アフターシンエヴァ「加持リョウジの物語」   作:ヨスキ

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十六 『村の宴会』

 

来るんじゃなかった。やっぱり来るんじゃなかった。

 そう思い続けて30分くらいたった。

 宴会が始まる前の誰が音頭やら、誰の挨拶やら、

 ウンザリ。

 酒をつがれないように湯呑を片手に、正座で同じ態勢のままでいる。誰にも話しかけられたくない。その雰囲気を感じ取って、あたしの近くに来ようとする人はいない。ほんと苦痛。

 だんだんみんな酒が入ってきて無礼講って感じになるんでしょ。ウンザリ。

 だいたいケンケンが不参加でよくて、なんであたしが参加しないとダメなのよ。おかしいじゃない。女が料理とか下準備してて、男も力仕事してたけど、終わったらどっかり座って勝手に飲み始めてて。あの大工のおっさんなんて、ケツに何か隠してるから動けないみたいに動かないわよ。それで今は酒が入ってガハガハ笑ってる。その周りにご機嫌とりの若い男や若い女がいて、ホントウンザリ。

 それぞれ役割があるのよ、とかヒカリが言ってたけど、女の役割ってなによ、水商売して金稼いでるならともかく金にもならずに媚売ってるみたいじゃない。男も料理しているやつもいたけど、あのおっさんみたいに何もしない奴もいるじゃない。ほんとウンザリ。

 ヒカリもよくあのおっさんの相手できるわね。ちょいちょい話をしては一緒に笑って、おっさんが気持ち良さそうなのが腹立つわ。

 あちこちお酒が入ってきて、騒がしくなってるけど、いつになったら帰れるんだろう。

「アスカさん」

 振り向くと顔が赤くなった村の若い衆が数人座ったままあたしの近くに来ていた。

「お疲れ様です!」

「あぁお疲れ。」

「あの、これ。」

 そういって徳利とおちょこを目の前に見せてきた。ついにきた。面倒くさい。

「あんたあたしにご機嫌取りにきたりしなくていいわよ。他の奴も。」

「いえ!そういうわけじゃないす。俺たちホントはアスカさんと飲みたいとずっと思ってて。」

「そうなんす。だから今日すごい嬉しいです。」

 苦々しい気持ちが喉元まで上がってきた。吐いたらかえってもいいだろうか。飲んでないけど。

「お酒とか、嫌いですか」

 もう完全に酔っぱらってる。もう苦痛。でもさすがにそういうと悪い気持ちになるだろうからそれは黙ってた。さすがにこの場をしらけさせるのは、どうかと思ったから。周りでも笑い声が大きくなって、統制と言うか調和と言うかが無くなっていた。喧噪っていうのかな。

 あたしのうしろで騒いでいた男の背中がぶつかったけど、無表情、無感情にしていた。

「嫌いじゃないけど、あんま飲まない。」

「マジですか?飲みそうですけどね。アハハ。」

 何が面白いんだかわからない。

「すいません。お近づきにいっぱい、いかがですか。」

「あぁ。うん。」

 おちょこに徳利を注ぐ男の顔を見るのも嫌だからおちょこだけ見つめてた。注がれた酒を一息に飲み干すと、おおおおおお、とか声があがる。もうそれだけでも面倒くさい。肩を小さくしてる男に返杯してから念をおした。

「ほんとに、ご機嫌とりにこなくていいから。」

「いやほんとに話とかしたくて。隣座っていいすか。」

「・・・ダメ」

「あ~~~~~~~振られたぁぁぁぁぁ。」

 おどけた若い男衆が、同じようなリアクション。全く反応しなかった。帰りたい。

 誰か助けて。

「アスカ」

 珍しくヒカリが隣に座った。そういえばこうやって近くで話をするのは、本当に久しぶりだ。いつもはヒカリには家族がいるから、気を使って、こうして二人きりで話す機会をあたし自身避けてきた。こうして二人で飲むだけなら、宴会の席でもまだ我慢できるんだけど。

 ヒカリが横に座ると、所在無げな男衆は会釈して、別の団体に飛び込んでいった。

助け船が来た感じかな。

 そういえば、大工のおっさんはさっきよりトーンダウンしているのか、一人でチビチビやってる。もしかしたらお小言でも言って、ちょっと凹んだのかな。大したものだな、と思った。

 いい気味だ。

 しばらくヒカリとお酒を飲みながら、鈴原とのなれそめを聞いた。人の話なら、すごく楽しく聞いていられる。キャアキャア言う性格じゃないけど、あたしだって興味がないわけじゃない。中学の時を思い出していた。

 楽しくなっていた。

 

「じゃあ、男衆は片付けはじめんで。」

 宴もたけなわ、鈴原が声をかけると、男たちが重い腰をよっこいしょ、とか言いながら上げ始めた。各々ビール瓶やら皿やらを流しの方へ持って行ったりしている。

 ヒカリと話していたのは楽しかったけど、それでもやれやれ、やっと終わるのか、と思って、あたしも立ち上がろうとしたら、あたしに近づいてきた鈴原があたしの肩に手を置いて

「おまえはせんでええ。」

と低い声で言った。

 たぶん、あたしがはじめ仏頂面でほとんど手伝わなかったから、不機嫌になったんだろう。まぁ別にどうでもいいけど。座ってろ、っていうから座ってた。あたしは参加したくなかったんだから、あたしに対して不機嫌になるのも違うんじゃない?

ガチャガチャ音がしだして、段々と座敷から座卓が減っていって、あたしはまだ部屋の中心で座り込んでいた。ヒカリは隣から動かなかった。

「今日はアスカとお酒が飲めてホントよかったぁ。」

「お酒強いのね。」

「遺伝よね。お父さん強いから。」

「あたしあまり飲む機会無かったから、よくわからなかったけど。」

「・・・もっと飲めるでしょ?」

「いやもう結構飲んだ気がする・・・・」

 ちょっとしてから、違和感に包まれた。

 流しの方に目をやると、さっきまで楽しんでいた男衆が背中を丸めて片づけを始めてる。年配のお母さんたちも笑顔で片付けをしている。同じ世代の女衆が動かない、というか、気が付くとその人たちに取り囲まれていた。

 あれ?

「アスカさんと飲むのはじめてよね」

「そうねぇ。やっとみんなの結束が固まるって感じよね。」

「ほんとようやくね」

 名前は知ってるけどほとんどしゃべったことない女の人6人くらいに取り囲まれている。全員があたしの方を向いて、徳利とかビール瓶とかを持っている。

「あたしたちホントアスカさんと仲良くなりたくて、」

「それでヒカリさんに頼んで、先生に協力してもらったの。」

「男たちは普段楽しんでるけど、たまには女だけの飲み会をしたい、って。」

 ヒカリの方を見返してみると、いつもの笑顔のまま固まってる。はじめて何か小さい恐怖を彼女から感じた。

 鈴原があたしをここに留め置こうとしていた理由もわかった。なんであいつが少し真面目な顔をしていたかも、少し想像ができた。

「さ、じゃあまずお近づきの証に」

「え、いや、もうお近づきとか」

「何言ってるの、村には村の掟があるんだから、どんどんどんどん近づきましょう。」

 もう何を言ってるのかわからないところを見ると、酒が回ってるのは間違いなさそうだが、手を休めようという気はなさそうだ。

「さぁさぁ」

 そういってあたしの持ってたお猪口に隣の女の子からお酒が注がれたけど、ちょっとだけこぼれて手にかかった。

「あぁごめんなさいぃ。」

「もうあなた何やってるのよ。」

「いや、気にしないでいいわよ・・・」

 そう言いかけると、ここにいる中で一番若い女の子になるこぼした本人が、あたしの手にかかった酒を口ですすった。驚いて固まっていると、フフッと笑っているその子の顔は完全に酔っ払いのそれだった。それを見て笑いながら別の女の子がその子の背中を叩いている。 

「・・・ホントキレイ」

「・・・え?」

 気が付くとあたしより若そうな人が、あたしの髪を指でもてあそびながらうっとりしていた。

「今さらですけど、ハーフなんですか?名前とか」

「あぁ、うん。まぁ、そういう感じ。」

 細かいことを説明できず適当に返事をしたけど、それを聞いた数人が

「スタイルも良いし、格好いいですよね」

「肌つやつや。あたしより年上っぽいのに。なんで?」

 急にほめられ始めて、はっきりいって居心地が悪かった。おかしい。男が酒を注ぎに来てた時はわかりやすかったけど、それとは違う居心地の悪さがまとわりつく。

「アスカさんってヒカリさんの同級生なんですよね?」

「そうよ。編入してきたの。同じクラスでね。」

 笑顔で小さく話すヒカリだが、何か含みがあるような気がして、落ち着かなかった。

「それで、なんで若かったり若くなかったりするんですか?」

「え、いや、これまで乗ってた機体の影響で体が・・・」

「原因はどうでもいいの」

 ヒカリは低い声でそういうと、音もなく立ち上がった。それからゆっくりとあたしの正面に歩き出した。宴会場のライトの光が後ろからさして、ヒカリが影になって表情が読み取りにくくなった。殺意を持っているのか、微笑んでいるのか、よくわからない。

「・・・ヒ、ヒカリ?」

 ゆっくり腰を下ろして、両手がゆっくりとあたしの頬を包んだ。

「アスカ」

「はい?」

「あたしたち同い年よね?」

「そ、そうね。」

「じゃあなぜあなたは今あたしより若いの?」

「だから前に乗ってた機体の・・・」

「原因はどうでもいいの」

 ピシャリと、さっきと同じやり取りをして、ヒカリの手に力が入って、目が離せなくなった。ヒカリの目は、すわっている。怖い。

「ピチピチツヤツヤ、知ってる?胸ってしぼむのよ。」

 なんとなく知ってる。赤ちゃんにあげるから?周りのお母さん連中がうなずいてるのが、目線の端に見えた。

「ずっと中学生みたい、かわいい、って思ってたけど、帰ってきたら超奇麗になって、しかもあの相田君と仲良くなってて」

「キャアアアア」

 謎の黄色い声が上がっているけど、よく状況が呑み込めない。あたし顔固定されてますけど。

「それでこんなに若さが保たれてて、村の男たちがチヤホヤチヤホヤ」

 女性のうなりごえが周りで聞こえた。見えない。顔が固定されてるから。

「不公平よ。」

 ゆっくりとヒカリの声が近づいて、顔が近づいて、止まらないであたしに衝突した。そのまま後ろに押し倒された。

 女性陣からきゃあああっという黄色い歓声が上がった。

「ちょっと!酔っ払いすぎよ!こぼしちゃったじゃない・・・」

 口をぬぐって起き上がろうとしたんだけど、お腹に重みを感じて、手首が固定された。馬乗りに乗っていて、天井側に見えるはずのヒカリの表情が、またライトの影になっていて見えなかった。何も話さずじっと見ているのがさらに恐怖をあおった。

「ねぇ、ちょっと、ヒカリ、さん?」

 手首をつかむ手の力が強くて、それから自分が酔っぱらっていてあまり力が出せないことに怖くなって、不安になってきた。まわりを見ている女性陣は、笑顔なんだけど、目が座ってる。

 まずい。

 段々とヒカリの顔が近づく。

「ちょっと待って待って待って、待って!待って待って!」

 女性陣の声がさらに大きくなった。

 

「じゃあ、終わる頃に迎えに来るから。楽しんでって。」

「ありがとう。あなた。ごめんなさい。」

「えぇて今日は。楽しみや。」

 そういって鈴原は座敷に乗り出していた体を、引き戸の向こう側に引っ込ませようとしてた。

「待って!待って待って!あたしも帰る!」

ドタドタと引き戸の方までハイハイの態勢ではい出したけど、片腕と腰と片足に奥さん連中がしがみついていた。

「鈴原!鈴原!ちょっと!」

 スタスタと三和土を歩き出した男に大声を上げた。ゆっくり振り返ってこちらを見る目が冷たくて、不安をあおった。こんな顔見たことない。

「なんですか?式波さん」

 投げつけられた笑顔を張り付けたように、仮面顔になった鈴原がそう言った。ここで見捨てられるのだと思った。

「鈴、原。スズ、原さん、セ、先生!あたしも帰りたい!」

 へばりつけた笑顔が一瞬固まると、さっきの冷たい目線にまた戻った。口を開いたから、何を言うのか聞き逃さないようにあたしも固まった。

「自慢のケツでも見てもらったらどうや」

 低い声でそういうと踵を返して、二度と振り返らず出口から出て行った。何も言えず固まるあたしの後ろで声がする。

「フフフッ」

 背中におぞけを感じてすぐ、4人がかりで座敷の中央に引き戻された。

 

ガラガラ!

「ちょっとやっぱりあたし帰る!」

「ダメよ!アスカ!まだ宵の口よ。最後まで付き合いなさい。」

「あんたたちだけで飲めばいいじゃない!あたしはもう」

ガラガラピシャッ

 

ガラガラ!

「お願い!もう帰して!」

「ごめんごめんごめんごめんもうあれはしないから!アッハハハ」

「ほんと飲みすぎ。もう無理だって。こんな飲んだらあした」

ガラガラピシャッ

 

ガラガラ!

「アッハハハハハ!かわいいアスカさん、さぁ早く戻って飲みなおしましょう」

「もうやだぁ、ほんとお願いもう帰して、もうおひらきにしよ」

「ナニ言ってるの、これからが本番」

ガラガラピシャッ

 

ガラガラ!

「嫌ぁぁぁっ!絶対嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!」

「それでシンジ君とどうなったんですか!?話さないなら絶対帰さない!!」

「嫌ぁぁぁぁぁぁっ!全部じゃなくてちょっとで良いって言ったじゃない!」

ガラガラピシャッ

 

「・・・終わりそうですか?」

「・・・あと2時間ってところちゃうか?」

 

 

 トウジからの連絡を受けて宴会場に行くと、紛争地帯を思わせる宴会場のど真ん中でアスカがヒカリさんの膝枕で真っ赤になって眠っていた。うわごとで、もうやだぁ、もうやだぁ、って言っていた。そのアスカを愛おしそうに見ながら髪をといてあげているヒカリさんに声をかけ、爆弾処理班の気持ちで(どっちが爆弾かわからないけど)引き受けて、気持ち悪くならないか注意しながら、背中にしょって家まで戻ってきた。揺れて気持ち悪くならないか心配だったけど、呼吸はちゃんとしているし、とりあえず家に寝かせて注意してみてれば大丈夫そうだ。

 背中に乗せていても、もうやだぁ、もうやだぁ、って言っているアスカが、少女のようで可愛かった。

 

 家について、ベッドに彼女を寝かしつけた。家はすごく静かで、月明かりが奇麗だった。仰向けに寝かせて、ベッドに両手をついて体を起こそうとしたら、起こせない。首にまた巻き付いた。

「アスカ、寝た方が。」

「ん~~~~~~~~~~~~~~~~」

 完全に酔っぱらっているんだろうけど、ちょっとだけ意識があるようだった。

 腕をゆっくりほどいて、離れようとすると、左手がつかまれていた。

 しばらく僕から左手、右手からアスカの線を順番に見て、じっとしていた。

「・・・大丈夫?」

「ん。ねぇ、Chuして。」

「・・・え?」

 素面じゃ絶対言わないことを言われて、固まってしまった。

「Chu、して。Chu。」

 顔が赤くなってて、酔っぱらってて、少し笑ってる。

 酔っぱらうと、こんな風になるんだな。絶対に普段は見られない。

「Chu。」

と最後に一言いうと、そのままの口で固まってしまった。

 酔っぱらったところをするのは、どうかと思っていたんだけど、お姫様にそこまで言われたら断れなかった。

 ご希望に沿ったところ、口の端まで笑顔が広がったと思ったら、次の瞬間には眠ってしまった。

「おやすみ。」

 寝れないと悩んでいた君が、それでも弱音を吐かず気高く生きていて、僕は泣きそうな気持ちになっていたのに、今こんなに無防備に寝てくれている。

 その姿を見る栄誉を僕にくれて、ありがとう。

 

 おやすみ。

 

 

 ケンケンの視線が気になった。

「・・・どうして照れてるの?」

「・・・覚えてないか。」

 覚え、てません。

「あたし、なにか、した?」

「・・・・・・」

「・・・ねぇ」

「・・・何も、して、ないよ。」

「嘘でしょ!?」

「何もしてないって。」

「あなた何かあるときいつもそう言う言い方する!」

「ちょっと見回り行ってきます。」

「ねぇ!なに!」

 やばい。まっっっったく記憶にない。

 

 頭が重い。痛い。吐かないですんでるのはありがたい。割と自分は強い方だとは、思う。

 ヒカリが異常なんだ。

 今後警戒しなければ。

さっき出かけたケンスケが戻ってきた。

「今日碇と真希波さんが来る日だよ。」

「・・・嘘っ。」

 そうだった。元々の計画でそんな話があったんだった。綾波渚家族が村に来る。二人が街から遊びに来る。みんなで集まって遊ぶ。そんなピースフルな予定が。それが今は大惨事。ヒカリの破壊力。

「掃除。掃除。ウッ。」

「休んでたら?掃除は、最低限はやっておくし。」

「でも、ごちゃごちゃの部屋見られたくない・・・」

「ヒカリさん達と飲んで、次の日午前中に起きられたの、アスカがはじめてじゃないかな?」

「・・・もしかして、あたしをいけにえにした?」

「そんな物騒な話じゃないでしょ。相談は、受けました。はい。」

「後で覚えとけ・・・」 

「ギリギリまで寝ておきな。」

 

 

 

「なんで僕の顔を見るとそんなに顔がゆがむのかな?」

「反射行動よね。」

「悲しいです。」

「気にしないで。心の動きが正直に体に出てしまっているだけだから。」

「何一つフォローする気がないね。」

「仲のいい同級生が揃って嬉しいわね。」

「そうね。ポカポカするわ。」

「これバチバチじゃない?」

「ドロドロやろ。」

「ドキドキかな。」

「カヲル君!」

「シンジ君。久しぶり。」

 ヒシッ。

「「「イチャイチャだな」」」

 アタシとケンスケ、鈴原とヒカリ、レイとカヲル、シンジとコネメガネがいた。8人そろった。リョウジがいたら野球チームができるな。しないけど。外で顔を合わせてた。家にはツバメとアンがいる。ワチャワチャしてきたな。あ、ワチャワチャか。

 

 リョウジの現状を話した。

 家出した。職場には連絡がいったけど、いつまでもとはいかない、クビになるかも。連絡がつかないから、そのままどこかへ行ってしまうかも。ミサトと加持さんの、大事な子供。

 シンジとコネメガネの反応が気になった。

「あんたたち何か知ってるんじゃないの?」

「いや、何も知らなかった、よ。」

「かった?」

「あの、うちに泊まることがあって、何かあるのかな、とは思ってた。」

「言いなさいよ。」

「いや、野暮というか、そういうことは言わない方が、と思って。」

「ムダな気遣いのせいで事態が悪化してるのよ。変わらないわね。あんた。」

「姫、さすがにそれは酷な言い方かと思います。」

「黙れ女房。お前も同罪だ。」

「すみません。」

 それで、遊んでる場合じゃない。リョウジを見つけようって話になった。

 誰も異論はなかった。ケンスケがうなずかないで、黙っていたのだけは気になったけど。

 

シ「綾波とカヲル君は・・・まぁゆっくりしてて。」

レ「わたしも何かするわ。」

カ「僕もリョウちゃんの為に、できることをするよ。」

シ「いや・・・二人は・・・なんかやつれてるし。」

ヒ「子育てって大変なのよ碇君。」

ト「せやで。シンジ。早めに勉強しとけ。」

ヒ「お父さんが何もしてくれないとストレスも倍よ。」

ト「せやで。シンジ。早めに覚悟しとけ。」

ヒ「子供第一。お父さん第五くらいよ。」

ト「せやで。シンジ。泣くときは付き合うで。」

シ「だってよケンスケ。」

ケ「こっちに振るなよ。」

ア「下品な話をふる男って最低。」

シ「すみません。」

マ「ダーリンをいじめないで。」

ヒ「綾波さんたちは、うちでツバメと一緒に遊んでましょう。」

レ「ありがとうヒカリさん。ほんと助かる。」

カ「お世話になります。ヒカリさん。」

ヒ「渚さん。体調悪そうね。休んでてね。」

カ「ありがとう。シンジ君。添い寝してくれるかい。」

シ「子育て頑張ってね。」

カ「・・・順番的に第五の男性として頑張ります。」

ヒ「働き手としては第一だけどね。」

カ「ちょっと泣きそうだよ。頑張るよ。」

ヒ「無理はしちゃだめよ。」

ト「とりあえずケンスケの家で合流しといてくれ。準備したら、ワシも行く。」

ケ「僕もちょっと出てくるよ。すぐ戻る。ゆっくりしてて。」

アシマ「「「了解。」」」

ト「3つ子かおまえら」

犬「ワン!」

 

「いっぱいいると誰が喋ってるかわからなくなるね。」

「せやな。」

 




 最初の方に書き終えたシーンです。最後のワチャワチャ以外。Chu、っていう単語並べてますけど、タグで、渋谷で、ってつけていました。渋谷でChu。知ってる人の方が少ないのかな?
 お酒、睡眠、安心。そういうのを、二次創作というかアフター物として必要だと思って意識して書きました。嫌いな人ごめんなさい。
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