってヤツ。どう?惚れ直した?」

 

「ア、いや、それは、まあ、えっと……」

 

ああ、この声、この顔、この反応。そういうところが僕をずっと魅了してやまないのだというのに。

 

「おーい、そこの変態二人。現実に戻ってこい。今どー見ても新メンバー歓迎ムードだろ。イチャついてんなって」

 

「なんだよ、ゴルシちゃん。仕方ないだろ。デジたんが可愛いんだから!」

 

例え空から槍が降ってきてもデジたんの可愛さは揺るがない。いついかなる状況でも尊みに溢れている彼女に愛を伝えることを、いったい誰が止められるだろうか?

 

「……ま、こんな感じでクセの強いヤツら揃いのチームだがな。なぁに、うまくやっていけるさ、スペもスズカも」

 

「は、はぁ……」

 

「……個性的なチームってことですね!」

 

トレーナーさんがいい感じにまとめてくれやがった。

何はともあれ、新メンバー二人が加入。やはり、アニメ一期の内容が想起される。

多少の不安がないわけではないが、まあ大丈夫だろう。今日も地球は回っているし、デジたんは可愛いのだから。




トレーナーがアツい眼差しになるシーン、率直に言って大大大好きです。彼には全人類が惚れる。

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