Lucky!~地球内生命体のせいで宇宙滅亡の危機~ 作:ばにらいむ
東京、ザリガニ党本拠地。
その建物の大広間で、党首・或媚赤座(あるびあかざ)はテレビ画面を見ながら妖しい笑みを浮かべている。
そこには会長が今見ているものと全く同じ番組が映し出されていた。
「クヒヒッ…ヒーローの不祥事とあってはマスコミも報道せざるを得ない……あのクソ真面目な警官にしてはいいアイディアじゃあないか…」
或媚は横に控えていた秘書・燕尾に話しかける。
「ええ。全くです」
「これで次の選挙はいただきだな、なあ、燕尾よ」
それを聞いた或媚は再び満足げにニヤリと笑い、デスクの上に置かれた紅茶を飲み干した。
「この宇宙のすべてが俺の物になる日も近いな…!」
赤い瞳をぎらぎらと輝かせながら、或媚は高らかに声を上げた。
一方、ザリガニ党本拠地。
その建物の大広間で、党首・或媚赤座(あるびあかざ)はテレビ画面を見ながら妖しい笑みを浮かべている。
そこには会長が今見ているものと全く同じ番組が映し出されていた。
「ええ。全くです」
「これで次の選挙はいただきだな、なあ、燕尾よ」
或媚は再びニヤリと笑い、デスクの上に置かれた紅茶を飲み干した。
「この宇宙のすべてが俺の物になる日も近いな…!」
赤い瞳をぎらぎらと輝かせながら、或媚は高らかに声を上げた。
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会長室は相変わらず張り詰めた空気が流れている。
そこには先にたどり着いていた勝利マンと友情マンもいた。
「おっ邪魔しま~っす!」
緊迫した雰囲気をぶち破ったのは、ラッキーマンの素っ頓狂な声だった。
「ら、ラッキーマン!余裕こいてる場合か!!画面よく見ろ!」
真っ先にすっ飛んできた男のロ・マンがラッキーマンの方をガシガシ揺さぶる。
「ちょ、ちょっと何なの?」
突き飛ばされたラッキーマンと、状況が今一飲み込めていない努力マンはモニターに駆け寄る。
露西亜とスパスタだけがその場に取り残された。
「「な…なんじゃこりゃあああっ?!」」
ほどなくしてラッキーマンと努力マンの悲鳴が上がる。
ようやくモニターを確認することができたスーパースターマンは超音波の悲鳴を上げ、露西亜も動揺したような顔をしていた。
「おいおいオヤジ!どういうこった!二人が「指名手配犯」だなんて!何かの間違いじゃないのか?!」
「ワシらもそう思って、今そっちで調査しているが…っていうかその少女…」
会長の声にその場にいた全員が一斉に露西亜の方を見る。
「き、君が露西亜ちゃんなのか?」
その場の何人かが露西亜に詰め寄る。
「ええまあ…私が露西亜です」
「じゃあ君が誘拐された被害者…ってことか?」
「誘拐されたわけじゃないですよ。いきなり変な男に襲われて逃げてきたんです」
と、これまでの事情を説明しつつ、「まいったな」と頭をガリガリと掻く露西亜。
「じゃあ露西亜ちゃんをザリガニ党に引き渡せば片付くんじゃない?!」
覚えのない指名手配をされて冷静さを完全に失ったラッキーマンの、なかなか最低な問題発言が飛ぶ。
「は?何言ってるの?嫌だよ?」
思わずラッキーマンたちを睨みつける露西亜。露西亜を怖がらせまいと前に出るスーパースターマン。
「お、お前ら冷静になれ!そして私にも目立たせろ!」緊迫した空気を完全にまとっ
た部屋に彼の震え声が響く。
「お前が落ち着けスーパースターマン。おそらく或媚は彼女を「父親」として取り戻したがっているわけではなさそうだ。でなければ警察官がわざわざ殺しに来るわけがない。
大方娘を誘拐された被害者としてふるまい、同情票でも貰おうとしてるんだろう」
天才マンがスーパースターマンの肩をぽふぽふと叩く。
そしてくるりとラッキーマンと努力マンに向き直り、「ついでにお前たちを処分して口封じでもしようとしているのだろう」と言った。
「く、口封じ?!天才マン、それっていったい何のために…」
「この天才でも奴らの事情は分からん。あいつらは人間ではないらしいが、思想も、目的も全く不明だ。…だが、これだけは分かる。
我々はとんでもないことに巻き込まれてしまったようだ…!」
「それは知ってる」
真顔で返答するラッキーマン。周りも苦笑いだ。
「こほん…とにかく、命を狙われている以上、むやみに動き回るのは危険だ。こっち
で調べがつくまでこの星にいるといい」
「天才マンの言う通りだな。積もる話もあることだし、飲みながら今後のことでも話そ
うじゃないか!露西亜ちゃんもどうだ?」
勝利マンが露西亜の肩をバシバシと叩き、露西亜は嫌そうに顔をしかめる。
「えぇ…なんで私が…」
「或媚の娘なんだろう?友達になっておかない手はないじゃないか!」
今度は友情マンが露西亜の肩に腕をひっかけ、話しかける。
大方友好関係を築いてザリガニ党のあれこれを聞き出そうとしているのだろう。
いわゆる偽りの友情野郎というやつなのかもしれない。
「待ってくれ兄さん、我々はそんなことをしている場合では…」
苦言を呈す努力マンの背に、ポンと手が置かれる。
「努力マン、今はとりあえず休んだ方がいい。襲われたことで少なからずダメージを受けたはずだ」
「救世主マン…」
「ま、いざとなったら私がこの星ごとキュキュ~っとしてやろう」
「待って救ちゃん、それは困る‼わしの100万年ローンが!」
慣れないジョークをかます救世主。それにツッコミを入れる会長。この部屋の雰囲気
が少し柔らかくなったようだった。
ヒーローというのは私が思っているよりもゆるい人たちの集まりらしい。なら固くなる必要もないのだろう。露西亜はふっと笑った。
「お!ようやく笑ったっス!」
いつの間にか露西亜の右手側にいたナイスマンが彼女の頬をぷにぷにとつついた。
「なになに?今から宴会やるの?!ラッキー!」
「え、宴会じゃない!作戦会議だ!」
「何でもいいよ!いやぁラッキー!」
「喜んでいるところ、水を差すようで悪いが…」
後からヌッと会長が顔を出す。
「ラッキーマン君、君は不参加だ…大宇宙神としての仕事なんかが溜まりまくって
るだろ」
「あ」
ラッキーマンの表情が凍り付く。
向こうで群がられて恥ずかしそうにしつつも嬉しそうな露西亜との温度差が物凄い。
「分かったらとっとと取り掛からんかい!」
会長が何か月分かの書類の束を目の前にズシンと置く。
「こ…こんなに…?!」
「さすが師匠!こんな時でも大宇宙神としての業務に専念するなんて真面目ですね!尊敬します!」
努力マンが歓声を上げている。猶更断りにくくなってしまった。
胸のマークも凶になりそうな勢いだ。
「うわぁ~!ついてね~!」
その後ラッキーマン以外のメンツで広間まで移動し、作戦会議というのは名ばかり
のただの宴会を始めることにした。
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ヒーロー星出入り口付近。
そこに5人の人影があった。
「おい、カチカチ頭…本当にここで合っているのか?」
真っ白な長髪の髪の男が訪ねる。
「ええ。おそらくは。彼女の身体に内蔵されているGPSがこの星だと…」
紫色の髪の男が言う。
「警察を使った意味ありませんでしたわね…ブシャシャシャ~」
黒髪の派手な服の女が口元を抑え、下品な笑い声をあげる。
「静かにしろバカ女、それよりボス、突入はいつで?」
黄色いフードをかぶった、鞭を持った女が訪ねる。
「ふっ…まだだ。突入は…
露西亜殿が孤立してからだ」
次回へ続く