千景万色たゆたう惑星達   作:蟹アンテナ

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深夜のテンションで気晴らしに書いてみました。
ちょっと短めですがエンジン回しますよ。


御伽惑星

ほぼ無限大に広がる宇宙空間、それすらも1枚の紙片。

無数に横たわる次元にそれぞれの宇宙が、それぞれの物理法則が存在した。

形なき意志を持つ存在は、次元と言う隔たりすらも難なく超えてあらゆる知的生命体に興味行くまま干渉する。

 

「あれ?不思議な声が聞こえたような?」

 

そこは地球型惑星の知的生命体から見てものどかな光景であり、一見地球型惑星そのものに見えるが、そこは別次元の宇宙に浮かぶ惑星、その構成元素も物理法則も地球のものとは違っていた。

 

「気のせいじゃないわね。誰も居ないのに誰かが語り掛けてくる?」

 

形なき意思を持つ存在が草原で花輪を編んでいた少女に干渉をする。

 

「もしかして神様?それとも、この草原の精霊様かしら?」

 

両手に編みかけの花輪を持ち、あたりを見回す少女。

 

「もしそうなら、勝手に草原の草花を摘んでしまってごめんなさいね。あまりにも奇麗だったから…え?違う?」

 

「……そう、あなたは星空からやってきたのね?なら星くずの精霊様なのね」

 

「この草原の草花はあの遠い遠い空から降り注いだ流れ星が芽吹いて地上に星の絨毯を作り出すんですって、あなたも空から降ってきて奇麗な花を咲かせるのかしら」

 

夢見がちな空想の世界に生きている少女に見えるだろう、だがしかし、形なき意思を持つ存在は人の時の流れでは追えないほど長い期間この星を観察していおり、少女の言っていることは事実であると知っている。実際に流れ星が光を放つ花へと成長するのだ。

それは宇宙植物でなく、宇宙空間を漂う魔石の欠片に近い物体で空から降り注いだ後この星に渦巻く意思エネルギーの残滓を糧に植物に似た生態で成長するエネルギー生命体なのである。

 

「え?自分は草花にはならないって?それは残念」

 

「今編んでいる花輪はね、星のご利益がある縁起の良いもので、これを被っていると幸せが訪れるんですって」

 

「花が枯れてしまうまでは確かに良いことが起こると評判なんですよ?体が無い貴方は被ったりかけたりする事は出来ないけれど、ご縁ですし貴方にも良いことが起こると祈っておりますよ」

 

当然ながら彼女の語ることは長年の観察で事実と知っていた。

この世界は空から降る魔石が芽吹き花を咲かせ、縁起物に実際にご利益があるのだ。

そもそも彼女を構成している元素は地球型惑星とは違うし、物理法則も根本的に異なる。

その次元の世界は、その宇宙は伝承やおとぎ話で登場するような摩訶不思議な事が起こる世界であった。

もしここに地球型惑星の知的生命体が居たら、その肉眼に映る彼女の姿は猛烈な光を放つ光球の様な物体に見える事だろう。

彼女と同じ世界に生きる人類が彼女に触れば人間の皮膚同様柔らかい手触りと共にへこみその体温を感じる事であろう。

だが、次元そのものが違うのだ。物理法則が違いすぎるのだ。

 

一見地球型惑星にしか見えないこの世界は、別次元の住人たちから見れば猛烈な光を放つ恒星だったり、半透明の惑星サイズのホログラムに見えるかもしれない。

 

その世界は祈りが実際に奇跡を起こし、意思の力が魔法として発現する世界なのだ。

おとぎの世界、それがこの次元の宇宙に浮かぶ惑星の形態なのである。

 

「きっと良いことが起こりますよ、この花輪のご利益は本物なんですから!」

 

「あら?実はもう良い事が起きている?貴方の姿を見ることは出来ないけれど喜んでくれているならそれで良いわ、この出会いに感謝を」

 

あらゆる次元、あらゆる宇宙に漂う形なき意思を持つ存在は、肉体を持たないが故にあらゆるものごととは無縁であったが、その時は不思議と良い気分であった。

 

それは、彼女が言うように不思議な力が作用して良い気分にさせてくれたのか、それともただ単に彼女と雑談することができた事が理由なのか、誰も知らない。

 

形なき意思を持つ存在は、外部からの干渉を一切受け付けない存在であるが、こういう時にだけでも迷信が事実であれば良いと願うのであった。

 

 

 

御伽惑星 おとぎ惑星

 

地球の存在する次元とは違う物理法則の異次元宇宙に浮かぶ小さな天体。

地球人たちから見たらコンパクトな恒星かまぶしいホログラムか何かにしか見えないが、その膨大なエネルギーが膨大な光の束がその世界に生きる者の体をを作り出している。

地球の存在する次元から見るとエネルギー生命体の支配する惑星にしか見えないが、それはこの世界の住人からしても同じであろう。

互いが互いにその物質を、形態を観測できないのである。

 

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