HALO:IF battlefield of SPARTAN   作:コレクトマン

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序章 超兵士の目覚め

 

 

ある世界の一つの惑星で、人類とエイリアンの戦いが起こっていた。人類を滅ぼそうとするエイリアンはプロフェット族というエイリアンを筆頭に様々な種族のエイリアンを束ね、宗教軍事国家

“コヴナント”と名乗り人類に存在自体が異端という一方的な押し付けと同時に宣戦布告をした。コヴナントが攻略しているその惑星は、人類にとって重要な軍事拠点でもあり、距離的に地球から近い惑星でもありコヴナントに攻略されてはならない惑星だ。

 

その惑星の名は“リーチ”。コヴナント艦隊のプラズマ砲によるガラス化で人が住めない星へと変えられ、人類を確実に追い詰めていた。そんな惑星で、人類のある一人の兵士……もとい、人類の希望である超兵士SPARTAN(スパルタン)がたった一人で戦い続けていた。

 

そのスパルタンの(コード)は“SPARTAN-Ⅲ A(アルファ)105”。彼は人類が生み出したスパルタンの一人で、コヴナント戦において唯一無二の強さを持ち、別の意味で最強のSPARTANである。彼の周りには無数のエイリアンたちの死体が山のように積み上げられていた。ある者はアサルトライフルで撃ち殺され、またある者は彼が使用する地球の日本人特有の伝統的武器である日本刀の一つ“打鉄”に斬り捨てられ。様々な手段をもって彼はコヴナント一個大隊を一人で倒したのだ。

 

…だが彼は、コヴナントの総攻撃によって彼の纏うアーマーは既に破損し、所々にプラズマ弾によって焦げた箇所やエリートのエナジーソードに貫かれた痕が多数あった。彼の右手に持つ刀も既に刀身が折れ、刃の部分は既に長きにおける戦闘で刃こぼれていた。様々な傷が至る所に存在していて、そこから血が流れていた。この状態でありながらも彼はまだ生きていたのだ。しかし、度重なる戦闘のダメージと多量出血で肉体は既に死に体であった。そんな彼の状態を敵は関係なく包囲し、それぞれの武器を彼に向ける。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

彼の呼吸はもう虫の息に近い状態。もはや、戦闘続行は不可能だった。それでも彼は左手に持つハンドガンを手放さずにそのままコヴナントの軍勢の方に銃を向ける。すると、コヴナントがある通信をキャッチし、それを聞いた途端に部隊を撤退させる。彼は撤退するコヴナントを見て銃を下ろし、空を見上げた。そこにはコヴナントの主力巡洋艦“CCS級戦闘巡洋艦”がプラズマ砲をチャージし、彼のいる地表を焼き払おうとしていた。

 

彼は逃げたくても逃げられない。体は既に動けるほどの力は残されてはいなかった。だが、彼は後悔はなかった。彼はスパルタンの一員として最後まで戦い抜いた。人類最後の希望を乗せたハルシオン級巡洋艦オータムにいるSPARTAN“マスターチーフ”にすべてを託した。

 

「チーフ。後は……任せたぞ………」

 

その言葉を皮切りに彼は意識を手放した。それと同時にコヴナントの巡洋艦からプラズマ砲からビームを照射し、彼がいる地表ごと焼き払うのであった。

 

 

 

惑星リーチ 2552/08/30 22:00

 

SPARTAN-Ⅲ A105 NAME:KAITO “M.I.A.”

 

 

 

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彼ことカイトは、どの位時間が経ったのか分からずにいた。その代わりに何か暖かい感じと草むらのサワサワとした音が聞こえた。

 

「っ……。ここは…?」

 

カイトは何とか体を起こして周りを確認すると、そこは緑豊かな田舎町の風景であった。しかし、カイトにとってこの場所が何処なのかが重要ではなかった。

 

「…何故俺の体が?あの時、コヴナントの巡洋艦の砲撃で肉体もろとも……」

 

自身の体は文字通りコヴナント巡洋艦の砲撃で肉体もろとも焼き払われた。しかし体に負った傷はなく、今もなおこの世界に存在している。ここが俗に言うあの世なのかどうかは分からない。だが、こうして意識があると同時に認識ができる以上あの世ではないことは明白だ。更に決め手となるのがカイトが生前に使用したUNSC(国連宇宙司令部)陸軍の旧式突撃銃“MA37 ICWS”とサイドアームの“M6G マグナム”、そしてカイトの愛刀である日本刀の打鉄が完全な状態で整備され、装備していた。実際にアサルトライフルとマグナムの残弾を確認し、弾はまだ余裕にあると判断してチェックを終える。

 

何故自身がこの未知の惑星、あるいはことなる世界に蘇ったのか未だに謎が多いが、そんなことはどうでもよかった。寧ろ自分だけが蘇ったに罪悪感を抱いていた。

 

「また俺は生き残った…いや、正確には蘇ったか。地獄に落ちるはずが結局は行けずじまい。神を信じているわけじゃないが、どうやら神は俺が楽になることを許さないようだな」

 

そう呟くカイトはこの場でじっとしているわけにもいかず体を起こし、この惑星の地域の情報を得る為に行動に移そうとしたその時、重く響く聞き覚えのない砲声が響いた。その音を聞いた瞬間カイトはその場で伏せながら周囲を警戒する。そしてカイトの目に映ったのは、風車が爆発で砕け散る瞬間だった。砲弾が命中したのだと、理解すると同時にこの町が何者かの攻撃を受けていると判断した。

 

「この町は何処かの軍に襲われているのか?だとしたら…」

 

カイト自身はこの後の行動に対してある戸惑いを抱いた。この惑星の国家同士の戦争に異物でもあるカイトが不穏に戦争介入してしまえばこの先どうなるかわからない。しかし、町が襲撃されて民間人も巻き込まれている可能性があった。

 

「…腹を括るか。アルファ105、介入行動に移る」

 

別世界の人間だとしても民間人を見過ごすわけにもいかず、カイトはMA37をアーマーの背部にマウントし、M6Gを取り出してそのまま町へと向かうのだった。

 

 

 

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町に着いた時には既に銃声や民間人の悲鳴が響いており、この町は既に戦場と化していた。カイトは敵は誰なのかを見定める為に周囲と民家を一つ一つクリアリングし、取り残されている民間人がいないかを確認した。

 

「どうやら民家に人はいないようだな。逃げ遅れている民間人がまだ家にいるのかもしれないが…っ!」

 

確認しているとヘルメットに内蔵されているモーショントラッカーが三つの反応を検知した。カイトは咄嗟に物陰に隠れてやり過ごす。バレないよう物陰からひっそりと顔を出し、目視で武装した三名の人と民間人を見つける。

 

武装した三名は目の前にいる民間人に対して話しあっていた。そして話し終わった後、武装した三名はそのまま銃を民間人に向けて発砲して射殺した。このような行為を見てカイトは武装した三名は敵勢力と断定し、M6Gをしまって打鉄を鞘から引き抜き、そのまま敵三人の方に向けて強襲する。

 

武装した三人は突如として現れたカイトを目視した瞬間、目の前にいた男がカイトの刀によって胴体を両断される。ほんの一瞬だった。味方が殺されたことに判断が遅れてしまい、敵だと判断した時には既に二人目が切り殺されていた。最後に残った男は銃を重武装兵に向けようとしたが、その前にカイトはアーマーのフロント部分に設置されているナイフシースから収納されているナイフを取り出してそのまま敵に向けて投擲し、喉元に当てる。喉元にナイフが刺さって激しい痛みに苦しむ中、カイトは素早く近寄ってすぐにナイフを引き抜き、そのまま頭に突き刺して苦痛から解き放ってやった。

 

「排除完了。…しかし、敵はこいつらだけではないな」

 

カイトはナイフや刀についた血を落とし、そのまま鞘とシースに戻した後に民家から出て再び捜索を再開する。

 

ある程度歩き、また一つ大きな民家を見つけて警戒しながらも中を探索した。すると奥から話声が聞こえてきた。

 

「なんだこのババァ……ガキを孕んでやがるのか」

 

「めんどくせぇ……まとめてぶっ殺してやらぁ」

 

男の声が二つ。かなり良くない状況だ。

 

特にカイトが今分かったことは二つある。一つはUNSC軍標準言語である英語を男たちが発していた。そしてもう一つは、その男たちは青髪の少女と妊婦に銃を向けていたことだ。

 

「やめてください」

 

少女は妊婦をかばうように男たちの前に立った。すると一人の男は少女の羽織っている布の紋様を見て、より見下すような目で見ていた。

 

「おい、見ろよ。こいつ、ダルクスの布を巻いてやがる」

 

「なんだお前、ダルクス人だったのか?どおりで油臭いわけだ。ババァに油臭ぇダルクス人に……ここは豚小屋かってよ!」

 

完全に危険な状態に陥っているのは傍から見てもわかる。カイトは突入準備としてアサルトライフルを取り出す。その時に少女は家にある一丁のライフルを手にし、男たちに向けながら、気丈な声で立ち向かっている。

 

「この家で、勝手なまねは許しません。今すぐ出て行ってください」

 

「銃を下ろせ!ガキが扱えるシロモノじゃねぇ!」

 

まさに一触即発。下手な動きをすれば、どちらかが引き金を引き、片方は死ぬ。しかし、そんな状況に横やりが入ることをだれも予想はできなかった。

 

「イサラ!」

 

「ん!?なんだ、てめぇは!?」

 

扉から民間人の若い青年が出てきて、青年が持っていた長い杭で近くにいた男に叩きつける。もう片方の男は倒れる相棒を振り返ると同時に、銃を向けようとしたがその前にカイトがアサルトライフルでもう片方の男を射殺する。

 

青年と少女はいったい何が起きたのか理解できなかった。すると別の扉から重装歩兵の様な灰色の装甲を纏う一人の男が出てきた。その男ことカイトは、青年に杭で殴られて気絶している男を見てそのまま近づき、ハンドガンで頭を撃ち抜いて確実に殺した。

 

周囲の安全を確保したカイトは、突如と表れたカイトに反応が遅れて呆気にとられていた青年と少女に声をかける。

 

「…大丈夫か」

 

突然の出来事で呆気にとられていた青年と少女も、彼の言葉にハッと正気に戻る。

 

「あ、ありがとうございます……あなたは?」

 

「俺……か。俺は……」

 

この時にカイトは本名を名乗るべきかそうでないかと悩んだ。しかし、遠くにいる敵は今の銃声を聞いた可能性があるために選択する時間はなかった。そこでカイトは本名を伏せ、スパルタンのタグネームを名乗ることにした。

 

「スパルタン、アルファ105。俺の名前だ。呼びにくかったらスパルタンでも構わない」

 

カイトは青年と少女にそう名乗った。

 

「僕らを助けてくれてありがとうございます。僕はウェルキン・ギュンター、こっちは妹のイサラ」

 

ウェルキンに促され、イサラは頭を下げる。

 

「イサラ・ギュンターです。先程はありがとうございます」

 

ウェルキンにイサラ。この二人の出会いが、カイトにとって運命の歯車が回り始めた瞬間でもあった。

 

 

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