「やあ、僕はロビン・グッドフェロー」   作:Ask〈アスク〉

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難しい......。


「タイミングは慎重に」

 彼は頑張り者だ。彼は働き者だ。彼は努力家だ。彼は仲間思いだ。

 そんな評価を貼り付けられている。

 

「士道の様子はどうだい?」

 

 だから、彼はその評価を保つために、今はその通りに動いている。

 いや、誰から見ても、彼の最終的な評価はそこで終わる。

 

「ははは......」

 

 一部の人間を除けば、という言葉が前につくが。

 

 

 

 

 

 

 

 十香の件から数日経った。

 十香が来禅高校に転入してきて、教室は一気に騒がしくなった。でも、僕のことを「オベロン」と呼ぶのはやめてほしいかな。注意はしてるんだけど、なかなか直らない。

 僕は一週間に一回、みんなに話を聞かせることにした。おとぎ話のようにキレイで素敵な話を。でも、話せば話すほどみんなが気持ち悪くなってくる。光を見つけた虫みたいに集ってくるからだ。一人になりたい時だってあるけど、一人になれることなんてない。目的のため仕方なくやっているけど、いつまで耐えられるか不安だ。

 ああ、早く来てほしい────。

 

***********************

 

 帰り際に雨が降ってきた。天気予報ではこんなことは言われていなかったのだが、外れるなんて珍しい日もあるものだ。

 もちろん傘なんて持ってきていないので、走る必要がある。家が近くなのが幸いか。

 ......そういえば、四糸乃が現れる日と状況が完全に一致している。ということは、今頃どこかでぴょんぴょん跳ねているということか。見てみたいが、その場所による必要もないのでやめておく。

 さて、いつ戦争(デート)になってもいいように、毒はしっかり持っておかないと。

 

***********************

 

ウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ──────

 

 日は変わって翌日。空間震警報が鳴り響いていた。僕は<フラクシナス>には向かわず、前のように校舎を抜け出す。隠れて服を変えて、耳に機器をつける。

 耳に入ってくる既に知っている情報を聞き流しながら、空間震が発生する場所の近くまで向かった。

 空間震が発生するのを見届けた後、僕は『よしのん』が落ちてくる場所に移動した。ちょうどここは物陰になっており、上にいるASTにも発見されにくいだろう。

 一応、五河琴里に五河士道の様子を聞いておこう。何か違いがあるかもしれない。

 

「琴里、士道の様子はどうだい?」

 

『概ね問題なしよ。......ただ、少し違和感があるの』

 

「違和感?」

 

『ええ、<ハーミット>の好感度は問題ないの。でも、腕に着けてるパペットを使った腹話術での会話を指摘すると一気に不機嫌になったの』

 

 なるほど、特に変わりはなさそうだ。

 

「なるほどね。じゃあパペットについては避けるのが良さそうだね」

 

『ええ、今はそうしてるわ......あ』

 

 五河琴里が話している途中でASTが建物に攻撃した。あ、十香が中に入っていった。......言っても変わらないし言わなくてもいいかな。

 

「何かあったのかい?」

 

『......ASTの攻撃で建物が揺れて、その拍子に士道と<ハーミット>がキスしたわ』

 

「あれ?じゃあこれで終わりかい?」

 

『......いえ、封印されてないわ』

 

「......なんだって?」

 

 <フラクシナス>で観測していた好感度は四糸乃のものではなく、あくまで『よしのん』のものだ。だけど、いくら『よしのん』の好感度を上げたところで封印はできない。

 

『ッ!一旦通信を切るわ!』

 

「え?ちょっと......」

 

 僕が言う前に通信が切れてしまった。大方十香が現れて修羅場になったのだろう。ということは、そろそろか。

 僕は上を見た。

 少し待つと、建物から巨大なうさぎ?が飛びだした。そして、そのうさぎから何か落ちてくる。落ちてくるものをキャッチしてそれが何か確認する。

 

「......ははは」

 

 つい、小さく笑ってしまった。

 それはうさぎのパペット、『よしのん』だった。

 それを確認した()は、持ってきておいた毒を『よしのん』に注入する。

 見た目に変化はない。だがこれでいい。

 俺は『よしのん』を放り投げてその場を後にした。

 

***********************

 

 やることをやったあと、僕は考えていた。僕が退場する時のシチュエーションを。

 やっぱり敵の攻撃から守っての退場がいいよね。オベロンもそうしてたし。でもそんなに状況って全然ないよね。最初の方はそもそもそんな大技使われることなんてないし、最後の方のものだって僕が介入する余地なんてない。

 全員の目を欺く方法はある。なんならもう手は打ってある。だから問題はタイミングだけだ。

 ......いや、見つけた。最適と思われるタイミングが。このタイミングなら全精霊が揃っているし、シチュエーションも最高だ。

 これで懸念点は原作からの乖離だけとなった。まあこれは僕の匙加減かな。僕が変に手を出しすぎない限り、変わりすぎることはない。

 ああ、そういえば、少し前から......正確には『よしのん』に毒を注入する前頃から、彼女(・・)に見られていた。問題ない。彼女には全部話してある。詳しいことまでは伝えてないけどね。

 というか、来てたなら姿を見せてくれてもいいじゃないか。作戦会議だってしたいのに。

 でもまあ、今回も一人でやるしかない。ちゃんとシュミレーションしておこう。失敗なんて、絶対にできないんだから。




だんだん短くなってきてますね......。
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