後悔はありません。
その日、何もかもがズレ始めたと言ってもいいだろう。
本来存在しないものが現れ、それが大きく関わってくる。
優しい雰囲気が感じられる碧眼に銀色の髪、美しい白い肌を持つ彼は、教室にいる人々を見渡し、まるで幼い少年のような笑顔で言った。
「やあ、僕はロビン・グッドフェロー。イギリスから転校してきた────」
そこで一旦区切り、全員の反応が楽しみだと言わんばかりに笑みを浮かべたまま続けて言った。
「────魔法使いさ」
彼が来てしまったら、それはもう
「これからよろしくね?」
四月十日、俺は「やっとか」と思いながら朝の支度をする。
俺は一度死んでいる。頭がおかしいのではないかと思う人もいるだろうが、そんなことは無い。
と、そんなテンプレから始めているところから察していると思うが、俺は所謂転生者というやつだ。
神とかいう存在と会った訳では無い。だが、俺の姿は生前から変わっていた。
妖精王オベロン。シェイクスピアの戯曲「夏の夜の夢」に登場する妖精。俺はその妖精王オベロンの姿になっていた。
今の時代、オベロンをモチーフにしているキャラクターは多くいる。その中でも俺はFGOのオベロンになった。
なので、「もしやここはFGOの世界か......?」と思ったが、自分の姿が子どもだったので違うとわかった。
妖精は姿が変わらないからね。本当にオベロンだったら最初からみんな知っているあの姿になっていただろう。
どんな世界かわからないまま過ごしているうちに、ある言葉が耳に入った。
空間震。それは、デート・ア・ライブという作品で発生する自然災害......と思われているものだ。実際は精霊と呼ばれる存在が出現した際に発生するものだが、一般人はそれを知らない。
その言葉を聞いた時、ここはデート・ア・ライブの世界だと確信した。
そしてやることも決まった。せっかくオベロンの姿になったんだ。なら、オベロンのように振舞おう。そう思った。
俺が最初にした行動は一つ。<
デート・ア・ライブには<
原作では生き残ったのは当時子ども四人だけと明言されていたので全く期待していなかったが、なんと見つかった。「ハッハァー!夢は諦めなければ叶う!」とどこからか聴こえた気がしたが、確実に幻聴だ。そもそも夢ではない。
当時これは六歳頃だったが、何とかその<
俺が学びたいことを全て学び終わると、その数日後にその人は病に倒れた。
最後に「〈
ここから、俺のオベロンロールプレイはスタートした。
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僕は制服に着替え、普通より少し遅い登校をする。
ん?一人称が変わってる?役に入るにはまず気持ちからってね。口で僕って言ってても頭の中で俺って言ってるんじゃポロッと素が出るかもしれないからね。準備は念入りにってことだよ。
家から学校はそこまで遠くないところを選んだので、十分ほど歩いているとすぐに着いた。
僕は校門を抜けると職員室に向かった。担任になる先生に教室まで案内してもらうことになっているのだ。
僕は職員室の扉をノックして「失礼します」と言って中に入る。すぐに担任になる岡峰珠恵が来て、雑談しながら教室に向かう。
「そういえば、どうして日本に来ようと思ったんですか?」
「そうですね。やってみたいことがあったから、ですね」
「やってみたいこと?それはなんですか?」
「それは────」
今はまだ秘密です。と言おうとしたところで、岡峰珠恵が「あっ」と呟いて立ち止まった。
「ここがあなたが通うことになる教室ですよ」
「案内ありがとうございます」
そう言って中に入ろうとすると、岡峰珠恵は静かに慌てて僕を止めた。
「待ってください!私が入ってきてくださいと言ったら入ってきてください!」
「なるほど、サプライズ、ということですね?」
「そういうことです!」
そう言って胸を張る岡峰珠恵。何となく「タマちゃん先生」と呼ばれていた理由がわかった気がした。
岡峰珠恵が教室に入ってしばらくした後、「入ってきてください!」と言われたので、教室の扉を開けて中に入る。
背筋を伸ばして堂々と、そして優雅に教卓の前に歩いて立った。そしてそこにいる人達を見渡してから、満面の笑顔を作って言う。
「やあ、僕はロビン・グッドフェロー。イギリスから転校してきた────」
そこで一度言葉を切り、もう一度教室の人達を見渡す。
驚き、好意、嫉妬、憧れ。様々な感情が
そして最後に、全員を驚かせる言葉を発する。
「────魔法使いさ」
全員の感情が困惑になった。ああ、突然言ってしまったからか。
気を取り直して、最後の言葉を言う。
「これからよろしくね?」
もちろん、笑顔は忘れずに。
続けられそうだったら続けます。