千景万色たゆたう惑星達   作:蟹アンテナ

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地球型惑星

それはいつから存在していたのか誰も知らない、それ自身も自分が何者なのかを知らないが、自由気ままに空間を漂い、時に意志を持つ者に干渉する。

 

その星は、その星系の中心に鎮座する恒星を太陽とし、様々な生物を生み出し、ごく最近目覚ましい繁栄を迎える生物が惑星の表面を覆わんばかりにその住居を広げていた。

 

「宇宙人は本当に存在したんだ!!」

 

「まるで夢みたいだ!!」

 

「ようこそ青き惑星へ!ようこそ来訪者よ!!」

 

その惑星の知的生命体たちは、砕いた鉱物を特殊な方法で再度固めて住処を作る技術を持ち、その他にも内燃機関と言う無数の成形物の集合体ともいうべき物体を使い、陸地はもちろんの事、海や空、そして宇宙にさえ進出していた。

 

しかし、他の惑星への移住などが行える程では無く、ほぼ全ての者が母星でその一生を終えて行くのだ。

それ故に、かの者が青き海の星に興味本位で干渉した事で、その星全体が驚嘆し母星以外に知的生命体が存在する事に歓喜したのであった。

 

「うぅむ、俄かに信じられん、実体を持たず意識だけが存在する生命体が存在するとは。」

 

彼は、普段は研究室に籠って白衣が普段着と化している研究者であるが、未知の知的生命体の接触により彼方此方に引き回され、数刻前に会談を終えて着慣れぬスーツを窮屈そうにしていた。

 

「っ!いや、悪いとは言ってはいない、しかし全世界同時に声が脳内に直接響くとは思っていなかったんだ。」

 

「だが世界中の人間が何もない空間に喋りかけている光景とは何とも奇妙なものだな、君がそれぞれ同時に対応できることを知っていてもだ。」

 

テレビ画面のニュース番組に、通行人が何もいない空間に喋りかけている光景が映し出され、至る所に身振り手振りしながら同様の行動を取る人々が映されそれの特集が組まれていた。

 

「君は単一の存在であり、複数の意識の集合体・・・・・という訳ではないのだな?」

 

「実体を持たず触れる事は出来ず、物理的に物体を動かす事はかなわないか。」

 

「我々は君が何者なのかその正体を知りたいが、君自身も自分が何者なのかわからないそうだね?益々もって興味深い。」

 

外用のフォーマルな眼鏡から普段使い慣れた愛用の黒縁眼鏡にかけ直し、休憩室の椅子に座る。

 

「君は、何かに干渉するにも意志を伝える事しか出来ない、でも我々にとってたったそれだけの事でも無限の可能性を感じるのだよ。」

 

「例えばだ、君との何気ない会話で出てきた星全体が森で覆われた惑星の存在や氷で覆われつつもその氷中に海が広がる惑星の話など、我々が観測していない未知の天体の詳細な情報は何にも代えがたいものだ。」

 

「もしかしたら、我々以外にも高度な文明を築いている知的生命体が存在するのかな?・・・・・え?その質問は何億回も聞いている?ははは、そうだろうな。」

 

バッグから水筒を取り出し、すっかりとぬるくなってしまったお茶をカップに注ぎ、一杯煽る。

 

「ふむふむ成程、実に興味深い・・・・え?そんなものまで?いや、いかんなそんなものが存在するとは、ある意味知らない方が良かった。」

 

「とは言え、それだけ離れている惑星の生物ならばこの星が寿命を迎える程の時間が経っても互いに干渉する事はないだろうな。」

 

遠い宇宙のおぞましい存在に身震いしつつも、距離の関係で接触する事は無いだろうと安心する研究者。

 

「しかし、実際にあらゆる星々の文明の終焉を見て来た君は我々をどのように見るのか、気になるところだな。」

 

「ふふふ、あえて干渉せずに観察して滅びるに任せた文明も存在したのだろう?それを考えると我々は運が良い。」

 

「む?確かに助言があれば嬉しいが、惑星間を移動しながら子孫を増やしている文明が存在すると言うだけでも励みにはなるさ、彼らに出来て我々に出来ない事は無いのだから。」

 

「さて、我々も他の文明に倣って君の正体を調べさせてもらおうか、君自身もそれなりに興味を持っているんだろう?え?未だに解明されていない?はっはっは、そりゃやりがいがあると言う物さ、解明できれば全宇宙で一番先に一つの真理に到達できるという事だからね。」

 

意志を持つ姿なき存在は、今も空間を漂う、その好奇心の向くままに。

 

 

 

 

地球型惑星その1

 

現代の地球に非常に近い文明が形成されている青き星。

陸と海のバランスが良く、太陽の位置も丁度良いので多種多様な生物が生まれ進化してきた。

地球人によく似た知的生命体が文明を築いており、科学技術も地球程度。

衛星を打ち上げたり、観測機を飛ばしたりと宇宙に進出はしているが、別の惑星に降りたり開拓する程の技術は持っていない。

まだまだ発展途上で、今後本格的に宇宙に植民地を広げる可能性を秘めている。

しかし、惑星全体の文明がまとまっているとは言えず、今なお各地で紛争が起こっている。

また、かの者の干渉によって、それを神として捉える勢力も存在し、それが原因で多数の命が失われる争いも各地で中小規模発生してしまった。

 

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