アフターシンエヴァ「加持リョウジの物語」   作:ヨスキ

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二十六 『おまけを君に』

 

「それおまえうちでやる気か。」

「頼むよ。こんなこと二人でできない。」

「修羅場になったら厄介やからな」

「そうだ。」

「黙っておいた方が格好ええんちゃう?」

「いやもう碇と綾波には裏をとった。かまかけたりして。」

「お前えぐいな」

「それに、いつかアスカが、秘密にしていることを気にしてもかわいそうだ。」

「・・・優しいんだか、えぐいんだか。」

「それに僕にだってたまには復讐の時があっていいはずだ。」

 ケンスケが眼鏡を直しながらそう言った。

「やっぱえぐいな」

 

「シンジに初号機に乗せてもらった時のこと、思い出さんか?」

 二人で笑った。

 

 今日はうちに、綾波渚家族と、式波とケンスケを呼んで、夕ご飯を食べていた。子供たちはオヤジさんと近所のお母さん連にお願いして。同級生同士でご飯を食べて話をしたい、という名目だった。

 準備から一緒にやって、ご飯を食べて、ちょっとだけお酒を飲んで話をしていた。仲良く、最近のこと、畑のこと、村のこと、街のことを話した。

 近所の男の子が、近所の女の子のことを好きらしい、という話題になった。女3人がキャッキャキャッキャ話し出したところで、ケンスケが合図を送ってきたので、ばれないようにヒカリに触って合図した。

「あぁ僕も祈念碑の前でキスして欲しいなぁ」

と、ケンスケが言った。

 時間がとまった。

 式波がケンスケの顔を見て固まっている。

「・・・いや、え?」

 ヒカリと一緒にお茶をすすった。

「僕もシンジ君にはしてほしかったなぁ。並んだらしてもらえたのかい?」

 いじわるに渚が言った。

 一瞬顔を渚に向けてから、一瞬でもとに戻った。

「レイ?」

 式波が綾波の方を向くと、綾波は顔をそむけた。

「・・・ごめんなさい。」

 式波の顔が絶望に変わっていく。ケンスケの方に体を向けて、手は子供の怪獣みたいに変な位置で止まっている。

「違うの。あれは違うの。」

「いやいや、いやいやいや。」

 メガネを直したケンスケが一歩分式波から離れると、式波が一歩分近づいた。

 座った状態なのだが、ケンスケがすっと移動すると、式波が中腰ですっと近づく。

 それを繰り返して、食卓を中心にジリジリとした鬼ごっこをつづけた。

みんなでお茶をすすった。

「お願い。聞いて。違うの。あれは、そうじゃないの。」

「いやいや、いやいや、いやいや」

 ケンスケもう、いやいや、しか言うてへん。式波はちょっと泣いてる。首を横に振りながら。

 食卓を1周したあたりで、もうまわれないようにみんなで机を壁際に寄せた。

 畳の部屋にちょっとした広い空間を作った。ケンスケと式波が正対していた。

「いや、ちょっと。お願い。お願い。」

 もうほぼ泣いてる。

 半笑いのケンスケが、眼鏡をはずして、座卓において、式波と正対してから、中腰になってから、手を両手に出した。

抱っこ待ち。

ケンスケ眼鏡外すと優しそうになるな。

 一瞬間があったと思ったら、式波の光速タックルみたいな飛び込みがあって、畳の上でゴロゴロしたあと仰向けになった式波にくっついてるケンスケ。

あとはもう弁解と謝罪と、あとは耳がこそばゆくなるようなセリフが行ったり来たり行ったり来たり。

それからあとは人んちでチュッチュチュッチュチュッチュチュッチュ。

それ見て、ワシ以外の3人が手を叩いて「おめでとう」とかなんとか。

 なに、これ。

「すまん、自分ちでやってくれ。」

 

おしまい

 




 まごころを君に、をもじっただけの、おまけシーンです。浮気なのか?浮気じゃないにしても、どう許すか?というのは、個人的に興味があって、そういうシーン考えて作りました。一応これで終わりです。温かい反応いただけると嬉しいです。
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