Lucky!~地球内生命体のせいで宇宙滅亡の危機~ 作:ばにらいむ
「露西亜…迎えに来たぞ」
ミネルバと呼ばれた男は一歩一歩露西亜に近づく。
「パパからの命令?あいにくだけど、私は党に戻る気はないよ、絶対に」
「お前は党の機密事項だ。そして俺の大切な人だ。頼むから言うことを聞いてくれ」
表情を一切変えないミネルバ。しかしその声色には懇願とも言える感情がこもっている。
「お 断 り だ !」
露西亜がどこから出したのか、鎖付きの鉄球を構え、鉄球部分をミネルバに向かって降り下ろす。
しかしそれを容易に受け止めるミネルバ。
「危ないな…女の子がそんなものを持ってちゃいけないだろ」
「…っ!」
投げ返された鉄球を間一髪でかわす露西亜。
「危ないのはアンタでしょうが!!」
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同時刻。
「ひゃぁ~!なになになに?!」
爆発音にラッキーマンはおびえていた。
「師匠!」
努力マンが自身を呼ぶ声が聞こえる。
「うわぁ~ん努力ちゃぁ~ん!」
努力ちゃんが来てくれてラッキー!と思い、声のする方向へ急ぐラッキーマン。
「師匠、大丈夫ですか?!」
「うんうん!早く脱出しよう!」
ラッキーマンを抱きかかえ、その場を離れる努力マン。
しかしそれを拒む者が現れる。
「⁈」
突然出現した紫色のレーザーを紙一重でかわす努力。
「申し訳ありません。あなた方はここで…THE END!つまり終わりですわ!」
黒く長い髪に、赤色を中心としたやたら露出の多い派手な服の美女がそこに立っていた。
「だ…誰だ!」
「申し遅れました…私ザリガニ党幹部、ベニティですわ♡」
名乗りながらぶりっ子ポーズを決めるベニティ。これはどうやら糞女の予感だ。
「んんッ…ラッキーマン、努力マン、あなた方は重大な罪を犯しました。よって死んでいただきますわ」
先ほどの緩そうな雰囲気はなりを潜め、その眼は氷のように冷たくなる。
新たな敵の登場におびえまくるラッキーマンをそっと地面に置くと、努力も臨戦態勢に入った。
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「救世主マン、様子はどうだ?」
大広間に戻ってきた救世主マンに、世直しマンが問う。
「敵は5人だ。玄関ホールに一人、西と東の廊下にひとりずつ、中庭に一人、そして…ひとりがこの大広間に向かっている」
「厄介だな…」
「じゃあとりま作戦を…」
「ちょっと待った!今ここに向かってるってどういうことなんだよ?!」
スピードマン改めパシリ一号が救世主マンの胸ぐらをつかむ。
「落ち着けパシリ一号、一度役割を分担しよう」
パシリ一号をなだめながら、冷静に指示を出す天才マン。
「まず一番厄介そうな相手は誰だ?」
「…玄関ホールの奴だ」
「分かった。まず玄関ホールには勝利マン、救世主マンに行ってもらう」
「おう!ようやく戦えるんだな?!」「ラジャ」
同時に返事をする勝利マンと救世主マン。特に勝利マンの顔はやる気に満ちていて少し怖い。
肩の鰹もビチビチと跳ねており、水を得た魚状態になっている。
「次に西の廊下には友情マン、一匹狼マンに行ってもらう。向かう途中に努力マンがいるかもしれんから保護を頼む」
「よし、合点承知の助!ナンチャッテ」「…ガル」
「もう一つの廊下はセーラーマン、ナイスマン」
「了解ッス」「分かったわ」
「中庭はトップマンと世直しマンに頼む」
「ラジャ」「分かった」
持ち場に着くために散り散りになる面々。天才マンは残った者たちに支持をする。
「よし、残りは玄関ホールに向かっている敵の殲滅、そして避難誘導だ。私は会長の護衛!行くぞ!」
「「「「「「いよっしゃぁ!」」」」」」
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中庭では攻防戦が続いていた。
露西亜が鉄球での攻撃を仕掛けるも、防がれ跳ね返される。
負けじとミネルバが刀での攻撃を仕掛ける。間一髪でよけるのが精いっぱいだ。
「つぅっ!小癪な!」
「所詮は敵う相手じゃないんだ、諦めて戻ってこい。今ならまだやり直せる」
「…~うるさい!黙れ!」
ミネルバの猛攻を交わしながらなんとか声を絞り出す。露西亜の体力はもう限界
寸前だった。
(このままじゃらちが明かない…!目立君を守りながら戦うのは限界がある…逃げる…のは不可能か…!すぐにルートを絞られる!今ここで戦って勝つしかないんだ!でも…!)
「隙を見せたな」
「⁈」
「露西亜ッ!」
目立の声が聞こえた瞬間、ばきりという音が響く。
露西亜のきき腕が折れたのだ。
「痛ぅっ…(これではもう鉄球は持てない…!)」
「おいおい!大丈夫か?!ここは私に!」
スーパースターマンが露西亜に駆け寄る。腕には星形のカッターが握られていた。
「下がれって!君が勝てる相手じゃない!」
「そんなわけにいくか!私にも目立たせろ!」「そっちか!マジふざけんな!逃げてろ!!」「大真面目だ!」
言い争いを始める二人。
「もういいか?それならこっちから行かせてもらうぞ!」
「ヤバい!目立君、逃げて!」
露西亜がスーパースターマンを思い切り突き飛ばす。
「おい!」
叫ぶスーパースターマン。
ミネルバが露西亜に手を伸ばす光景が目に入る。
その先の光景は見たくないな、と、スーパースターマンは目を閉じた。
「うぐぁ!」
悲鳴が聞こえる。しかしその声は露西亜のものではなかった。
そう。ミネルバの声だ。
スーパースターマンは恐る恐る目を開ける。
「お前はそこまでだ」
見ると何者かがミネルバの腕をガッシリ掴んでいる。
「よ…よっちゃん!」
「全くお前たちは…特に露西亜ちゃん、お前だお前、狙われている立場なら単独行動は危険だろう」
「大丈夫?」
もう一人の男――トップマンが露西亜に駆け寄る。
「大丈夫…でも腕が折れたかな」
「ちょい!私は無視か?!」
「あ、いたのかスーパースターマン…忘れてた」
「うぉい!忘れんな!私は主人公だぞ?!」
「く…クソが……こんなことをしてお前ら無事じゃすまないぞ…」
ミネルバが呻く。
「すまないだろうな。だが、困っている少女を見捨てるほどヒーローは非道ではない。それに私は暴力で人を従えることが嫌いなのでな」
「お前が言うな」
真顔で冷静に突っ込むスーパースターマン。そのスーパースターマンの股座に世直しマンは思い切り蹴りを入れる。
「ひでぶ!」とどこかで聞いたことのあるうめき声をあげ、彼は崩れ落ちた。
「め…目立くん…」
「うほんっ!とにかく、会長たちが待ってるんだ、このまま拘束させてもらう」
世直しマンがミネルバの腕を捩じり上げ、中庭を去っていった。
「糞っ!露西亜…露西亜ッ…!」
「さ、私たちも戻ろう」
トップマンも露西亜を抱えて世直しマンの後に続く。
スーパースターマンは「ジジイ達大丈夫かなぁ」と一人小さく呟いた。
次回に続く。ちょっと遅くなります!