デジたんに自覚を促すTSウマ娘の話   作:百々鞦韆

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エイプリルフールなので怠惰で亀更新な自分にウソをつきました!!!


永遠の邪念ゼロ

「というわけでライブを乗っ取ってデジたんにチャイナドレスを着せます」

 

「……犯罪では?」

 

「フッ、こんなこともあろうかと」

 

僕はスマホを取り出し、「彼」に電話をかける。

 

「……デジたん、イズ?」

 

電話口の彼が答える。

 

『GOD』

 

「……よし」

 

僕は電話を切る。

 

 

 

「……」

 

「……」

 

「いや何だ今の」

 

「にこっ」

 

「にこって口で言うやつがあるか。誤魔化せねーぞ、笑ったくらいじゃ誤魔化せねーぞオイ。誰?今の?え?なぁ、アタシが知らないだけで、もしもし〜って挨拶はもう廃れたのか?」

 

「うん。今は、デジたんイズGOD!が主流だね」

 

「おう。で、誰じゃ今のは」

 

「ウイニングライブの演出家」

 

「ほう演出家ァ……ぁあ?演出家ァッ!?」

 

「うん。許可取った」

 

「ちょっと何言ってるか分かんない」

 

「じゃ、行こうか」

 

「え?」

 

「行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで許可取った(簒奪した)のでライブの演出をモチョモチョしていこうと思う」

 

「アタシはひょっとすると悪魔を見ているのかもしれない。目的のためならどんな手も使う悪魔を」

 

「なぁに。少し彼にデジたんの魅力を伝えてやった(洗脳してやった)だけさ」

 

「日本語もしくは広東語でおけ。あー、タミル語までならギリおけ」

 

「அவள் எவ்வளவு அழகாக இருக்கிறாள் என்று நான் அந்த மனிதரிடம் சொன்னேன்」

 

「さらに意味が分からなくなった」

 

まあちょっとした技術である。

人間の精神ごとき、僕にかかれば改造は容易だ。

ウマ娘はありのままの心が美しいので改造はしない。

 

 

 

「さて、ライブ開始まであと1時間もない。急いで取りかかろう。まず衣装!勝負服や汎用ライブ衣装もいいが、せっかく海外に来たんだ!ご当地感、欲しいんだよ!ビバ!ご当地文化!」

 

「なるほど?それで、あー、チャイナドレス着るのか……。あ、でも知ってるか?アレの歴史って結構浅……」

 

可愛ければなんだっていいんだよ

 

「お、おう」

 

「曲や振り付けを大幅に変えてしまうのはよくないから、照明なんかを大規模に改造してしまおう。デジたんの桃色の髪がよく映えるカラーの照明を使うんだ。もちろん、他の子たちのビジュアルや雰囲気も念入りに見た上で演出を考えている。どうだいゴルシちゃん。これが突貫工事のメリットさ」

 

まあ、もともとプロが創り上げたライブ演出だ。

今さら僕にできることは案外少ないのだが、こう見えて僕は天才である。デジたんが絡んだとき限定で。

そんな僕がディティールを整えることによって、より美麗で盛り上がるライブを作り上げられるに違いないのだ。断言する。

 

 

 

「いや、どっちにしろ他人の仕事奪うのはよくないんじゃないか」

 

「こんなことあろうかと、スタッフたちにはウキウキわくわくバカンスチケットをプレゼントしている。むしろ、僕が関わらないとライブは回らない状態なのさ」

 

「ちょっと何言ってるか分かんない」

 

「いいから黙って持ち場につけェ!ゴルシちゃん!いや、ゴールドシップ!君も今から急遽ライブスタッフだァ!」

 

「……は?」

 

「まずは本番前の最終チェック!今日のライブでは、曲に若干アレンジを加えて歌ってもらいたいんだ。レースに出走してたウマ娘ちゃんたちに仔細を伝えにいこう」

 

「あ、今?マジ?嘘だろ?」

 

「香港カップに出るようなウマ娘が今さらその程度で怖気付くわけないだろ、イケる」

 

「ああ、せっかく頑張って走ったってのによ、かわいそうに、こんなやつの手のひらの上で踊らされるのか……」

 

「ウマ娘ちゃん、というかデジたんを手のひらの上で踊らせるなど畏れ多い。いいかい、僕は彼女たちの足場だ。泥まみれの靴に踏まれるダンスステージが、今の僕さ」

 

ウマ娘は泥まみれになってこそだよなぁ。

 

「とにもかくにも、新規曲でライブするのはさすがにヤバすぎることくらい分かってるから、アレンジだけに留めておく。リアルタイムでの楽曲アレンジ……。つまりはそういうことさ」

 

「どういうことだってばよ」

 

 

「君の仕事を教えよう。いいかい、君は……DJだ」

 

「……は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

『それではただいまより、ウイニングライブを開催しますッ!』

 

沸き立つ会場。

 

 

 

「……は?」

 

『おいおい、は?じゃないよゴルシちゃん。DJの君が会場を盛り上げてくれなきゃあ。最高のライブにするのが僕たちの仕事だろ?』

 

「……は?」

 

『会場の皆様ァーッ!どうぞ今夜はよしなによしなに!今宵を最高の夜に仕立て上げてみせましょう!皆様がさらにウマ娘を大好きになってもらえるよう、ライブMCを務めさせていただきまぁすッ!僕!まあ名乗る名もないしがないオタクだ!あっこら僕の方を見るなステージを見ろォ!』

 

「……は?」

 

『は?ばっかり言ってないでそれっぽい曲かけるんだよゴルシちゃん!君ならできると思ってDJに任命したんだ!』

 

さて、翻訳の都合上テキストには日本語が表示されているが、もちろん僕はしっかり現地の言葉で話しているので安心していただきたい。

 

……ん?何の話をしてたんだ僕は。

まあいいか。

 

 

 

デジたんがこちらを見ている。ぱっちりお目々にあんぐりお口、なんて可愛いんだあの生き物食べてしまいたい好きラブ愛してる。

 

『じゃ早速始めようぜ会場の皆!晴れ舞台に立ってるウマ娘ちゃんも、まあノリでアゲてくれッ!ぶっちゃけ僕はチャイナドレスで踊るウマ娘が見たかっただけでそれ以外はオマケだ!だから手っ取り早くC’mon DJ Goo!Show me how your feel!』

 

それだけの動機でこんなに世の中を引っ掻き回していいのか?

 

DJ Gooは呆れ顔を浮かべがらも、美しい芦毛を靡かせターンテーブルを華麗に操る。ゴルシちゃんはムダに洗練されたムダのないムダな才能を多く持ち合わせているので、当然DJなど朝飯前。

 

まったく、それだけ多くのスキルを持っているなら、もっと世のため人のために活かせばいいのに、なぜそうしないのか。理解に苦しむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

スリットは世界を救う。

とだけ言っておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけでライブも滞りなく終わったので、関係各所に心の中で謝罪を済ませたのでデジたんを愛でようと思う」

 

「雷だって光ってから音が聞こえるまで若干待ってくれるんだぜ?展開が急すぎないか?」

 

「結果的に会場の熱気は過去一だったし、いいじゃないか細かい話はその辺にポイ」

 

「あぁ、まあ、そりゃ、そうだが。……というか、スタッフその他裏方さん、あまりにも理解を超越した出来事が突如襲来したせいで、怒るとか取り乱すとかより先に、思考が止まってたよな」

 

「我ながら情報量が多すぎたと思ってるよ?でも仕方ないと思うんだ。この世界の言語じゃデジたんの尊さを表現できない」

 

「絶妙に話がズレてるいつも通りのお前で安心したぜ。アタシが言いたいのは、海外遠征中のチームメイトを勝手に追いかけ、ライブ演出家を洗脳してウマ娘たちに好きな衣装を着せてDJを呼ぶ、という一連の流れの情報量をどうにかしろって話だ。rar形式で圧縮しろ」

 

「デジたんかわいい」

 

「不可逆圧縮すんなはっ倒すぞ」

 

「ちなみにデジたんファンクラブの会員は『デジたん』という語彙のみで、イントネーション等々を微調整して意思疎通できるよ」

 

「怖っ……」

 

ちなみに本当の話だ。

まあ基本的にデジたんの素晴らしさに覚醒(めざ)めた人間は「尊い……」以外の感情を抱けないので、意思疎通も非常にイージーなのである。

 

「つか、どう事態に収拾つけるんだよ。菓子折り程度じゃ済まねぇだろ。いっそ開き直ってゴルゴル星の土地権利書とか、関係各所に渡しとくか?」

 

「デジたんファンクラブ会員証を渡しといたから問題ないよ」

 

「おおお……。まあオメーが言うんだから問題ないんだろーな、うん」

 

「とはいえデジたんファンクラブはクリーンで公正な組織なので、僕がやらかしたことの後始末とそれとはまた別の話だよ」

 

「えぇ……」

 

まあ、どっちにしろ問題はない。

僕はそういうの得意なんだ。つまり、後始末が。

 

「いやぁ満足、満足、大満足!香港まで足を運んだ甲斐があったよ!全てデジたんを布教するためだ!この世をデジたんで満たすまで僕は自らを省みない」

 

「反省しろこの迷惑ウマ娘が」

 

「イヤだね!僕は自分の歩んだ道に後悔などない!従って反省もまた、ない!」

 

「ダメなタイプのポジティブ野郎だコイツ。他人にかける迷惑の規模のデカさに気づいていながら省みねぇんだよな。しかも後に有耶無耶にするテクを心得てて、タチが悪い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、ホテルの一室にて。

あ、ホテルってのはちゃんとした文字通りのホテルで、変な意味はないからね。安心してくれよ。僕はデジたんの第一のファンにして友人以上の関係を築いていると自負してはいるが、ラインは越えないからな。そもそも、同じ部屋で眠ることなんざ、寮でもやってる。

 

「オロールちゃん?この部屋、ダブルだよ?急遽泊まる人数の変更したせいで、ツインベッドの部屋が空いてなかったから仕方ないとはいえ……」

 

「おおっと僕の脳内モノローグを読みおったなこの天才ウマ娘め。可愛いなぁ君は相変わらず可愛いなぁ。いいじゃないかダブルベッド。控えめに言って最高だ」

 

「変なことは……。いや、考えるわけがないですねヨネ同志。同志ゆえに分かりますよ、このシチュがどれだけ垂涎モノなのかということくらい、あたしにも理解できますよ。ただしッ!ラインは、越えないッ!そうだよね、オロールちゃん?」

 

「もちろんさぁ!」

 

「返事が怪しい……。いや、まあ、そんなこと絶対しないっていうのは分かってるんだけど……。こう、ヲタクとしては、どうしても、『ホテル』の三文字から既に並々ならぬオーラを感じてしまうというか」

 

「えっちぃ?」

 

「そうだけどっ!そうじゃないっ!」

 

「ふぅん?」

 

ヲタクの言うえっちぃ、という概念を哲学的に解釈してみると、シンプルなエロティシズムに帰結するわけでもなく、実のところソレは色々な感情の交錯の果てに導かれた概念なのだ。

 

正確に言うと、えっちぃはえっちぃだ。

その言葉は確かにえっちぃことを意味する。

 

しかし解釈とは如何様にも広がるものだ。

えっちぃ、を単なるエロティシズムとして解釈するのはあまりにももったいない。

 

とどのつまり、現代において用いられる「えっちぃ」という語彙には、ヲタク文化の影響が多大に含まれているため、意味の含有量が豊富なのだ。

 

視覚的な美しさだけでなく、単なる物理的なものの根源にある、生命のエネルギーとしてのリビドーすらも包括的に表現可能なのが「えっちぃ」というワードなのだ嘘です。全部嘘。

 

「あぁ〜デジたんかわいいすき」

 

「またいつもの語彙力低下が始まった……」

 

えっちぃとはデジたんのことだ。

昔のえらい人たちが自分で自分の思慮深さを体験しキモチよくなるために開発したリビドーとかアガペーとかそういうゴチャゴチャした概念とは一切関係なくシンプルに見ていて心が安らぐ存在、それがデジたん。

 

この世の全てはデジたんに帰結する。

 

 

 

ちなみにここまでの思考に要した時間は0.2秒。

 

「あ、そうだ。デジたん。マッサージしたげよっか?」

 

「えっ……………………………お願い、しようかなぁ」

 

「間。なんだいその間。迷うな。迷えば、敗れるぞ」

 

えっちぃくはないぞ、僕のマッサージは。

言っておくが「ガチ」だ。

 

スピカの皆の身体を労り、最高のコンディションを保つため、僕は責任を持って習得したのだ。マッサージ技術を。

 

 

 

「はい、じゃうつ伏せになって。服は脱がなくて結構。僕を喜ばせたかったら脱いでもいい」

 

「アッハイ」

 

彼女はパジャマのボタンに手をかけたが、脱がずにうつ伏せになった。

 

ふふ、それじゃあまずは身体をほぐしてあげる。血行を促進して、君の筋肉の緊張をほどいてあげるからね。ゆったり、僕に、身を委ねてみて……

 

「えっと、耳元で囁くのはマッサージの一環なの……?」

 

囁き声にはリラックス効果があるんだ。研究でも証明されてる。愛を込めたウィスパーボイスに酔いしれてくれよ

 

「怖いからやめてください」

 

「アッハイ」

 

「えと、それじゃあ、その……お、お、おおお願いしますっ?」

 

「僕に任せろっ!」

 

なめるなよ。

こう見えてしっかり勉強したんだぞ。

 

「ウマ娘は脚を酷使するから、しっかりケアしないと、ね。筋肉の奥深くから揉みほぐして、パーフェクトな快楽をお届けするよ」

 

「……おおおおおおおおあ゛っ」

 

デジたんがよく分からない声を漏らす。

 

「いい声だ。そうだろ?喘ぐ暇なんかないだろ?これが僕の本気だ。邪念ゼロだからなこちとら。君をひたすらにケアする」

 

「たっ、確かにっ、これはっ、すごっ……!むりやりエッッな声を出そうとしても出来ないくらいにシンプルなリラクゼーションがあたしを襲うっ……!」

 

「まだまだぁっ!筋繊維を一本一本縫い直すような心意気で僕はマッサージしてるんだ。ぶっちゃけ最初はちょっとエッッな雰囲気を期待したけど今となっちゃそんなことはどうでもいい!もう君の身体しか頭にない!

 

君の身体(を癒して快適な睡眠をもたらすこと)しか頭にない!

 

 

 

「そういえば……。トレーナーさんもマッサージできるよね。ウマ娘ちゃんを教える立場ともなれば、そういう知識も必要なんだよね……」

 

「うん。あの飴オヤジも一応世間一般ではエリートの部類に入るから、かなりハイスペだ。マッサージも僕と同じくらいには上手い」

 

「自惚れてるわけじゃないのが分かりますよぉ……。オロールちゃんがマッサージ技術を習得した目的を鑑みるに、相当な熟練度であることは容易に予想できますからねぇ」

 

「やっぱり君、トレーナー向いてると思うよ。洞察力が高い。とにかく、トレーナーになるならマッサージを覚えておくべきだね。うん、それで今度僕の身体もぐちゃぐちゃにほぐしてくれよ」

 

「言い方がきもちわるぅぅぅう゛っゔぁ゛っ」

 

「発言には気をつけるんだデジたん。僕次第で君を一切のエロティシズムと関係ないシンプルなリラクゼーションによってもたらされる快楽に突き堕とすことが可能なんだぞ」

 

「堕っ、堕とされるッ……!?シンプルなリラクゼーション効果があたしを襲ってくるっ!待っ、ちょ、眠気が……」

 

ンおやすみィっ……

 

渾身のネットリボイスだ。

喰らってくれ、デジたん。

 

 

 

「スヤァ」

 

「よし、僕の勝ち」

 

ノリノリになりすぎて、最後には何と戦っているのか自分でもよく分からなかったが、とにもかくにも、隣の部屋にいたゴルシちゃんが翌朝白い目で見てきたことは確かな事実である。




うまゆる!見てると、僕の「何も考えず脊髄で書く」スタイルは間違ってなかったんだと安心します(?)

ウマ娘世界は実際かなり現実が垣間見えることが多い印象ですが、うまゆる時空しかり、まあぶっちゃけ何も考えず書くスタイルも許容されてると思うんです(適当)

適当じゃダメだな()
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